名前はそんなつもりなかったのにどんどんポケモンに寄ってく……意図したつもりは無かったけど、これはもう言い訳無理だな
成生ちゃんがちゃんと技名を声に出してくれるよ!やったね!
あと一話後書きに成生ちゃんイメージを書いてみました。字書きはともかくイラストは初心者だから優しい目で見て
成生ちゃん「成生ちゃん大勝利!絶望の未来へレッツゴー!」
オールフォーワン・オールマイト「」
ドクター「……ん?あれ?何で先生まで?」
「渾身。それが最後の一振り……っ!!」
「──!!」
「ごきげんよう、オールフォーワン、オールマイト」
突如として二人の間に現れた彼女に、二人の反応は意外にも同じだった。
驚愕という感情だ、違いがあるとすれば見た目に驚いたのか、行動に驚いたのかだけだった。
「成生……少女……?」
「Ms.ダークライ。君のデビュタントはこの後じゃなかったのかい?」
オールマイトはMs.ダークライというヴィラン名を知らない。だがその見た目が、雰囲気が、明らかにヴィランであるというように変わっていたことに驚いていた。
対してオールフォーワンは「オールマイトとオールフォーワンの激突を利用する」というMs.ダークライの計画にしては動きが早過ぎることに驚いていた。
オールフォーワンが予想していたのはオールフォーワンとオールマイトが激突した後、疲れ果てた二人をMs.ダークライが行動できなくするまでいたぶり、それをカメラを通して市民にでも見せつけるというものだった。
僕が倒れてもどうせ二人ともMs.ダークライの餌食になるのだと、利用されても問題ないはずだった。
「ええ。
その言葉にオールフォーワンの右腕が膨れ上がった。
「──そうか」
Ms.ダークライに手が向けられるよりも速く転送し、超瞬発力を使いドカッとオールフォーワンの腕を蹴り上げる。空気砲は一瞬の溜めが必要になる攻撃だ。それならそこを突けばいい、それだけの速さは持っている。
宙へ放たれる空気砲。それを目にすらせず、Ms.ダークライは白く光るレーザーソードをオールフォーワンの首へと突き付けた。流石のオールフォーワンでもこれには追いつけることもできず、抵抗すらできていなかった。
「私の強さを知っているでしょう」
「まさ……かっ……!?」
オールフォーワンの脳裏に一つの可能性が浮かぶ。
オールフォーワンは自身の評判がどうなろうと構いやしない、問題はそこではない。
オールマイトとの激突を邪魔するという形だけはしないと予想していたのだ。
それは下手すればオールマイトすらも同時に敵に回す行為になりかねないのだから──それを、実行した。
「あなたを倒したヴィランがオールマイトを倒す。それが筋書きですよ」
Ms.ダークライは微笑み、オールフォーワンの背後に転送し、同時に後頭部へ超瞬発力を加えた踵落としを叩き込む。一瞬オールフォーワンの意識が飛び、そのままの勢いで落下していく。
オールフォーワンが伝説に残るようなヴィランであることは調べれば出る。なればそれを正面から倒した人物ならば
ヴィランの頂点とすら言える。後は誰かを守ろうとするオールマイトを倒せばMs.ダークライのオリジン、その第一段階は完了だ。
ヒーローとして誰かを守るオールマイトなら、全盛期と比較してすら印象的には十分だ。誰かを守ろうとしたオールマイトが守れなかったなら……ヒーローとしての敗北だ。Ms.ダークライがオールマイトを超えたヴィランと呼ばれてもおかしくない。
「デビュタントに、あなたは要りません」
飛んだ意識は一瞬だけと、オールフォーワンは即座に態勢を立て直そうとしたが……もう遅かった。
「Ms.ダークライ……っ!!!」
衝撃反転であっても意識が無ければ、指定先を向けなければ使えない。オールフォーワンの視界内にはMs.ダークライの姿は無く、向けられる方向が分からない以上防御が取れない。
そこに更なる追撃の転送+超瞬発力の蹴り。完全なる死角から放たれる、意識が戻るか戻らないかのタイミングへの攻撃には、如何にオールフォーワンでも対応できるものではなかった。
加えて、転送連続使用による落下速度に追いつき追撃を行う超瞬発力を加えた連撃だった。不規則な軌道で地上へ落とされるオールフォーワンだが、意識を飛ばしながらもギリギリで耐えきっていた。
とはいえ、頭から抜け落ちてしまった致命的な事実が──一つあった。
「オールフォーワン!!!」
「しまっ!!!」
