普通少女のヴィランアカデミア   作:火ノ鷹

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だいぶ仕事が忙しいので執筆は遅れてたり


堕とし子の三女 艶羽 ー白き羽が翳した先 黒霧ー

「11万を超える解放軍の上にヴィラン連合が付いた。これは俺も言われたところから覗いて見てたから分かる。対応が遅かったとも思わないし、なんなら解放軍には既に接触してたから助かるまである。

 

 たださ、もうちょっと動き遅くてもよくない?すっごい頻度で羽飛んでくるとビックリするんだよ」

「だって羽同士で連動したら情報伝わるなんて滅多にない経験だし。こんなことってあるんだって私だってビックリしたんだもん」

 

 超常解放戦線が動き始めてから数日。艶羽はホークスと連携を完璧にとっていた。広範囲電波の個性を艶羽は光学迷彩に出来そうだなと個性を扱い、今は誰にも見つからない空を仲良く飛んでいた。

 

 警戒されない艶羽に、羽を一つ飛ばすだけで事実上の情報連携が可能な個性同士だ。こうして飛ばずとも艶羽が入手した情報の大半はホークスに届けられていた。

 

 ホークス自身も解放軍に接触を始めていたため情報の確度も十分以上に確保できており、集められた情報は公安に送られる。

 

 今すぐ攻め込めばヒーロー側が有利。しかし艶羽からの情報で知る限り、灯火と崩華がヴィラン連合と常に居る。この状態で攻めればまず確実に堕とし子同士の殺し合いまで発展し……余波でヒーローもヴィランも全滅する。大と仁という最強の『個』と最強の『数』があるからだ。

 故に堕とし子がぶつからない環境でヒーローは攻めなければならない……例えば全員集まっている時。考えが違えども共闘を考えるために全員が厳戒態勢に入らない。他にも母親が指示を出すことや、母親に異常が起きた場合、堕とし子が誰か死んだ場合などがあるだろう。

 

 でなければ堕とし子全員か、複数が敵に回る。ヒーローもヴィランも避けたいことだった。

 

 ホークスは頭を切り替え、死柄木弔の方へ思考を向ける。

 

「ヴィラン連合の長、死柄木がドクターによって強化されている……おそらく4ヵ月くらい、ね。場所は分かる?」

「それは無理。あと期間がどれくらいかかるかは幸運と又聞きのコンボだから確証はないかな。

 ドクターとは話した事あるけど偽名なのは明白だった。電花姉なら分かるかもだけど……多分おかーさんに届きかねない」

 

 死柄木弔と依光成生は兄妹弟子の関係だ。流石に非常時だと連絡を受ければ何かしらの行動をするだろう。艶羽もあり得ないことは無いと言う程度の可能性だけは信じていた。

 

 下手すれば母親への裏切りに繋がる。艶羽にとって避けたいのはそこだけでありそれ以外はどうでもいい。それだけの覚悟を持って行動していたが、ドクターの居場所という幾重にも隠された秘密には辿り着けないでいた。

 

「見つけ次第一網打尽が理想だけど難しいか……一斉に捕まえるしかないか。

 というかそれはマズいな。となると別の人に当たらないと……黒霧なら知ってる可能性あるか」

「え?黒霧さん捕まえてるの?」

 

 やべっとホークスが口を漏らす。黒霧の捕縛は機密でも最上位に位置する。結果を出してきている艶羽ならいずれ問題は無くなるが、今はまだ新鋭が過ぎる。

 

 ただ情報を漏らしたなら漏らしたで扱い方はある。ホークスの真骨頂は柔軟な考え方にある。

 

「言ってなかったか。『歩く災害』と言われ……ってアレ多分ギガントマキアってやつ。あれに遭遇した時に捕まえたらしい」

「マキアさん相手によく逃げ出せましたね!」

「やっぱ知り合いか」

「遊び相手です」

 

 マジかよとホークスは表情に出す。艶羽と共に行動出来る時に良いことは、こうして自分の感情を表に出してもなんら問題は無いことだ。

 

