仕事が命がけすぎて死んだふりして逃げたいんだけど……… 作:じゃがありこ
サバイバーは大半が、検査の後に学園に送られるか執行局に配置されるかの二択であり、戦力として運用される。死亡率がそれなりに高く、脱走するサバイバーも後を絶たないが久成からすれば、学園はそこまで悪い場所ではないと思う。研究所よりは。
サバイバーの内、数パーセントほどが研究所という場所に送られる。サバイバーや魔物の解析、研究、武器の製造を行う組織であり、当たり前のように人体実験が行われる狂気的な空気が存在していた。薬品と血と悲鳴で満ち溢れる地獄がそこには顕現していた。
目を閉じれば思い出す。毎晩、子供たちの絶叫が耳を揺らす。地獄のような空間。
生き汚さだけが久成を生かした。時には研究員に媚びて、時には同じサバイバーの子を売って、生きることだけを考えて生きてきた。人はその行動を冷徹とか非道とか、悪逆と罵る。わかっていた。そんなことは。研究員に売った子供の憎悪が夢の中で形になって、怨嗟を吐き出されたことなど日常茶飯事だった。それでも、やり続けた。自分が生き残るために、死体の上で従順な被検体を演じる。しかし、それにも限界はある。
「一緒に逃げよう。久成。大丈夫、わたしたちは独りじゃないんだよ?」
だから親友からのその提案は天啓だった。臆病だった自分の腕を引っ張って彼女は仲間と共に逃げ出したのだ。友人たち10人。12歳から17歳の子供は、実験所から逃げ出し――――――そして殺された。生き残ったのは、久成と親友の少女の二人だった。
敵に追いつかれて、最後に残ったのは先導した少女と久成だけだ。少女とは仲が良かった。おそらく、一番長い付き合いだったのだろう。職員との距離の詰め方を教えてくれたのも、立ち回りを教えてくれたのも彼女だ。
追っ手の中から出てきた1人は久成たちにこう言った。
「この武器を使って殺し合え。生き残った方は見逃してやる」
渡されたのは悍ましい色をした極彩色の剣だった。後から知ったが、この武器は非常に強力で魔力を込めることで毒を分泌し、それは大抵の魔物を一撃で昏倒させるそうだ。そしてその適合者が久成と少女だった。
できない。殺したくない。死にたくない。
頭の中で言葉が騒ぐ。
急に真面目ぶるな。やるとなればやる。それが久成って人間じゃなかったのか?感情に流されるなよ?
いつもの冷静さはどうした?諦めは?生き汚さは?力を与えてくれるんじゃなかったのか?生きたささえ見失ったら、私って人間になんの価値がある?
なあ。わかるだろ。──やるんだ!
自分が真っ二つに引き裂かれていくような気分を、久成は味わった。誰にでも経験があるだろう、やりたくもないことを強いられたときの、あの気持ちだ。このときの久成のそれはかつてないほど強力だった。半狂乱、とさえ言えたかもしれない。 けれども、この場面においては、それが役に立った。
「うわあああああああああああああああ」
剣を拾い、走った。立ちすくむ少女の胸の上に剣を突き立て、 そして、深く刺した。刺した。刺した。刺した。馬乗りで刺した、何度も、何度も。
一度も抵抗されなかった。
ただただ、あの日の彼女の顔を久成が忘れられない。
それからは覚えていない。気づけば殺される心配がない執行局に身をおいていた。
「私は!生き残らないといけないんだ!そのためにいっぱい殺してきた!今更、殺しを躊躇わない!」
絶叫と共に久成は、夜光の目の前に肉薄する。しかし、夜光はバックステップで距離を取り、再度音のない踏み込みをもって久成の眼前に肉薄する。
少女の驚愕ごと刀をもって打ち払い、追撃の一閃を見舞った。始まるのは幾閃もの必殺の嵐だった。構えられた刀を弾き飛ばし、斬撃の結界を夜光が生み出す。経験の差が如実に出ている。常に死闘を続ける学園生と弱い相手を捕まえる執行局員では、経験の密度が違う。学園に通ったことのない執行局員は、恐れるに足らなかった。
「こんなもんか」
「うるさい!!!!!」
冷汗を野放しにし、久成は荒々しく息を吐いた。その小さな体はとっくに悲鳴を上げている。 少女の四肢はボロボロだった。そんな手を無理矢理引き戻し、剣の柄に嚙みつかせ、握りしめる。
「戻りたくない。戻るわけにはいかない。だって、私はあの子を殺して生きてるんだから!」
「だから殺しを躊躇いませんって?」
絶叫する久成に冷笑をする夜光。聞き捨てならない言葉だ。誰かを殺して生きているのはサバイバーであれば、全員が同じこと。言い訳としては0点だ。
「………殺しを躊躇ってないなら何で絵里奈は生きてるんだ?」
「は?」
「一般人を一人殺すくらいわけないだろ?今だって俺を無視して絵里奈を殺しに行けばいい。でもそれをしないわけを聞いている」
「………」
言葉に詰まった久成は、その場で立ち尽くしている。夜光は座り込んでいる絵里奈に視線を移し、そして再度問いかけた。
「殺したくないんだろ?」
「わ、私は………」
「自分を騙す嘘ほど、無意味なものはないよ」
夜光に向けられていた切っ先が、完全に地面に下がっていた。それは戦意の喪失を示していた。
「自分で止められないなら、俺が止めてやるよ。構えろ、久成」
後日談ですわー
1:いっち
はい
2:名無しの転生者
はいじゃないが?
