仕事が命がけすぎて死んだふりして逃げたいんだけど………   作:じゃがありこ

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第3話

仕事から脱出できたけど、戸籍がねぇぇぇぇぇぇw

 

 

1:いっち

シャバの空気がうめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!

 

2:名無しの転生者

お、イッチ無事に逃げ切ったのか

 

3:名無しの転生者

はやく現状報告しろ

 

4:名無しの転生者

安価達成できたか?

 

5:名無しの転生者

スレを開いたということは安価をするということだな?

 

6:いっち

君のような勘のいいガキは嫌いだよ

 

7;名無しの転生者

 

8:名無しの転生者

 

9:いっち

死んだふりはうまくいったし、セリフも言えた。安価も達成した。

 

10:名無しの転生者

満点じゃん

 

11:名無しの転生者

自分のために仲間を曇らせるくずだな

 

12:名無しの転生者

相手の反応見たかったな

 

13:名無しの転生者

覚醒した?

 

13: いっち

何か死にたくない………力を貸せ阿修羅丸!したら覚醒できた。武器からめちゃめちゃフィードバックが来た

 

14:名無しの転生者

マジか………

 

15:名無しの転生者

安価を守るスレ民の鏡やな

 

16:名無しの転生者

安価を取ったから覚醒したのか?

 

17:名無しの転生者

いや、あの安価に覚醒しろなんて書いてなかった………希ガス

 

18:名無しの転生者

魔物は倒せたん?

 

19:いっち

普通に無理。覚醒したけど、倒せなかった。隙を見て逃げてきた。

 

20:名無しの転生者

お前に誇りはないんか!

 

21:名無しの転生者

誇りは………浜で死にましたッ!

 

22:名無しの転生者

イッチ的に見たことのない魔物が現れるのは普通なん?

 

23:いっち

かなり珍しい。それにあの魔物マジで理性と技術があったわ。ワイの剣術完全に見切られてたからなぁ

 

24:名無しの転生者

っていうか、武器からフィードバックが来て力を手に入れるの純粋に怖いな

 

25:名無しの転生者

魔物からできてるんやろ?その武器

 

26:名無しの転生者

話それ過ぎだろ。イッチの現状報告に耳を傾けろ

 

27:名無しの転生者

てかイッチの状況教えてや

 

28:いっち

基本的に安価通り進めた。猫耳を崖の下に突き落とした後は、覚醒して魔物を撃退。隙を見て逃亡。用意しておいた服に着替えて武器を川に沈めて、森から出て近くの町に向かった。そこで、電車に乗って今は渋谷のコンビニでアイス買ってる

 

29:名無しの転生者

温度差よ

 

30:名無しの転生者

仲間を崖に突き落としたの割と最低だよな

 

31:名無しの転生者

自分だけ逃げだしてるんだから今更だろ

 

32:名無しの転生者

イッチ的にはいる意味ないんだろうしな

 

33:名無しの転生者

安価!安価!安価!

 

34:いっち

問題は三つだな。拠点とお金と身分証明書

 

35:名無しの転生者

現代日本で身分証明書がないのは致命傷だな

 

36:名無しの転生者

監視カメラとかに移っても平気なんか?イッチが生きてるってバレたらやばそうやけど

 

37:いっち

自分でいうのもなんだけど、武器も装備もなしで都市の外を一人でうろつくのは自殺行為。転生特典があるワイだから、生き残ってるけど普通の奴がやったら町に着く前に死ぬ。だから、目撃証言と破損した武器を見れば、学園は死亡扱いにする。国の機関に執行局っていう逃亡者や未登録のサバイバーを捕縛したり殺害したりする仕事があるけど、そいつらの標的は危険人物か大規模な犯罪を犯した奴、はっきりと学園から逃亡した証拠がある奴だけだからたぶん大丈夫。

 

38:名無しの転生者

未登録のサバイバーなんているの?

