HUNTER×HUNTER世界でハーレムを目指す! 作:sakurano
「あんた達! 私の分までジンのやつをぶん殴ってくるのよ!」
「うん、親父に会いに行ってくるよ!!」
「……正直、もう関わりたくない」
くじら島の港近くで声をあげるのは、すっかり考えがばらばらになってしまったコン一家。
ハヤテ達と出会って早5年超。ついに原作同様1999年1月7日開催のハンター試験を目指して旅立つときがきた。つまり、俺も15歳になってるわけだ。
15歳とはいっても、<愛の修行場(ラブトレ)>の効果で修行中だけとはいえ時空の流れが異なる空間で過ごしているので、身体は20歳相当だと思う。分身体の修行時間も単純合算すれば100年近い修行期間を経ているようなものだ。
原作主人公であるコンは原作以上の筋肉トレーニング、及び溢れんばかりのオーラにより成長が活性化した結果により、もはや11歳とは思えない体格まで成長している。とはいっても、身長が高くなっているだけで、決して漢女のような成長をしているわけではなく、ポニーテールと短パンが似合う活発系美少女の見た目なので安心してほしい。
ミトさんがコンちゃんというかわいい名前をつけなければどんなゴンさんになっていたことか……。
そして、もちろんリンも年相応に成長し、髪もショートヘアーから腰まで届くロングヘアーの美少女になっている。可愛らしく育ってくれたことに感謝だ。
リン本人としては、前世では10歳で亡くなるまで小学校でずっと先頭に並べられるぐらいチビッ子だったので年相応の身長まで育ったことにとても感謝していた。神様に感謝の祈りを笑顔で捧げる美少女っていいよね!
会話もだいぶ慣れてきたので、見ず知らずの強面おっさんでもなければ、だいぶ普通に話すことができるようになっている。
ミトさんは今日も今日とてミトさんだ。
魔女の若返り薬を飲んでいるわけでもないのに、見た目が全く変わらない。
これぞ美魔女だけに許された神秘の特権であることは間違いない。
なお、発言からわかる通り、ミトさんはくじら島でお留守番だ。お婆さんがいるから仕方ないね。
それにジンを殴るために念能力を習っただけでプロハンターになる理由もないからね。
プロハンターにならなくても、どこからでも入ることができる<空想の家(ファンシーハウス)>でいつでも会えるから安心だ。俺はもちろん分身体で毎日会っているからさらに安心だ。
コンは原作同様、船旅でまずはドーレ港を目指す。
そこから原作同様、キリコと出会い、試験会場まで連れて行ってもらえるだろう。
その中で原作での初期仲間パーティーともいえる存在、クラピカ、レオリオとも出会い、成長に大きな影響を与えることだろう。
……クラピカには申し訳ないと思っている。
俺は転生特典を与えられながらも、クルタ族の虐殺を阻止することはできなかった。
事件が発生する時期は原作でも明確に記載されていないが1994年後半と思われる。その頃は天空闘技場にいたわけだ。じゃあクルタ族のところに向かえたのでは、という声が聞こえてきそうだが、リオン、ミアキス、リンを連れてA級賞金首が猛威を振るう場所に行く気はないし、分身体だけ行かせるにしても制約の都合上、好きな異性がいる場所でないと1時間で消滅してしまう。さすがに1時間で隠れ里を探し当てるのは無理だった。クラピカ似の美少女もきっといただろうに……。
……レオリオにも申し訳ないと思っている。
おっさんに興味がなさ過ぎて今までほとんど思考の片隅にも出てこなかったよ。おっさんといっても俺の四つ上で19歳なんだけどね。分身体で一度すれ違ったことはあるけど、もっと若くてもおっさんだった。さすがだ。そこに痺れない惚れない憧れない!
