仕事が命がけすぎて死んだふりして逃げたいんだけど………   作:じゃがありこ

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第9話

少女を下から見つめるという体験はなかなかできないものである。故に、この体勢も悪いことばかりではない。だって、相手は美少女なのだから。

 

そんなくだらないことを考えつつ、夜光は目の前の少女に名前を問う。

 

「名前を教えてもらっても?」

 

「儂か?儂の名は佐伯玲奈じゃ」

 

「なら佐伯、そろそろこの足をどかしてくれないか」

 

「………そうじゃな。儂と主の実力差は理解できたじゃろ。よいぞ」

 

玲奈は足をどかして、再び定位置である座布団の上に座った。夜光は体を起こし、座布団から少し離れた位置で胡坐をかく。和服もどきも着物もどきで胡坐をかいている玲奈。必然的に、その下半身は魅惑の………(自主規制)

 

こうしてみると凄まじい美少女だなと思う。まあ、凜や鈴には及びはしないが。そんなことを考えつつ、夜光は先ほどのことを思い出していた。

 

『急急如律令』————————————鈴が鳴るような可憐な声から放たれたその一言ですべてが終わっていた。周囲に漂っていた呪符が一斉に光を放ち、気が付けば夜光は玲奈に組み敷かれていた。否、3秒程度の攻防はあった。だが、一方的なものだった。

 

「で、佐伯。さっきの発言について聞きたいんだけど」

 

「言った通りじゃ。お主が受け取りたがっておる武器(エンチャンター)は渡せん。『天邪鬼払』を持つには、お主は弱すぎる」

 

「………」

 

苦虫を噛み潰したように、夜光は臍を噛んだ。事実、自分は目の前の少女に触れることすらなく、組み伏せられてしまったからである。しかし、それとこれと話が別だ。

 

「俺の弱さと武器に何の関係がある?適性がないならまだしも、ボスに武器を渡すという返答をしたんだろ?なら、あまりにも」

 

「儂が了承したのは、相応しい持ち手に譲渡するという契約であって、無条件で渡すという契約を結んではないぞ」

 

夜光はフリーズした。行けばすんなりと武器をもらえると思っていたし、ボスの言葉はそれを示唆していたからだ。………そこまで考え、夜光は一つの可能性に行きついた。ボスは「君の実力ならすぐに武器を手に入れられるだろうさ」と言っていた。これは、夜光の実力なら三重県までの道中で手こずることはそうないだろうという意味だと判断していた。

 

だが、「君の実力なら目の前の少女を納得させられるだろう」とそういう意味でいったのではないだろうか。

 

少女は退屈そうに机に置かれている小さな紙に何かを書いている。

 

「………あのクソイケメン腹黒、聞いてないぞ………なるほど、あの虚無僧は腕試しというわけか」

 

「然り」

 

「なら、俺が佐伯を倒せるようになれば武器をくれるってわけだな」

 

「厳密には違うがまあその通りじゃ、ではどうする?」

 

「ちょうどいい修行相手もいるしな。虚無僧相手に経験値稼ぎをしてくるぜ」

 

ニヤリと獰猛に笑って見せた夜光を見て、玲奈は満足げに笑った。それは美しくも警戒心を含んだ固い笑みであった。

 

「そうこなくてはな。しばらくはこの屋敷で世話をしてやろう。存分に力をつけ見事儂を認めさせてみせよ」

 

「ああ、そのつもりだ」

 

そう言って部屋を出ようとした夜光を玲奈は呼び止めた。

 

「そういえばお主、儂に攻撃されたことについて文句を言わんかったの?前回来た男は、激情を露にして剣を抜いてきたぞ?まあ、儂に触れることもできずに意識を飛ばしたがな」

 

「………ああ、そうだな。佐伯が俺を殺す気がないのはわかってたし、美少女の癇癪ぐらい受け止められる男でありたいからな」

 

夜光の言葉に玲奈は虚を突かれたような顔をし、一転して笑い声をあげた。

 

「クハハハハハハハ!お主変わっておるのぉ」

 

「お褒めに預かり光栄ですよ」

 

「泊まる部屋は使用人が案内する故、突き当りの部屋を訪ねよ」

 

そんな言葉を受け部屋を後にした。縁側の向こうにある中庭は先ほどまでの喧騒など感じさせぬほど穏やかで、午後のきつめの日差しが石畳を照らしているだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

300:いっち

ってなわけで、虚無僧と戦闘して勘を取り戻しつつ、黒髪ちゃんを倒すために情報収集をしているのです。

 

301:名無しの転生者

なるほど

 

302:名無しの転生者

その話を聞くのは三回目だ

 

303:名無しの転生者

最初にその話をしてから何日たった?

