HUNTER×HUNTER世界でハーレムを目指す!   作:sakurano

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第23話:閑話-とある転生者

 ◇◇◇◇◇第三の転生者視点

 

 気づくと私は白い世界にいた。

 周りを見ても一面の白で無機質な世界に思える。

 ここはどこなのかな。

 

 直前の記憶を呼び覚まそうとすると、不愉快な記憶を思い出してしまった。

 ブサイクだ、デブだ、と苛められるのは昔からの日常で、痩せようとダイエットを試みてもなぜか実ることもなく、親からも見放されたことでもはや周りへの興味をなくしたので、一人黙々とオタ活したり身体を鍛えることだけに集中していた。とりあえず体格を活かして一人でもお金を得られそうな格闘技の道を進もうと思っていたからだ。

 あの日も……そう、「おデブちゃん相撲しようぜー! その体格なら強いんだろ?」と言いながら突きかかってきたので、反撃して何人か倒したものの人数差はどうにもならず暴行されて、その帰宅時に痛みから足元がふらふらして駅のホームから落ちてしまった結果、頭を思いっきりぶつけてしまい気を失った記憶……。

 

 今更、暴行される程度のことで傷つくことはない。だけど、それ以降の記憶はないので、恐らく線路に落ちて気絶したまま列車に轢かれてしまい、解放されたのだと思う。これでやっとあいつらに関わらないで済むと思えば心も安らいでいく。

 

 そんなことを考えて佇んでいると、いつの間にか筋骨隆々のいかついおじさんが目の前に現れて説明を始めていた。神様? 転生? HUNTER×HUNTER世界? 特典? 記憶保持? 

 

 いつも通り聞き流そうとしていたら、気になるワードがいくつか飛び出してきたので、久しぶりに真剣に聞き入った。欲しい特典を聞かれたので思いついたものを言ってみた。

 

 ・容姿のせいで似たような人生を歩みたくないので、容姿端麗になりたい。

 ・助け合える家族が欲しい。

 ・多人数で苛められても反撃できるように複数相手にも使える最高威力の魔法が欲しい。

 ・ゴンと同じように成長できる才能が欲しい。

 ・経験値を通常の10倍得られるようにして欲しい。

 

 結果、いくつかの特典を貰えた。

 

 ・容姿端麗

  →希望通りだ。

 ・優しい家族

  →辛いことがあっても助け合える家族を得られるそうだ。

 ・太陽の紋章の類似能力

  →私の記憶にある複数相手にも使える最高威力の能力を選んだそう。

   確かに幻想水滸伝Ⅴでは睨むだけで燃やしつくしたり、大陸毎焼き払ったりしていた。

   危険なので10歳からしか使えないと言われた。

 ・経験値10倍

  →これも才能の扱いになるらしい。

   二種類の才能は渡せないらしく後に選んだ方になると言われゴンの才能は貰えず。

   ……詰んだかもしれない。(全体的な才能と一分野特化の才能なら貰えたらしい。なぜ……)

 ・盗難拒否

  →危険な能力を危険な人に奪われないようにするためらしい。

   能力以外にも私の所有物を盗もうとした場合も太陽の紋章が自動発動するらしい。

 

 才能についてはかなりの想定外……。

 私はHUNTER×HUNTERを何度か読んだことがある。こんな能力使えたら、という妄想でどれだけの回数、復讐を遂げたことだろう。

 

 そんな夢溢れるHUNTER×HUNTER世界では才能差がとても激しい。10万人に一人の才能を持つズシが精孔を開くまで3カ月で『纏』を身に着けるまで更に3カ月。1000万人に一人の才能を持つゴン達だと精孔を開くまで一週間程と言われ、無理やり精孔を開かれてからは数分で纏を身につけている。180日と7日の差だ……。経験値が10倍貰えたとしてもどうしようもなく才能面では劣ることがわかってしまう……。

 

 つい呆然としていると、気づいた時には既に転生が始まっていた。

 

 

 

 ◇◇◇◇◇幼少期

 

 1979年。3歳の時に記憶を取り戻すとゴミ山で暮らしていた。

 HUNTER×HUNTER世界においてゴミ山といえば、何を捨てても許される街『流星街』……? 

 

 優しい家族の特典はどうしたの!? 

 優しい家族からも捨てられるほど私はどうしようもない人間ですか!? 

 神様の特典はその程度なんですか!? 