そして一時期くじら島にいたコンの親友キルア(分身体)も今はここにいない。
実家である暗殺一家ゾルディックから本体の家出サポートのために、一度実家近くまで戻っている。
俺の分身体も一緒に行かせているので、最悪そこでキルア分身体が消滅させるぐらいの威力で攻撃すればキルア死亡説もいけるかなと思ったが、ハンター試験でイルミ(キルアの兄)と出会って気付かれるだろうから断念した。
コンとキルアはどっちが先に試験会場までたどり着けるか勝負だ! と笑いあっていた。
笑顔は可愛いけど俺も入れてよ、と内心泣いてしまった。もちろん泣き顔は見せない、微笑ましく見守り頼れるお兄さんの体裁をとる。
残りの俺、リオン、ミアキス、リンは走ってドーレ港を目指す。
俺の居合で海水を割って海底を走るのだ。
……ごめん、嘘をついた。まだそれは無理だ。海を割ること自体はできるが、すぐに元に戻ってしまうため、連続で居合を撃ち続けなければならない。おまけに正面のみならず、後方、頭上とあらゆる方向に撃ち続けなければならないため難易度が高すぎる。とはいえ、諦めるのもしゃくなので、最近は感謝の一日一万居合斬りを海に少し入ったところで行っている。<愛の修行場(ラブトレ)>での負荷にも最近慣れがでてきてしまったからちょうどいい機会だった。この世界では不可能は不可能ではないと信じている。
じゃあどうやってドーレ港まで走っていくのか?
そう、俺たちは海面走りを実現したのだ。幸い四人とも得意系統は放出系に近いので、この手の技術はやり方さえコツを掴めば得意分野といっても過言ではない。距離は長いが、一次試験よりも少し長い程度だから体力は問題ないし、オーラ量にも自信がある。これはほどよい修行になるだろう。
リオンとミアキスが苦笑いしていた気もするけどきっと気のせいだ。リンは疲れたら肩車してあげるから安心してほしい。お姫様抱っこでも可だ。
代わりと言ってはなんだがスクール水着を着てほしい。だめ? そっか……。
ドーレ港からは直接試験会場まで継続してランニングだ。
本来のハンター試験会場案内ではザバン市のどこか、であることしかわからず、そこから試験会場を探すことも受験者には求められるが、俺は原作知識により、ツバシ町2-5-10にある定食屋であることを知っているので、キリコのような案内役に頼る必要もなくたどり着ける。
試験会場までの道中にいるはずの、受験者を振るいをかけるという試験官をスルーしていいのかは少し心配もあったが、そのようなルールは記載されてなかったし、俺達の道中に試験官を配置できなかった方が悪いと開き直ることにした。
さぁ、頑張っていこう!
こうして四人のひたすら飛んで走り続けるだけの旅路が始まった。
あ、ちなみにセラス湖の遺跡で仲間になったビッキーは本拠地である<空想の家(ファンシーハウス)>でくつろいでいる。ビスケやコムギ、金粉少女達と徐々に常駐する人数が増えつつある。増築を検討する日も近いかもしれないな。
◇◇◇◇◇ポンズ視点
「この飛行船で本当に大丈夫なんでしょうね?」
「大丈夫だ、問題ない」
「はぁ……もう。
修行に付き合ってくれたのは感謝しているけど軽すぎて逆に心配になるのよね……」
ここはパドキア共和国からハンター試験会場となるザバン市へと向かう飛行船の中。アマチュアハンター仲間であるはずのハヤテに修行をつけられ、ぎりぎり及第点をもらえた私はこうして二人で飛行船に乗せられている。
試験日が 1/7 なのに、及第点を告げられたのが1/3であり、試験申込日も過ぎていたから来年の受験を考えたのだけれど、素知らぬ顔で申し込みはしておいた、とか、一時間以内にあの飛行船に乗れば間に合うはずだ、とか、無茶ぶりが過ぎるのよ……。
修行をつけてくれたことは感謝しているけれど、私には私のやり方があるのよ!
