普通少女のヴィランアカデミア   作:火ノ鷹

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本編に戻ってきました

職場体験が一週間とかちょっと成生ちゃんの最適化間に合わないなぁ……ってことでマキア戦が先にありました

転送の個性が転送先が人指定からの相対位置50kmまで、半径1500km内にいれば転送可能、転送速度ほぼ一瞬、連れは基本的に無く一人だけ、というイカれた性能になったのでどこにでも現れることができます

イカれた理由はだいたい個性のせい。指先発光から全方向周囲探知発光とかブラックホール貫くレーザーとか成長させるんなら転送もそんななるわな


あと成生ちゃんはステインけっこう好きです。ステインの「ヒーローとはこうあるべき」というイメージが、現行のヒーローよりも成生がイメージする普通のヒーローのイメージに近いので。個性も汎用性低いしね

成生ちゃん「寝させて……」
オールフォーワン「全部弔が悪い」
ドクター「ステイン仲間にする指示したの先生では?」




ヒーロー殺しとの接触

成生がマキアの戦闘でバーの裏でぐっすりと寝ている頃、バーの表ではヒーロー殺し、ステインの姿があった。

 

オールフォーワンが指示し、黒霧が連れてきたのだ。破壊衝動だけではダメだと弔に教えるための人物選だった。

 

「なるほどなぁ……お前たちが雄英襲撃犯」

 

「その一団に、俺も加われと」

 

バーのカウンターチェアに座りながら弔が誘いの言葉を口にする。

 

オールフォーワンが仲間を作ると言ったから言葉通り行動しているのだ。ステインはオールマイト以降の単独での殺人では最多なのだ。

 

ヴィランとして超一流かつ、今のヴィランにおける頂点の一人とも言えた。

 

「ああ頼むよ。悪党の大先輩」

 

「……目的は何だ」

 

だがそれほどの存在ならば何の理由も無く所属するような真似はしない。しかも目の前の男は少年なのだ。

 

それもステインが最も嫌いな、「信念が無い」とすら見えるタイプの少年だ。

 

「とりあえずオールマイトはぶっ殺したい。気に入らないものは全部壊したいな」

 

「こういう糞餓鬼とかもさ……全部」

 

弔が雄英体育祭の写真を数枚取り出し見せる。ステインの瞳には緑谷の写真が映っていた。

 

「興味を持った俺が浅はかだった……お前は……ハァ……俺が最も嫌悪する人種だ」

 

「はぁ?」

 

子どもの戯言。ステインにはそうとしか見えなかった。

 

両脇に差しているナイフをスラッと抜き始める。明確に弔と戦う意志を示していた。

 

「子供の癇癪に付き合えと?ハ……ハァ……信念無き殺意に何の意義がある」

 

黒霧がステインの行動を理解し、即座にモニターへと問いかける。連れてきた当人だからこそ、弔を傷つけさせるわけにはいかないのだ。

 

「先生……止めなくていいのですか?」

 

だが返ってきた言葉は黒霧が予想していたモノとは少しだけ違うモノだった。

 

「これでいい!」

 

「答えを教えるだけじゃ意味が無い。至らぬ点を自身に考えさせる!成長を促す!」

 

モニターから来る言葉は確かに「先生」として正しいものだった。教育者としての方針として基本となるべき考え方だった。

 

そんな教育をほぼ無視して一気に成長しきった、バグ染みた前例であるMs.ダークライとかいうのがいるせいで正しく見えないのだが、本来あるべき姿はこちらだ。

 

「「教育」とはそういうものだ」

 

■■■

 

「何を成し遂げるにも、信念……想いが要る。ない者、弱い者が淘汰される、当然だ」

 

ステインが主張し続ける当然の思想。その大元にある考えを口に出す。仮に成生が聞いていれば納得していた言葉だった。

 

「だから死ぬ(こうなる)

 

「ハッハハハ……!いってぇぇ、強過ぎだろ。黒霧!こいつ帰せ、早くしろ!」

 