 何せ自分の身内だ。しかも覚悟を持った身内なのだ、信頼出来ない訳が無い。

 

「あれが遊び相手っていうのも恐ろしいもんだが……まぁいいや。黒霧を捕まえて、尋問するって聞いてる。

 

 ……話せると思う?」

「意識あるんでしょ?」

「起こせば……って感じ」

 

 ヒーローの力は数の力が連携するところにある……が、全国のどこかにいるヴィランを見つけろと言われても不可能だ。せめて何か一つだけでも情報が必要だった。

 

 例えば職業だったり、土地だったり、建物だったり。黒霧はその情報を持っている。ホークスはそこまでは掴めていた。そして、艶羽も分かっていた。

 

「……黒霧は従来の脳無と同じタイプだと思う。誰かの遺体を元に改造された個体。でも元々の遺体の記憶や意識は丸々全部無くなる訳じゃない。

 

 もし、親しい人がいればあるいは……。……ん?おかーさんと接触それなりにあるから聞き出せるの意外と簡単かも?」

「ちなみにだけど、君んとこのお母さんだったらどうなる?」

 

 さっきまでとは違う軽い口調、こんなこと聞いて何になるよと言いたげな声色。

 

 艶羽も同じように軽い口調で返していた。

 

 

 

 

「おかーさんなら()()使()()()()()()()()()()()()()()()()()()から、意識の断片からでも復活できるんじゃない?」

 

 

 

 

 その情報こそ、ホークスが欲しかったものとは知らずに。

 

「……そりゃ怖い」

「ふふん!私のおかーさんだもん!じゃあ時間だし戻るね!」

 

 艶羽の飛行速度が跳ね上がる。ホークスとの情報共有も終わりだと飛んで行った。

 

 広範囲電波の個性はあまり長時間使うと逆に怪しまれる可能性が出てくるのだ。衛星からのレーダーや電波偽装も限界があるからだ。

 数分レーダーが動かないだけならまだ疑いで済むが、数十分レーダーが動かないなら疑いは確証になる。それを回避するための時間制限だった。

 

 艶羽が飛んで行ったのを確認し、ホークスも自らの目的地へ舵を切り直す。口に出して情報を整理しながら。

 

「艶羽、君は……知ってはいけないことを知ったんだな。尊敬する母親が……いや、一度後回しにして。

 

 俺達ヒーローがやらないといけないのは解放戦線を誘導して堕とし子が動けない環境で一網打尽、か」

 

 困難なことだ。情報を集めきったとしてもMs.ダークライの行動を見張る必要がある。それを艶羽に任せきりにしなければならず、解放戦線自体はヒーローが全て担当することになる。

 しかも下手すれば死柄木弔の目覚めすら相手にしなければならない。そうなる前に戦いの火蓋を切る必要がある。

 

 タイミング、規模、更なる情報、それも困難なものばかりだ。

 

 しかも最悪足る情報は今手に入ってしまった。

 

「にしても依光成生と呼ばれた少女の変貌が余りにも酷すぎるから何かあると思ってはいたんだけど……個性か。

 

 自らの意識や記憶を弄れる個性────いや多分違う。強制的に変えられてしまう個性な気がする。

 

 ナイトアイさんが答えられないと言う訳だ。罪犯した人とは別人捕まえて何するよって……」

 

 

 速過ぎる男とその娘。目的に到達するのが速過ぎるのは父娘(おやこ)揃って同じ。

 

 

 自分で抱え込む癖も、揃って同じだった。

 

 

 

 ■■■

 

 

 場所は変わって大監獄タルタロス。日本において最も警備が厳重であり、最も凶悪なヴィラン達が居る場所だ。法における最終到着点、そこに雄英高校教師の二人……イレイザーヘッドとプレゼントマイクは来ていた。呼び出されたのだった。

 