受験するなら、道中の対策を考えて、ライバルたちの動向も確認して、合格するための計画を立てて、そのために必要な武器や道具を十二分に用意してから行動するのが私のやり方だというのに、本当に困った師匠ね……まいったわ。
ま、そうは言いながらだんだんと彼のやり方にも慣れてきたと感じるのも否定できないのがまた腹ただしい。
プロハンターになったら突発的な対応が必要になるのは当たり前で、事前準備できるとも限らないのだから、これぐらいこなして見せろってことでしょ?
いいわよ。やってやるわよ。私のやり方を否定されて早二年。改めて鍛えなおした私の実力をこのお気楽師匠に認めさせてやるわ!
「あー、大体100人ってとこか。
まさかこんな人数が一つの飛行船に集まるとは思わなかったぜ。
さぁ~~てテストはどうしたものかな……。
ん~~、お前ら殴り合うか?」
飛行船に乗って座禅を組みながら精神統一していると、サングラスをかけた怪しいおじさんがそんなことをいい始めた。テスト? つまりこれもハンター試験の一環かなと思い、隣に目をやるとハヤテはぐっすりと寝ていて起きる気配がない。
こんのバカっ……!
青筋が浮かびそうになりつつも、これぐらい一人で切り抜けろってことね、と頭を切り替えて考えることにした。ハヤテだけ不合格になったら面白いなんて思ってはいない。気配を確認したところ、私達以外の実力者は3人。しかも内二人が念能力者で、かつ私よりも強そうな気配に早速怯んでしまいそうになる。しかも一人はハヤテクラスじゃないかしら?
こんな考えじゃだめね。念能力者の戦いに絶対はない。私は相手の能力は知らないけど、相手も私の能力を知らない。ほんの一瞬の弛み、怯みで一発逆転することもできる。ましてやバトルロワイアルである以上、どこかしらで隙が生じないはずがない。そこを狙えさえすれば……!
「時間は飛行船がザバン市に到着するまでだ。
それまでに勝ち残っていた三人が合格だ。
もしも三人を超えて残っていたら全員不合格とする。
わかったな? 俺があの扉から出たら試験スタートだ」
そういって扉から出ていく試験官らしきおじさん。
受験者同士の小競り合いが始まる前、というか最初から『絶』で気配を消していたので、恐らく周りからは気づかれてないだろう。ハヤテのいびきがなければ。
ハヤテから距離をとりつつ、先ほどの実力者の様子を伺う。
非念能力者である茶髪サングラスの女性は『絶』ではないものの気配を消し物陰からライフルで狙うスナイパースタイルで様子を伺っているようだ。しかし銃声により見つかることを避けるためか、まだ動きはない。高威力のライフルは以前の私だったら即死させられただろうけれど、今の私は念能力者。『円』で狙いを見切って躱すなり、『堅』で1〜2発耐えることができ、その間に接近すればいい。彼女は所詮、非念能力者だから不意を打たれてもこちらは問題ないわね。
念能力者である銀髪の少年と、もう一人のローブをきた人物は……『絶』をしているようでほとんど気配を感じないが、最初から視界に入れていたのでなんとか補足できている。見失っても『円』をすれば見つけられるけど、それをすれば私も見つかってしまうから避けたいところね。銀髪は狩りを始めていたので隙を窺おう。近づいてきた場合に備えて毒を周囲に撒いておかなきゃ。
ハヤテ? 放置よ。
さすがに危険になったらなんだかんだで起きるでしょう。寝ている人を守りながら相手をするのは、今の私では難しい。とはいえ、合格者が3人である以上、私とハヤテが合格するなら残りは1人。あちらの念能力者二人に仲間意識があるなら片方だけを不合格にしても、恨みつらみで戦いが終わらない可能性がある。
なら、私が二人を倒す方法を考えなきゃ。
あーもう! ハヤテのバカのせいなのに、なんで私がこんな苦労しなきゃいけないのよ!
