ロウきゅーぶ!!!~エリーゼ・ルタスの大冒険~ 作:藤林 明
職場環境変わると難しいなぁ…
そして今回はバスケパートゼロです(久々でこれはひどい)
バスケは次回ちゃんとやります!(試合終了までいきたいなぁ…)
それは大きな響きだった。
今までの人生でエリーゼは声を大にして自己主張する機会なんて数えるくらいしかないが、それでも彼女の過去を知っている者達には只々驚きしかなかった。
そして、彼女の過去を断片的にしか聞いていない者達や知らない者達には困惑と動揺、いずれかの反応を示していた。
「え、ええ…それはもちろんわかって「紗季達はわかっていません…!!」…え?」
最初に硬直から解けた紗季がエリーゼに声をかけるもそれはまた彼女にしては大きな声での叫びに消される。
「バスケ、って5人で戦うんでしょ?…なのに皆んな、自分1人で戦おうとしてる…これじゃあ…」
――――仲間も敵じゃないですかっ!!!
大粒の涙を流しながら振り返り叫ぶエリーゼ。
それを聞いたチームメイトは
「「「「……………………」」」」
何かに気づいた者、目を逸らす者、エリーゼ同様涙を流す者等三者三様の反応をみせた。
「…ごめんなさいエリー。私たちが間違ってたわ」
「…………」
「……エリー、ごめん。あたしも悪かった。そうだよな…バスケは、…5人で。だよな…」
「………………ぎゅ」
「ひな…?」
紗季と真帆がエリーゼに謝罪していると、不意にひなたがエリーゼに抱きついた。
エリーゼの呼びかけを聞いたひなたは、顔をあげると
「…ひなは……ひなは、ずっとみかた。…エリーのてきになんて…ならないよ…」
と、泣きながらも真剣な表情でエリーゼの顔を見上げる。
――そんなひなたをエリーゼはしっかりと抱きしめた。
「ひなちゃんの言う通りだよエリーちゃん。…私たちはエリーちゃんの敵になんか絶対ならない。だから、…だからお願い。もう一度私たちを信じて?」
抱擁する2人にそう声をかけたのは愛莉。
彼女は、チームが空中分解していく様を、気づきながら何もできなかった。そんな無力な自分を痛感しながら聞いたエリーゼの叫びは、彼女に失いかけた想いを思い起こさせるには充分だった。
――そうだ…今はひとりじゃない…みんながついてるんだ!!
――だから…!
「みんなが居てくれるから……こんな私でもまだ戦える!一緒に戦おうよ」
――――みんなで!!!
「「「「!!!」」」」
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一方、慧心ベンチでは
「昴さん……」
「あぁ。…これでもう大丈夫なハズだよ、智花」
昴と智花がコート上の選手たちのやり取りを見て安堵の吐息を吐き
「ミサ」
「……せやな。わいらが口出しするまでもなかったみたいで安心したわ。……だからま、あとは……」
「「……………………」」
「…あの2人次第、ということね」
「そゆことや」
有紀とミサの2人はそう言い合ってから揃って同じ方――――エリーゼからグミをもらって食べてからずっと正座で瞑想するすずと、交代してからずっと体育座りのまま顔をあげないヒカリ――――の2人を見ながら会話を続ける。
「うちらはまんまと相手の術中に嵌った。けどまぁ、相手の誤算はエリーゼだった……ちゅーことやな」
「……けどこっちも誤算はある」
「?…なんや、誤算って?」
円満解決には程遠い状況とはいえ、一応は解決に向かっているこの状況で何を…?
そうミサが思ったところで明後日の方向から言葉が飛んできた。
「私の出番、全くない」
「…………あぁ…………」
ミサが内心で綺麗サッパリ忘れて現実逃避にも近い感じで黄昏た、今の状況を、有紀はあっさりと言い放ったのだった……
~~~~~
「……しっかし、今回の合同合宿は大泣きする子多いなぁ……」
コートを見つめながら苦笑いで頭を掻く麻奈佳と「後であの理事長に何言われるやら……」と頭を抱える初恵が硯谷ベンチサイドで会話をしていた。
「……まぁそれはともかく、こっちの思惑。これでパーだけど……どうするの、お姉ちゃん」
苦笑いしていた麻奈佳がふと真剣な表情で隣にいる姉に声を掛ける。
「……心理戦で勝負が決するなんて、最初から考えてません。次のワンプレーで判断しますが、次のボールデットで未侑を戻します」
気を取り戻した初恵はズレた眼鏡を戻しながらそう答えると「わーお…」という麻奈佳の声が聞こえてきた。
「…ま、Wエースで追いつけない点差じゃないし、いいんじゃない?――未侑ーーっ!アップしといてねー!」
「わかりました」
初恵に答えると、少し離れたところにいた未侑へと声を掛けた麻奈佳。そして
「慧心さんは強い…けど最後は」
「硯谷が勝ちます」
姉妹揃ってここからの逆転劇を信じてやまないようなのだった。
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「エリーゼがいて良かったねジュード」
「うん…そうだね」
一方の慧心ベンチではレイアとジュードの二人がコートを見つめて安堵していた。
「…さて、コートの中はエリーゼちゃんがなんとかしちゃったし、私たちは
二人と一緒にコートを見ていた葵は隣にいる昴にそう声を掛けるも昴はコート見ながら「あぁ…」という生返事を返すだけだった。
「……ちょっと昴、聞いてるの!?」
「……聞いてるよ。でもな、こっちの問題はそんな簡単なものじゃないんだ。今考えてるからあんま大きい声出すな」
「ちょっ!?」
「昴!?」
痺れを切らした葵に静かに言い返す昴の言葉にレイアとジュードが驚く。
それもそうだ。二人は転校してきてそんなに日が経っていないのでこんなに
「……はぁ、仕方ない。ジュード君、悪いけど昴とここで試合見ててくれる?私とレイアでヒカリちゃんと話してくるから」
「あ、うん、わかった」
「…………」
そうして、葵とレイアの二人はヒカリの元へと歩いて行った。
今回は後書きスキッド休止します。
次回のネタバレにつながってしまうので(笑)
エリーゼ「リベールゴーランド!!」
うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
…………チーン
エリーゼ「…御愛読…ありがとう…ございました…」オジギ