閑話休題
……はい、USJより一日後の成生ちゃんの話です。
有精卵どもが臨時休校+雄英体育祭に向けて準備している間にやることじゃねぇ
この話での時間経過で雄英体育祭してますが、基本スキップします。ヴィランほぼ関係ないし
爆豪優勝の成生ちゃんリアクションはどっかでやるかも
成生ちゃん「やはり戦い……!戦いこそ私を成長させる!」
オールフォーワン「存外戦闘狂のケがあるね」
ドクター「あれとやり合うってマジかよ」
一日が経ち、私はオールフォーワンの下を訪れていた。USJ襲撃の時の内容を知らせるのと、襲撃前に約束した側近の紹介のためだ。
いつもの研究所でオールマイトの時間制限や素の力弱体化について情報共有した後、黒霧のワープゲートをオールフォーワンと二人でくぐる。その先は自然豊かな山の中腹に繋がっていた。
「マキアー」
オールフォーワンが普段と変わらない声で周囲に呼びかける。たったそれだけでズズンという音が周囲に響いた。
「主!」
現れたのは数メートルという巨体を持った男だった。
まるで岩山のようなゴツイ肌と体格、数メートルという大きさ、そして──全裸。
「女性に紹介する姿じゃないですね?」
思わず突っ込みを入れてしまったが仕方ない。何も知らない女性に全裸の男性を紹介するなんてレ●プ狙いですと言ってるようなものだ。
それより非道い真似はしてるが、それはそれだ。
「それはすまない、何せ彼に渡すタイミングが無くてね。紹介しよう。彼がギガントマキア、僕が最も信頼する側近の一人にしてボディーガードの役割を担う者だ。マキアと呼んでくれ」
「大きい……ボディーガード?貴方の?必要なんですか?」
「これでも昔は要人みたいなポジションだったんだぜ?居て当然だろう」
思わず「確かに」と口に出る。ボディーガードが強力なら、オールマイトの襲撃があったとして全滅する前に逃がすのも分かる。
オールフォーワンさえ死ななければいいのだ。しぶとさなら多分そっちの方が上だろう。
「大きいのは感情が高ぶってるからだね。普段はもう少し小さいのだけれど、僕が来たから大きくなってるみたいだ」
「……私とは違う形ですが複数個性持ちですか。顎とか見るからに違いますし」
顎がしゃくれているようにも見えるが、おそらく個性によるバイザーだろう。巨大化や岩山のような肌、顎のバイザー、複数個性でないと説得力がない。
「耐久に巨大化、痛覚遮断にエネルギー効率、剛筋に犬、あと土竜だね。
「なるほど、ボディーガードと呼ぶなら妥当な人材ですね。盾と呼んでもいい」
嗅覚特化で護衛対象の下まで直行。地面の下を潜って高速で移動し、護衛するために痛覚も無い。物理障壁という意味なら最高峰と呼べるだろう。
洗脳や幻惑系に弱いかもしれないが、そこは忠誠心がカバーする形だ。耐久性をぶち抜く攻撃が無ければただ蹂躙されるだけになる戦力だった。
「私が指先発光、思考加速、人形操作、空中地面化、転送、瞬発力と一人完結型に対し、専門特化型ですか……今の私だと多分勝てませんね」
「勝てないと言っても遜色ないレベルだろう。あるとすれば……
オールフォーワンの言葉に首を横に振る。指先発光による体力成長は今でさえ伸びているのだ。個性が無くとも人は成長できる、成生はその限界に迫りつつあった。
「いいえ、私の体力は個性無しですが人類最高峰に到達しつつあります。問題は私の武器が通じるかどうかというところですよ」
「確かに。君の最大威力はレーザー常時出力による広範囲斬撃だろう。それが効かなければマキアが追い詰めてMs.ダークライの負けだ。だがマキアを一撃で切るなんて真似までできると思うかい?」
再び首を横に振る。理想はマキアでさえも一刀両断出来る程のレーザーだが、マキアの耐久を抜くほど出力があるかと言われると頷けない。それもちゃんとした理由があった。
「……私のレーザーはブラックホールも貫通しますが、減衰してるんですよね」
私のレーザーの特徴は三つでできている。光っぽい特徴、エネルギーっぽい特徴、よく分からないダークマター的な特徴の三つだ。