 

39:いっち

検査をすり抜けて遅咲きでサバイバーとして目覚める奴は数人だけどいる。基本、そういうやつは発覚した瞬間、国の役人か学園の奴が回収しに行くんだけど、極稀に武器を持ったことないのに能力を使える奴がいてそういうやつは執行局が対処する。超早熟で生まれつきサバイバーとして目覚めているやつとか上手く逃げ切った奴の中には犯罪に手を染めたり勢力を拡大するやつとかが多いらしい。

 

40:名無しの転生者

ちょっとサバイバーについてよくわかんなくなってきた。解説して?解説しろ?

 

41:名無しの転生者

えー、それより安価しようぜ

 

42:名無しの転生者

最近、安価中毒者増えすぎだろうww

 

43:名無しの転生者

安価は麻薬だった?

 

44:名無しの転生者

このスレ中毒者ばっかりやな

 

45:名無しの転生者

お巡りさん、ここですー

 

46:名無しの転生者

イッチの世界ってサバイバーは昔っからいるのか?

 

47:いっち

いない。もしかしたらいた可能性はあるけど、正式にサバイバーが確認されたのは100年前に世界各国に大穴が空いてからだな。そこから、異世界由来の魔物とかよくわからない物質とかが漏れてきている。最初こそ、魔物に人類は押され気味で一時期は滅ぼされそうになってたけど、サバイバーの活躍で押し返しつつある。先進国ではほぼ押し返した。20年前くらいには都市防衛の方法が見つかったから、余裕が出てきて技術競争と金のためにサバイバーを逃がさない今の体制が出来上がった。サバイバーになってから最初の1年が肝で、ここを乗り切れれば格段に生存率が上がってくる。最初の1年で学園入学者の30%が死ぬ。あまりに死に過ぎるから、毎年1年生にはルームメイトと自己紹介をする必要はないって皮肉じみたアドバイスを送っている先輩が結構いる。

 

ワイの勝手な予想だけど、サバイバーって昔でいう魔女みたいな存在なんじゃないかって思ってる。魔物由来の武器だって、サバイバーだけが認知できる魔力って力を通して使ってるし、武器を持ったことない人間の中にも能力を使える人間がいるのは生まれつき能力を使える特別な存在だった説がある。

 

48:名無しの転生者

改めて聞くとクソだな

 

49:名無しの転生者

結局、サバイバーについてはイッチもよく分かってない感じ?

 

50:いっち

そうやな、正直分かってない。ただ、サバイバーが強くなる要因は二つ、武器を使っている時間と密度に依存しているらしい。戦いが死闘であればあるほど、時間が長ければ長いほど強くなるらしい。まあ、才能も結構関係あるけどな。

 

51:名無しの転生者

話が重い!とりあえず、安価しろ

 

52:いっち

おっけ。逃げ切れた祝いや!安価するで!

 

今日泊まる場所をどうするか>>70

 

53:名無しの転生者

ネカフェ

 

54:名無しの転生者

空き巣

 

55:名無しの転生者

ホテル

 

56:名無しの転生者

てかイッチは所持金いくらなん?

 

57:名無しの転生者

ラブホ

 

58:イッチ

4万くらい。お金下ろすと生存がばれるからできない

 

59:名無しの転生者

ナンパして泊めてもらえ

 

60:名無しの転生者

ナンパしてラブホに行け

 

61:名無しの転生者

スレ民の大半はラブホなんて行ったことないやろ?

 

62:名無しの転生者

ワイ、エロゲ―の世界の主人公として転生した。ドヤッ

 

63:名無しの転生者

殺せ

 

64:名無しの転生者

間抜けは見つかったな

 

65:名無しの転生者

生かしておくな

 

66:名無しの転生者

普通にネカフェでいいやろ

 

67:名無しの転生者

絡まれている女の子を助けて家に押しかけろ

 

68:いっち

ここはギャルゲーの世界じゃねえんだよッ!

 

69:名無しの転生者

そうとは言い切れないやろ

 

70:名無しの転生者

ナンパして居候しろ

 

71:名無しの転生者

ビジネスホテル行け

 

72:いっち

今更だけど、ホテルは渋い。携帯端末は放置してきたから、ホテルに泊まれない。

 

73:名無しの転生者

決まったな

 

74:名無しの転生者

ナンパして居候か

 

75:いっち

これは滾るな、セリフを考えるぞ

 

76:名無しの転生者

もちろん、安価だよなぁ?

