HUNTER×HUNTER世界でハーレムを目指す! 作:sakurano
「くしゅんっ!」
出口の外で何かが光ったと思ったら、そこからくしゃみの声とともに女の子が現れた。茶髪ロングで身長よりも長い杖を持ってローブを着た16歳ぐらいのかわいい子だ。
「あれ……?
あれあれあれ?
…………あ!
ねえねえ、そこの人達!
ここってなんていう国?」
周りをきょろきょろと見た後にこちらに気づいたようで近づいてきて尋ねてきた。
言わずと知れた幻想水滸伝シリーズに毎回登場する公式公認美少女キャラのビッキーだ。
感動に浸っている間に周りの会話が進む。
「おかしなことを聞くやつだね。
なんで自分のいる国の名前がわからないんだい?」
「いや、あの……ちょっといろいろあって……。
教えてくれると嬉しいかなって……」
「はぁ……まぁいいさ。
ここはヨルビアン大陸のサヘルタ合衆国よ」
「ええっ!?
まだあるんだ……。
まいったなあ、またごちそう食べ損ねちゃった。
どうしようかな……」
「電波少女かな。
下手に関わらずさっさと帰ろうよ」
マチが相手をしてくれていたが、変なことを言い出したビッキーを見て、シズクがそんなことを言い出した。シズクもなかなかの電波少女だぞ、と思ったのは俺だけじゃないはず。
「うん、決めた!
わたし、ビッキー!
ここであったのも何かの縁だし、私を守ってくれません?」
「いや、悪いけど、急いでるのよ」
「ええ~っ!
わたしのテレポート便利だよ?
試しにどこか飛んであげる!
どこにいきたいか心の中に思い浮かべてね!
いい? いくよ?
そぉれっ!!」
ビッキーに見とれていたら、いつの間にか全員テレポートで飛ばされていた。
天然さんが勢いに乗ると誰も止められないってよくわかんだね。
転送先は────
「のほほんとした見た目でいきなり何をしやがんだゴラァア!」
「ん~~~ここはハンター協会の本部前だね。
次の目的地ではあったから楽できたね」
「そんなに怒らないでよー。
行先はここであってるみたいだね。は~~~よかったぁ」
「……は?
いやいやいや、何の準備もなく、記憶を読み取り、この人数を、この距離へ問答無用で転送……?
規格外過ぎて野放しにするわけにはいかないね!」
いきなり能力を仕掛けるという敵対行為と思われるであろう行動にマチが久しぶりにブチ切れし、シズクは冷静に周囲を見回して場所を判断する。
これまで話していたマチがキレて収集がつかなくなりそうだったので、代わりに話をまとめることにした。
・出会った時の「まだあったんだ」はサヘルタ合衆国のことではなくビッキーの役目のこと。
役目が続く限り故郷に帰ることができず、一つの役目が解決すると、次の役目と関連する場所へテレポートされてしまい、最後の役目が完了すると故郷に帰れるという宿命がある。
俺達が役目に関連している可能性が高いので同行したい。
・俺達がハンターとして活動しており、賞金首や魔獣の討伐という危険を伴う仕事であることを説明。
ビッキーも戦闘手段はあるので一緒に戦ってくれる。主な戦闘手段は転送。
タライを敵の頭上に出したり、巨大建築物を頭上に出したり、敵自体を空高くに転送するらしい。
何それ恐ろしい。
・近くにいる人が知っている場所であれば一日10回まで自由にテレポート可能。
たまに失敗して一度も行ったことがない場所にテレポートすることもある。
特に寝ぼけていると失敗確率が上昇する。
対となる『瞬きの手鏡』を使えばビッキーのもとにテレポートで戻ってくることも可能。
・リオンの紋章については見覚えはないらしいが、ビッキーが元々いた場所では紋章が多々存在した。
紋章は封印球に閉じ込められているが、紋章師の力を持つものが、人の右手、左手、頭に宿すことで紋章の力を発動できるそうだ。例外はあるが紋章師がいれば取り外すことも可能。
ビッキーの転送も紋章の力。
・ビッキー自身がやりたいことはあまりない。
強いて言えば毎回のように祝勝会のごちそうを食べ損ねるので美味しいものが食べたいそうだ。
