HUNTER×HUNTER世界でハーレムを目指す!   作:sakurano

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第18話:グリードアイランド編2

 1997年5月4日 14歳

 

 14歳の誕生日を迎え、俺達のグリードアイランド活動に終止符を打つ時がきた。

 

 そう、グリードアイランドのスタート地点にいるイータさんと、帰還地点にいるエレナさんの双子同時攻略達成だ! 

 

 もちろん冗談だ。

 SSランク指定カード『一坪の海岸線』の入手、つまり俺的な区別にはなるが最上位ハンタークラスと目されるレイザーとの闘いを区切りとした。闘いと言ってもドッジボールによる戦いだ。レイザーは放出系能力者だから相手の土俵で戦うようなもので、油断して頭にボールを直撃されたら余裕で爆ぜる威力がある……。

 

 そのようなリスクを踏まえても、最上位ハンタークラスと戦いたい時に戦える貴重な場となるので見逃す選択肢はなかった。原作開始まで後1年半しかないので、ネテロ会長との闘いの前哨戦としてちょうどいい場だと思って挑ませてもらい、真正面から打ち破ることができるまで成長していることを実感できた。

 

 

 レイザーに挑戦する前にはもちろん過酷な修行を複数乗り越えてきた。

 

 

 

 ◇◇◇◇◇過酷な修行の日々

 

 まずは『恋愛都市アイアイ』だ。前世でハーレムを目指し女心を理解しようと思って挑戦したギャルゲーマーとしての力を遺憾なく発揮して眼鏡を落として慌てるドジっ子青髪美少女、パンを咥えて曲がり角でぶつかってきたメスガキ美少女、悪漢に壁際に追い詰められる短髪美少女、お城のお姫様と無事に交際することができた。

 

 交際できて結婚まで秒読みだと思ったのに、なぜかアイテムくれてそのまま消えてしまったんだ……。悲しい。

 最初に出会った場所まで戻ると記憶が全部リセットされており忘れられてしまっていたんだ……。悲しい。

 しかも交際中も一定範囲から外にはいけないようで連れ出すこともできなかった……。悲しい。

 

 悲しすぎて何度も攻略したのは秘密だ。というか、分身体が好きな異性から離れられない制約のせいで、街近くで魔獣ハントする以外では、アイアイで攻略し続けるしかなかったわけだが。結婚まで攻略できない美少女をあの手この手で何とか攻略しようとしてはまた存在を忘れられてしまう。まさに過酷な修行といっても過言ではなかった。

 

 

 

 次に港に向かいエレナさんと初顔合わせを行った。

 こちらもイータさんと同じく泊まり込みで住むのはやんわりと拒否されてしまったが、また会いましょう、と笑顔で言ってくれたので、港(エレナ)→ジャポン→イソの木(イータ)→港(エレナ)のタイムアタックを繰り返した。残念ながら10分程度会話したら部屋から出されるので、長時間話すためには繰り返し入りなおすしかないのだ。

 リオンとミアキスの分身体も誘って、負荷を解除し、<風使い(フリーダムウィング)>の力で追い風を起こしたうえで、両足に凝でオーラを集めて全力疾走するほどの本気具合だ。片道100㎞以上で30分を切っていたので時速200㎞位は出ていたと思う。

 

 だがキメラアント編にでてくる蟻王メルエムの直属護衛軍のネフェルピトーは2㎞の距離からカイトが反応できない速度で接近してくるほどだ。人外すぎてそこまでは無理だし、移動速度と戦闘に必要な瞬発力は別物なので気にしすぎるつもりはないが、差を埋められるならそれに越したことはないと思って、より速くなれるように走り続けた。

 

 あれ、そういえばキメラアントの自称スピードキングであるヂートゥは時速200㎞以上と言われていたな。もしかして俺達の身体能力はキメラアントの師団長並になってるのか? 

 いや、念能力使ってようやくというレベルなのでまだまだだろう。これからもイータ・エレナ参りの旅は継続しなければならないだろう。年中限界を超えた速度で走りまわるなんて実に過酷な修行だ。

 なお、どれだけ周回しても二人との進展はなかった……。

 

 

 

 活動はグリードアイランドの中だけではない。

 当初の目的であった『黄金るるぶ』を手に入れたので、旅情報の雑誌をもとにした女性探しも並行して動いている。

 プロハンターになったばかりのメンチ、センリツ、アマチュアハンターのスピーナ、ヴェーゼ、軍儀世界チャンピオンのコムギ、名もなき天空闘技場の受付嬢、同じくリピーター等々多くの女性と会うことができたが、残念ながらハーレム候補になってくれそうな人とはなかなか出会えなかった。

 

 そんな中、ついに出会えたポンズ! 