試験開始から約1時間。
あの銀髪なんなのよ……。
全然本気出しているようには見えないけど、動きがトリッキーすぎて全然攻撃する隙を見つけられないまま残り人数もわずかになっちゃったわ。おまけに確実に散布していた毒の範囲内に入っていたにもかかわらず、全然効いているようにも見えない。以前の私だったら毒が効かない相手だとどうしようもなかったけれど、今の私ならそれでも戦う手段があるのが救いね。
銀髪を相手に一切の隙も作れなかった受験者が全て倒れ、自身でなんとかするしかないと考えを改めて、一度状況を整理する。
残っているのは私と銀髪、ローブの3人。……3人? あれ、ハヤテはどこいったのかしら。
もしかして寝たままほかの受験者にやられてしまったの?
そんなわけないか、それより、逆にこれはチャンスだと考えなきゃ。3人なら合格人数だもの。これで終わったと思ってくれれば……。
「あなた、強いのね。
私はポンズよ。あなたのおかげで楽して合格できたわ、ありがとう」
「ふーん。ところでお姉さん、何もしてないから物足りないだろ?
オレと遊ばない?」
「ちょっと、怖い怖い!
見ての通り、私は直接戦闘は専門外なの。
だから私と戦っても面白くないわよ」
できるだけ笑顔を心がけて銀髪の少年に手を差し出し握手を提案すると、それに応じながら物騒なことを言い始めた。
笑顔が怖いわ……。怯えを顔に出さないように意識しながら交渉を続けましょう。
「少なくともその辺に倒れてる有象無象よりは面白そうだけど?
まぁいいけどね」
「もちろんプロハンターを目指すんだから多少の心得はあるわ。
残念ながら戦闘特化の受験者ほどではないのよね。
よかったら、試験会場についてからも私と組まない?
薬もいろいろ持ってきてるし、いろいろと便利だと思うわよ?」
「あははははは。
なるほど、薬ね。毒薬もその一種ってわけ?
残念ながらオレにはその手に塗っている毒は効かないよ。訓練してるから毒じゃ死なない」
急ぎ手を放して飛び退りながら、やっぱりばれちゃった上に効かないか、という思いもあるものの、本当に効かないなんて、とどちらかというと驚きのほうが強い。
握手ついでに、散布していた軽い毒どころではない巨獣ですら一秒で倒れるぐらいの麻痺毒(私は解毒剤を飲んでいる)を塗り付けたのに効かないなんて本当にもう……。
でも、私が驚いたおかげで、帽子に住んでいた蜂達にも攻撃スイッチが入ったわ。
帽子から飛び出た蜂達に驚いて作れる隙はわずか一瞬のはず。この最後のチャンスでやってみせる!
そう判断し、飛び掛かるために足に力を込めた瞬間、別方向から殺気を感じ、更に後ろへ飛び退る。
しかし、その位置にも追撃で銃弾が追ってくるので下がり続け、壁際まで追い込まれてしまった。
まだ残ってたのね、茶髪サングラス!
銀髪の印象が強すぎて他の警戒が薄くなりすぎ、かつ『円』ができないことで見失ってしまっていた。しかもこの連射速度、スナイパーライフルじゃありえないわ。まさか副武器を持ち込んでるなんて……。ライフルの一撃による威力は弾に依存するものの AOP1500と同等程度でかなり高めだけど、この銃はどの程度? 私は何発耐えられる? 情報が少なすぎて反撃に移れない。真正面からの戦いなら負ける気はしないのに、先手をとられて態勢も崩し、更には距離も離れている状況ではすぐに反撃ができない。この距離から接近するまでには数発覚悟しなきゃいけない。でも耐えられるかはわからない……。
壁際まで追い込まれたものの銃撃が止まり、弾が尽きてチャンスがきたのかと振り返ると、茶髪サングラスがアサルトマシンガンを下ろし、代わってスーパーバズーカ砲を構えていた。
「いやいやいやいや、何でそんなもの持ってきてんのよ!
