オールフォーワンの下に協力かつ行動可能で狡猾な人物が付いちゃったらそりゃ偵察・工作しますよ
ただそのせいでオールフォーワンの思考回路に新しい要素がインプット。緑谷逃げて
成生「世間から見たら雄英受験したやつが数日もかからずヴィランになってるって面白くない?」
オールフォーワン「超面白い」
ドクター「はよやれ」
16歳 雄英受験
「今日は俺のライヴへようこそー!!!エヴィバディセイヘイ!!!」
「プレゼントマイクかぁ」
成生は雄英に受験に来ていた。さすがは雄英と言うべきか、学校ではトップクラスに頭がいい成生でさえ既に筆記で不合格が確定していた。自己採点が既に50点を切っていたのだ。
それも当然、成生がいた中学は「普通」レベルの高校進学しか考えてなかったからだ。雄英なんてレベルの高いところの勉強なぞしていなかった。
とはいえ成生は既に進学する高校は受かっている。文字通りの記念受験だ。もっとも、目的は合格なんぞではなく別のところにあるのだ。問題にはなりはしない。
「こいつぁシヴィー!!!受験生のリスナー!実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!!アーユーレディ!!?
yeah!!!!」
会場がシーンと静まっているにもかかわらずあの言動、流石はプロヒーローと呼ぶべきか、それともあのポーズをとらなければならないと哀れむべきか悩ましい。
「入試要項通り──」
プレゼントマイクが試験内容を話している間に周囲をキョロキョロと見回す。顔を見ただけで予想がつくような個性もいるのだ。言い換えれば見た目だけで合格になりそうなやつを予測できる可能性もゼロではない。
「質問よろしいでしょうか!?」
「ん?」
「プリントには四種の
(規範ねぇ……。こいつは合格しそうな感じがする)
雰囲気が素人ではない。おそらくプロヒーローの家系か何かだろう。プロヒーロー相手にアホみたいな真面目質問ぶつけてるのも良い意味でお坊ちゃまらしい。
「ついでにそこの縮毛の君」
「先程からボソボソと……気が散る!!物見遊山のつもりなら即刻
(物見遊山ではないなぁ。遊びではないし)
「すみません……」
(……ん?あの子何か変な感覚がある。少なくとも「普通」ではなさそう)
成生は弔との訓練やオールフォーワンとの対話で身に付いたものがある。それは「巨大な悪」との遭遇から成立したものだが、「巨大な正義・悪を直感する」というものだ。
オールフォーワンとの対話、オールマイトを動画で視聴、弔との訓練、それらから思考加速により結び付けたスキルだ。個性ではなくスキルだ、誤魔化されたり間違えることは無い。
そしてそのスキルが今、注意された子とその横から類似した者がいると言っていた。
「へぇ?」
「四種目の
プレゼントマイクのプレゼンを無視し二人へと視線を向ける。縮れ毛の少年はプレゼントマイクに釘付けであり、その横の少年も苛立って話を聞いているだけだ。
「あの二人を見たいところね……」
「俺からは以上だ!!最後にリスナーへ我が校「校訓」をプレゼントしよう。かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った!「真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者」と!!」
プレゼントマイクは一息入れ、響き渡るように雄英の校訓をその場にいる全員に告げた。
「
「更に向こうへ。良き受難を。……良い言葉ね。最初っからもっと向こうへと進んでる私に言う言葉じゃないけど」
プレゼントマイクの話が終わり、大勢に混じり場所を移動していく。
「会場は……よかった、縮れ毛の少年に当たってる。あの子には何かある、それを探りましょう」
周囲をキョロキョロと見回すとルーティーンを行っている者や準備運動をしている者が目に付く。そこにはさっき覚えておいた人もいた。
「あ、さっきの真面目お坊ちゃんもここか。足についてるアレ……ヒーローに居たような気がする。予想的中と」
とはいえあんまりキョロキョロしていると逆に怪しまれかねない。それを言えば一番キョロキョロして怪しいのは縮れ毛の少年だったりするのだが、それはそれだ。
いつスタート合図があるかも分からないので一応準備だけしておく。やる必要も特にないが、ポーズとしてやっておかないといけないのだ。
「ハイスタート」
「はーい」
なんて思ってたら案の定プレゼントマイクの声が聞こえたので行動を開始する。
タッタッと試験場の中へと走っていく。が、そこで気づく──誰も動いていないことに。おかしい、スタートは鳴ったはずだ、
「あれ?」
「どうしたぁ!?実戦じゃカウントなんざねぇんだよ!!走れ走れぇ!!一人だけじゃねぇか!