 アマチュアハンターとして行動し始めた情報を見つけたので、アマチュアハンター仲間として一緒に行動できるように計画し実現できた。ミッションの合間の雑談で、プロハンターを目指してハンター試験も受験予定と言っていたので、力試しがてら模擬戦して完封勝利した。

 蜂や薬品が使えたら……と負け惜しみを言っていたので、敵が銃のように遠距離攻撃してきたらどちらも意味がないし、接近戦タイプであってもある程度鍛えていれば蜂が反応する間もなく攻撃して離脱することは容易であることを説明し実践して見せてあげたら愕然としていた。この前あった美食ハンターの二人組でさえもっと身体能力に優れていたことを教えてあげると口をあけたまま愕然としていた。可愛いキスしてもいいかな? やめておいた。プロハンターでもない年下の俺に完敗したことがショックだったのだろうからそっとしておいてあげよう。

 

 そんな自分を見失ってもおかしくないポンズは意外なことに翌日には復活し、俺に弟子入り志願してきた。絶望を前にしても立ち上がる気概を見せてくれたポンズならばと、肉体強化と念について指導することにした。念の才能としてはリン・キルア未満、ミト以上といったところだろうか。ちなみに得意系統は具現化系であった。<愛の修行場(ラブトレ)>と<メイドの抱擁(エンブレイスメイド)>、<桃色吐息(ピアノマッサージ)>を併用した(ポンズにとって)過酷な修行の始まりだ。

 原作でも作中随一の戦闘狂ヒソカが参加するハンター試験に多分二年連続参加し、毒蛇が大量に潜む洞窟に閉じ込められ、年下に救われ騙され、翌年も年下に力の差をこれでもかと見せつけられてもアマチュアハンターとして諦めない姿勢を見せてくれたポンズであればきっと耐えきってくれるだろう。耐えれず断念するのであれば、それはそれで美少女が生き残れるから大丈夫だ。

 

 

 

 実力は各自で順調に成長し、キルアとリンも『群狼の長』の無限湧き相手でも半日は余裕で戦えるようになった。分身体なので頑丈さに問題がある二人だが当たらなければ問題ないのだ。そのため、錬を維持する必要もなく攻撃時のみ強化する最小限のオーラ消費で長期戦を可能にしている。とはいえ、二人は実戦慣れよりも、基礎修行で総オーラ量と顕在オーラ量を増やした方が強くなれる段階なので、半日戦い続けさせることは滅多にない。

 

 マチとシズクは『群狼の長』も一ヵ月たたずに慣れがでてしまい何の修行にもならないと判断してやめてしまった。それからは、情報を集めていたBランク、Aランクの魔獣情報をもとに狩りに行ったりしていた。負荷を全力でかけたままAランクの魔獣としてドラゴンが出てきた時はさすがに苦戦したようだが、攻撃パターンと攻略方法を見切ってしまえばさほど苦労することもなく倒せるようになったそうだ。

 

 というわけで結局、俺、リオン、ミアキス、マチ、シズク、ビスケで本番さながらの実戦を繰り返すことになった。軽微な怪我であれば、俺とリオンの<メイドの抱擁(エンブレイスメイド)>、ビスケの

<魔法美容師(まじかるエステ)>で回復することができ、致命的な障害を負ったとしても、マチの念糸を使って縫合したり、最悪な場合でも指定カード『大天使の息吹』で治すことができるのでほぼ全力で戦うことができ良い修行となった。

 ビスケは本来修行組ではなかったが、戦闘のバリエーションを増やすために、俺達の分身体の一部をブループラネットの調査、取得に協力させることを条件に、修行にも参加してもらえることになった。

 

 

 

 そして、グリードアイランドのアイテムを持ち出すための新たな念能力も習得した。

 ……ミトさんが。

 

───────────────────────────────────────

<空想の家(ファンシーハウス):具現化系、特質系>

 理想の住居として必要だと考えるモノを取り込むことができる特別な念空間を構築し、構築されているファンシーハウスに出入り可能な扉を自由に設置・撤去できるようになる。別途、スペアキーも構築することで発動者がいなくても出入りが可能になる。

 第三者に所有権があるモノは相応のオーラを消費することで、モノが持つ能力と合わせてコピーし取り込むこともできる。

 