 

 第二の人生も始まりとともに終わりを告げたのかと思っていると、少しずつ3歳までの記憶がよみがえってきた。2歳ぐらいまでは普通に愛されていたけれど、ある時強盗が入ってきて盗みを働こうとした時に、盗難拒否の特典のせいで太陽の紋章が発動し燃やし尽くした。強盗だけでなく両親も。結果、親戚一同からも化け物を見るような目で見られ、眠っている間に流星街に捨てられていたようだ……。

 

 神様の特典(優しい家族)は神様特典(盗難拒否/太陽の紋章)に勝てなかった。

 一対二ならしょうがないってよくわかんだね、うん。大丈夫、この手の理不尽にはもう慣れてる。そう思おうとするも、子供の体に引きずられてしまっているのか涙が止まらない……。

 

 

「アルー! 

 良かった、ここにいたんだな。家に居ないから心配したよ!」

 

 そう言いながら近寄ってくる青年。

 顔を見ると最近の彼、フェリドとの思い出も蘇ってきたわ。

 そう、私は流星街に捨てられてから少し年上と思われる女の子とともに、フェリドに拾われて育ててもらい、一緒の家で三人で暮らしていたの。

 

 フェリドは私が泣いているのを見て慌てて慰めようとしてくるので、大丈夫、と言って笑顔をいつも通り返した。そう、いつも通り。転生しても手に入らないと思った優しい家族は、もう私の傍にいてくれたの。悲しい涙が止まっても嬉し涙が止まらず余計に心配をかけてしまった。大丈夫、私はあなた達と一緒ならどこでも頑張れる、という想いを抱きつつ笑顔を浮かべてフェリドに抱き着いた。

 

 それにしても、何で幻想水滸伝Ⅴのキャラクターであるフェリド様がHUNTER×HUNTER世界にいるのかしら? 私の推しだから居てくれて嬉しいんだけどね! あぁ神様、転生させてくれてありがとう! 

 

 私の名前も本当は別だったのだけれど、流星街に捨てられて名前を失い、フェリドに出会ったことで、思わず幻想水滸伝Ⅴでフェリドと結婚したアルシュタートの名前を名乗ったことを思い出した。名前の力を借りて結婚してみせるわ……! 

 記憶を取り戻す前だったのに、私の潜在記憶グッジョブよっ! 

 

 

 

 ◇◇◇◇◇少女期

 

 1986年、私は10歳になった。

 フェリド(義兄)と、パクノダ(義姉)との暮らしは当然豊かとは言えないものの、そこには確かに家族の絆があった。

 

 ある時は「離せー--!」と暴れまわる女の子の襟元を掴んだまま「わっはっはっはっ!」と笑いながらフェリドが拾ってきたわ。フェリドから盗みを働こうとしたので捕まえて保護するために連れてきただけで、体目的で拉致してきたわけではないらしい。良かった、ここでは110番通報がないからどうしようかと思っていたの。今回は勘違いで良かったけど、今後フェリドが犯罪をしないように私の魅力に気付かせないといけないわね。だから今後はもっと積極的に誘惑しちゃいます、これは仕方のないことだから許してね。

 

 流星街では珍しいことではないが、この女の子も保護者になりえる人はおらず、一人で盗みで生計をたてて暮らしているとわかったので「俺が生き方を教えてやる!」とフェリドが宣言し、新しい私の家族が増えた。普段はツンツンしているけれど、困っている時にはなんだかんだ言いながらも手伝ってくれる優しいツンデレ女の子マチです。同じ年齢でした。

 同じ年齢ですが誕生日的に「私がお姉ちゃんよ」とか「知らねー」というやり取りを繰り返した後、呆れたように「わかったわかったアネキって呼べばいいんだろ」と投げ捨てるように言ってくれた。お姉ちゃんと呼ばれたかったのに。

 

 ある時は「…………」と何も語らず虚ろな表情をした女の子を抱えて帰ってきて、今度こそ事案かと心配してしまったわ。どうやら私と同じく元々は外で暮らしていたものの不思議な力を持っていることがばれたことで迫害されて、ついにはここに捨てられたそうなの。何でも奇妙な声で鳴く掃除機をどこからともなく取り出すことができるらしい。なにそれ、ペットとして一人でも寂しさを紛らわせつつもいつでもお掃除できるすごい力じゃない! 私も貸してほしかったけど、彼女の手から離れると消えてしまうらしい、残念。普段はあまりしゃべらないし、しゃべったと思ったら意外な毒舌で心にダメージを与えられたりもするけれど、綺麗好きでなんだかんだこの家族を大事にしている女の子シズクです。2歳年下でした。

 年下なので「私がお姉ちゃんよ」と言ったら「……お姉ちゃん?」と呼んでくれた。嬉しい。

 

 