賽は投げられてんぞ!!?」
プレゼントマイクの言葉に、発破かけられたように受験生達が大挙して押し寄せる。
先んじていた成生は逆に道の端により大挙する受験生から身を隠し、隠密行動を開始していた。
「標的捕捉!ブッ殺ス!」
「ポイントは稼ぎましょうか」
とはいえ使えるのは「一般人レベルの体術」と「弱弱しい指先発光」のみ。「普通」の高校生である依光成生はレーザーを放つようなことはしないのだ。
一般人らしい適当な構えをしセンサーへと指先を伸ばす。弾くように機械の手が動くも、思いっきり体重を乗せた拳ならその手を押し込むくらいはできる。
「えいっ!」
機械の手をセンサーへと叩き込み、行動不能へと追いやる。十数秒もかかってそれではまず合格などできはしないが、目的が違うのだから問題にならない。
「はぁ……はぁ……」
特に息切れしている訳でもないが一応そういう体をしておく。何せここでは「普通の」高校生なのだから。
広場上になっている場所へと隠れながら移動し様子を見る。そこには真面目お坊ちゃんが走り回り、丸くて可愛い女の子がヴィランを浮かべていたりと個性が暴れまわっている光景があった。
これが市民がいる町なら彼らはヴィラン扱いになっていてもおかしくないだろう。そう思うと少し口角が上がってしまう。
などと考えていた頭を振り払い周囲の様子を詳細に確認していく。予想していた人がいるはずなのだ。
「……いない?」
縮れ毛の少年がいない。雄英に入る巨悪などいない、いるとすればオールマイトに近しい信念の持ち主だろう。そんな少年が活躍するはずの現場にいないというのは意外だった。
「どこに……いた!……あれ?」
戦いに巻き込まれないように大回りしながら移動して探していると、腰を抜かしている縮れ毛の少年がそこにいた。少なくともそんな姿を見せないであろう人物だと思っていたのだが。
原因は何かとその視線の先へと目を向けると、そこには大型のロボットがいた。
「ああ、お邪魔虫とか言っていたやつですか」
逃げるべきか、隠密に移動するか悩ましいところだ。
そう逡巡していたところで、縮れ毛の少年が立ち上がり走り出した。向かう先には──お邪魔虫の大型ロボット。
建物の影に隠れながら行動する成生は眼中にないと行動しているロボットだが、その移動進路は人が全員逃げ切った訳ではなかった。
「さっきの丸い子!」
移動進路には足を怪我したのか、地面に倒れる少女がいた。まるで少女へ迫る脅威を排除するかのように縮れ毛の少年が走り、ヴィランロボットへと掛け声と共に拳を繰り出した。
「
ただ純粋な破壊。拳から放たれた規格外極まりない破壊は一撃でロボットを行動不能へと追い込んだ。
その様子に成生は思わず口元を隠していた。隠さなければいけない表情がそこにあった。
当たりだ
あり得るんじゃないかと私が提案し、納得したオールフォーワンと私が予想した、オールマイトの「後継者」。まさかこんな形で確認することができるとは思わなかった。
「終了~~~~!!!」
「1ポイントね、予想通り不合格でしょう」
雄英に来ようとした事実を残すこと、そして受験者から将来敵対するヒーローの卵を見定めること。全て目的は果たせ、予想以上の収穫すらあった。
足が車のマフラーみたいな少年、物を浮かす少女、そして何よりも……
「知らせないとね」
オールフォーワンと話すことがたくさんだ。愉しみが増えていく。
成生のせいでオールフォーワンの思考回路が柔軟になってます。
本来なら後継者を先んじて見つけるとかそんな気無かったです。どうせ雄英行くだろうから勝手に見つかるし
もし爆豪と同じグループになってたら?
やだなぁ成生ちゃんがそんな酷い目に合わせる訳ないじゃないですか。
指先発光による光学迷彩でストーカーして帰り際に半殺しにして片目失明させて片手レーザーでぶった切るだけだよ