仕事が命がけすぎて死んだふりして逃げたいんだけど……… 作:じゃがありこ
「これが伊勢うどんか」
夜光は玲奈の案内でとある食事処に来ていた。目の前には伊勢うどんと呼ばれるうどんが置いてある。太くて柔らかい麺に、出汁と伊勢だまりを合わせた独特の色の濃いタレが特徴的だ。甘く独特な香りが鼻腔をくすぐり食欲を誘う。口にうどんを入れて、予想外の上品さに目を丸くした。
「思ったより味が濃くないじゃろ?ここの店はこれが売りなんじゃよ」
「………うまいな」
素直にそう思った。それと同時に、玲奈の服装の感想も口に出したかった。出さないが。服装のセンスがいい。シンプルながら可愛らしい純白の丈が短いワンピース。少女のすらりとした長い脚と真っ白で柔らかそうな太ももを惜しげもなく晒していて、実に眼福である。ただ、髪を結んでいるくすんだ赤いリボンが微妙に似合っていなかった。何というか、そのものが悪いわけではなく服装とマッチしていない。もったいない。そう夜光は思っていた。絶対に口にしないけど。
「………よく観光案内なんて引き受けてくれたな」
夜光がそう話しかけると、うどんを口に入れたまま玲奈は顔を上げた。そして、じゅるりと吸い込んでもぐもぐ口を動かしていた。最後にゴックンと飲み込むと
「なんじゃ、意外だったかの?」
「ああ、正直断られるものと思っていたよ」
「まあ、いきなり「付き合ってくれ!」と何の脈絡もなく言われた時は頭がおかしくなったのかと思ったがの」
夜光は目をそらす。勢いと勢いと勢いだけで突貫した夜光は、自然に「付き合ってくれ」というフレーズを使う会話を考えるのを止めて、部屋に入って一言目に言い放ったのである。やけくそだった夜光は気が付いていなかったが、玲奈は近年稀に見る惚け顔をしておりあの瞬間であれば、夜光の攻撃も通ったであろう。
「それに、いい玩具が手に入ったからのぉ。壊れないようにメンテナンスをこまめにしているんじゃ」
「だったら、武器の能力ぐらい教えてくれてもいいんじゃないか?このままだと、ボコボコにされ過ぎて俺が壊れるぞ」
玲奈は悪戯っぽい笑みを浮かべて、夜光を玩具と断言し夜光はそれを流して情報を要求する。
「人が壊れる線引きは誰よりも理解しておるからの。問題はないのじゃ」
軽くそれを受け流した玲奈は皮肉気な笑みでそんなことを宣う。一瞬その諦観じみた表情に顔をしかめた夜光は完全に踏み込む機会を逃していた。
「もう一つ、儂がお主の申し出を受けた理由がある」
今までの空気を一掃するように、玲奈は大げさな手ぶりで主張した。
「儂は可愛いじゃろ?」
どんな理由が語られるのかと思いきや、突然の自己肯定に夜光は完全に毒気を抜かれた。
「そうだな。否定はしない」
「じゃろう?儂はこう見えても学校でモテておるのじゃ!昔はこの口調で文句をつけてくる愚か者もいたのじゃが、才色兼備の儂を見て最近では諦めおった。そういうわけで、儂は男子からも女子からもモテモテなわけじゃ」
のじゃロリ口調は祖父の口調が移ったらしい。
「………」
あまりにも長く続きそうだったため、夜光は店員を呼び先に会計を済ませた。店員は店員で、玲奈の言動に動じることなくBGMとして処理している。どうやら、この自己肯定の塊みたいな発言はいつものことらしい。
「いや~、儂ってば勉強も運動も頭一つ抜けているわけじゃ。その上、美少女なんじゃから手に負えんじゃろ?聞いておるか?」
ない胸を張って自信満々に語る彼女を見て、夜光はため息をついた。
「で?お前が可愛いのはわかったから、俺の誘いを受けたもう一つの理由は?」
夜光がそう問いかけると玲奈はちらりと窓の外に視線を向け、悪だくみをしている子供のような顔をする。
「結論は店の外で教えてやろう」
そう言って、席を立ちあがった彼女に続いて夜光も店を出る。時間は午後2時過ぎ。太陽が目に染みる時間だ。
店の外に出た玲奈はクルリと夜光の方に向き直り、ズイっと顔を近づけた。玲奈の身長は、夜光よりも7cmほど低いため背伸びをする形になる。
「何じゃ…もう少し反応せよ。赤面の一つでもせんか」
「………対面の道路に百面相している少年がいるんだけど、知り合い?」
「鋭いの。クラスメイトじゃ。ついでに、儂に気がある男子生徒じゃな」
夜光は確信する。この女は自分が出会ってきた人間の中で一番性格が悪いと。心底楽しそうに笑う少女を見て、夜光は男子生徒に同情した。
「もう一つの理由はこれじゃ!思いを寄せる女子が知らない男と歩いておるではないか!そんな姿を自分以外の数名が目撃する。夏休み明け、本人に確認を取るもはぐらかされる。悶々とする男子生徒たち。情緒が搔き乱されておかしくなる男子生徒。めちゃめちゃ面白そうじゃろ?」
