本当にあったとは言い切れない、それぞれの日常 シーズンF 作:JUBIA
<<決起大会>>
■タイトル
決起大会開催!!
■内容
世間話・愚痴なんでもOK、今後の人生について語り合おう!!
■参加資格
モンスターなら誰でも可
※ハンターは参加不可
■参加費
無料
飲食付き(持ち込み、大歓迎)
■開催日時
○月△日(夜~)
■開催場所
砂漠エリア2
※目印は中央付近の焚き火
■特記事項
冷え性の方は、要防寒対策
持込みOK
気軽なオフ会だと思ってください
■連絡先
クアルセプスまで
カタッ!
Enterキーを押す。
クアルセプスは、某サイトに『決起大会』という名のオフ会参加者募集を投稿した。
ここ最近、あまりにも暇だったので、ほかのモンスター達の近況が知りたかったのだ。
決起大会当日。
クアルセプスは、砂漠のエリア2の中央付近で誰もいないのを確認し、焚き火の準備を始めた。
パチパチパチ……。
クアルセプスは焚き火の前に座り、参加者を待った。
それからしばらく経って、ようやく最初の参加者がやって来たようだ。
?「よおっ、久しぶり」
ク「やぁ、アビオルグ君じゃないか」
短い手を振りながらやってきたのは、アビオルグだった。
ク「まぁ、その辺に座っててよ」
クアルセプスは、アビオルグに振る舞う飲み物を用意している。
ク「はい、どーぞ」
ク「最近どぉ?」
ア「うーん、……暇だぜっ!」
ク「そっかー、僕と同じだね」
ア「お前はまだいいさ、証だって俺よりも一枚多いし……」
ク「…………」
しばらくの間、沈黙が続く。
ク「でもさ、引っ越してきた当初は、これでもかなり賑わってたんだよね」
ア「俺もさ。でもそのうち挙動不審だとか、ヌルヌルした動きがイヤだとか言われてさ、メンタル的にもキツイぜ」
ク「そうだよね、そういうのが一番こたえるよね」
ア「起死回生によ、とっておきのお宝とか出したらまた賑わうと思うか?」
ク「お宝?」
ア「宝玉、とかだよ」
ク「うーん、でもそれを活かせる職人さんがいないとね」
ア「そっかぁ……」
またしばらくの間、沈黙が続いた。
ア「ベルの野郎とかは、忙しいんだろーなー」
ク「彼は人気者だからね」
ア「……。おっ? 開始時間とっくに過ぎてるけど、まだ誰も来ねーな」
ク「うん、……来ないね」
と、その時、
ズーン……ズーン……ズーン……!
辺り一面が揺れ始めた。
ク・ア「あっ」
?「ごめんなさい、遅れちゃったかしら?」
大地を揺らしながらやってきたのは、シェンガオレンだった。
ク「まだまだ全然大丈夫だよ」
シ「よかったぁ~」
ク「遠い所、ご苦労様だったね、迷わずに来れたかい?」
シ「ええ、障害物が合っても壊しながら来たから迷わなかったわ」
ク「そ、そーだよね」
シ「私、ブレスワインを頂こうかしら」
ク「今、用意するね」
シェンガオレンは、アビオルグの横にズシンと座った。
シ「どっこいしょ、ふぅっ。あら? あなた、初めまして……かしら? 私、シェンガオレン、よろしくね」
ア「あ、あぁっ、俺はアビオルグ……と申しますっ」
シ「噂はかねがね聞いてるわ。はぁーっ、久々に長い距離を歩いたから、脚がむくんでパンパンだわっ」
ア「た、大変でしたね……」
ブレスワインを持ったクアルセプスがやってきた。
ク「はい、お待たせ」
シ「ありがとう」
シェンガオレンは、ブレスワインを一気に飲み干した。
シ「はぁー、やっぱりワインはブレスワインよねー♪」
ク「最近、シェンさんのほうはどう?」
シ「どーもこーもないわよっ」
シ「ハンター達ったら、HR100になった途端、私のことなんて見向きもしないんだからっ」
シェンガオレンは、遠い目で焚き火を見つめている。
シ「おかげで暇で暇で。いっそのこと、世界一周旅行にでも行こうかなって思ってたところよ」
ア・ク「そ、それはやめたほうが……」
シェンガオレンの登場により、今まで葬式会場のようだった決起大会は、大いに賑わった。
と言っても、ほとんどがシェンガオレンのおしゃべりで、決起大会はその幕を閉じた。
<<グークの恩返し>>
私は、グークです。
今日、私が落ち込んでいると、世話焼き猫さんがエプロンのポッケからマタタビを1つ取り出して、私にくれました。
ありがとう、猫さん。
でも、私はマタタビが食べられません。
このマタタビをどうしようか考えました。
いつも私に優しくしてくれる猫さんへの恩返しに、このマタタビを植えてマタタビがいっぱい増えたら、それを猫さんにあげようと思います。
猫さんが見ていない隙に、ガーデンの隅っこへマタタビを埋めました。
早く大きくなるといいな。
それからしばらく経って、また私が落ち込んでいると、猫さんがエプロンのポッケからマタタビを1つ取り出して、私にくれました。
ありがとう猫さん。
……あれ?
前にも、猫さんからマタタビをもらったような気がするのですが、そのマタタビをどこにやったのでしょうか?
うーん、うーん。
しばらく歩きながら考えていました。
でも、いくら思い出そうとしてもすっかり忘れてしまったようで、思い出すことができませんでした。
それよりも、今もらったこのマタタビをどうしようかと悩みました。
いつも私に優しくしてくれる猫さんへの恩返しに、このマタタビを植えてマタタビがいっぱい増えたら、それを猫さんにあげようと思います。
猫さんが見ていない隙に、ガーデンの隅っこへマタタビを埋めようとしました。
……あれ?
そこには、何かが埋まっているようです。
よく見ると、干からびたマタタビが1つありました。
そうだった、前も今と同じように埋めたんだったと、ようやく思い出しました。
この辺りは雨が当たらないから、マタタビが干からびてしまったんでしょうか。
それなら今度は、池の近くに埋めようと思います。
ここなら水分もあるので、きっと大丈夫でしょう。
早く大きくなるといいな。
それからしばらくすると、ガーデンの大工事が始まりました。
どうやら私達の施設を改装するようです。
……あれ?
何か大事なことを忘れてる気がするのですが……。
うーん、うーん。
しばらく歩きながら考えていました。
でも、いくら思い出そうとしてもすっかり忘れてしまったようで、思い出すことができませんでした。
職人さん達がいっぱい出入りして、みんな一生懸命に施設を作ってくれています。
何ができるのかなぁ。
楽しみだなぁ。
私は嬉しくて、嬉しくて、職人さんの回りをぐるぐると走りました。
トテテテテ、ドテっ。
「ピッ(痛っ)」
また転んでしまいました。
職人さんに、心配をかけてしまったでしょうか。
チラッと職人さんを見上げてみます。
職人さんは、私を指差しながら猫さんに大声で何かを言いました。
猫さんは、ペコペコと頭を下げています。
なんだかよく分からないけれど、……ごめんなさい。