仕事が命がけすぎて死んだふりして逃げたいんだけど……… 作:じゃがありこ
なんか学校行くことになった
1:いっち
イケメンボスから行きなさいって言われた
2:名無しの転生者
イッチ!久しぶりじゃないか
3:名無しの転生者
女の敵じゃないか!
4:名無しの転生者
やあ、鬼畜クソ野郎
5:名無しの転生者
マッチポンプ屑野郎どうしたよ
6:名無しの転生者
みんな辛辣で草
7:名無しの転生者
スレ民が悪いんだけどな………
8:名無しの転生者
現状報告して
9:いっち
前回の安価から1週間ぐらい経ってる。もうすぐ夏が終わる。
10:名無しの転生者
悲しいな
11:名無しの転生者
季節の変わり目か
12:名無しの転生者
で?結局、何で学校に行けって言われたんだ?
13:名無しの転生者
イッチって歳いくつだっけ?
14:名無しの転生者
15とかじゃなかったっけ?
15:名無しの転生者
じゃあ、中学生か
16:いっち
今から中学3年生になるのはあれだから、16歳ってことにして高校生扱いなった。高校1年生として、学校に通いなさいって。
17:名無しの転生者
あー、そもそも戸籍がないからそういうことができるのか
18:いっち
若人が疑似的とはいえ青春を楽しめないなんておかしな話さ。ってわけで、明日から高校生だからよろしくって言われました。
19:名無しの転生者
草
20:名無しの転生者
明日!?
21:名無しの転生者
詳しい説明は?
22:いっち
ないです
23:名無しの転生者
草ですわ
24:いっち
大きな問題が二つある。一つは、ワイがサバイバーだとばれないように色々と加減しないといけないこと。まあ、これは慣れれば行ける。力加減を間違って、相手を殺しちゃいましたとかはないはず。問題は二つ目だ。
25:名無しの転生者
ほうほう、二つ目は?
26:名無しの転生者
慣れればいけるのか
27:いっち
二つ目は………自己紹介だ
28:名無しの転生者
29:名無しの転生者
30:名無しの転生者
31:名無しの転生者
あー、うん、名前言えばいいだけだろ
32:名無しの転生者
わかるわかる。奇をてらった自己紹介で地獄みたいな空気を作り出すのが怖いんだろ?
33:名無しの転生者
無難にやれば問題ないだろ?
34:名無しの転生者
いや待て。イッチ………お前まさか転入生で入るのか?
35:名無しの転生者
!?
36:名無しの転生者
そうか!みんなが自己紹介するならばとにかく、一人だけ自己紹介するとなるとその重みは全くの別物だ。
37:名無しの転生者
トラウマニキ達がなんか語りだしたな
38:名無しの転生者
どんだけ自己紹介が怖いんだよw
39:名無しの転生者
普通に名前言って、趣味言って、よろしくお願いしますで終わりだろ
40:名無しの転生者
それができないのはコミュ障では?何か面白いことを言おうとするから、そうなるんやで!
41:名無しの転生者
チクチク言葉嫌いだ
42:いっち
というわけで安価します
43:名無しの転生者
意味が分からん(困惑)
44:名無しの転生者
自己紹介を安価に任せるとか正気か?発狂してる?
45:名無しの転生者
狂気発症してるだろw
46:名無しの転生者
フェティズム、対象は安価
47:名無しの転生者
それはここのスレ民だろ?
48:いっち
ここ最近の件で、安価を使えばアホみたいな補正がかかることが証明されました。そこで、安価を使って無難で最高な自己紹介を行って見せるんだ。
無難な自己紹介のセリフ
>>58
49:名無しの転生者
なるほど
50:名無しの転生者
冷静になれ
51:名無しの転生者
ここにいるのはスレ民だぞ?