 パクノダは就寝時や食事以外の時間はフェリドとは別の青年と一緒に居る事が多い。

 パクノダの影響でこの家族全員がその青年クロロと一緒にいる機会が増えている。フェリドはクロロのことを警戒しているようだけれど、マチとシズクは普通に近所のお兄さんとして懐いているように思えるわ。

 私? 私はクロロの裏の顔を見たことで苦手意識を持っているの。欲しいと思ったものは盗んででも手に入れようとする姿勢は流星街では当たり前だと私も思うようになっていたけれど、クロロのように争い殺すことを前提に作戦を立てているように見える姿には慣れることはないし怖いと思っていたわ。

 原作でのクロロがA級賞金首集団の団長であることも知っているしね。

 

 対してフェリドは盗みや殺人は基本的にしない。

 ゴミ山に捨てられる廃棄物からリサイクルできそうなものを探して売ったり、たまに外の世界からくる護衛の依頼で食い扶持を稼いでいる。周りと友好な交流関係を築いているフェリドだからこそ、流星街から出た人達との交流も継続でき、こうした生活を送れるのだと思う。私は流星街であってもそういう姿勢を維持できるフェリドだからこそ惹かれているの。フェリド一人であれば流星街を出た方が幸せになれると思う。私が、私達がいることでここに縛られていると、本人は決して認めないけれど、そうなのだろうと思ってしまう。

 

 だからこそ、私も力になりたい。フェリドの足手まといになりたくないし支えられるようになりたい。そう思って日々修行を続けている。決して、修行中一緒にいられるからとか、褒められたいからとか、ご褒美になでなでしてほしいからとか、汗だくフェリドの匂いや見た目が素晴らしいとか、そんなよこしまな想いはまったくないのです。勘違いしないでほしいものですね。たまにマチとシズクが変な目で見てくる気がしますがきっと気のせいです。

 

 フェリドが身を守るために力は必要だからと、私、マチ、シズクにも指導してくれているので、念能力だって身につけることができた。習得する過程の中で、残念ながらマチやシズクほどの才能がないことを見せつけられてしまったけれど、そこは愛と努力と姉の意地でなんとかカバーして威厳を保っている。保ててる。多分。もちろん料理だって一番私が上手い。これこそ愛の力。

 

 

 そうして戦闘力を鍛えつつも家族四人で仲良く暮らしていたある日、パクノダが寝ている間に襲われるという事件があったの。フェリドが護衛で日を跨いで出かけている間に襲撃するという計画的な犯行で、事前に気づいて私とマチとシズクで協力して戦わなければ危なかったほどの実力者。事前に気づくことができたのは、マチが鳴子のように家の周りに張り巡らせていた念糸(『隠』状態)のおかげだ。女性ばかりであることと、元より危険な流星街ということもあって警戒を怠らないように備えていた結果。頼りになるのがお姉ちゃん(私)ではなくマチの方だということが明らかになってしまったけど、もう気にしないわ。

 

 でも……

 もしもマチがまだ念糸を覚えていなかったら? 

 もしも誰かが出かけていて戦力が少なかったら? 

 もしも襲撃者が念糸に気づいて回避し、私たちが気づかないまま接近を許していたら? 

 もしも襲撃者がロケットランチャーや爆弾を持ってきていたら? 

 もしも襲撃者が複数いたら? 

 

 パクノダが殺されていた可能性が高い。私達も全滅していた可能性もある。

 自身の力不足を嘆くとともに、襲撃者に対しての怒りが込み上げてくる。

 この世に誕生してここまでの怒りを覚えたのは初めてだった。

 姉として怒りを抑えて冷静に対策を考えないといけないことはわかっている。

 でもできない。

 

 私が怒りに打ち震える中、パクノダが念能力を使って襲撃者の記憶を読み取ると、流星街から少し離れたところにある名もなき里で育てられた『幽世の門』という暗殺者集団の一員で、クロロが里から盗んだ秘伝のテープに対する報復のため、最も仲が良いと思われるパクノダを見せしめで殺す決定をしたことがわかった。パクノダを殺した後も仲の良いものを順番に殺していき、最後にクロロを殺すつもりだったそうだ。

 

 元凶がクロロだったことがわかり、パクノダはしょうがないわねという苦笑いの表情を見せ、マチとシズクは複雑そうな顔をしていた。

 私はそんなことよりも組織だった報復であれば今後も襲撃が続く可能性が高いことと、パクノダ以外にも「仲の良い」に該当するかもしれないうちの家族全員に危険があるということで、より怒りが高まり何も考えられなくなって──────

 

 

 

 ◇◇◇◇◇マチ視点

 

「ふ……ふふふふ…………」

「アネキ……?」

 

 家族が襲撃され、今後も巻き添えで襲撃され続ける可能性が高いという厄介な状態になったにもかかわらず、突然笑い出したアネキに、かつてない威圧を感じながらも怪訝な顔で問いかける。

 

「ああ……そうでした。

 わらわはなんと愚かだったのでしょう……。

 耐える必要などなかったのに。

 わらわが神になればよいのです。

 わらわは常に正しく! そして神にふさわしい力があるのだから!」

 

「「「……」」」

 

 アネキが壊れた? 

