12月24日。
五条家に行くと、外に子供が並んでいた。
「傑。君もサンタになったの?」
「久しいね、悟。彼の熱意に押されてね。サンタを体験する事になったんだ」
「プレゼントくれるってほんと?」
「本当だけど、どこ情報だい?」
「あー。僕情報? 高専最後に回した方がいいよ。僕からのアドバイス」
「わ、罠かい!? こんな都合のいいことがあるはずが……!」
「じゃあ、私と握手しようか。私は術師には優しいんだ」
サンタ傑が警戒するが、教祖傑は握手を促す。そろそろと出された手を握ると、手と手の間にプレゼントボックスが現れる。
「わあ!」
「術師にしか、プレゼントないの?」
「私達、プレゼントに呪力が混じっちゃうんだよ。このお家はご両親が見てくれるだろうから、大丈夫だよ」
そう優しく告げて、サンタ傑が手を握り、プレゼントが現れる。
「フィー。子供はこれで全部?」
「はいですぅ」
「待って僕もプレゼント欲しい。あと妖精がカメラに映るなら一緒に写真撮りたい」
「手、貸して」
教祖夏油がプレゼントを出現させる。
我も我もと握手を求められ、望むままにプレゼントを渡していく。
「加茂家と禪院家も待ってるから早くいったげなよ。送ろうか?」
「こっちの五条悟は天使か何かなの? ああ、いや大丈夫だよ」
そうして、隠し子がいてちょっと揉める場面もあったが、基本終始和やかにプレゼントが受け渡しされていく。
「ら。楽……! 今年はなんて楽なんだ!! あとは高専だけだね」
「とても雰囲気悪いけど、ほんとに行くの?」
そこには、完全武装して集う術師達がいた……。
何だか加茂家や全員家もいる。
「皆、戦闘準備して」
トナカイ真希やトナカイ真依がプレゼントマシンガンを装備する。
トナカイ甚爾がプレゼント短剣を準備した。
「忍び込むとかしないの……?」
「小細工は無駄だよ。真正面から行く」
「やれやれ」
「メリークリスマス!」
そうして、マシンガンが火を吹いた。
もちろん、マシンガンから出るのは実弾ではない。サンタのプレゼントを生み出す、なんか不思議な力だ。建物とかも傷ついたりしない、安心仕様。
当たった人はプレゼントを生み出し、夢の中へ。
最初は動揺されたが、血が出ていないので落ち着いていく。
「これ、後遺症とかない?」
「ないよ。眠っているだけ。明日の朝には目覚めるよ」
「それ縛る?」
「縛る? 破れない約束だっけ」「待て。疲れが溜まってると、明日の朝までに目覚めない可能性がある。後遺症がないことだけ縛っておけ」
「待って縛り知らないの?」
「わかった。後遺症がないのは保証するよ。命に別条もない。縛る」
「せんせー!! 私ら、平和的にプレゼント欲しいんですけど! 握手なら眠らねーんだろ。非術師も術師の知り合いいればもらえるとも聞いたぞ!」
「しゃけ!」
「捕まえないって縛るならいいよ。あと、天与呪縛は術師枠だから君は大丈夫」
「縛る! 危害を加えてこない限り、私らは攻撃しねーよ。あとプレゼントちゃんとしたものよこせ。罠とか仕掛けんな」
「はいはい。あ、でも本人以外がプレゼントを開けようとすると痺れるのは罠の定義には入れないからね!」
ということで握手。
「ああー! 傑! 俺にはそんな優しくプレゼントくれたことないのに!」
「君はもう大人だろ。というかプレゼント欲しいなら襲ってこないでくれないか」
「だって傑と戦うの、楽しいもん。なあ傑、俺の物になれよ」
ジャラリ、と音を立てるは首輪と腕輪が一体になった拘束具。呪具である。
「い や だ。サンタさんはプレゼント対象外なんだよ!」
「だとよ。俺からのプレゼントで我慢しな」
甚爾が走る。
「甚爾くん、自分、甚爾くんからのプレゼントがええんやけど!」
「実の息子を優先しろよ、親父!」
「恵、君もプレゼント貰いに行ったら?」
「俺はいいけど、その、と……さん。津美紀のぶんのプレゼントはよこせよ」
「あ? 誰だそいつ。サンタネットには乗ってねーぞ」
そう言いながら、伏黒と握手し、プレゼントを渡す甚爾。
「お前の娘だー!!!」
「知らねーよ!?」
ぶっ飛ばされる甚爾。
「恵、世界が違うから、向こうだと津美紀いないんじゃない? 並行世界の君、禪院恵って名乗ってたよ」
「あ」
「殴られ損じゃねーか!」
「自分も行ってくるわ」
「安全な訓練と思って胸を借りてきます」
この世界の直哉と憲紀も向かう。
五条悟は静観である。
「子供、子供があと一人いるはず! 隠していると為にならないよ!」
「子供はこれで全部だけど? 大人までプレゼントもらっちゃって、ありがとね。呪具の中にそんな判定されるのがあるって事なら、今から一晩で探すの無理かな」
「名前は折本里香! さっさと出しな!」
「里香ちゃん! 里香ちゃんもくれるって!」
「ひゃあああああああああああ!! 子供? 子供!??」
「ちょっと私の顔で醜態晒さないでくれないか」
腰を抜かすサンタ夏油。注意する教祖夏油。
「サンタネットってどういう基準で子供判定してるの?」
「魔法だから、割とファジーなところがあるんだよ。あ、あ、あ握手」
「無理すんなサンタ」
「はい、私と握手♡」
トナカイ真依がにこやかに握手をして、プレゼントが現れる。
遠巻きにしていた補助監督達に地道に握手をしてあげていたトナカイ真希とトナカイ真依である。
「よっし! 初年度からコンプリート! また来年だね!!」
「あっ 待ってくれないか!! 本当に子供達が皆、サンタさんからのプレゼントがもらえないと落ち込んでいるんだ! みんなの分のプレゼントだけでもくれないか!」
憲紀の言葉に、傑は戸惑う。
「でも……私は追放された身で」
「お願いだ!」
「……」
夏油サンタとトナカイ甚爾とトナカイ真希とトナカイ真依は手を繋ぐ。
そして、力を放出する。
それは大量のプレゼントとなった。
「着服しないでよ」
「ちゃんと届ける。ありがとう」
今度こそサンタ達が退却していく。次々と宙に消えていくサンタ達を見送って、憲紀は告げた。
「今ので、力を使い果たしたはずだから、発信機を追って一番力が弱まる27日に襲撃しよう!」
「「「おおー!」」」
「いや、おー! じゃなくてね?」
実は、彼らの申し出は正式には受けていない。報酬は魅力的だが、それだけの理由があるはずということで、裏を調べてからと五条悟が止めていたのだ。いくら利があるからと公的機関が誘拐に手を貸せるはずもない。取りあえず、この戦いである程度わかったこともある。だが今は。
「はあ。後片付けしてプレゼント開けよっか」
取りあえずプレゼントである。
マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
今度からマシュマロ返信していくことにしたので、よろしくお願いします!
返信不要の場合は返信不要と書いておいてください。
https://odaibako.net/u/karin2022v
リクエスト、返信不要の匿名感想はこちらにお願いします。