疑似ブラックホールを打ち抜き、さらに常時出力でぶった切る時の個性伸ばしをしていたらいつのまにかダークマター的性質は付いていた。
13号のブラックホールをぶち抜いたのはこのダークマター的な特徴がブラックホールで分解できなかったからだ。それでも二つの特徴は分解・減衰し、右腕を打ち抜く程度まで落ち込んでいた。
本来ならUSJの外まで貫通する程の威力が、だ。
「熱が効かず、エネルギー……衝撃波のような要素も効かず、ダークマター的性質の斬撃も効かないともなれば届くか怪しいですね。一つだけでも届けば減衰程度で済みますが」
「そこで、だ」
成生の考えに、指をパチンと鳴らしオールフォーワンが注意を引く。
「君にはマキアと戦い、マキアと対等レベルまで強くなってもらいたい」
事前情報では勝てない相手。それに勝つというのは、今の自分の限界を超える、殻を破る必要がある。
そしてそれは今の成生が欲しい経験だった。Ms.ダークライは
雄英と同じだ、
「構いませんが、今からですか?」
「弔の全快には二週間ほどかかる。ちょうど雄英体育祭も被るし見たいだろうが、録画しておくよ。後で見るといい」
オールフォーワンの言葉に安堵する。雄英体育祭でヒーロー科を見ないと、あの爆発少年の名前が分からない。いつの日か必ず殺すと決めている以上、名前を知らなければ次のステップに進めないのだ。
あと一応確認だ。
「一撃KOされたらどうするつもりです?」
「面白い冗談だね」
およ?冗談を言ったつもりは無いのだが。流石に私でも巨体から感知できない一撃を喰らえば重傷は負う。動けないまでも回復系の個性が無いのだからじわじわと不利になっていくだろう。
「弔と黒霧を相手取り、片手間扱いで倒せるくらいに体術を向上させ、体力も二日徹夜しようが問題ない。さらに人形として操れば傷も関係なしに動けるし、緊急回避で転送もできる」
「そんな君が一撃で終わるなんて愚か者が考えることだよ」
「……転送も慣れてきましたし、対象人物から距離指定での転送もできるようになってはいます。どれだけ巨大化しようが背後に回れるし離れることもできる」
それに、
「あなたが瞬発力を二つも寄越したせいで随分と最適化・習熟が遅れましたけどね?」
オールフォーワンが悪戯感覚で付与した個性だ。複製だったからか二つを一つに纏めた最適化が可能だった。そして超瞬発力とでも呼ぶべき個性に昇華させていた。
これのせいで転送の習熟は遅れたのだ。本来ならとっくに終わっているはずだった。……もっとも、USJで銃撃の間に挟まるなんて荒業に役立ったからあんまり悪くは言えない。
「すまないと思っているさ。ただ気になってね、でも結果は良しだったろう?。……あと一か月もすれば次の個性入れてもいいんじゃないか?超再生あげようか?」
「ください」
食い気味に反応してしまったが、回復系の個性は急務だから仕方ない。被弾をしないギリギリのセンスを磨くのも重要だが、被弾した時の対応が出来ないのは問題だ。
「では対抗も十分できそうなのが分かりましたし……オールフォーワン、命令とスタート合図をお願いします」
「マキア、今から言うことをよく聞くんだ」
「主」
オールフォーワンがマキアへと語り掛ける。ワンコに説明しているみたいだ。
「僕の横にいる女性はMs.ダークライと言う。僕と対等なパートナーと呼べる人材だ」
「主と対等なパートナー」
「ああ、そこでだ。君に試してもらいたい」
「期間は二週間……14日だ。それまでにマキアが翻弄されるようになっていたら認めてあげて欲しい」
「主の言葉のままに」
説明が終わったのかこちらへと向き直るオールフォーワン。時間を決めてなかったのに勝手に決めたのは苛立つが、私自身も限界に挑みたいところだったので二週間というのは分かりやすい目安だ。
問い詰めるのはやめておこう。上手くいけば超再生が貰えるって話だし。
……どうせだし、少し煽るか。
「僕が始めといったら始めていいよ。Ms.ダークライ、紹介くらいはしたらどうだい?」
「そうですね。初めましてギガントマキア、オールフォーワンの最も信頼する僕が一人。私はMs.ダークライ、私もあなたを試しに来ました」