 待っていたのもまた二人。グラントリノ、そして警察の塚内警部。AFOを捕まえた時の立役者であり、この二人に呼ばれたことはAFOに関わる何かがあることを意味する。

 

 コツンコツンと靴の音が鳴る。タルタロスの中を歩いていく四人の顔は、皆沈痛なものだった。

 

「二人も知っている通り、脳無は人の手によって改造され複数の個性に耐えられるようになった人間だ。

 

 但し生きた人間じゃない。脳ミソから心臓に至るまでめちゃくちゃにされてる」

「脳無とは正しく人形と呼ぶもの……意志持たぬ人形────のハズだった」

 

 グラントリノ達の言葉にイレイザーヘッド……相澤は、怒りに震えるような声を返す。

 

「グラントリノさん。こっちは授業とばしてきてるんです。

 

 簡潔にお願いします

 

 

 合理的判断を下すのが得意とされる相澤だが、そんな判断すらできない感情になる時もある。例えば──親友を愚弄された時。

 

 

「艶羽の嬢ちゃん達、胎児から作成されるという脳無型。意志もあり、自ら行動する脳無……いや、人形と全く呼べない人造人間。

 

 正直彼女らを脳無って呼ぶのすら俺は嫌になるんだが……彼女とのやりとりで可能性を示唆され、そして辿り着いた」

 

 グラントリノが思い出すのは艶羽と話した時の会話。生まれた時期を考えれば賢し過ぎる子のことだった。

 

 

『私たちの個性はおかーさんと、元となったおとーさんの個性因子が結合した面が確実にある。脳無の完全体とも呼べる私達はそう。

 

 一つ前の完成系が黒霧なら……きっとその面も同じようにある。個性だけで言えば別人になってる可能性は否定できない』

 

 

 黒霧の個性は『黒霧という脳無』が持っているもの。つまり、脳無の元となった人の個性は別にある。

 

「複数因子の結合による新たな個性。正直AFOだけが動いていたならもっと早く気づけたが……Ms.ダークライのせいで遅れた」

 

 結局のところ今頃にならなければ気づくことは出来なかった。グラントリノの言葉はそう言っていた。

 

 だが、その代わりに得られた情報の確度は非常に高く……故に、二人を呼ばざるを得なかったのだ。

 

 

 

「そのベースとなった個性は……君たちと雄英高校を共に過ごし、若くして散った────白雲朧であると断定された

 

 

 

 感情が表情にでたのはプレゼントマイク……山田だけ。相澤は既に得られている情報から期待はしていなかった。

 

「色々挟みたいことはありますが……何で我々を?雄英で一戦交えています。絆による奇跡でも期待を?」

「根拠はある。二つな」

 

 期待していない相澤をグラントリノが理由を持って説得する。AFO達という悍ましいところから出てきた根拠だったが、それだけに説得力があるものだった。

 

「一つは九州でエンデヴァーが撃退した脳無。千切れた箇所だけは回収できたからそこから誰なのか分かった。

 あいつは地下格闘場で生計を立てていたならず者だ。エンデヴァーと戦っていた際の言葉と暴れていた言葉と性格は一致していた」

「生前の性格を持って行動する、と」

 

 これだけならまだ可能性は低かった。白雲朧である疑惑までであり、断定に辿り着けたのはもう一つが原因だ。

 

「もう一つは……Ms.ダークライだ」

「……やつが何か?」

 

 成生の個性『なりたい自分になる』個性は出会った人に良かれ悪かれ必ず影響を及ぼす。何故なら成生が『なりたい自分』になるなら周囲の目線も変えなければならないから。

 

 長く見てきた黒霧だからこそ、個性も強く影響を受けていた。そして個性とは自分自身と憚らない言葉があるなら、必ず元となった性格に影響を及ぼす。

 

「あいつの個性は……伏せるが、ヒーローになりたいものをヒーローへ寄らせる。逆もまた然りだ。意識さえあればそう影響する個性だ。0であれば影響しないが、0.1でも方向性が定まれば動く。