 ▽制約

 念空間を構築する際は発動者及び手を繋いでいる者の最大オーラ量の半分を消費する。

 念空間を長時間維持する場合は中央にある宝玉にオーラを注ぎ込んでおく必要がある。

 念空間にコピーして取り込んだモノは念空間から取り出すことはできない。

 念空間は誰かが入った場所からしか出ることができない。

 

 ▽誓約

 構築時、及び宝玉のオーラが具現化必要量に不足した場合、発動者は30日間絶となる。

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 プロハンターになるために旅立つ覚悟を決めているコンとリン、ついでに自身が少しでも安全に、より快適に過ごせるように、という親心を込めて作られた念能力だ。旅の先達としてどういうことができれば助かるか意見を求められたので、俺と相談しながら考えた結果となる。

 

 オーラ消費量がそれなりに激しいので戦闘時の緊急避難用としては使用できないし、オーラ消費量を考慮して取り込む家やモノを検討する必要があるが、オーラ消費量にさえ問題なければ何でも取り込める念空間を構築する能力だ。

 

 そして出会ってから4年の期間を経てミトさんと恋人関係になれた俺も<俺達は運命共同体(ディスティニーシェアー)>の効果で、<空想の家(ファンシーハウス)>を発動することができる。なお、俺が構築した念空間にも、ミトさんが自由に出入りできる扉やスペアキーを作ることができるという共用空間になっている。俺の方が系統別修行もオーラ量も格段に進んでいるので、基本的には俺が構築してオーラも十二分に補充しておくようにしている。

 

 

 能力を作成するにあたって悩んだのがアイテムを取り込む方法だ。原作ではコルトピの念能力を使ってカードをコピーしてもアイテムに戻すことはできなかった。そのため、カードではなく、アイテム化したモノ(物や者)を取り込むことを目的として考えて作っている。

 

 早速この念能力を使って、グリードアイランドの以下アイテムを取り込んだ。

 これはビスケの希望の美術品なので、取り込まないことにはビスケがグリードアイランドから卒業できないため最優先で取り込んだ物だ。これからは念空間に入れば遠隔地への依頼中であってもいつでも愛でられるようになることを伝えたら眼をキラキラと輝かせて涎を垂らしていた。現実世界で集めた他の宝石も取り込みを希望するだろうが、それらは所有物だからコピーではなく普通に持ち込めるためオーラ消費量増大に繋がらず問題はない。

 

073 闇のヒスイ    :悪魔の加護を受けた宝石。危機が迫ると他人にその厄災を渡す。

074 賢者のアクアマリン:賢者の宝石。知性豊かな友人を得ることができる。

077 美を呼ぶエメラルド:女神の宝石。美の奉仕者が集いやすく、自身も魅力的になれる。

079 レインボーダイヤ :7色の宝石。このダイヤを渡してプロポーズすると成功率100%。

081 ブループラネット :唯一無二の宝石。宇宙からの贈り物と言われている。

 

 

 他にも以下のアイテムは取り急ぎ取り込んでいる。生活の必需品だ。

 

003 湧き水の壷   :1日で1440Lの綺麗な水が湧き続ける壺。

004 美肌温泉    :肌に関する悩みを全て解消する温泉。1日30分で赤ちゃん肌へ。

006 酒生みの泉   :この泉の水を汲んで一週間おくと酒になる。種類はランダムだが絶品。

008 不思議ヶ池   :池に放した魚が翌日に放した分増える池。どんな魚も生息・混泳可能。

009 豊作の樹    :1日で樹いっぱいの果物が実る樹。種類と数はランダム。

065 魔女の若返り薬 :500粒入りで1粒で1歳若返る薬。若返るのは肉体のみ。

068 長老の精力増強薬:500粒入りで肉体の一部が元気になる薬。回数・持続力ともに文句無。

150 豪邸      :100LDK。お城レベル。庭付きでとても広い。防音もばっちり。

 ※『豪邸』は本作独自の設定です。モタリケさんが『家に帰れば』と言っていたので

  ゲーム内で購入できると思い適当な番号をつけています。

 

 

 もちろん以下の人達も取り込んでいる。

 住居に美少女はかかせないし天使もかかせない。お世話役の小人やパンダちゃんもかかせない。

 恋愛都市アイアイの美少女達は取り込むと何かがエラーになるのか動かなくなった、怖い。

 

