仕事が命がけすぎて死んだふりして逃げたいんだけど……… 作:じゃがありこ
後日談
1:いっち
ただいま
2:名無しの転生者
よう、女たらしクソ野郎
3:名無しの転生者
追い詰めて掬い上げる最低のクソ野郎
4:名無しの転生者
弱みに付け込んで距離を詰めるクソ野郎
5:名無しの転生者
いつか刺されるぞ
6:いっち
はーい。いつも通り、現状報告する。
7:名無しの転生者
スルーで草
8:名無しの転生者
草
9:いっち
まず、損害についてだけど、使用人以外は全員生きてるよ。使用人は行方をくらませました。怖いですね。
黒髪ちゃんの武器も取り返しました。
一般人(目撃者)が惨殺されました。
監視カメラ君もデータも壊されました。
襲ってきた軍服野郎は、後から現れた変態ピエロに回収されました。
一連の被害はサバイバー絡みっていうのが確定しているんだけど、足取りを追えていない執行局が責任逃れのためにカバーストーリーを流してる。火消しが大変そう(小並感)
10:名無しの転生者
もうわけわかんねな
11:名無しの転生者
わかる
12:名無しの転生者
結局、第三勢力の目的は何だったん?
13: いっち
知らん。ワイを捕獲することと黒髪ちゃんの殺害、開祖の筆を手に入れることが目標だったらしい。
ピエロは黒髪ちゃんから武器を盗んだ実行犯らしい。
14:名無しの転生者
使用人絶対寝返ってるだろ
15:名無しの転生者
騒動の全貌がまるでつかめていない
16:名無しの転生者
仕方ない
17:名無しの転生者
俺たちはそんな現状報告が聞きたいんじゃない
18:名無しの転生者
黒髪ちゃんとはどうなった?
19:いっち
何か表面上は割と普通。今までとあんまり変わらない。発言は自己肯定の塊みたいだし、相変わらずサディスティックだな。ただ………
20:名無しの転生者
ただ?
21:名無しの転生者
おっと
22:名無しの転生者
これは
23:いっち
被虐体質に目覚めたっていうか、SなのにMっていうか。露骨に距離が近くなったし、だる絡みが多いし、めんどくさがって払いのけると「殴ってきても文句は言わんぞ」って言ってくる。怖い
24:名無しの転生者
草
25:名無しの転生者
SとMのハイブリットかw
26:名無しの転生者
謎のDV耐性w
27:名無しの転生者
性癖開拓されてるやんけ
28:いっち
マジで距離感バグってる。怖い。【画像】(イッチにぴったりとくっついてうたた寝してる黒髪ちゃんの写真)
29:名無しの転生者
は?殺していいか?イッチ、殺すぞ?
30:名無しの転生者
お前、この美少女に気に入られて何が怖いんだよ
31:名無しの転生者
刺されそうだけどな
32:名無しの転生者
刺されそう
33:名無しの転生者
首輪とかつけてきそう
34:いっち
安価が悪いと思います
35:名無しの転生者
せやな
36:名無しの転生者
それはそう
37:名無しの転生者
あれ?髪に付けてるリボン、髪飾りになってる。ベースが花なのか。何の花?
38:名無しの転生者
イッチがデート中に買ったやつか
39:いっち
ガザニアとか珍しい花だなと思って
40:名無しの転生者
っていうか、当初の目的は?
41:名無しの転生者
今までのリボンを外して、イッチの挙げた髪飾りをつけたのか………リボンが誰かの送り物だったりする?
42:名無しの転生者
確かに
43:名無しの転生者
>>40
武器はもらえたんじゃないの?
44:名無しの転生者
それより、イッチが戦闘中に覚醒した話が気になる
45:名無しの転生者
>>40
イッチに対して、好感度高いから大丈夫だろ
46:名無しの転生者
>>43
黒髪ちゃんを組み伏せられてないけどな
47:いっち
武器は持って行っていいって言われてる。ただし、しばらくは使うなって。確かに、ワイも使いたいとは思わない。ワイのいる世界の武器は、武器の元になった魔物の能力を引き継いだ性能を発揮するんだけど、この武器は元が何で出来ているのかわかってないらしい。
武器には適正っていうんのがあって、まだブラックボックスなんだけど使用者の性格と技量に応じて使える武器と使えない武器っていうのがある。普通の武器は、適合者以外が使おうとすると能力が発動しないだけなんだけど、一部の武器は適合していない人間を弾き飛ばしたり焼き尽くしたりする。これは、強い魔物が元の素材になっているほど魔物の我が残っているからって言われてるんだけど、これに照らし合わせて考えるともらった武器はかなりやばいと思う。体の制御を持ってかれそうになったのは初めてだ。
48:名無しの転生者
モンハンの武器に使用制限がかかった的な理解でおけ?
49:名無しの転生者
武器も攻略すれば解決するだろ
50:いっち
>>48
そんな感じの理解でOK
51:名無しの転生者
>>43
もう今のイッチには簡単やろ
52:いっち
言い訳させてほしいんだけど、黒髪ちゃんを追い詰めて無理やり立ち直らせたのは仕方ないことだったんだ。あそこで立ち直ってなかったら、ワンチャン全員死んでたし。
53:名無しの転生者
ほーん、で?
54:名無しの転生者
それで許されると?
55:名無しの転生者
まあ、安価の結果だけどな
56:いっち
安価が悪いと思います………
57:名無しの転生者
安価のせいにするな
58:名無しの転生者
それはそう
59:名無しの転生者
>>56
でも、かなり手馴れてたな?