地上には渾身の力を込め、一撃に賭けているオールマイトがいる。Ms.ダークライの連撃も一撃一撃が必殺クラスだった、通常時オールマイトのスマッシュと比べても劣らない。だが渾身の力を込めたオールマイトとは比べられない。
「SMAAAAASH!!!」
オールフォーワンを地面に叩きつける一撃。Ms.ダークライの連撃で既にギリギリだったオールフォーワンの身体は──崩れ落ちた。
倒れたオールフォーワンを挟むようにオールマイトとMs.ダークライは対峙する。一歩ほどしか距離は無い至近距離だ。
共闘したような形になったのだ、一言対話するくらいの時間はあった。
「ごめんなさいオールマイト。貴方とオールフォーワンを利用しました」
「いや……助かった。オールフォーワンはこれで」
「
オールマイトの声を遮りMs.ダークライは口を開く。まるでオールフォーワンがオールマイトと話していた時のように。
オールマイトの背筋にゾッと寒気が走る。もちろん差し上げるという言葉……オールフォーワンが前座であるという言い方に、そしてそれ以外の目的があるのだという言葉の裏の意味に。
ゆらりとオールマイトへMs.ダークライの右手が伸びる。光ることも無い、何の変哲もない右手だというのに、捕まったらマズいとオールマイトの勘は囁く。
「俊典!!」
「……!助かります…!」
グラントリノが既に満身創痍のオールマイトを横から攫うように距離をとらせた。オールマイトも思わず安堵の息を漏らす事態だった。
Ms.ダークライの様相が変わる。ただの強大なヴィランだった姿から、全身から暗闇色の光を薄く纏うような姿へ。薄暗い闇夜に紛れそうなその姿は、悪夢や死神といった言葉が似合うものだった。
「代わりに……私の目的のため、贄となってください」
巨悪を下した悪夢が平和へ迫る。その間を切り裂くように、熱線が暗闇を穿った。
■■■
突如として飛んできた熱線。それをギリギリで回避したMs.ダークライは距離をとり、放った者──エンデヴァーへと顔を向ける。
「追いついてきましたか。瀕死に追い込んであげたのに……倒れてても良かったんですよ?」
「冗談は姿だけにしておけ」
「貴様のお陰でな。あんな雑な逃げ方されては捕まえねば我らの沽券に関わる」
エンデヴァーの後ろには左腕と右足が両断されたエッジショットと、両足が無く手だけで動くシンリンカムイの姿があった。エッジショットは個性で全身を引き延ばしながら行動でき、シンリンカムイは腕が伸縮する木になるため、応用することで両腕の代わりを作っていたのだ。
「Mt.レディ……!」
シンリンカムイは左腕で動き、右腕でMt.レディやベストジーニストたちを助けて回る。いつの間にか起きていた虎も市民の救出に動いていた。
「沽券、ねぇ……」
「俺達は救けに来たんだ!お前は邪魔だ!」
Ms.ダークライはエッジショットの攻撃を避けながらどうでもよさげな目をヒーローに向ける。いや、事実としてどうでもいいのだ。
既にヒーロー達は満身創痍。オールマイトはせいぜい一撃しか打てず、エンデヴァーは一撃KOクラスの攻撃を一度受けている。エッジショットとシンリンカムイは動けても手足がどこかしら無いのだから全力とは程遠い。グラントリノくらいだが、オールフォーワンとの戦いでダメージ・疲労が蓄積していた。
だからこそ、ヒーローはオールマイトに頼るしかなかった。一度全力を以て戦い負けた相手だ。全力でない今なら尚更であり、No.1ヒーローに頼るしかなかった。
「……その姿は何だオールマイトォ!!!何だそのっ!情けない背中は!!」
「オールマイトォ!!!」
「皆あなたの勝利を願っている!頼む、やつを」
「うるさいですよ」
転送し虎を思い切り蹴り飛ばす。超瞬発力を使ってはいないが、救出していた人も巻き込まれていた。
「有象無象が多過ぎますね。……一つ、私が技名をつけたものを見せてあげましょう」
「マズいっ……!!!」
エンデヴァーが牽制に炎を速射するも、転送で上空へ逃げたMs.ダークライには届かない。切断攻撃を避けた時といい、エンデヴァーは随分と勘が良いらしい。
ふぅと一息吐き、今から放つ技のために光を溜め込む。コスチュームを前提とした技は、指先以外からの光を使うことになる。今まで使っていた光の規模とは違うということだ。
それをこれまで同様の感覚で使うことはできない。数秒の溜めが必要になるのだ。
「空だ!」