 そんな気がする発言ではあったが、私の勘はすぐに逃げろと言っている。

 私の勘が、ここは、アネキの前は、居てはならない場所だと告げている。

 

 勘を裏付けるように、アネキが発言を重ねるごとに、アネキの額に浮き出てきた紋章から黄色に近い白色の光が点滅のたびに広がり続け、光が徐々に強くなっていく。『凝』で見ると、アネキ自身からオーラが出て額にどんどん集中していることと、アネキから放出できるオーラ量を不自然なほどに上回っていることがわかる。

 明らかな異常事態ではあるものの、アネキ自身に危険はなさそうだと考え、一旦シズクとパクを連れ離れて様子を見守ることにした。

 

 

「ふふふふ……まずは……わらわを、大事な我が家族を愚弄してくれた『幽世の門』とやらを生み出している里に裁きを下さねばなりませんね! 

 わらわに牙をむく悪しき民よ! 太陽の裁きを受けるがいい!! 

 あーはっはっははははは!」

 

 言い放つと同時に額の紋章の前にオーラが凝縮された球体が生じて、更に少しずつ大きくなっていく。

 やばい! やばいやばいっ! あれは絶対やばいやつ! 

 この地を攻撃するつもりじゃないだろうが近くにいると熱で焼け死ぬ可能性もある! 

 この程度の距離じゃ足りない! もっと離れないと! 

 わき目もふらず一目散に二人を連れて逃げる。

 

 暫く走った後、少しずつ周りの温度がましになったことを確認し、後ろを振り返ると空高くに、太陽が浮かんでいた。もちろん今は夜だ。つまりあれはアネキが生み出した……疑似太陽? 

 アネキの顕在オーラ量どころか、潜在オーラ量全てを費やしてもあれだけのものを創り出すことができるわけがない……一体どんな制約・誓約を設定したらあんなものができるのよ……。

 アネキ……死なないで……! 生きてさえいたらアタシ達がなんとかしてやるから……! 

 

 そんなことを考えていると、疑似太陽は『幽世の門』が生まれた里があると聞いていた地域に向かって堕ち、噂に聞く核爆弾どころではない轟音、熱波、黒煙が遠く離れたここからでもわかるほどの惨状を生み出した……。 

 

 ────はっ!? そんなことよりもアネキは無事なのっ!? 

 少しの思考停止の後、急いで元の場所に駆け戻ると、倒れこんでいるものの息もしているし怪我もないアネキを発見し、安堵の溜息をついた。

 

 まったく、心配かけやがって。色ボケアネキだと思ってたのにまさかこんな……。

 なんにせよ、もうアネキを怒らせないようにしようと固く誓うマチであった。

 

 

 

 ◇◇◇◇◇家族会議

 

 目を覚ました私は、泣きつきながら「このバカッ!」と叫び、頭をはたいてくるマチに驚いてしまった。その声を聴いて駆けつけてきたフェリド、パクノダ、シズクも私の姿を見て安心したように声をかけてくる。話を聞くと、あの日から一週間も気を失っていたらしい……。心配かけてごめんなさい……。

 

 その後の経過詳細を改めて聞くと、『幽世の門』を生んだ里は周辺一帯の村も含めて焼野原になっているそうだ。草木一本残らず荒涼とした更地となり、雨が降っても大地がすぐに吸収してしまい水たまりもできない不毛の地となっているそう。

 幸い私が犯人であることはほとんどの人は気づいておらず、家族を狙う暗殺者達もいなくなったということで結果として私達にはいい形で事件は収束している。

 

 だからといって私は素直に喜ぶことができないでいた。

 正直なところ、あの時、私はまともに思考できない状態だったの。

 つまり感情に翻弄されて、その後の影響も考えないままこの惨状を生み出してしまったということ。

 里の中に『幽世の門』と関係無い人々がいたかもしれないし周辺にあった村にも罪はないというのに、私が全て壊して殺してしまったという事実が私の心を苦しめる……。

 それに能力発動時、近くにいた家族も危なかった。近くにいるだけで焼き殺せるだけの熱量を生み出していたので、マチが皆を連れて離れなかったら私が家族を殺していた可能性すらある……。

 

 

「過ぎたことはどうしようもない! 