017 大天使の息吹  :傷・病なんでも一息で治す天使。一度治すと消えるため、治させない。

026 7人の働く小人 :主人が寝ている間に代わりに働く小人。小人の能力は主人の能力に依存。

046 金粉少女    :1日1回の入浴で約500g金粉をふきだす少女。内気で家からでない。

047 睡眠少女    :主人の代わりに眠る少女。主人は眠ることなく24時間行動可能。

048 発香少女    :主人にとって最も心地よい香りを出す少女。ストレス解消。

049 手乗り人魚   :手に乗る大きさの人魚。住み心地次第でとても美しい声で歌う。

099 メイドパンダ  :綺麗好きで料理趣味なパンダ。洋裁、ガーデニング、子供の世話も得意。

— クッキィちゃん :マッサージ魔法美容師。様々なマッサージは至福の一時をもたらす。

 

 

 

 以下のアイテムは取り込まず、分身体で少しずつ孵化させることにした。

 

037 超一流スポーツ選手の卵 :1日3時間手で暖めると1年~10年後に対象の才能を得る。

038 超一流アーティストの卵 : 〃

039 大物政治家の卵     : 〃

040 超一流ミュージシャンの卵: 〃

041 超一流パイロットの卵  : 〃

042 超一流作家の卵     : 〃

043 大ギャンブラーの卵   : 〃

044 大俳優の卵       : 〃

045 大社長の卵       : 〃

 

 

 

 以下のアイテムは、最大オーラ量と消費オーラ量をみて徐々に取り込む予定だ。

 

010 黄金るるぶ   :旅情報の雑誌。持ち主の好みの異性に出会える場所と時間を掲載。

012 黄金辞典    :持ち主へ得になる言葉を教える辞典。黄金色に輝く言葉は翌日役に立つ。

023 アドリブブック :毎回違う物語を楽しめる本。付属のしおりを挟むと同じ物語を維持。

024 もしもテレビ  :指定したIFを1~30時間の番組として放映するテレビ。

033 ホルモンクッキー:1箱20枚入りの10箱セット。1枚食べると24時間性別が変わる。

036 リサイクルーム :壊れた物を入れると24時間後には新品同様まで修理される部屋。

054 千年アゲハ   :伝説の蝶。この蝶を捕まえるとその後何代にも渡り繫栄するといわれる。

061 コインドック  :500ジェニーで体の異常有無を診断するドック。

066 魔女の痩せ薬  :200粒入りで1粒で1kg体重が減る薬。

067 長老の背伸び薬 :100粒入りで1粒で1cm身長が伸びる薬。

069 長老の毛生え薬 :200㎖(頭なら10人分)で塗った所がフサフサになる薬。手袋必須。

090 記憶の兜    :被っている間に見聞きしたことを忘れなくなる兜。非常に重く大きい。

093 人生図鑑    :持ち主に関わった人々を全て収録する図鑑。エピソードや会話録も完備。

097 3Dカメラ   :撮影対象を立体のまま現像するカメラ。サイズ調整可能で質感も維持。

 

 

 

 以下のアイテムも興味はあったが、条件である「理想の住居として必要だと考えるモノ」に該当しなかったようで残念ながら無理だった。

 

011 黄金天秤   :二者択一を迫られた時、持ち主の将来に友好な方法を選んでくれる。

 →自分の選択をアイテムに委ねることへの抵抗があったからだと思われる。

  黄金辞典も近しいが、あれは知識を与えてくれるだけなので問題ないのだと思う。

 

014 縁切り鋏   :会いたくない人の写真を切ると二度と会わずにすむ鋏。

 →会いたい人しか存在しない住居だからだろうか?

 

016 妖精王の忠告 :足りないものを的確にアドバイスする妖精が時々現れる。

 →妖精王が男性だったので弾かれたのだろう。間違いない。

 

021 スケルトンメガネ :物が透けて見えるメガネ。メモリの強弱の加減も可能。

030 コネクッション  :クッションに座った人が、1回だけ願いを聞いてくれる。

034 なんでもアンケート:質問を書いて渡すと、全ての質問に正直に答えてくれる。

035 カメレオンキャット:様々な動物に変身するカメレオン。体積は変化不可。

058 レンタル秘密ビデオ店:他人の秘密を知ることができるビデオ店。

062 クラブ王様    :店内の誰もが命令に従うお店。ただし店内の1時間は外の1日。

064 魔女の媚薬    :意中の相手に飲ませると一週間虜にできる。

071 マッド博士のフェロモン剤:異性にとてもモテる薬。モテすぎてストーカー発生注意。

 →紳士なので……ごめんなさい。

  レインボーダイヤもこの仲間だけど、あれは使うつもりはなくビスケ用。

  3Dカメラもこの仲間だけど、思い出を残したいという想いが勝ったのかも。

 