52:名無しの転生者
俺の名前はイッチ。趣味は狙撃、女遊び、掲示板だ。よろしくな
53:名無しの転生者
イッチと言います。よろしくお願いします。
54:名無しの転生者
転校生のイッチ、ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、俺のところに来なさい。以上
55:名無しの転生者
ハルヒがいるな
56:名無しの転生者
イッチと言います。親の都合で先月引っ越してきたため、入学が遅れました。よろしくお願いします。
57:名無しの転生者
イッチだ。よろしく頼む。
58:名無しの転生者
イッチと言います。少し遅れての入学になってしまいましたが、仲良くしてくれると嬉しいです。あ、○○さん!昨晩お世話になった○○さんじゃあないですか!
59:名無しの転生者
イッチと言います。サバイバーです。ムカついたら狙撃しちゃうぞ
60:名無しの転生者
拙者、イッチと申す。よろしくでござる。
61:名無しの転生者
イッチです、よろしくお願いします。卒業までに彼女100人が夢っす。
62:名無しの転生者
何これ?
63:名無しの転生者
よくわからん
64:名無しの転生者
相変わらず、ひどいな。解説して
65:名無しの転生者
〇〇には人名が入る。今日中に転入する学校のクラスにいる人間と仲良くなれば、上記のセリフが言えるようになる。頑張れ。
66:名無しの転生者
な、なるほど?
67:名無しの転生者
要するに、安価成功のためにはまずナンパが必要なわけか
68:名無しの転生者
どうしてこうなった?
69:名無しの転生者
そもそも、女である必要があるとは言っていないのですがそれは
70:いっち
どうしてこうなった!!!!!誰が悪かったッ!何が間違っていたッ!
71:名無しの転生者
悪かったのはイッチとスレ民。間違っていたのは、安価をしたことだなw
72:名無しの転生者
>>51がすべてを物語っているのさ
73:名無しの転生者
ってなわけで、ナンパに行ってこい
74:名無しの転生者
二回目だから余裕だろ?
75:名無しの転生者
同学年の同じクラスを探してこい
76:名無しの転生者
イッチならできるって信じてるぜ!
77:いっち
………ナンパのセリフも決めます
78:名無しの転生者
なん………だと
79:名無しの転生者
追い安価だと!?正気か
80:名無しの転生者
バカな!そんことをすれば、どうなるか想像できるはずだ!
81:名無しの転生者
落ち着くんだ、イッチ。考え直せ!
82:名無しの転生者
イッチの覚悟を無駄にするな!最高に恥ずかしいことを言わせるチャンスだぞ
83:名無しの転生者
歴史から学べ。さっきの結果に満足しているのか?
84:いっち
バカ野郎!俺は勝つぞお前!ナンパのシチュエーション、ナンパのセリフ!>>100
85:名無しの転生者
そうか、確かにナンパのシチュエーションを決めておけば探す手間がだいぶ省ける。この安価は、そこまで考えた安価だったのか!
86:名無しの転生者
確かに、シチュエーションを駅前とかにしたら探す場所は限られるけど………セリフを決める必要あったか?
87:名無しの転生者
(たぶんそこまで考えて)ないです。
88:名無しの転生者
セリフかぁ
89:名無しの転生者
これ、場所をラブホとかにしたらどうなるんだろ?
90:名無しの転生者
あっ………
91:名無しの転生者
これは面白くなってきましたねぇ!
92:名無しの転生者
ラブホ前でナンパされているところを助ける。セリフは俺の女に手を出すな!
93:名無しの転生者
建物の上から飛び降りる寸前のところを助ける。セリフは「死ぬのはいつでもできるから最後にしときな」で!
