転生したらシャドウだったので原作で活躍したいと思います   作:OKNU

5 / 5
遅くなりました……
大学生になって新生活や課題が忙しかったんです……
とりあえず5話、秋葉名戸戦です。
途中、独自解釈がありますが、ご容赦ください。


オタクVSオタク

 

『さぁ、FF地区予選準決勝!雷門中対秋葉名戸学園の一戦が、いよいよ始まります!』

 

 御影戦から数日後、俺たち雷門イレブンは準決勝の舞台である秋葉名戸グラウンドに来ていた。ここに至るまでの経緯は、御影戦での活躍を理由に俺がレギュラーに昇進したということ以外は、覚えているアニメの流れと同じだった。

 そして俺は現在、雷門ベンチにてストレッチをしながら試合前の最後の準備をしている真っ最中である。

 

『おお〜!!』

 

 そんな中、後ろからいきなり歓声が上がった。何事かと思い振り向いてみると、そこには秋葉名戸の規則によりメイド服に着替えたマネージャーたちがいた。夏未は顔が真っ赤になっていたが、木野と春奈はノリノリだった。

 やがて、秋葉名戸の猫耳を付けた選手が夏未に自分がしているのと同じ物を付けると、渾身のガッツポーズを決める。

 

「グゥ〜〜〜ッド!!」

「ん〜!目線、こっちにお願いなんだな!」

 

 猫耳を付けた選手を押しのけ、相手キーパーがカメラを構える。夏未は嫌がっていたが、木野と春奈に両腕を掴まれたのち、魂が抜けた顔で写真を撮られていた。

 その後の作戦会議で、御影戦で怪我をした豪炎寺の代わりに目金が入ることが決まり、この試合のスタメンとフォーメーションはこんな感じになった。

 

FW    目金 染岡

MF 半田       闇野

     少林 マックス

DF 風丸       栗松 

     壁山 土門

GK     円堂

 

 今回、俺は右サイドハーフとして出場することになった。前回とは違い2トップの布陣だが、この際色々試してみるのもアリかもしれないし、特に不満はなかった。

 整列後に全員がポジションにつき、雷門ボールで試合が始まった……のだが。

 

「発進、ハイパーサッカーボール発射!」

「ただのバックパスだろうが!!」

 

「来たな、悪の軍団め!お前たちにこの地球は渡さん!」

「な、何言ってるんだコイツ……」

 

 とまぁ、こんな感じのオタク特有のノリで見事なまでに調子を狂わされていた。

 俺も自分でドリブル突破を図ったが、元々逃げ切りを戦法としているためか、五里霧中を使っていなくても守備がかなり固く、シュートを打つ前に防がれた。

 そうして攻めあぐねている内に、一点も取れないまま前半が終わってしまった。

 

「まるで攻めてこないなんて…この僕にも予想外でしたよ」

「目金、お前アイツらのサッカーが理解出来たんじゃなかったのかよ?」

 

 ハーフタイム中の目金の発言に、染岡が呆れたような顔でツッコむ。他のメンバーも、予想外の試合展開に動揺を隠せずにいた。

 

「それにしても、何でボールが取れないんだ?」

「アイツらの妙なノリに、調子を狂わされたせいだ!」

「得体が知れない…」

「!!……お前もな」

「ブーメランって知ってるか影野?」

 

 影野の背後からの呟きに、豪炎寺と夏未の肩が跳ね上がる。豪炎寺が驚いてるのは新鮮で面白い。

 そういや影野、アニメ四話で尾刈斗のメンバー見た時も「不気味だ…」とか言って、半田に「お前が言うな」ってツッコまれてたな。

 しばらく話し合ってから相手ベンチの方に視線を向けると、プレイヤーたちは皆ゲームしてるし、監督はカブトムシのようにスイカを食べ続けている。見た感じ、漫画版のように差し入れと言って薬を盛ったドリンクを渡してくる様子は無さそうだった。

 ひとまず俺は、秋葉名戸がアニメで使っていた戦法を直接的な表現は避けて円堂たちに伝えることにした。

 

「もしかしたら、アイツらは後半に勝負を仕掛けてくるんじゃないか?」

「どういうことだ、シャドウ?」

「……前半の間はパス回しで時間を潰して力を温存し、後半に速攻で点を取りにくる、ということか」

 

 円堂の疑問に答える形で、豪炎寺が俺の言いたかったことを説明してくれた。流石は炎の天才ストライカー。そのおかげで、後半も油断せずにまずは先取点を取りに行くということで作戦会議は終了した。

 ハーフタイムも明け、秋葉名戸のキックオフで後半戦が始まると、相手はいきなり全員でパスを回しながら一気に攻め上がってくる。対する雷門は初っ端から仕掛けてくるとは思っていなかったのか、やはり動きが鈍い。

 

「変身!フェイクボール!」

「なーにが変身だよ…って、あれぇ!?」

 

 ヒーローオタクがマックスとすれ違うと、ボールがいつの間にかスイカに入れ替わっていた。何故試合が止まらないのか分からないが、こうなったらセンタリングを上げられる前に止めてやる。

 

「させるか!」

「遅いわ!ヒーローキック!」

 

 スライディングをしかけたが間に合わず、ゴール前にボールが上がってしまう。そのボールはゴール前にいた壁山の頭を越え、その裏に走り込んでいた二人の秋葉の選手の元に飛んでいく。

 

「おりゃああああ!!ド根性バット!!」

 

 文字通りバットのように人を振り回す必殺シュートが放たれ、ボールは雷門ゴールに突き刺さった。

 

『ゴォール!雷門中の立ち上がりのスキを突いた秋葉名戸学園が、先取点を奪ったァ!!』

 