非常食として持ってきていたチョコロボ君をあげると美味しそうに食べたがキルアほどではなかった。チョコロボ党には加入しなさそうだ。
だがしかしパンダメイドの食事、俺のお菓子、リンの神料理で満足させることを確約しよう。
ビッキーを仲間に加え、改めて今後について話し合う。
マチとシズクは、セラス湖の遺跡で見た文字を解析できる可能性があるハンターに心当たりがあり、ハンター協会にいる可能性が高いと思い、ちょうどここにくるつもりだったそうだ。
名前はピヨンで言語学者や通訳もやっている古文書ハンターだそうだ。
そう、会長選挙編で登場したバニーガールのミニスカートをはいた兎っ娘美少女である。
ついでにハンター協会の幹部にあたる十二支んの一人でもある。
幹部になるほどであればもう少女じゃないのではないか、と思う人もいるがバニーガールが似合う人がおばさんなわけがないから美少女だと前世から確信していた。確信していたが、実際に美少女であることを確認できて安心できたことは言うまでもない。
役職上はプロハンターでもない俺からすると雲の上の存在ということになるが、マチとシズクはプロハンターの同期として面識を持っていたらしい。特にマチは未熟者達の愚痴に共感して結構仲良くなりホームコードも交換するほどだそうだ。主にブラックリストハンターとして行動するマチとシズクと任務を共にすることはなかったため、今まで出会えなかったことは残念だ……。
というわけでマチにピヨンを呼び出してもらい協力を打診すると────
「いいよ~~~~~~。
前に行ったときは文字のサンプルが足りなくて解析できなかったから、サンプルが増えるのは歓迎なのよ~~~~~~」
あっさり了承がもらえた。
マチとの繋がりもあるのだろうが、未知の言語への探求心が見え隠れしているようだ。神様特典により感情が大体わかってしまうので、まず間違いないだろう。さすがプロハンター、人一倍の探求心が強い姿勢は見習いたいものだ。
「もちろん、いつも自慢していたお弁当もお菓子も期待しているのよ~~~~~~」
……単に遠足気分かもしれない。
あれ、神様特典もしかして劣化している?
なんにせよ、これはお菓子作りの腕で魅了するチャンスだ!
どういう味が好みなんだろう。
兎をモチーフになりきっているからやはり人参だろうか。
となると、シンプルにキャロットケーキかな。
キルアは野菜嫌いだから、シンプルで持ち運びしやすいマフィンも作っておこうかな。
マチとシズク経由でも好物をヒアリングしておかねば。
翌日改めて集合し、ビッキーのテレポートでセラス湖の遺跡までいき、最奥の小部屋までたどり着くと、ピヨンは過去の解析資料と新たな石碑の文字から解析を完了させた。その結果わかったこととして、セラス湖、及びセラス湖の遺跡は、シンダル族(現在ハンター協会でも情報が存在しない)が彼らの居城を守るために設計したもので、台座へ紋章をかざすことで遺跡の絡繰りを操ることができるようだ。
・すべての台座が下がっている状態
セラス湖から外部の河への流水が行われることによって水位が下がり、中心にある居城に入ることが可能になる。
・左右の台座が上がり真ん中の台座が下がっている状態
外部の河への流水が止まり、セラス湖の水位が急速に上昇し居城が見えなくなる。
限界まで水位が上昇すると、自動的に真ん中の台座が自動で上がる。
・すべての台座が上がっている状態
外部の河への流水は止まったまま地下水脈へ最低限の放水が行われ現在の水位を維持する。
(今はこの状態)
・その他の状態
侵入者と判断され部屋が水で満たされる。
「ふぃ~~~~疲れた~~~~~~。
頭脳労働の後は甘いものが欲しいのよ~~~~~~」
まじめな解析モードから一転、だらけモードになったのかぐでーっとした表情になりつつも、こちらに期待するような上目遣いをしてくるのが可愛かったので、気づいたらイージーチェアとテーブルを取り出し、キャロットケーキとジュースを差し出したりと全力奉仕をしていた。
リオンから共有している<進化する侍女(グロースナイト)>で成長力を増しながら修行した奉仕力に死角はない……!