違うでしょ!
それは人に対して撃つものじゃないわよね!?
対戦車や集団戦で使うものでしょ!?
この飛行船だって爆発の余波で墜落する危険すらあるのよ!?」
あまりの凶行につい呼びかけてしまったが、答える様子もなく淡々とバズーカ砲が放たれた。
一瞬、足が竦んだもののなんとか着弾点からはぎりぎり移動することができた。しかし、着弾点が爆発したことで、飛行船の横っ腹に巨大な穴が開いてしまい、近くにいた私も気圧の差で崩落に巻き込まれて飛行船から落ちてしまった。
やだよ……。
私、こんなところで死んじゃうの?
念能力者になったことで弱点も克服して、これからは華々しいプロハンター生活をおくれると思っていたのに、まさか試験会場にまで辿り着けずにやられてしまうなんて……。私の二年半の修行はなんだったのかしら……。銀髪ならともかく茶髪サングラスなんかにやられるなんて……あっ!?
私はいつからこんな傲慢になっていたのだろう。
やられるはずがない? 相手が非念能力者だから?
念能力が使えるようになったことで、無意識に非念能力者を格下だと思い込んでしまうようになり、結果として茶髪サングラスへの警戒が疎かになってしまっていたことを今更ながらに自覚した。
無敵になるような力ではないと散々ハヤテから言われていたはずなのに。それに肝心の念能力だって私は使っていなかった。具現化した蜂を『隠』状態で索敵に用いていれば、茶髪サングラスも見失うことはなかったし、射撃されているときにも反撃は容易だったはずだ。
なんて未熟だったのだろうと唇をキュッと噛みしめる。
最後に……最後に、ハヤテにも別れを告げたかったなぁ。
なんだかんだこの二年半の修行は過酷ではあったものの楽しかった。
できなかったことができるようになる喜び。
念能力によりさらに強い絆で結ばれるようになった蜂達。
疲れが吹き飛ぶような美味しい料理。
あとは……その、ちょっと気持ちいいマッサージとか……。
せっかく鍛えてもらったので、これから恩返しできたらいいなと思っていた矢先にこれかぁ。
ごめんねハヤテ……。
多分、私はハヤテのことが……。
でも、よく考えたらハヤテが寝てたことで私がピンチになってこうなってるのよね!
「本っ当ーにもう、ハヤテのばか──-っ!!」
「『堅』!!」
隣から聞こえてきたのはまさかのハヤテの声。
飛行船からの落下中なのに、誰もいるはずもない隣になんでハヤテがいるの!?
驚愕を隠せないまま、修行中に癖づけられた指示に従い、渾身の『堅』を使っていた。
そして『堅』を使うと同時にハヤテの回し蹴りを食らって吹き飛んだ私は飛行船の内壁に叩きつけられた。『堅』を使っていなければ内臓破裂していたかもしれないというレベルの衝撃だ。それぐらいの威力がなければ落下中の状況から飛行船まで戻ってくることはできなかったとはいえ、痛いものは痛い。
「きゃんっ……もう、助けるにしてもやりかたってものが……ハヤテ!?」
そう、確かに私はハヤテの蹴りで飛行船の中まで吹き飛ばされて助かった。
じゃあ、蹴ったハヤテは?
状況に思考が追いつくと同時に、私の代わりのように落ち続けているハヤテが叫んでいる姿が目に入る。
「ポンズ!
試験会場まで連れていけなくてすまないが、お前ならきっとなれるだろう!
