仕事が命がけすぎて死んだふりして逃げたいんだけど………   作:じゃがありこ

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第6話

美しく輝きながらキラキラとした魔法を振りまくフェアリーを先頭に、この遊園地のオリジナルキャラクターたちが、光り輝く乗り物に乗って登場する。音楽を奏で、優雅に時に激しく踊り、観客を光と音の世界に連れていく。

 

ファンタジーの世界が表現されパレードは進み、音楽が佳境に入った。人気のオリジナルキャラクターの乗ったフロートが登場し、遊園地特有の非現実的な世界にふさわしくにぎやかに、そして温かな雰囲気に包まれて、フィナーレに突入する。

 

一際目立っているあの男が、サバイバーと言われているスタッフなのだろうか。夜光が横を向くと、鈴はパレードを複雑そうな顔で見ていた。七夏は観客と一緒になって、手拍子を叩いている。その顔は、年相応に見えた。

 

「さっきも聞いた気がしますけど、遊園地嫌いなんですか?」

 

「何でそう思うのかしら?」

 

「楽しそうな顔してないからですよ。鈴さんって、もっと表情豊かなタイプですよね?」

 

夜光の言葉を肯定することも否定することもなく、鈴はため息を吐いた。

 

「別に、嫌いではないわ。つまらないことを思い出しちゃうだけ」

 

「………そうなんですか」

 

「………あっさり引き下がるのね?午前中みたいに、しつこく話しかけてくると思ったけど?」

 

「聞かれたくないことは聞きませんよ。人に隠したいことは誰にでもあるものですしね」

 

「そんな気遣いができるなら、女性にスリーサイズを聞くなんて無礼はやめるべきだったわね」

 

「それは………すいません」

 

「………聞いてもいいかしら?」

 

「何ですか?」

 

「君はあの場所に心残りはないの?」

 

あの場所とはどこかなんて、野暮な質問をする気にはなれなかった。

 

「置いてきた仲間に思うところはあります。ただ、相棒にとってはあの場所は金を稼ぐ手段としてなくてはならない場所だったし、他の二人も逃げ出そうという提案には乗らなかったと思います。もちろん、逃げ出せるなら全員で逃げ出したかったけど………それを決行する力が俺には不足していたんですよ」

 

「—————————」

 

パレードが終わる。周辺から、拍手が響く。喝采が遊園地内を包み、打ち上げられた花火の轟音が鈴の言葉をかき消した。

 

「あの男の人、サバイバーだよ」

 

少し離れたところで、パレードを楽しんでいた七夏がそうつぶやいた。

 

「そう…じゃあ、行かないといけないわね」

 

鈴の言葉に夜光は首をかしげる。七夏の言葉をすんなりと受け入れた鈴に問いかける。

 

「七夏君を疑うわけじゃないけど、あっさりと判断しすぎじゃないか?」

 

「…確かに、私たちが見ているだけじゃ判断はつかないでしょうね。でも、七夏が視たのなら判断が付くわ」

 

夜光の疑問は深まるばかりである。いったいどういうことなんだ?夜光の顔にそう書いてあったのだろうか。鈴は少し笑った後に、付け加える。

 

「七夏の眼は特別でね、人の魔力が見えるの」

 

夜光の視線が七夏に向く。七夏はその視線に気が付き、コクリと首肯して見せた。

 

サバイバー以外には魔力は宿らないし、感じることもできない。一般人とサバイバーの最大の違いは、魔力の有無である。仮に、魔力を纏っている者を見ることができるのであれば判断は可能だった。

 

「………七夏君は生まれた時から能力が使えた先天型か」

 

「………そう。だから、僕が連れてこられた」

 

「で、どうするんだ?接触するんだろ?」

 

「ええ、そろそろ閉園の時間だしスタッフルームに忍び込むわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

400:いっち

というわけで今スタッフがいそうな建物らしきところに乗り込んだところなんだけど

 

401:名無しの転生者

待て、どうやって乗り込んだんだ?

 

402:名無しの転生者

関係者以外立ち入り禁止だろ?

 

403:名無しの転生者

どういうことだってばよ

 

404:いっち

他の方にはちょっとだけ横になってもらいました。大丈夫、寝てもらったのは3人だけだから。何が起こったのかもわかってないはずだよ。

 

405:名無しの転生者

暴力!やはり暴力はすべてを解決したってこと?

 

406:いっち

あー、うん、はい。

 

407:名無しの転生者

はいじゃないが

 

408:名無しの転生者

いつかやると思ってました

 

409:名無しの転生者

通報した

 

410:名無しの転生者

イッチ最低だぞ

 

411:名無しの転生者

一般人に手を上げるのか?

 

412:いっち

待ってくれ。手を出したのはワイじゃない。銀白髪ちゃんや

 

413:名無しの転生者

ま?

 

414:名無しの転生者

流れ変わったな

 

415:名無しの転生者

それは仕方ないな

 

416:名無しの転生者

美女がやったのなら仕方ないな

 

417:名無しの転生者

むしろご褒美では

 

418:名無しの転生者

脳筋白髪美女か………悪くないな

 

419:いっち

一応事情がある。控室探してたら、ショタが執行局の人間を発見したみたいで先を越されないように急いでいる。

 

420:名無しの転生者

執行局も嗅ぎつけてたってことか

 

421:名無しの転生者

でも、ショタがいなければ判別がつかないんじゃないのか?