 幸い俺達は無事だった。次に起こさないためにどうすればいいか考えよう!」

「そうね。

 まず、あの疑似太陽はオーラの流れからもアネキの念能力で造っていたと思うわ。

 アネキはあの能力について何かわからない?」

 

 沈み込んだ私を見かねたのかフェリドとマチが話題を変えてくれた。

 あの能力……多分、神様特典の『太陽の紋章の類似能力』だと思う。

 念能力だというのならメモリに刻まれているはずだし、さすがに神様も詳細不明の能力を渡して「はい、さよなら」というような性格では……なかったと信じたい。集中して自身に問いかけてみる。いろいろ試行錯誤してみた結果、紋章にオーラを集中しているとなんとなく効果が脳裏に浮かんできた。

 

 ─────────────────────────────────────────

<太陽の紋章(ジャッジメント・サン):特質系・放出系・変化系>

 発動者の怒りが一定を超えた場合、または生命の危機で自動的に発動する。

 発動中は別人格に切り替わり、怒りの対象を十分に焼きつくせる疑似太陽をオーラで形成し、対象に向かって放つ。

 眷属となる二つの紋章が近くにある状態で発動させると効果が変動する。

 

 ▽制約

 別人格になると眷属となる紋章が無い場合は意識を失うまで破壊衝動が止められない。

 ▽誓約

 他の念能力を生成することはできなくなる。

 疑似太陽生成にオーラが不足した場合は不足分の寿命を消費する。

 疑似太陽の規模に応じて寿命を消費する。

 疑似太陽の規模に応じた期間、意識を失う。

  ─────────────────────────────────────────

 

 

「……え……? ええええぇぇぇ……詰んだ……」

「お、おい……アル? アル!?」

 

 ありえないほどの制約と誓約に絶望を感じてしまう……。

 使うたびに寿命を失う? そんな念能力はさすがに使いたくない……。

 でも、他の念能力を生成することもできない……。

 眷属の紋章なんて覚えてないし、HUNTER×HUNTER世界に存在しているとも限らない。

 特質系だからオーラによる肉体強化も苦手になるというのに、他に念能力を生成できないなんてもう無理よ……。

 制約と誓約が厳しいからこそ、一人のオーラでは絶対に無理とも思えるような威力の疑似太陽を生成できたのだろうけど、そこまでは望んでなかったわ……。

 もしかして最高威力なんて曖昧で高望みしすぎた特典を願ったことによる罰だというのかしら……。 

 

 今回の『幽世の門』の里を壊滅させるのにどれだけの寿命を消費したの……? 

 これからも怒りを感じるたびに発動して更に寿命を消費しないといけないの……? 

 夫婦喧嘩や親子喧嘩をすると相手を殺してしまうの……?

 ねえ、私はあと何年生きられるの……? 

 ねえ、私はあと何年大好きな家族と生きられるの……? 

 ねえ、私、そんなに悪いこと……したのかな……? 

 ねえ、私はあと何回ヒトを殺せばいいの? 紋章は私に何も言ってはくれない……。

 ねえ…………暴走に巻き込んでしまった村の人たち……ごめん……ごめんなさい……。

 

 

 

 あれ、いや、待って。

 優しいフェリドなら、こんな不憫な娘を見捨てたりしないわよね。

 幻想水滸伝Ⅴでも、太陽の紋章を宿したアルシュタートを嫁にしたままサポートし続けたぐらいだ。

 むしろフェリド様に終身介護してもらうチャンスかしら? 

 そもそも私は別に最強願望なんてないし、転生特典の時点で諦めているから強さはいらなくない? 

 フェリド様の足手まといになるのはゴメンって感じだけど、私のせいじゃないし? 

 

 そう考えるとだいぶ気が楽になってきたわ。いろいろ考えこんでいると、どうやら皆の会話では私のこの能力をなんとかするためにいろいろと動こうという話になっていたみたい。……一人だけ心が汚くてごめんね。そんな優しい家族がやっぱり私は大好きです! 

 

 

 

 なお、その後クロロに目をつけられて能力を狙われることになり、不幸だーー-! と叫ぶのは分かり切った話だ。助けてフェリえもん!

 

皆様からいただいた評価をどう受け取ればいいかわかっておらず、評価0と1をつけてる人は何を作者に伝えたくてつけてるのかなと疑問に思ったのでアンケートです。本作品に限らず、評価0と1をつけたことがある人はどういう時につけてますか?(小説に関係ないアンケートは禁止されてますが、小説への評価の意図確認だから一応関係しているはず……だめそうなら消します)

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