 こいつの素体は白雲朧であり、ヴィランである自覚はあるが……ヴィランとも呼び難い動きをしていた。

 

 そして────黒霧だった時、依光成生と毎日のように接触していた」

「その結果、白雲朧としての個性が強く表に出ていた。黒霧の靄を解析したところ……雲に限りなく近い性質を持つようだ。同時に別の特性も持っていた。

 

 まるで依光成生の指から光る(ひかり)のように、物理的特性と光の特性を同時に持つ未知の物質。そう言っていいものになっていた」

「あんの女……!」

 

 何でもかんでも自分の思い通りに変えられる成生の個性。端から見れば日常を全て奪い去っていくヴィランだ。

 

 だからこそ、元の日常を取り戻せば彼女に痛打を与えられる。ある意味でヒーローとヴィランの正しい関係性だった。

 

「……つまり、白雲の人格が少しでも起きれば、と」

「そうだ。白雲朧の執着を、呼び覚まして欲しい

 

 

 相澤と山田が面会室の椅子に座る。十数秒程経った後、黒霧を起こす機械によって二人は親友と相対する。

 

 

「おや……雄英襲撃以来ですかね。珍しい客だ。死柄木弔は元気にしていますか?依光成生は()()()()()()()()()()()?」

 

 

 かつてイレイザーヘッドが戦った時と変わらない声色。雰囲気も、見た目も変わらないままだ。

 

 異形型の個性へと変貌している。山田も分かっているが……だからこそ認めたくなかった。

 

「知らねーよ!」

「『個性とは自分自身』とかほざいてる」

「そうですか……やはり変わってしまったのですね」

 

 しょぼんとした視線に変わる黒霧。長く共にいたから変わってしまって辛いという感情はヒーローであってもヴィランであっても変わらない。

 

 黒霧であっても、白雲朧であっても変わらないのだ。

 

「……二人が気になるか?」

「ええ。弔を守り、成生を育てるのが私の使命」

 

 AFOからの指示。しかして二人に届く言葉は別の意味にしか聞こえない。

 

 

「苦ではありませんよ。放っておけない性質でしてね」

 

 

 相澤の脳裏に浮かぶのは捨て猫を放っておけない白雲朧の姿。それを笑って連れていく姿。

 

 そして先を歩み過ぎた結果……命を落とした姿。

 

「成生は成長が早過ぎる子だった。間違う道を走ってしまうと分かっていた。でも止められないんですよね

「お前みたいにか?」

 

 理性で抑えられず、相澤の感情が声になって零れる。何で依光成生を視たくないのか、相澤は今ようやく分かったのだ。

 

 彼らは似てなどいない。だが歩み方が同じなのだ。余りにも規模が違かったために気づけなかったが、歩み方が同じなら性質は近しいものになる。

 

 イレイザーヘッドではMs.ダークライを止められない……であれば、かつての自分がもう一度再現されるだけ。それを視たくなかったのだ。

 

「?、何を仰っているのですか?」

「お前はいつも明るくて、前だけ見てた。後先考えず……死んじまったら全部終わりだっていうのに……!」

 

 そこでようやく感情が少しだけ治まる。ただ、想いが零れ落ちるのは止められていなかった。

 

「俺、山田と先生やってるよ。お前と依光成生みたいに、教師と生徒でな」

「せい、と」

「お前は甘いんだろうな……頭に浮かぶよ。選んだ理由はきっと、一緒だ」

 

 睨む相澤の目から涙が流れる。訓練の賜物で滲んで見えなくなることは無いが、心の言葉が流れていた。

 

「おまえに、おまえみたいなヒーローに……!長く生きてほしいから!」

 

 相澤がゴーグルを外す。かつて三人で一緒のものを買った、ヒーローを目指した証。

 

 そして────ガラスにぶつかる程に突き出した。

 

 

 

「でもまだそこに……!いるんだろう!白雲!