「身体が動かない……!おそらくヒーロー殺しの個性……」

 

弔は倒され、ステインの左手のナイフで肩を刺され右手のナイフを首の横に突きつけられていた。黒霧はバーの中から動くことすらできていなかった。

 

これがステインの実力。対人では無類の強さを発揮するヒーロー殺しの力だ。

 

「”英雄(ヒーロー)”が本来の意味を失い、偽物が蔓延るこの社会も、徒に"力"を振りまく犯罪者も、粛清対象だ……ハァ……」

 

ナイフを弔の顔についている掌へと少しずつ近付ける。

 

「ちょっと待て待て……この掌は……ダメだ」

 

弔の右手がナイフを掴む。右手から血が流れようと、それだけはさせないと動かしていた。

 

「殺すぞ」

 

視線から向けられた殺意。ステインほどのヴィランでさえ、何かを感じ取るものがあるものだった。

 

「口数が多いなぁ……信念?んな仰々しいもんないね……強いて言えばそう……、オールマイトだな……

 

ナイフが弔により「崩壊」されていく。少しずつ崩れていくナイフの先、掌から少しだけ見える弔の表情は──

 

「あんなゴミが祭り上げられているこの社会を、滅茶苦茶にブッ潰したいなァ、とは思ってるよ」

 

 

──笑っていた。それも酷く無邪気に、邪悪に。

 

 

崩壊がナイフを通じて自らに飛んでくると、即座にステインは距離をとった。同時に弔は目の前にいたステインに手を伸ばすも、距離をとられ回避される。

 

「せっかく前の傷が癒えてきたとこだったのにさ……こちとら回復キャラがいないんだよ、責任取ってくれんのかぁ?」

 

ユラリと立ち上がり苛立ちを口にする弔。まだまだ戦えると言っているようだった。

 

「それがお前か……」

 

「はぁ?」

 

「おまえと俺の目的は対極にあるようだ……だが、「今を壊す」。この一点に於いて俺達は共通してる……」

 

目的は違うが共通している点がある。それは弔にも似たような覚えがあった。Ms,ダークライという存在だ。

 

ただの目立ちたがりかと思ったらぶち壊したい世の中があるのだとのたまう。オールマイトを殺したいという考えに同意するが、それは目立ちたいからと言う。

 

共通してるところはあれど目的が違う。まさに同じことだ。

 

「……ざけんな、返れ、死ね。最も嫌悪する人種なんだろ?」

 

「真意を試した。死線を前にして人は本質を現す。異質だが……"想い"……歪な信念の芽がお前には宿っている」

 

ステインがナイフをしまい、理解したというように両手を広げる。弔の思想とステインの思想は全く別物だ。

 

が、ステインとは全く別のところで働くものである以上、ステインからすれば勝手に行動してくれるだけの人物でしかない。

 

「お前がどう芽吹いていくのか……始末するのはそれを見届けてからでも、遅くは無いかもな」

 

「始末すんのかよ……こんなイカれた奴がパーティーメンバーなんて嫌だね俺」

 

弔が嫌だといったその時、バーの裏から一人の少女が姿を現した。

 

「ふぁぁ……あれ、ステインじゃん。なんで有名人がここに?」

 

「Ms.ダークライ、起きるのが遅ぇ」

 

成生はマキアの戦いの後、疲労だけだと判断されバーの裏にあるベッドで二日ほど寝ていたのだ。何かあれば起きたが、起こしにくる者もいなかったので寝たままだった。

 

「お前は?」

 

「弔、まだ私は依光成生。デビュタントはまだ先なんだから」

 

ステインの疑問を無視し弔へ注意喚起する。ヴィラン名を勝手にバラされるのはまだ困るのだ。

 

「こいつと同じ信念か?……ハァ……」

 

殺意を感じた成生は一瞬でステインの目の前に寄り、両目に目つぶしするように右手を向けて動きを止めた。成生が動きを止めたのを察し、ステインも向けかけたナイフの動きを止める。

 