 

77:名無しの転生者

カッコいセリフ考えたるから安心して委ねろ

 

78:いっち

いいよ。ナンパのセリフ>>97

 

79:名無しの転生者

いつになくイッチが素直だ

 

80:名無しの転生者

今日からお前は俺の飼い主だ

 

81:名無しの転生者

お嬢さん、迷子の犬を拾う気はありませんか?

 

82:名無しの転生者

今ならお値段が何と無料!諸事情で身分が明かせませんが、優良物件ですよ

 

83:名無しの転生者

 

84:いっち

ナンパしたことない奴らが、ナンパのセリフ考えるのか…控えめに言って地獄だな

 

85:名無しの転生者

は?

 

86:名無しの転生者

喧嘩売ってんのか?

 

87:いっち

いやごめん、気に障ったのなら謝る

 

88:名無しの転生者

まあ、それはそう

 

89:名無しの転生者

ええんやで

 

90:名無しの転生者

優しい世界

 

91:名無しの転生者

やさしいせいかつ

 

92:いっち

何か怖くなってきたからまともなの頼むぜ

 

93:名無しの転生者

すいませんライオン落ちてませんでしたか?

 

94:名無しの転生者

今から適当な財布を買って、すいません、財布落としませんでしたか?しろ

 

95:名無しの転生者

死にたくなければ言うことを聞け

 

96:名無しの転生者

メモを買って「俺はお前の秘密を知っている」って書いて渡せ

 

97:名無しの転生者

素敵な夜ですね?少しお話しませんか?って言いながら騒ぎを起こされたくなければ大人しくしろって書いた紙を渡す

 

98:名無しの転生者

玩具の水鉄砲買って、後ろから突き付けて家まで案内しろって言う

 

99:名無しの転生者

お姉さん、暇?今から遊ばない?楽しいよ?

 

100:いっち

ロクなのがねえ………

 

101:名無しの転生者

これはひどいwwwww

 

102:名無しの転生者

ライオン落ちてませんかってなんだ?斬新すぎだろうwwwww

 

103:名無しの転生者

完全に脅迫じゃんwwwww

 

104:名無しの転生者

どうしてこうなった?

 

105:名無しの転生者

イッチこれをやるんか。通報されそうw

 

106:名無しの転生者

だが、安価は絶対

 

107:いっち

………(白目)

 

108:名無しの転生者

ナンパとは何だったのか………

 

109:名無しの転生者

イッチが死んだw

 

110:名無しの転生者

この人でなしーッ!

 

111:名無しの転生者

イッチの霊圧が………

 

112:名無しの転生者

イッチ………イッチ、イッチ………応答しろイッチィィィィィィィィィィ

 

113:名無しの転生者

おいたわしや

 

114:名無しの転生者

イッチ、お前のことは忘れないぜ

 

115:いっち

拠点確保したら、お前らを呪いに来るから

 

116:名無しの転生者

そのセリフが辞世の句か?

 

 

 

 

 

141:いっち

ただいま。何も聞かずにとりあえず安価に参加してくれ。事情は後で話すから。

 

バーの下に巨大な地下空間があってそこで4人のサバイバーに囲まれています。ワイは丸腰だけど、相手は一人を除いて武器を持っています。どう無力化する?

 

>>150

 

集団のボスっぽい奴に啖呵を切る際のセリフ

 

>>158

 

 

142:名無しの転生者

は?

 

143:名無しの転生者

ファ!?( ゚Д゚)

 

144:名無しの転生者

何だその展開

 

145:名無しの転生者

急展開過ぎるだろ(困惑)

 

146:名無しの転生者

とりま、戦って無力化しろ

 

147:名無しの転生者

セリフを募集するとはスレ民だなwwwww

 

全員素手でぶっ飛ばす

 

148:名無しの転生者

一人倒して武器を奪って反撃開始

 

149:名無しの転生者

人質を取る

 

150:名無しの転生者

どうにかして武器を奪って戦え

 

151:名無しの転生者

逃げた方が良いだろ

 

152:名無しの転生者

転生特典使え

 

153:名無しの転生者

一人倒して人質にしろ

 

154:名無しの転生者

武装してない奴を狙え

 

155:名無しの転生者

俺に勝てるわけないだろ?