 

304:いっち

………7日です

 

305:名無しの転生者

そうだな

 

306:名無しの転生者

かかりすぎなんよな

 

307:名無しの転生者

安価してもボコボコにされてるもんな

 

308:名無しの転生者

黒髪ちゃんは倒せないままだけど、虚無僧とは仲良くなったらしいじゃん

 

309:名無しの転生者

一回も顔見たことないけどな

 

310:名無しの転生者

風呂上りでも顔隠してる画像見て、目を疑ったわ

 

311:名無しの転生者

絶対傘の中蒸れるだろ………

 

312:いっち

>>307

>>308

だって勝てないんだよッ!おかしいだろ?通算、10回のアタックで黒髪ちゃんに触れることができた回数は1回こっきり。後は、30秒も経たずして制圧されているんだ。未だに黒髪ちゃんの武器の能力もわからないんだぜ!?虚無僧に聞いても使用人に聞いてもそれだけは答えてもらえないし、じゃあ何か弱点解かないんですかって聞いたら使用人は「毒でも盛りますか?喜んでご協力いたしますよ?この毒なんていかがでしょう」って怖いこというし!虚無僧は「ソレヲミツケルノガ、キコウノヤクメダ」って無茶ぶりだしよ。負ける度に、黒髪ちゃんに踏まされ煽られて、新しい扉が開きそうで怖いわ!ワイはもう限界だ!

 

313:名無しの転生者

 

314:名無しの転生者

 

315:名無しの転生者

使用人の闇が深そうで怖い

 

316:名無しの転生者

わかったことだけ並べろ

 

317:名無しの転生者

一回落ち着けw

 

318:いっち

>>316

黒髪ちゃんの苗字は佐伯。武器はよくわからない呪符…かなぁ。呪符に書かれている文字によって、起こる現象が変わる。『雷』とかだったら、辺り一帯に電撃が走る。『雷撃』だったら、一直線に電撃が飛んでくる。呪符は今のところ100枚以上あると思う。最近の戦法は、『雷撃』で俺の動きを制限、『目くらまし』と『音爆』で足を止めて、『縛鎖』で拘束する。最後に、『痛み』で頬を染めながら俺を攻撃してくる。

 

黒髪ちゃんの家について:ボスの言う通り、かなり歴史のある家っぽい。3年前までは祖父が当主を務めてて、鎌倉とか平安時代は陰陽師の真似事をしていたらしい。最近は神社の催事とかに協力しているらしい。ちょっと意味わからないくらい金がある。出所はわからん。

 

黒髪ちゃんご本人:性格わるわるっというか結構S入っている気がする。違和感あるけどね。顔だけはいい。同級生を思い出す。本人は普段、学校に行きつつバイトで巫女をしているらしい。(今は夏休みだから家にいる)

 

虚無僧:傘が熱そう。風呂場でも外さない。

 

使用人:意味わからんくらい黒髪ちゃんのこと嫌いだよね?君。ワイが話しかけると7割は黒髪ちゃんの悪口言ってきてる。曰く、佐伯家始まって以来の出来損ないだとか。恩知らずだとか言われてた。

 

319:名無しの転生者

情報量が多い

 

320:名無しの転生者

下手な小説の設定集かってぐらい多い

 

321:名無しの転生者

黒髪、美少女、ドS………フフッ

 

322:名無しの転生者

>>321通報した

 

323:名無しの転生者

クォレは、フェチですね

 

324:名無しの転生者

好きです(真顔)

 

325:名無しの転生者

俺も踏まれたいです(真剣)

 

326:名無しの転生者

闇が深そうで抜ける

 

327:名無しの転生者

黒髪ちゃん、世界観違くない?