60:名無しの転生者
屑野郎
61:いっち
>>59
戦場だとメンタルがやられて動けなくなる子が結構多いんだ。で、放っておくと死んじゃうからケアして強引に立ち直らせる必要があるんですよ。一瞬でも油断すると戦場のど真ん中では死にかねないので。新入生たちは仲間の身体がパーンして、恐怖で動けなくなったりそこそこ長く戦っている奴でも親しい奴の身体がバーンして、我を忘れたりするから。とりあえず木偶の坊にならない様に叱咤激励して、終わったらカウンセリングに送ってた。まあ、カウンセリングに送ったところで数か月後には絶対に戦場に逆戻りなんですけどね。何度もそんなことしているうちに慣れた。
62:名無しの転生者
あっ
63:名無しの転生者
パーン
64:名無しの転生者
バーン
65:名無しの転生者
一体何の擬音なんだ
66:名無しの転生者
身体がバーンするって何?
67:名無しの転生者
そう言えばイッチの世界やべー場所だったわ
68:名無しの転生者
>>67完全に忘れてたぜ
69:名無しの転生者
>>67
最近平和だったから忘れてたな
70:名無しの転生者
平和………
71:名無しの転生者
>>70平和の概念壊れてきたな
72:いっち
あ、そうだ!今回の件について、イケメンボスが何か知ってそうだから問いただそうと思うんだけど、聞いてほしいこととかある?>>80
73:名無しの転生者
唐突な安価、俺でなければ見逃しちゃうね
74:名無しの転生者
鮮やかな話題逸らし俺でなきゃ見逃しちゃうぜ
75:いっち
>>74
あーあー、聞こえないー
76:名無しの転生者
この世界の真実とか?
77:名無しの転生者
黒髪ちゃんの一族について?
78:名無しの転生者
ボスの目的を吐かせろ
79:名無しの転生者
黒髪ちゃんに関して
80:名無しの転生者
今までの女性遍歴
81:名無しの転生者
ボスの過去、イッチを黒髪ちゃんに引き合わせた目的
82:名無しの転生者
知ってることはすべて話してもらえ
「お嬢、こんな時間から外出っスか?」
学園の正門。数々の手続きを踏まないと辿り着くことのできないその場所に二人の男女が立っていた。少年は、プロテクター付きの制服を着こんだ気だるげな生徒だ。ホルスターに収まったリボルバーが印象的な少年である。お嬢と呼ばれた少女は、豪奢な金色のロングヘアーの上半分の髪を両側面から後頭部に持って来てまとめ、後ろで1つに結んでいる。少年と同じく生徒ではあるが、決定的に異なっている点が一つある。それは、少年のようにガチガチに武装していない点である。加えて、旅行鞄のようなものを手に持っている。
「ええ、そうよ。そういう貴方は任務かしら?」
「そうっスね。計正の奴と合同で栃木にある街を調査しに行くことになりました」
「栃木?あんな秘境に?街ってほぼ山と森林しかないじゃない?後は、廃都市?」
「オピスライトがガリオンが居座っているおかげでとれるかもしれないってことで、採掘チームが向かったんですがね?連絡が途絶えちゃったらしいんスよね」
ガリオンとは巨大な羊のような魔物であり、この魔物から発せられる排出物が周辺の鉱物に付着すると、オピスライトと呼ばれる貴重な鉱石が誕生する。この鉱石は、加工しやすく強度もそれなりで尚且つ砕いて他の材料に混ぜるだけでその材料の強度を上げる性質を持っている。ただし、ガリオンという魔物は大穴が空いた初期に大量に討伐されたため、希少なものとなっている。
「ああ、なるほどね。貴方達はそれの調査に行くのね。口が堅いので有名な貴方に白羽の矢が立つのは頷けるわあ」
「お察しの通りっスね」
少年は肩を竦めてため息を吐く。少女はそれを見てクスクスと笑みを浮かべた。
「計正と任務に行くのは嫌かしら」
「そうっスね。別に嫌いなわけじゃないんっスよ。任務中話さないで済むのも、オレとしてはありがたいんですがね?今のあいつは………何というか………あー」
歯切れが悪い少年を見かねて少女が代弁する。それはもう楽しそうに。
「夜光が死んでから機嫌が悪いものね、彼らは」
「嬉しそうっスね」
ドン引きしながら少年は少女に問いかける。
「そうね。うれしいわ、あの女が悲しそうにしてる顔を思い出すだけで———濡れるわ!」
「お嬢、性癖は人それぞれっスけどそろそろ待ち合わせしてる他メンバーがくるんで自重してください。計正の奴が聞いたら戦闘が始まるんで」
「あら?これは失礼」
少女は全く反省していなさそうな顔で正門を跨ごうとする。それに反応して少年は、問い掛けた。
「お嬢はいつもの散歩ですか?」
「ええ、1週間ほど休みをもらったから東京にでも行こうかしら」
「ああ、それでその荷物なんっスね」
「貴方もどうかしら?」
コテンと首をかしげる少女を見た少年は大きくため息を吐いて答える。
「無茶言わないでください。俺、お嬢と違って外出許可証持ってないんで」
「貴方も作ればいいじゃない」
「軽く言わないで下さいよ。3位以上かつ素行優良な生徒以外はそう簡単に申請できないっスから」
「あら?私は結構問題を起こしてるけど、剥奪されたことないわよ?」
「そりゃあ、お嬢にへそ曲げられたら任務に支障が出ますからね?腐っても1位。評価されてるんっスよ」
少女はニッコリと笑って正門から外に出た。小さくなっていくその背中を見ながら少年は零す。
「あの人、愛情表現が歪み過ぎなんだよなぁ………」