「マジでいい性格してるよな、お前」
その内刺されるだろこの女。そんなことを思いつつ、夜光は玲奈に連れられ他の観光名所に歩を進めるのだった。
400:いっち
デートは楽しく進んでるけど、この性悪女をどうにかできる自信がありません
401:名無しの転生者
女って怖いな
402:名無しの転生者
脳が破壊される男性生徒かわいそう。あー、嫌な記憶が思い出されそうできつい
403:名無しの転生者
現実にいるんだな、こんな女の子
404:いっち
好きな子に告り損ねたことならあるけど、こういう体験はないなぁ
405:名無しの転生者
アアァァアアァァァァァァァァァァァァ。NTRはもうたくさんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
406:いっち
あ、この牛肉美味しいな
407:名無しの転生者
弄ばれたトラウマニキは気を確かに持て
408:名無しの転生者
刺されそうなムーブって意味なら、イッチも負けてないと思うけど
409:名無しの転生者
むしろイッチの方がやばいでしょ、相手の重さとかが
410:名無しの転生者
>>407
これを乗り越えて強くなるんやで俺のようにな…。いやー、もう3年も前になるのか。片思い…遊ばれている…屋上…告白の瞬間………うあああああああああああああああ
411:名無しの転生者
地獄絵図で草
412:いっち
へえ、黒髪ちゃん兄妹がいたのか
413:名無しの転生者
>>410乗り越えられてなくて草
414:名無しの転生者
>>409
これやばいと思うぞ
415:名無しの転生者
>>409
>>410
地獄絵図で草
416:名無しの転生者
画像の保存で忙しくてあんまり話見れてなかった。結局、どうなった?
417:名無しの転生者
黒髪ちゃんを落とすのは至難そう
418:名無しの転生者
これからもアプローチを続けんといかんな
419:いっち
押してダメなら?
420:名無しの転生者
引く
421:名無しの転生者
引いてもダメなら?
422:いっち
蹂躙する
423:名無しの転生者
草
424:名無しの転生者
草
425:名無しの転生者
イッチの恋愛観が怖いんだけど
426:名無しの転生者
蹂躙ってなにするんだ?w
427:いっち
先輩からの教えで、何してもダメなら強制的に自分しか見れないように蹂躙しろって言われてた。安心してほしい、猫耳にそんなことはしてない。
428:名無しの転生者
何も安心できないが
429:名無しの転生者
やはりイッチもおかしいのでは?ボブは訝しんだ
430:名無しの転生者
で、こっからどうするんだ?
431:いっち
ここまで来たら何としても武器はもらって帰る。よって、暴力による解決と黒髪ちゃん攻略を同時に行おうかなと思ってる
432:名無しの転生者
せやな
433:名無しの転生者
そうするしかないやろな
434:名無しの転生者
安価は?
435:名無しの転生者
とりま、安価しよ?
436:名無しの転生者
安価
437:いっち
………黒髪ちゃん攻略は厳しいかもなあ
438:名無しの転生者
どうした急に
439:名無しの転生者
即堕ち二コマ?
440:いっち
黒髪ちゃん、突然儂は行く場所があるから先に帰れって言ってどっか行っちゃった。今日の予定はないって朝言ってたんだけどな…。
441:名無しの転生者
何か怒らせた説
442:いっち
怒ってたっていうか、焦ってたっていうか…。わからん
443:名無しの転生者
スレ民にもわからん
444:名無しの転生者
………なんかフラグ発った?
445:いっち
んー、安価だっけ?じゃあ、これからの攻略方針>>458
446:名無しの転生者
ざっくりしてるな
447:名無しの転生者
フワフワしているとも言う
448:名無しの転生者
ガンガン行こうぜ!的な?
449:名無しの転生者
あーなるほど?
450:名無しの転生者
「バッチリがんばれ」
451:名無しの転生者
俺に任せろ
452:名無しの転生者
命を大事に?
453:名無しの転生者
呪文を使うな?
454:名無しの転生者
ガンガン行こうぜ
455:名無しの転生者
ドラクエ縛りは草
456:名無しの転生者
虚無僧か使用人から、黒髪ちゃんの情報を聞き出す
457:
毎日夜に話に行く
458:名無しの転生者
黒髪ちゃんの生い立ちを調べる。で、一番効きそうなセリフを考えて
459:名無しの転生者
毎日夜に話しかけに行き、心を開かせる。
460:名無しの転生者
夜這いに行く
461:いっち
おっけ、とりあえず神社に帰る
700:いっち
やばい、殺される