 

156:名無しの転生者

この程度の修羅場は飽きるほど潜ってきたッ!

 

157:名無しの転生者

お前らとは潜ってきた死線が違うんだよ

 

158:名無しの転生者

俺はあいつに会うまで死ねないんだッ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

青い空が見えていた。ぼんやりとそれを眺めていた凜は、すぐに我に返った。傷が痛い。つまり自分は生きているようだった。随分流されてしまったようだが、落下地点から距離は離れていないにもかかわらずあの人型の魔物に襲われた様子はない。その事実が、ひとつの幻想を生み出し体を縛った。

 

そうだ。まだ間に合うんだ。夜光はまだいるはずだ。何も失われてなんていない。あの憎たらしいパートナーはいつも通り元気なままのはずだ。声をかければ、目を合わせれば、また、面倒くさそうにしながらも、また笑いかけてくれるはずだと思い込む。痛む体を無理やり動かし、川の上流へと足を進め、崖の方を見る。そして愕然とした。

 

そこに崖なんてものは存在しなかった。そこにあったのはただただ凄まじい戦闘痕のみであった。自分が抜けてしまった後の戦闘の激しさを物語る圧倒的な地形の変化。ただの自然現象で崖がなくなってしまったと言われた方がまだ説得力があるが、近くまで行って視認することができる至る所に付着した血液がそこであった戦闘を想起させた。

 

肉食動物に噛みちぎられたような不自然な肉片や刀身が砕けた刀、学生服の残骸。それらは全て夜光が身につけていたものだと、確信した凛はその場に崩れ落ちた。彼が最後に浮かべた安堵の表情がフラッシュバックする。

 

『いつ死ぬかもわからないんだぜ?俺をかわいそうに思って、猫耳触らせてくれよ。尻尾でもいいからな?』

『おい、凛!お前一人で何でもできると思っているのか?思い上がるのもいい加減にしろよッ!!!!!』

『天才だか何だか知らないが、俺の目の前にいるのはクソ生意気な大梛凛って小娘だ。俺にはお前しか映ってないんだよッ!!!!!お前はどうだ?何が映ってる?』

『お前は夢とかないのか?母親や弟の心配ばっかりじゃなくてさ』

 

『じゃあ、約束だ。20歳になって酒が飲めるようになったら―――――』

 

 

あああ………ああ………ああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!

 

凜は叫んだ。叫びの中身は自分自身でもわからなかった。すぐに喉が限界を超えた。声が全く出なくなってそれでもなお少女は叫び続けた。

 

 

 

傷の痛みに身をよじる。凛は弾かれたように目を開く。瞼の裏の光は消えて、現実の薄闇が瞳に飛び込んでくる。

 

「痛い………」

 

無意識の自分のつぶやきが急速に意識を覚醒させた。そこは見慣れた学園の保健室だった。体中が痛むなぁ。顔をしかめながら身を起こす。傷の具合を確かめる。窓際に近づき外の様子を伺ってみる。そこにあるのはいつも通りの光景だった。

 

「ようやく起きたか………」

 

保健室の中央に立っていたのは、自分の元チームメイトである有栖であった。

 

「病み上がりできついとは思うがついてきたまえ。心の整理をするにしろ、しないにしろ君には聞く権利があるはずだ」

 

よくわからないまま、嘆息を一つ窓辺を離れる。普段通りの有栖も表情が現実感を抱かせず 、抵抗する気が起きなかったのである。

 

少年がいなくなった学園で、彼女たちは新たな朝を迎える。少年がノリで置いていった 忘れ物は、学園を延いては、サバイバー達の世界を揺るがすトリガーになるとは知らずに。

 

 

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