歴戦の勘が、動くなと叫んだのだった。同時にステインの髪が数本、はらりと地面に落ちていた。

 

「止めておきなさい。死にますよ」

 

左手の人差し指を天井へ向け、天井がちょうど焼けるようにレーザーを放つ。それだけでステインも察していた。

 

「指からレーザー……なるほど、詰みだ」

 

「信念と言う話なら私にはきちんとあるから安心なさい」

 

成生の場合は自身が目標と呼んでいるものだが、周りから見れば信念と呼べるに値するものだと分かっていた。

 

なぜならそれだけで巨悪とも対峙できるほどの想いなのだから。

 

「ほぅ?」

 

オールマイトもヴィランも超え、誰の目にも留まる存在になる。それこそが私の目的にして全てです」

 

自らの全てとすら言い切る成生に、ステインは口角を上げていた。

 

ステインの想いは十年以上持ち続けてきたヒーローとしてあるべき姿に起因する、「英雄回帰」と呼ぶべきものだ。

 

成生の想いは悪い言い方をすれば目立ちたがりだが、ヒーローもヴィランも超えてともなれば「頂点」とすら言える。ヴィラン側にいるということは方法も問わないということだ。

 

「……なるほど、「今を壊す」共通点は同じ、だから子供ともやっていけているのか。なら……ハァ……俺とも?」

 

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成生の言葉に頷くステイン。同志ではない、というところに惹かれたのだろう。同じ立場なら問題ないと認識していた。

 

「……いいだろう。協力者という形なら俺も参加しよう」

 

「死柄木弔、彼が加われば大きな戦力となる。Ms.ダークライ、ありがとうございます。交渉は成立した!」

 

「用件は済んだ!さぁ保須へ戻せ。あそこにはまだ成すべきことが残っている」

 

■■■

 

ステインがワープゲートをくぐっていく。成生はその姿を見て決意を一つした。

 

「……離れるのが、正解かな」

 

「あ?」

 

正直に言って今の私は弔の近くにいるのは過剰戦力が過ぎる。マキアと同格になったともなれば戦力として、いてはいけないレベルだ。

 

弔の成長の邪魔になる。

 

「肥料はあげすぎちゃダメ、水も多過ぎると根腐れする。私という養分は、余りにも大き過ぎる」

 

「何を言ってる」

 

ステインが芽と言って気づけた。大樹が横に居ては、太陽も雨も遮って殺してしまいかねない。

 

あるとするなら、風が吹いて葉っぱに間が出来た時……要するに気まぐれの時だ。

 

「弔、黒霧。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「はぁ!?ふざけんな」

「それは先生の指示ですか?」

 

首を横に振る。オールフォーワンは私に指示はほとんど出さない。最低限だけだ。でも、間違えたことは一度もない。

 

「違うよ。でもきっと同じことを言うんじゃないかな」

 

「その通りだよ。流石Ms.ダークライだ」

 

闇を導く光だって言っておきながら、導くのを間違えたなんてやりたくない。だから、ここで離れなきゃいけない。

 

なんだかんだ一年以上の付き合いがある。少しだけ寂しいけれど、同じヴィランだ。無いとは思うけど、気分が乗れば会いにくるだろう。

 

「Ms.ダークライにはこちらの協力をしてほしい。弔への協力は構わないが、ドクターが呼びたがってる」

 

「じゃあそっちに行きますね。弔、精鋭たる仲間を増やして、成長していきなよ?」

 

バーの裏へ回り、転送の個性で自らを転送させる。転送先は研究所へ。

 

ドクターが呼んだということは私の計画も進み始めた。弔には悪いけど、私は私がやりたいことをやるだけ。ヴィランなんだ、自由にやろう!

 

 




一応原作32巻あたりでやりたいことを思いついちゃったので、エタらなければそこまでいくんじゃねーかなぁ……

エタるかどうかは来年の俺に聞いてくれ


成生ちゃん「ところで私の恋愛相手は誰?」

作者「爆豪はどう?」

成生ちゃん「今すぐ死にます」

作者「知ってた」

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