「それで、これからどうするの~~~~~~?」
「セラス湖の水が放出された際のシミュレーション結果から、おそらく昔使われていたと思われる枯れた河跡が近くに確認できたが、その周りには現在、街は存在しない。そのため放出してもさほど影響はなく、むしろ内陸の水不足に陥ってる村々の助けになることがわかっています。とはいえ、地形を変える以上は国への根回しは必要になるでしょうし、セラス湖の中心にあるだろう居城の保護体制も整える必要があります。居城には──」
「長々語ってんじゃねーよ~~~~~~。
簡単に言うと~~~~?」
「近日中にセラス湖の水を開放するけど、居城にもシンダル語で刻まれた文字があると思うのでもう少し協力してほしい」
「いいよ~~~~~~」
いいの?
とちょっと驚きつつも分担して行動に移す。
地形に影響が生じる可能性があるサヘルタ合衆国、遺跡保護のノウハウのあるハンター、失われた古代文明の遺跡ということでウイルス対策のハンター、遺跡の所有者になっているハンター協会そのもの、河が出来上がる経路周辺に存在する村々や、比較的近隣にある流星街への根回し、待機してくれるピヨンへのお菓子作り等々、手はいくらあっても足りない。
そもそも居城の所有権や、探索優先権等、決めなければならないことも多岐にわたる。
もちろん、俺がいろいろと積極的に動いている理由は、行動リストにこっそり混ぜたウイルスハンター募集でハンター協会の女医さんであるサンビカが来てくれれば会える可能性を上げることだ。プロハンターでもないモブだと近寄るのも難しいから、役立つモブを目指している。
シングル持ちのウイルスハンターだから来てくれる可能性はあるだろう。あるはずだ。
俺には『黄金るるぶ』様のご加護がついている!
会えませんでした……無念。
サンビカには会えなかったけど、ピヨンにはお世話という形で交流もできたので一勝一敗だ。
とりあえずは料理とお菓子作りが上手でサポート力があることを覚えてくれれば、いつか仕事のお誘いがきて交流をより深められるだろう。深められるはずだ。多分。
その後、なんやかんやあって、無事にセラス湖の放水にこぎつけることができた。
所有権等々は迷わず破棄した。お城とかもらっても領地経営やら戦争とかしないので普通に要らない。
ビッキーが複雑そうな顔をしていたのはきっと気のせいだ。シンダル族だったならすまない。
セラス湖の水位が下がり、そこから現れたのはグリードアイランド城を二回りも大きくしたような居城であった。探索したそうにしているキルアとリンの腕を掴んでおく。むしろ抱きとめておく。柔らかい。
俺も興味はあるが、ここから先はお役御免だ。欲を出しすぎて藪蛇になったらたまらない。サヘルタ合衆国にはマフィアがごろごろしているヨークシンシティもあるので、ここまで立派なお城だとそっちからの口出しも面倒なことになりそうだ。後々ヨークシンシティ編で行くことになるので、今の時点で揉めるのはまずい。
それよりも、水の行く先を眺めているマチとシズクが気になる。最初は出身地である流星街を気にしているのかなとも思ったが、心配している顔というよりは何かを期待しているようにも思える。出会った時から何かしら目的があることはわかっていたが、それに関係しているのかもしれない。 いつか二人が打ち明けてくれることを信じて今は少しでも彼女達の希望が叶うことを祈るばかりだ。とはいえ、心配であることに変わりはないので、ハンター試験とゾルディック家訪問が終わったらしばらく時間があくこともありそれまでに相談がなければこちらから聞いてみようと思う。
ビッキーさんの「まだあったんだ」は幻想水滸伝Ⅴの登場シーンからコピーしていますが、その意図ははっきりしておらず諸説あります。本文に記載した意味であれば、紋章世界と関係がない本作でコピペして使っても意味が通じそうだと思ってそのようにしました。ただ、別にこの設定は伏線とかではないので忘れてもらって大丈夫です。(幻想水滸伝シリーズも新作が出ないので真相は闇の中へ……)
皆様からいただいた評価をどう受け取ればいいかわかっておらず、評価0と1をつけてる人は何を作者に伝えたくてつけてるのかなと疑問に思ったのでアンケートです。本作品に限らず、評価0と1をつけたことがある人はどういう時につけてますか?(小説に関係ないアンケートは禁止されてますが、小説への評価の意図確認だから一応関係しているはず……だめそうなら消します)
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