普通少女のヴィランアカデミア   作:火ノ鷹

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帰省するのが30日なので29日までは投稿予定。実家にPC無いから書く気失せてそこで一度更新止まります
再スタートは未定、ストック無くなるし。

まだ描写してないので伝わってないと思いますが、成生のレーザーは一瞬だけの出力だけでなく数十秒以上にわたって出力できます。常時出力ではライトセーバーみたいなことになります。
疑似ブラックホールを焼き切るとかやってたのはこっちです。

成生ちゃん「射程3~5km近くあるライトセーバーってヤバくない?」

ヒーロー「両手で10本ある方がヤバい」

成生ちゃん「何と今なら!髪先とかからも出せます!」

ヒーロー「シンゴ●ラじゃねーかおいバカやめろ」


USJ襲撃後

「ってぇ……」

 

弔が黒霧のワープゲートから這いずるように出てくる。成生の方はというと、スタスタと先んじて早く着いており、バーの中に入りオレンジジュースをコップに注ぐ余裕すらあった。

 

「両手と左足撃たれた……完敗だ……」

 

愚痴ではない。やりたいことだからやってみて、失敗したから後悔する。誰だって当然の考え方だ。

 

「脳無もやられた……手下どもも瞬殺だ……子供も強かった……」

 

そこから反省して次に生かすこと、それこそが大事なのだが……弔は今回が初めての失敗だ。すぐさま生かすというのは難しいのだろう。

 

「……」

 

オレンジジュースを飲む私は何も言わない。オールフォーワンとの約束だ。きっと弔の成長のために、「負けた」という経験をさせておきたかったのだろう。

 

私は「普通」だった。「普通」は社会的に真ん中であるということでもあるが、真ん中ということは優秀な者共に負けてもいるということでもある。「負けた」経験などいくらでもあるのだ。

 

「平和の象徴は健在だった……!」

 

……訂正したいけど、後でモニターを超えた方へ移動するのでその時に話すことにする。あの姿はどう見てもボロボロだったよ。

 

「話が違うぞ……先生……」

 

「違わないよ」

 

モニターからオールフォーワンの声が聞こえてくる。オールフォーワンと私とでの情報共有は完璧だ。

実はオールマイトの全盛期を教えてもらっており、当時と比べればオールフォーワンもだが弱体化甚だしいのは分かっている。その上でどれくらい弱体化したのか?というのを知りたかったのが今回の襲撃の理由の一つだ。

 

脳無を倒すのに100発以上も使っている以上、素の力が激減している上に私が最後に視認したことから時間制限もかなり厳しい。オールフォーワンと戦えば長期戦に持ち込んで勝手に潰れる形になるだろう。

まぁオールフォーワンはやる気出すだろうから短期決戦挑むだろうけど。

 

「ただ見通しが甘かったね」

「うむ……舐め過ぎたな。ヴィラン連合なんちゅうチープな団体名でよかったわい。ところで……ワシと先生の共作脳無は?」

「回収していないのかい?」

 

弔ではなく私と黒霧へ向けられた言葉。黒霧は首を横に振り、私はスマホを立ち上げてマップを開く。

 

「場所は知覚してますよ。ただ……黒霧、この場所の上空にワープゲート開いて、頭だけ出すから」

「はい」

 

黒霧がワープゲートを展開し、頭だけ覗き込むように成生はワープゲートをくぐる。そして向こう側を覗き、脳無が両手を拘束され、頭に布を被せられていたことを視認する。

 

頭を引っこ抜くようにバーへと戻り、黒霧もワープゲートを閉じた。一分もかけていないがそれだけで弔のカバーが完了していた。

 

「……はい、捕まってましたね。耳も塞がれてた、あれじゃあ流石に回収は難しそうです」

 

ただあの脳無はドクターとオールフォーワンの共作だが、私の細胞は一片足りとも使われていない脳無だ。

 

ハイエンドのプロトタイプとでも言うべき脳無だ。オールマイト並のパワーを再現するために作り成功したものだ。私が協力し始めた後なら、そんなレベルの脳無は多く出来ている。

 

完全に試金石投入だった。

 

「せっかくオールマイト並のパワーにしたのに……」

「まぁ……仕方ないか……残念」

 

しかしハイエンド脳無の数はまだ多くない、貴重なのだ。回収できるのであれば回収したかった。

 

まぁ、回収出来なかったなら出来なかったでヒーロー達に餌的な情報を渡したと考えるだけだ。オールマイト視点ならオールフォーワンがUSJ襲撃の裏にいると勘づけるくらいだろうか?