一拍置き、マキアの瞳へと深淵の色をした目で覗き込むように見つめる。
「ボディーガードとして使えるのかどうかを」
「Ms.ダークライ……!」
煽られ燃えるマキアへと半身に立ち、個性を発動させていく。
「さて、準備はいいかい?」
オールフォーワンの言葉にコクリと頷き、黒霧がワープゲートを展開した。オールフォーワンと黒霧は身体を半分ほどくぐり、一言だけ置いて戻っていく。
「始め」
最強の盾と最強の矛が、その力をぶつけた。
■■■
二週間の戦いは壮絶を極めた。
マキアが巨大化し、拳を振るい衝撃波を放つ。それだけで地形が変わるほどの戦闘痕が発生する程であり、直撃したらいくらMs.ダークライと言えど動けなくなるのは必至だった。
対してMs.ダークライは空を歩き、距離すらも収束させ一点に収束させきったレーザーを放ちマキアへ傷跡を付ける。マキアが避ければそのまま後ろの山が真っ二つに斬られるほどの収束であり、一日目では距離の収束が足りていなかったため水ぶくれ程度の火傷しか与えられなかった。
だがマキアの攻撃の全てをMs.ダークライは避け切っていた。全方位への衝撃波だけは避け切れていなかったが、自らも目の前に発光させ熱を瞬間発生、風を引き起こしてダメージを抑えていた。
5日ほど経った頃、
故に接近戦、レーザーを指先から50cm程度までにし、常時出力することで剣のような扱い方を行っていた。この時はレーザーソードと適当に付けた技だったが、マキアへと明確な傷跡を付けることに成功していた。一閃だけでは致命傷とまではいかないが、百閃もすれば致命傷へ届くほどの傷跡だ。
マキアも警戒したが、レーザーソードは最適化がまだまだできていない技だった。消耗が激しく、体力が無尽蔵とすら言えたMs.ダークライでさえもふらついた程だった。
10日たった頃、マキアは巨大化せずに戦うようになっていた。Ms.ダークライの攻撃は巨体ほど届きやすいからだったが、体術という意味ではマキアも実力者だ。速度はそれほどでもないが、弔や黒霧と比較にならないレベルであり、Ms.ダークライも届いていなかった。
体術で圧倒さえすれば問題ない。だがマキアは持続力や頑強さはあっても、瞬発力では圧倒的に負けていた。技術的地力では超えているのに、身体能力で負けている。
最終日、そこにはマキアの拳を笑いながら避け、マキアを翻弄するようなMs.ダークライの姿があった。
どうせ最終日だと、Ms.ダークライが遊んでいたのだ。全力でぶつけ合えば身体の頑強さでマキアの勝ちなのだが、Ms.ダークライは人形のように身体を動かせる。光速で反射し転送すればマキアだろうと届くことは無い。
最終日の日が落ちる頃、マキアは動きを止めた。時間が来たこと、そして翻弄された事実を認めたからだった。
「主のパートナーと、認める」
「ありがとう、マキア。私もあなたを認めるよ。優秀なボディーガードだ」
二人ともがガクリと膝をつく。流石に長期戦が過ぎた。二日に一回くらいは少し休憩できていたが、そこまでだ。疲労が限界を超えていた。
Ms.ダークライは極限の疲労が原因であり、マキアはエネルギー効率の個性があっても血を流し過ぎていた。痛覚が無くとも疲労はかなりのレベルであり、しかも血が無くなれば行動できなくなる。
直後、黒い靄が周囲に展開された。オールフォーワンと黒霧が姿を現し、Ms.ダークライを労う。
「お疲れ様、Ms.ダークライ。これからはいつでもマキアと遊ぶといい」
「オールフォー……ワン……」
Ms.ダークライの意識は暗転した。
Ms.ダークライがマキアと対等なレベルに成長しました
オールフォーワンの戦力が山一つクレーターにするのと瞬間移動して山ぶった切るやつになりました。これだけでヒーロー全滅できるんじゃねぇ?
何気に捕縛が不可能になったのがエグい。黒鞭?瞬間転送できるようになったので効きませんねぇ。浮遊?エアウォークできます
↓爆豪優勝したシーン見たときの成生ちゃんのリアクション
「とどろき君よくやった。ばくごー不完全燃焼ざまぁwww」
大爆笑でした