ヒーロー全員が即座に索敵し、エッジショットに見つけられる。しかし、三秒ほどの時間がかかっていた。
一秒が勝敗を分ける接近戦でこの技は使えない。探知系のヒーローがいる時点で使えない技だ。だが今のように見つけるのに数秒ほどかかるなら、使うに値する。
とはいえこの技はまだ技と呼ぶに値しない。何故ならまだ手に入れて二日と経っていないコスチュームを使わなければ使えない。
本来なら全身からレーザーを放てるようになるコスチュームだ。だがまだコスチュームをそこまで使い熟れてないため、そこまではできない。
明滅するようにMs.ダークライが光り始める。即座に対応できるように、オールマイトは最期の力を振り絞り、エンデヴァーは炎を溜め込み、エッジショット達は周囲の市民を逃がす方へ駆け出す。
「これは私がまだ未熟者である証。だからこそ名前を付けました。名前など呼ばずに放てばいいのに……あえて、私は未熟であると付けた。こんな自由も間違いではないと口にだすために」
できるのは収束させずにそのまま発光させるだけ。指先一つで街すら照らす光を、熱を、全身という面積から発するだけだ。けれど技名は付けた、余りにも合ってる名前だったから。その名は──
「ダークホール」
Ms.ダークライを中心にした暗黒色の太陽が周囲を暗くしていく。だが熱量から爆風などとすら呼ぶには生温い程の暴風と熱量が荒れ狂う。さらに瓦礫同士が勢いよく衝突し衝撃波すら無差別に発生する。
13kmの光速切断でできた瓦礫を破壊しながら暗闇は迫る。喰らわないのは指先発光であるためMs.ダークライと、成生の肉体を一部でも持っていると言える者だけ。人形の成生と電花だけだ。
「エンデヴァー!!」
「分かっている!!」
超が三つ付く程の広範囲攻撃。神野区全域が攻撃範囲に入るほどの攻撃に、No.1とNo.2はその全力を以て市民を守る。
「UNITED STATESOF SMAASH!!!」
「赫灼熱拳ヘルファイヤーウォール!!!PLUS ULTRAァァァ!!」
本来ならオールフォーワン一人に放たれ周囲の街並みすら吹き飛ばす程の攻撃が、超々広範囲へ向けられた熱の防壁が、暗黒の暴熱風を食い止める。
だがオールマイトの攻撃は直接ぶつけられたものではなく空にいるMs.ダークライへ向けられたもの。衝撃波として走る一撃であり……だが威力という意味なら当たれば吹き飛ばされるのは間違いないものだ。
──それを嘲笑い、Ms.ダークライは衝撃波を止めた。いくらオールマイトの渾身の一撃とはいえ直撃ではなく風圧……空気砲であり、ダークホールの相殺で威力は十分の一程度まで落ちているのだ、その程度なら高密度に固めた空気土流による防壁でも止められるものだった。
「あぁ……!」
オールマイトの残り火が消えていく。既に限界を超えていた上に、オールフォーワンを討つというワンフォーオールの信念を通したのだ。目的がある個性で目的が達成した、限界を超えて行動していた事実が積み重なり、渾身も一撃が限度だった。
「ぬぅっ!!!ゥおおおお!!!」
オールマイトが倒れても、エンデヴァーが
「フフフ……。Ms.ダークライ……その名は、オールフォーワンと対等な
パッと光を止め、暗くなっていた世界は明るさを取り戻す。ヘルファイヤーウォールが勢いのままにMs.ダークライへ襲い掛かるも、彼女の表情は──笑うだけだった。
「まさ、か」
エンデヴァーの炎は当たればまず生き残るのは難しい。攻撃の究極が赫灼熱拳プロミネンスバーンなら、防御の究極が赫灼熱拳ヘルファイヤーウォールだ。しかしどちらも赫灼熱拳という、当たれば死ぬ可能性が高い技に分類される。口を開くことさえできなくなる……はずだった。
そのエンデヴァーの炎に包まれながら、Ms.ダークライは放った技の、
「ライトホール」
世界は、白く包まれた。
次回で一区切りです
技名がダークライ(ポケモン)とダブってる?……そうだね、もうこいつポケモンと同じでいいよ……(諦め)
ダークホールとライトホールは色変わっただけの同じもの。ライトホールのが変色が要らないので威力は高め。
やったことはゴジラの総辞職ビームを
成生ちゃん「……非道い」
作者「んん~愉悦!!!」
次々回予告になりますが、成生ちゃんの印象がめっちゃくちゃ大きく変わる回が入ります。注意予告は入れますが、ここから入れときます。
ちなみにその回は書き始めた当時から書きたかったところです。ようやく到達できたぜぇ……
次回は今日か明日