 正直この展開は予想出来てはいたが、やはり相手のやりたいようにやられるのは悔しい。円堂もポストに拳を叩きつけて悔しがっている。

 でも、取られたら取り返せば良い。不動もそう言ってたし。

 雷門のキックオフで試合は再開したが、ここでおかしな事が起きた。秋葉のメンバーが、ボールも無視して二人がかりで俺を徹底マークし始めたのだ。相手の意図は全く読めなかったが、その間にも味方はどんどん攻め上がっていく。そしてボールを持った染岡がシュート体勢に入った時、秋葉のDF陣がゴール前に集結し、必殺技を発動させる。

 

「行くぞ!五里霧中!」

「くっ……ただの目眩しだろうが!くらえ、ドラゴンクラッシュ!」

 

 染岡は土煙に向かってシュートを放つが、土煙が晴れるとボールはゴールの裏に転がっていた。それから雷門は何本もシュートを打ち続けたが、一度も得点が入ることは無く時間は過ぎた。

 このまま待っていても逆転出来ることは分かっているが、徹底マークが鬱陶しいのでどうにかして一泡吹かせてやりたい。そう考えていると、染岡が相手のパスをカットしてドリブルを始める。その時、相手の注意がそっちに集まった一瞬を見逃さずに、マークを振り切って俺も前線に上がる。

 

「シュートを打ってはいけま「上だ!!」!?」

「シャドウ!?」

 

 よし、ギリギリだが間に合った。敵味方関係なく驚いているが、俺は構わず言葉を続ける。

 

「染岡!ボールを上に上げてくれ!!」

「……分かった!頼んだぞ、シャドウ!!」

 

 俺の声に反応した染岡が、上に向かってドラゴンクラッシュを放つ。そのボールを追うようにジャンプすると、土煙の裏でゴールをずらしている秋葉の選手と、それを邪魔している目金の姿が上からバッチリ見えた。こうなってしまえば、後は左足を振り下ろすだけでいい。

 

ダークトルネード!!」

 

 俺と染岡によるドラゴントルネードは、目金の妨害によってずらされなかったゴールに綺麗に吸い込まれる。しばらくすると土煙も晴れ、全てのカラクリが明らかとなった。

 

「ゴールをずらしてる!?」

「シュートが入らなかった理由はこれか!」

 

 円堂と豪炎寺が同時に声を上げる。他のメンバーも、予想外の戦法に驚きと怒りが混ざったような表情をしていた。

 

「そういうことです。そして君たちがシャドウくんのマークだけは徹底していたのは、上空からのシュートであるダークトルネードを封じ、このトリックを見破られないようにするためだった…違いますか!?」

 

 そして目金がヒーローオタクのパンツを引っ張りながら語った推理は、俺にとっても目から鱗な話だった。もしかしたら、アニメで豪炎寺が出なかったのもそれを防ぐためだったのかしれないな。

 そんなことを考えている間も目金は秋葉のメンバーと口論を続けていたが、やがて秋葉のキャプテンの口から爆弾発言が放たれた。

 

「だからなんだというのだね!勝てばいいのだよ、勝てば!」

 

 その後ボールはセンターサークルに戻され、秋葉名戸のキックオフで試合が再開される。が、直後に目金がボールを奪うと、そのまま秋葉名戸陣内へ切り込み、一人、また一人と次々と抜き去っていく。そして目金を警戒した相手ディフェンス陣がゴール前に集結し、五里霧中を発動させようとしたその時、目金が魂の叫びを上げた。

 

「君たちなど、オタクではありません!オタクとは一つの世界に真摯に、真っ直ぐに極めた者!ゲームのルールを破ってまで勝とうとするあなたたちに、オタクを名乗る資格などありません!!」

 

 目金がそう言うと、五里霧中を発動させようとした奴らの心が折れる音がすると共に、上がりかけていた土煙が収まった。それでもキーパーだけは諦めていないようで、丸見えの状態でゴールをずらしにかかる。

 

「染岡くん、ドラゴンクラッシュを!僕に考えがあります!」

「よし、行くぞ目金!ドラゴンクラッシュ!」

 

 目金は染岡にボールを預けてゴールへと向かっていき、それに続くように放たれた染岡の必殺シュートは、ゴールのど真ん中に向かって飛んでいく。

 

「させないんだな…ゴールずらし!」

「でやああっ!!」

 

 逆転を阻止しようと秋葉のキーパーが体当たりでゴールをずらしたが、顔面で合わせて軌道を修正し、見事にゴールネットを揺らした。

 

『ゴォール!雷門、目金の捨て身のプレーで、遂に逆転だァ!!』

「こ、これが…メガネクラッシュ…」

 

 必殺シュートを顔面にくらった目金は、技名を言いながらぶっ倒れる。その直後、試合終了のフエが鳴った。

 

『ここで試合終了!FF地区予選、決勝へとコマを進めたのは、雷門中だァ!』

 

 いやー、結構危なかった。他のメンバーも勝ちが決まってホッとしているように見えた。そして目金も、「もう卑怯なプレイはやめる」と宣言した秋葉名戸のメンバーとオタク仲間として和解出来たようだった。

 俺はその様子を見て、これならゲーム版のように試合のデータをハッキングで書き換えるなんてことはしないだろうと一安心するのだった。

 

 

 

 




途中の目金の推理が独自解釈です。
元々シャドウと染岡のドラゴントルネードを書こうとしてた時、「あれ?上から見ればゴールずらしバレるんじゃね?」って思ったのがキッカケでした。
あと、この作品はアニメの話を基にしてますが、イナイレの原作って確かゲームだからタイトル変えた方が良いですかね?
とりあえず、次はもう少し早く投稿出来るよう頑張りたいと思います。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。