 

 なろうぜ!ヒーローに……!三人で!」

 

 

 

 黒霧の靄が、揺れた。人が動揺した時と同じように。

 

「動揺してる……!ドクターと死柄木の居場所を!」

「誰がお前を変えた!?どこで脳ミソいじられた────雄英襲撃(あのとき)!何も感じなかったのか!?」

「わた、わたしは、何を、おっしゃって」

 

 どこかとぼけるような言い方。二人には記憶がある、かつての親友が似た仕草をした時と……ほぼ同じ。

 

 

 

「「答えろ(な)、白雲」」

 

 

 

 もはや断定している言い方に、黒霧は靄が溢れていく。個性ではなく、動揺しているから勝手に動いてしまうものだった。

 

 

「……わたしは、黒」

「お前は!雄英高校2年A組!白雲朧だろうが!!!」

 

 

 

 相澤の強過ぎる言葉に、黒霧の靄は……顔の靄が一部、少しだけ晴れていく。

 

 

「し…しょ……ひ……」

 

 

 そこにあったのは、二人の親友の顔────かつてのままの、白雲朧の顔だった。

 

「ごめ……」

「謝んな!謝んなくていいんだよ!」

 

 

 瞬きを数回する程の、ほんの少しの時間だけ起きた死人の姿。

 

 

 

「…………病………………院…………………………かん…………………………さ…………………………い……………………………………………………」

 

 

 

 しかして彼が残したものは、これ以上ない生きた証だった。

 

 

「目……大丈夫か」

「……乾いて仕方ねぇよ」

 

 残された二人が抱いた感情は義憤を中心に複雑に絡まったものだが、一つだけは同じものがあった。

 

「……脳無作ったやつぶん殴る」

「ああ」

 

 決意を一つした二人をグラントリノと塚内警部が連れてタルタロスの外へ出る。想像以上の進展具合に喜びたいところではあったが、経緯が経緯だったために心の中に抑えていた。

 

「関西、もしくはその付近の病院か。辛い話をさせて申し訳ないが……進展したと間違いなく言い切れる。ありがとう」

「……脳無って何なんですか。()()()はこれ関係ないんですか」

 

 ふむとグラントリノは一瞬だけ判断に思考を移し、問題ないと彼女達について口にする。

 

「彼女達……艶羽の嬢ちゃん達、胎児をベースにした脳無は違う。そもそも誕生の経緯もだ。

 彼女達については完全に例外。シングルマザーの子供か孤児みたいなものの方が近いな」

「良くも悪くも母親の影響をもろに受けてる。その影響のおかげかAFOの影響を完全にシャットアウトしている。

 従来の脳無は人の道を悪意を持って外れた者が作ったものだが、彼女達は善意を持って外れた者がつくった人だ。思想が違う……のだろう」

 

 艶羽達は白雲のような扱われ方をしておらず、ちゃんと人として扱われている。相澤にとってはそれだけで十分だった。

 

「犠牲者じゃないってんなら……別に何も無いです」

 

 タルタロスから車に乗って相澤と山田は離れていく。親友を弄ばれた事実に憤慨するものはあるが、同時に親友にまた会うことができた喜びもまたある。

 

 

 残ったのはAFOへの恨みと……自分達への呆れだけ。

 

 

「白雲の生徒が依光成生、か。何の因果だろうな」

「さぁな……どっちも間違った道進んでるって分かってる癖に……学ばないな、俺達」

 

 人を救うことを優先して命を落とした白雲。自分自身を何とかしようと藻掻くために周りを不幸にする成生。

 二人共『そうすべきだからそうする』という考えが余りにも強く……同時、周りのことは捨てることが出来てしまう覚悟の持ち主。

 

 逆に言えば、経験上察することができた可能性はあった。白雲のことで視たくなかったから、また起きた。他でもない白雲が育てたから。

 

 

「……そうだな」

 

 

 相澤の相づちはどこか空しいもの。だがその瞳に宿る力は、タルタロスに来た時よりも強くなっていた。

 

 

 

 

 




黒霧が影響受けてない訳が無いのでこうなりました

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