 

オールマイト以外ではせいぜい気持ち悪い強い命令を聞くだけのヴィランだ、くらいだろう。大した情報を得ることはできない。

 

 

這いずる弔は恨みつらみを込めた言葉を呪うように口から吐き出す。「負けた」経験はよっぽど腹に据えかねたようだ。

 

「パワー……そうだ……。一人……オールマイト並の速さを持つ少年がいたな……」

 

緑谷少年のことか。最後に突っ込んできたのはまさしくヒーローと呼ぶしかないタイミングだった。オールマイトが後継者に選ぶのも理解できるものだ。

 

名前はまだ分かっていなかったが、オールフォーワンにも私が雄英受験した後の話はしている。後継者が雄英にいると確信を得られたという意味でも今回のUSJ襲撃は収穫だった。

 

ヒーローの卵の情報や脳無の性能実験、ヒーローへとオールフォーワンの存在疑惑を向ける、さらには雄英が襲撃された事実。戦術的戦いには負けたが私とオールフォーワンから見た情報戦には勝利したと言える程だ。

 

 

「へぇ」

 

 

感心があるような無いような、何ともいえない声がモニター越しに届く。私達は知っていたことであり予想通りで面白みも無いことだが、弔が「オールマイト並の速さ」と評価できたことが嬉しかったのだろうか?

 

「Ms.ダークライの時間稼ぎとあの邪魔が無ければオールマイトを殺せたかもしれない……ガキがっ……ガキ……

「……あー」

 

私の時間稼ぎのおかげで私はオールマイトの弱体化をこの目で見たが、弔はその前に撤退した。弔からすれば邪魔しただけにしか見えないのだ。

 

私達という陣営という意味では十分なのだが、弔からすれば許せない行為でもあったのだろう。少しだけ申し訳ないなぁ。

 

「悔やんでも仕方ない!今回だって無駄ではなかったはずだ」

 

切り替えていこう!、そうオールフォーワンが叫ぶように聞こえる。オールマイトというヒーローを近くで見れたという経験を、ヒーローという存在がどんな存在であるかの知見を私は得た、今回の件はそれだけ見ても無駄ではなかった。

 

弔もいずれ分かるようになるだろう。極論、ヴィランとはヒーローに負けてもいいのだ。やりたいことをやれていれば勝ちなのだから。

 

「精鋭を集めよう!じっくり時間をかけて!」

 

オールフォーワンの言う通りだ。いくら私がいるとはいえ弔に協力はできない。ヒーローの卵たちが4人立ちふさがったのと同じように、弔もまた何人かは集めなければヒーローにまた負ける。

 

「我々は自由に動けない!」

 

私が実働してますけどね?

 

茶々入れるのは止めておいて、オールフォーワンがそう言うのも理解できる。

 

純粋で強力なヴィランには惹かれる者は多い。そしてそこに至るには純粋な悪意・殺意といった感情が必要になる。私の目的はそこには無く、代わりにはなれないのだ。

 

「だから君のような”シンボル”が必要なんだ。死柄木弔!!次こそ君という恐怖を世に知らしめろ!」

 

代わりにはなれない。だから弔……もっともっと悪意を、感情を強くしていってね?

 

 




というわけで成生は弔の代わりにはなれません。

感情が悪意ではない方向に偏り過ぎて、マスターピースになれる個性や特性をもってますが次代のオールフォーワンとか無理です。むしろオールフォーワンが喰われかねない。

結果、オールフォーワンでも弔でも超強力な協力者としか見れないです。

オールフォーワン「それはそれとして面白そうだから協力します。オールマイトが勝手に何か邪推してくれたら嬉しい」
ドクター「脳無の最新計画とか面白過ぎて止めらんない」
成生「もっとだ……!もっと目に止まるタイミングでデビュタントするんだ……!」

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