94:名無しの転生者
駅前でナンパされていることを助けて、逆にナンパしろ。セリフは「道に迷ってるんだけど、この辺詳しかったりする?」
95:名無しの転生者
バスの中で寝落ちしている相手を終点で起こす。セリフはなしで。
96:名無しの転生者
バスの屋根の上で、ナンパ。セリフは「お嬢さん、貴方もここに来てしまったのですね?嘆かわしいことです」
97:名無しの転生者
バーで違法に働いている子にナンパ。セリフは「お金は目も眩むような力がありますが、私はお嬢さんの魅力に目が眩みそうです」
98:名無しの転生者
>>95ありだな
99:名無しの転生者
バスの中で寝落ちしている相手を起こして、コーヒーを奢ってコンビニで長話する。
100:名無しの転生者
駅前でナンパされている子を助けて、サバイバーに襲われているその子を助ける。ナンパのセリフは敢えてなしで
101:名無しの転生者
ラブホの前でうろついている子に声をかける。セリフは俺と遊ばないかい?
102:名無しの転生者
どういうことだってばよ
103:名無しの転生者
>>100
駅前でナンパされているシチュエーションの後に、ナンパされていた子がサバイバーに襲われるんやで
104:名無しの転生者
街中でサバイバーと戦うのか(困惑)
105:名無しの転生者
欲張りセットだな
106:名無しの転生者
街中でサバイバーと戦うのか………イッチの素性バレかねないのでは?
107:いっち
………ワイはもう二度とスレは開かんからな
残暑を感じさせつつ、秋の気配を孕んでいる少しだけ生暖かい風を受けながら、少女は最寄り駅から少し離れた新宿に到着する。その駅を囲むように百貨店や家電量販店が並んでいる。様々な路線が走る駅の周辺は今日も多くの人が行き交っている。
少し高めの建物にあるカフェに入り、大きな窓から町を見下ろす。眼下にはギラギラとした明かりと怪しげなネオンに包まれた街が広がっているが、その奥の方に目を向ければ廃棄され崩壊しかかっている昔の街の残骸が見える。日常と非日常がせめぎ合っている。そんな空気を醸すこの場所がなんとなく好きだった。
席に着き、コーヒー片手に時間をつぶしてから再び駅の改札に向かった。別に用があったわけではない。何となく、家に帰りたくない気分だったのである。
少女の格好は、少し遊んでいる印象を受けるものを着ている。まだ夏の匂いが残っているとはいえ思わず目を引く紺色のスカートは夏場の娼婦のように露出度が高く、その白い肌を惜しげもなく晒している。
夜光や計正が見れば、素晴らしい脚線美と絶賛したであろう。派手なアクセサリーに髪は金髪に染められているが、その他は割と地味な服装である。アンバランスだなとギャルギャルしい女子を知っている人間は思うだろう。
そして、安価を達成すべく駅まで来ていた夜光は偶然その少女を見つけた。少女を一目見た夜光は何故少女がそんなアンバランスな恰好をしているのかを理解できてしまっていた。
だから、夜光はナンパとか関係なく少女に話しかけるつもりだった。客観的に見るとナンパだし、主観的に見てもただのナンパだが。
「やっと見つけた。悪いね、お兄さん方。この子先約があるんだ。ほら、みんな待ってるから行くぞ」
夜光はナンパに面倒くさげに対応している少女の腕を強めに掴んで、駅から連れ出した。
意外とあっさりと着いてきた少女は、安堵と不安に瞳を揺らした。その理由は、ナンパから救ってくれた夜光が好きになったとかではないことを夜光は察していた。
派手な格好をしつつも、どこか無理をしているような印象を受ける少女だった。彼女のそれを見て、すぐにわかった。
少女は非日常に飢えているのだ。わかりやすく言えば、死ぬほど質の悪いことにこの少女は臆病でありながら刺激を求めているのだ。一目見ただけだが、本当の刺激を知らないが故にそうなっていると確信させる雰囲気が彼女にはあった。何より、過去にそういうやつが身近にいたことがあり、すごくダブって見えたのである。常に刺激にさらされているサバイバーにはありえない思考回路である。
そんなことを考えつつ、夜光は安価に従い少女の前から姿を消した。