3:いっち
今回の流れ
バトルジャンキーお嬢様が、製薬会社を襲撃。なるべく執行局に借りを作りたくなかった黒山羊製薬は、お抱えのサバイバーを使ってギャルモドキちゃんを殺そうとする。優等生ちゃんと外に出かけていたギャルモドキは、サバイバーに見つかる。事情を知らない優等生ちゃんから見れば、一般人を襲ってきた危険なサバイバーのためギャルモドキを避難させ交戦を開始。偶々優等生ちゃんの素性を知っていたサバイバーが現場判断で協力を要請。葛藤の末、彼女はこれを承諾。ギャルモドキがのこのこと様子を見に来る。優等生ちゃんが絶叫しながら彼女を襲う。
で、ワイが乱入して止める。バトルジャンキーお嬢様が製薬会社のデータを弄ったことで絵里奈のことは外部には漏れなかった。二人は、ボスに保護してもらって撤収。
製薬会社の方はバトルジャンキーお嬢様が暴れたので今回の件は引いた。執行局は製薬会社の襲撃犯であるお嬢様を警戒するが、今回の不祥事と『purge』に関するでかい案件があるため保留にしたっぽい。
4:名無しの転生者
現状報告しろ………ってもう終わっているのか!?
5:名無しの転生者
何か、ご都合主義強くない?
6:名無しの転生者
わかる
7:いっち
わかる、ワイも気持ち悪いほどご都合主義だと思う。裏で誰か動いていたんじゃないかって思うわ。
8:名無しの転生者
きちんと現状報告して
9:いっち
製薬会社の方はバトルジャンキーお嬢様が脅して、執行局は製薬会社に誤魔化してもらったから二人とも無事に復帰した。一件落着………ではないんですねぇ!
事の発端はワイの自己紹介安価なわけで、ギャルモドキちゃんの復帰に合わせ安価をぶちかましたところ大惨事になりました。
ワイ『イッチと言います。少し遅れての入学になってしまいましたが、仲良くしてくれると嬉しいです。あ、○○さん!昨晩お世話になった○○さんじゃあないですか!』
ギャルモドキ『昨日だけじゃなくてもう何日も家に泊まってるじゃん』
ワイ『吐血』
10:名無しの転生者
ヒャッハー、最高だぜ
11:名無しの転生者
知ってた。
12:いっち
一躍有名人や(白目)
女の家に入り浸ってたくせに知らんふりするクズ男としてな
13:名無しの転生者
草
14:名無しの転生者
草
15:名無しの転生者
知ってた
16:いっち
今ではちゃんぽん弁の胡散臭い男とギャルモドキ、同時期に転校してきた後輩しか話し相手がいない
17:名無しの転生者
ちゃんぽん弁の男?
18:いっち
同時期に転校してきた後輩、めちゃくちゃサークルクラッシャーなんだよな
19:名無しの転生者
ほう
20:名無しの転生者
詳しく聞こうか
21:名無しの転生者
情報過多になってきたな
22:いっち
転校して2週間弱だけど、すでに一年生のクラスで後輩ちゃんの取り合いが始まり喧嘩騒ぎ。野球部がマネージャーへ勧誘し、それに反発したバスケ部が潰し合いを初めて器物破損、主犯は退学。カップルを見つけては、男側に誘惑して破局させる。被害者は3人。
23:名無しの転生者
草ですわ
24:いっち
女の子側が黙認してて、手を出してないのが怖い。俺は関わらないぞと思っていたら、面白がったちゃんぽん弁が声を掛けて無事邂逅。
25:名無しの転生者
邪悪w
26:名無しの転生者
わざとなら化け物やな
27:いっち
ワイの学園生活どうなるんや