 

328:名無しの転生者

完全に陰陽師の世界観やん

 

329:名無しの転生者

毎回、靴下を脱いで裸足で踏んでくることにこだわりを感じます

 

330:名無しの転生者

静止画をあげられるようになったのに、イッチがアップしたのは虚無僧の風呂上りと使用人の顔芸と黒髪ちゃんの踏み踏みタイムの写真だけというな………もっと、黒髪ちゃんの写真上げろ

 

331:名無しの転生者

冷静に黒髪ちゃんに踏まれながら、画像を上げるあたりイッチも大概だよな

 

332:名無しの転生者

学校行きつつ巫女の仕事だと?属性過多ですね、ありがとうございます

 

333:名無しの転生者

イッチは変態、それでよいな?

 

334:いっち

>>331

でも、逆の立場ならそうするやろ?

 

335:名無しの転生者

>>334当たり前だが?

 

336:名無しの転生者

うーん、この…

 

337:名無しの転生者

思ったんだが、別に正面切って勝つ必要はないのでは?

 

338:名無しの転生者

 

339:名無しの転生者

 

340:名無しの転生者

どういうことだ?

 

341:名無しの転生者

説明

 

342:名無しの転生者

要するに黒髪ちゃんの許可があればいいんだろ?黒髪ちゃんを攻略して落とせばいいのでは?

 

343:名無しの転生者

なるほど

 

344:名無しの転生者

ギャルゲー始まったな

 

345:名無しの転生者

ギャルゲーが始まった

 

346:名無しの転生者

なるほど!選択肢は安価ですね!

 

347:名無しの転生者

お、そうだな(便乗)

 

348:名無しの転生者

そううまくいくか?

 

349:名無しの転生者

黒髪ちゃんを組み伏せるのか(意味深)

 

350:名無しの転生者

燃えてきましたわね

 

351:名無しの転生者

安価しろ

 

352:名無しの転生者

安価しろ

 

353:名無しの転生者

安価しろ

 

354:いっち

黒髪ちゃん、警戒心が何気に高いので下手な選択肢を選ぶとワイが殺されかねないんですがそれは

 

355:名無しの転生者

大丈夫だ

 

356:名無しの転生者

イッチならできるさ

 

357:名無しの転生者

わぁ、なんて優しい世界なんだぁ(白目)

 

358:名無しの転生者

さあ、安価しろ

 

359:いっち

黒髪ちゃんをデートに誘う方法>>380

 

360:名無しの転生者

なんだかんだ言いつつ、結局安価するイッチ好きやで?

 

361:名無しの転生者

>>360

男のツンデレはダメだろ

 

362:名無しの転生者

(需要がほぼほぼ)ないです

 

363:名無しの転生者

ネキかもしれないだろ!

 

364:名無しの転生者

あ、TSしてるんで

 

365:名無しの転生者

おい

 

366:名無しの転生者

APPは?

 

367:名無しの転生者

画像上げろ

 

368:名無しの転生者

話題が逸れ過ぎなんだよなぁ

 

369:名無しの転生者

何気にすぐに少女をデートに誘う………イッチ慣れているのか?ボブは訝しんだ

 

370:名無しの転生者

普通に観光案内してもらえば?

 

371:名無しの転生者

散歩に付き合ってほしいんだけど

 

372:名無しの転生者

何とかしてイケメンムーブする

 

373:名無しの転生者

イケメンボスに電話して聞く

 

374:名無しの転生者

普通に観光案内でいいでしょ

 

375:名無しの転生者

「旨いもの食べに行きたいんだけど、この辺疎いから教えてくれない?奢るよ?」

 

376:名無しの転生者

リフレッシュに行きたいから付き合ってくれ

 

377:名無しの転生者

よう引きこもり姫!外行くぞ!外。案内はお前な!

 

378:名無しの転生者

デートしにいこ

 

379:名無しの転生者

付き合ってください

 

380:名無しの転生者

付き合ってくれ!

 

381:名無しの転生者

観光案内を頼む

 

382:名無しの転生者

みんなで出かけようぜ

 

383:名無しの転生者

………これは

 

384:いっち

え?何、ワイこれを黒髪ちゃんに言うの?正気か?何が起こるかわからんぞ

 

385:名無しの転生者

楽しくなってきたな

 

386:名無しの転生者

どっちの意味にもとれる言葉

 

387:名無しの転生者

これは思わせ男ムーブ

 

388:名無しの転生者

屑だな

 

389:名無しの転生者

これはまごうことなき屑

 

390:名無しの転生者

wkwk

 

 


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