いいお嫁さんにな!! がんばれよー!」
「ハヤテー--------!」
その言葉を最後にハヤテの姿は見えなくなってしまった……。
ハヤテは生命を失おうという状況にもかかわらず、最後までいつも通りの笑顔だった。
そしていつも通り空気が読めない冗談を言っていた。
なのに、今、あなたは傍にいない。
「……嘘だよね……。
私がどんなに強くなっても全然届かなったあなたが……。
どんな相手でも余裕そうで傷をつけられたことすらないあなたが……。
きっと落ちてもピンピンしていて、心配した私を笑ってくるに決まってるわ……。
なら、私は……」
「あーあ、ありゃ落下の衝撃で消滅確実だな。
<念糸>を飛行船と自分に結びつけていたら助かったのに、わざわざ相方に巻きつけるなんてな。
おまけにそのせいで『堅』による防御も間に合わない、と」
「まぁあいつはハヤテの中でも最弱。女性を守れただけで満足して逝ったのだろう」
溢れかける涙をこらえていると、隣から声が聞こえてきた。
そうだ、ハヤテのことがあって未熟にも状況を忘れてしまっていたけれど、ここはハンター試験の受験資格を得るための予備試験中で、実力者の銀髪とローブ、そして落下のきっかけとなったスナイパーの四人がまだ残っており試験は終わっていないのだ。
発言内容に思わずかっとなって攻撃を仕掛けようと思ったものの、ふと疑問が生じた。
私はそれなりの時間、茫然自失としていたはずだが、なぜ彼らは仕掛けてこなかった?
今もすでに戦闘態勢を解いているように見える。
「ふーん。
この状況で感情的にならずに周りを見れる冷静さはあるんだ。
ハヤテが選んだだけあるじゃん」
「だろう?
ポンズはいいハンターになるよ!」
「……あなたたち、ハヤテと私のこと知っているの?」
銀髪とローブの会話は明らかにハヤテを知っていた。
ローブに至っては私のことも知っているようだ。というか聞き覚えがありすぎる声だ。
「つれないなぁ。
さっきまで一緒にいたじゃないか。俺もハヤテだ」
ローブを脱ぐと、そこから現れたのはやはり声通りハヤテだった。
どういうこと……?
さっき落ちたのは別人だった……?
「!?!??!?!?!?」
それから銀髪、改め、キルアとハヤテに説明をしてもらった。
確かにハヤテの念能力は教えてもらってなかったけれど、飛行船から落ちて消滅したのは<俺は全員を愛する(ラブアンドピース)>による分身体のうちの一体だったらしい。というか、むしろ私は本物と会ったことすらなかったらしい。
え??
私の初恋はゴーストですか??
分身体にすら全然敵わない私はなんですか??
まったくもう……本体はどんだけ強いのかしら。というか技名ふざけてるのかしら? 遠回しの告白? なんだか考えるのもばかばかしくなってとりあえずハヤテをぶん殴っておいた。回避も防御もしなかったのは反省の証かしらね。感情の高ぶりによって蜂達もハヤテに襲いかかったけど私のせいじゃないわ。フンッ!
ついでに残っていたハヤテも分身体らしく、本体は別コースで向かっているからここでの試験は対象外だったらしい。つまり銀髪、スナイパー、私の三人で合格だった。何のために最後戦って落とされたのかしら……。
そういえば、スナイパーさんは全然喋らなかったけど名前ぐらい教えてほしかったわ。多分少ない女性受験者仲間なのだから。殺されかけた恨みは忘れないけどね!
朗報:ポンズは死亡フラグ(逃亡中に視線外からの射撃死)を回避できる力を身につけた!
とりあえずハンター試験終了の34話まで完成しましたが、予約投稿日時変更するのが面倒なのでこのまま隔日更新にしておきます。
(話数が短いことから内容はご察しください)
皆様からいただいた評価をどう受け取ればいいかわかっておらず、評価0と1をつけてる人は何を作者に伝えたくてつけてるのかなと疑問に思ったのでアンケートです。本作品に限らず、評価0と1をつけたことがある人はどういう時につけてますか?(小説に関係ないアンケートは禁止されてますが、小説への評価の意図確認だから一応関係しているはず……だめそうなら消します)
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