027 顔パス回数券 :1000枚入りで、券を渡すとどんな場所でも入ることが可能。

029 強制予約券  :商品名を書くと市販物ならどんなものでも必ず手に入る。

055 仕返し商店  :店主に恨みを告白すると相手に報復してくれる。金額で上乗せ可。

060 失くし物宅配便:専用ダイアルに電話して説明すると次の日には届けてくれる。

 →コピーは家から持ち出せないからだろうか。

 

031 死者への往復葉書:亡くなった人の名前と内容を記載すると、次の日に返事が来る。

 →死者への冒涜に感じているからだろうか?

  考えたくはないが実際に嫁がなくなったら持ち込めるかもしれない。

 

 

 

 取り込まなかったアイテムも一部はグリードアイランド内で使用している。

 一例としては、ビスケが『マッド博士の筋肉増強剤』を使って本来の姿をムキムキのゴツい体型から、スリムな体型へとこっそり肉体改造していた。更に『魔女の若返り薬』で20歳まで若返っていた。

 幸い腕力自体は低下せず見た目だけの変化で済んだようだ。もちろん、本来の姿で模擬戦をしていたメンバーはその変化に気づいたが、マチとキルアですら一切そのことに言及することはなかった。言及したら確実に殺されると思ったのだろう……。空気を読まないシズクなら言ってしまうのではないかという事を懸念したが、そもそも変化したことを気にもしておらず何もいわなかった。これで平和は守られた、と思ったら純粋なリンが真正面から「お姉ちゃんすごい綺麗……」と見惚れたように近寄って抱き締めたことで空気が固まった。

 

 全員が注目した。ビスケの一挙一動に。

 ビスケの握りしめられた右手が徐々に上がり、俺はいざとなったら身をていしてリンを守ろうと動く準備を万全に整えてぎりぎりまで見守り続ける。ビスケが切れていたら俺は止められるか? 止められたとして俺は生きていられるか? ビスケの全力パンチはいまだに未知数だ。最上位ハンタークラスであるレイザーの全力ボールを一人で真正面から受け止めた俺でも受け止められる気があまりしない。模擬戦でもビスケは凝も硬も禁止してもらっているのだ。ビスケの堅ですら、俺の硬による防御を貫いてダメージを与えてくるほどだ。だが止められなければリンが死ぬ……! 行くしかないのだ……! 

 

 覚悟を決めながら固唾をのんで見守り続け、そしてビスケの右手が開かれてリンの頭を撫でる姿を見た瞬間、安堵故に緊張が途切れへたりこんでしまった。目の前で「でしょー!? 誰も言ってくれないからどこかおかしいのかなと心配になってただわさ! 本当にリンちゃんは良い子ねー!」「人はあまりにも美しいものを見ると言葉を失うもの」と和やかに会話する二人をみて段々落ち着いてきた。

 はっ!? いけない。せっかくのリンの援護を活かさなくては! と思って「うんうん、元の姿も良かったけど今の姿はますます見惚れちゃったよ。とても綺麗だね」と会話の輪に混ざった。なお、「本当にな。前の姿はゴリラっぽ……」と言いかけたキルアは、張り手で飛ばされて消滅した……。

 

 

 

 

 正直、ここまできたらもうHUNTER×HUNTER世界の人生をやり切ったという思いが少なからずある。

 キメラアントが世界征服したとしても、この<空想の家(ファンシーハウス)>で念空間に閉じこもっていれば影響もないし、自給自足もできる。

 

 とはいえ、それでは両親や兄を守れない。

 嫁達の家族も守れない。

 嫁達と駆け巡った思い出の地も守れない。

 そして何より、嫁達と笑って過ごせる気がしない! 

 

 原作開始まで一年半、そして難敵キメラアントとの決戦まで残り三年。

 

 俺達の闘いはまだまだこれからだ! 

 




まだ終わりませんけどね。
原作にもまだ入ってないのでここで終わったらあらすじ詐欺になってしまう……。
ただ、書き溜めが尽きたので、あらすじ守って亀更新になります。

皆様からいただいた評価をどう受け取ればいいかわかっておらず、評価0と1をつけてる人は何を作者に伝えたくてつけてるのかなと疑問に思ったのでアンケートです。本作品に限らず、評価0と1をつけたことがある人はどういう時につけてますか?(小説に関係ないアンケートは禁止されてますが、小説への評価の意図確認だから一応関係しているはず……だめそうなら消します)

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