 

422:いっち

執行局は怪しいと思ったやつを連行して、再検査を受けさせている。で、そこで発覚すると研究所か学園にドナドナされるらしい。

 

423:名無しの転生者

なーるほど。どちらにしても、先に確保しないといけないわけだな。

 

424:名無しの転生者

それ危険じゃん?執行局と鉢合わせたら、イッチのこともバレる訳だろ?

 

425:いっち

大丈夫、正確に顔を認識できなくする道具を持ってるから。一応変装もしてる。それでもだめなら、執行局の人間には退場してもらう。

 

426:名無しの転生者

命がけの戦場から逃げたくてここに来たはずなのに。また戦いに身を投じてるんだなw

 

427:いっち

大丈夫。不意打ちすれば戦いにはならない。それに、魔物に比べればしょせん人間なんて可愛いものだぞ。

 

428:名無しの転生者

やはり、イッチも脳筋なのでは?ボブは訝しんだ

 

429:名無しの転生者

悪役のセリフなんだよなぁ

 

430:名無しの転生者

しょせん人間とか言い出しちゃったよ、この人

 

431:いっち

あ゛………

 

432:名無しの転生者

 

433:名無しの転生者

何が起こったんだ?

 

434:名無しの転生者

イッチ?

 

435:名無しの転生者

死んだか?

 

436:名無しの転生者

応答しろ

 

437:いっち

控室はもぬけの殻、争った形跡あり。クエスト失敗!閉廷!!!!!

 

438:名無しの転生者

コォレはやらかし

 

439:名無しの転生者

やっちまったな

 

440:名無しの転生者

草ですわ

 

441:名無しの転生者

銀白髪ちゃんの反応は?

 

442:いっち

血相を変えて追いかけていった。ショタとワイは守衛室に行って園内の監視カメラの映像を差し替えてから、追うことになった。

 

443:名無しの転生者

そんなことできるのか?

 

444:名無しの転生者

結構すごい技術じゃね?

 

445:名無しの転生者

ショタがすごいのか、イッチがすごいのか。いや、イッチがすごいわけないな

 

446:名無しの転生者

ショタ実は天才か

 

447:いっち

ショタはできる子だけど、差し替えプログラムは別物。高身長イケメンのボスから渡された。

 

448:名無しの転生者

はー、なんでもできるな。

 

449:名無しの転生者

神は二物を与えたのか

 

450:名無しの転生者

何やってんだあの神、いい加減仕事して

 

451:名無しの転生者

おお、神は死んだ!

 

452:名無しの転生者

いや、生きてただろ。あのろくでなし

 

453:名無しの転生者

まあ、俺たちもある意味二物どころか三物も与えられてるからなぁ

 

454:名無しの転生者

二物じゃなくて荷物では?

 

455:名無しの転生者

 

456:名無しの転生者

誰がうまいこと言えと

 

457:いっち

皆さんー、朗報でーす!敵さんとエンカウントしましたぁ!!!!!

 

458:名無しの転生者

 

459:名無しの転生者

 

460:名無しの転生者

 

461:名無しの転生者

綺麗なフラグ回収でしたね

 

462:名無しの転生者

鮮やかなフラグ回収、俺じゃなきゃ見逃しちゃうぜ

 

463:名無しの転生者

ってことはイッチ、戦うのか

 

464:いっち

いや、まだ俺たちがサバイバーだとは知られてない。閉園時間ギリギリになって慌てて帰ろうとしてる兄弟に見えているらしい。銀白髪ちゃんが他の執行局の人間とエンカウントして、戦闘になってるんだと思う。だから、戦闘に巻き込まれない様に避難誘導している感じだな。スタッフじゃないのに、裏門から帰ってくださいって案内してるから。

 

465:名無しの転生者

なるほど………ところでイッチよ。安価がまだだよな?

 

466:名無しの転生者

厳密にはスレを閉じてないから、もうしなくてもいいんだろうけど。成功率は上げたいよね?

 

467:名無しの転生者

腹をくくる時間やで

 

468:名無しの転生者

安価!安価!安価!安価!

 

469:名無しの転生者

もし、ここで銀白髪ちゃんを置いて帰ったらイッチのこれからの安価は地獄になる

 

470:名無しの転生者

言いたいことは全員同じだよな

 

471:名無しの転生者

大丈夫だ、イッチ、俺たちが憑いてる!

 

472:いっち

除霊にいってこようかな………。銀白髪ちゃんを助ける方法>>480

 

473:名無しの転生者

 

474:名無しの転生者

その後自は草

 

475:名無しの転生者

敵をすべてなぎ倒せ!

 

476:名無しの転生者

暴力!やはり、暴力はすべてを解決するんだ!

 

477:名無しの転生者

裏門から出るふりをして奇襲。後は流れで。決め台詞も忘れるなよ!

 

478:名無しの転生者

迷子の妹がいるんです!っと泣きつく

 

479:名無しの転生者

戦え

 

480:名無しの転生者

狙撃

 

481:名無しの転生者

姉とはぐれたままなんです!一緒に探してくれませんか?って言って、油断させたところを攻撃。後は流れ

 

482:いっち

そ、狙撃?

 

483 : 名無しの転生者

イッチって狙撃得意なんよな?なら、外から狙撃で仕留めるのがカッコええろ

 

484 : 名無しの転生者

あー、そんな設定もあったなぁ

 

485:いっち

狙撃銃がないんですが、それは(困惑)

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ、七夏君さ………狙撃銃とか持ってたりする?」

 

夜光はダメ元で聞いてみた。

 

「持っているけど」

 

「だよなー流石に持ってないよな………え!?持ってるの?」

 

「うん」

 

「マジで?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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