HUNTER×HUNTER世界でハーレムを目指す!   作:sakurano

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第29話:飛行船とネテロ会長

 二次試験終了後、飛行船に乗って次の試験会場に向かう。

 20時から翌朝8時までが移動時間となるため、この時間は試験が始まって最初の睡眠時間となる。

 

 そしてこの時間には重要なイベントが行われる。

 そう、コン&キルアVSネテロ会長だ。

 

 といっても単純な戦闘ではなく、ネテロ会長が持つボールを奪うことができるかどうかというボール遊びのような内容だ。原作ではキルアが肢曲(暗歩を応用し残像を生じさせ幻惑させる暗殺術)を使っても、二人で協力してもボールを奪うどころから、片手片足で対処されてしまうほどの実力の差を見せつけていた。

 

 今世ではコンは6歳から鍛えてきているしキルアに至っては分身体も使って鍛え上げているので、原作とは比べものにならないぐらいの実力を持っていることもあり両手両足を使わせるぐらいにはなるんじゃないかと思っている。

 

 

 では、俺ならどうだろうか。

 転生直後に掲げた目標である、15歳でネテロ会長を倒すところまで成長できているだろうか? 

 目算では十分に勝算があると思っている。少なくともオーラ量だけみればMOPもAOPも既に俺が勝っているだろう。最盛期ならともかく、老化により最盛期の半分程度にまで落ちているネテロ会長であればオーラ量に限定すれば負ける気はない。

 問題はネテロ会長の念能力<百式観音>を回避する、または耐えることができるかどうかだ。

 

<百式観音>も、俺の居合もどちらも不可避の速攻といえるほどの眼にも止まらぬ必殺技だ。不可避とはいっても、絶対に切れる剣が具現化できないように絶対回避できない攻撃も念では実現できない。つまり、念の力だけではなく、不可避とも思えるほどに鍛え上げられた人間としての武の極み、それが<百式観音>であり、俺の居合だ。

 

 だが、その攻撃範囲で考えれば<百式観音>のほうが断然広い。そのため先手を取るのは基本的にはネテロ会長になる。つまり、それを回避するか耐えるかできなければ勝ち目はない。

 もちろん、不意打ちを前提に考えれば、分身体と同時に攻撃すれば良いし、居合流:飛剣で仕掛けるという手段をとることもできるが、それで勝っても意味はない。目的はあくまで蟻王メルエム討伐で、それを実現可能な実力を身につけることができているかの確認だ。

 

 ゾルディック家の先代当主をして不可避といわせるほどなので、素の力だけであれば回避することは不可能だろう。キルアが<神速(カンムル)>を覚えていれば、それをコピーして疾風迅雷の効果で回避できたかもしれないが、残念ながらまだそこには至っていない。そのため、耐えることができるかどうかが勝敗の分け目ということになる。

 

 居合流:一閃のために鍛えた俺の『流』の技術であれば、攻撃箇所に合わせて『硬』をすることができるかもしれないが多分無理だろう。そこまで反応できるのであれば不可避とは言われないはずだ。『硬』が間に合わなければ『堅』の状態で受けることになる。つまり、攻撃された部位のオーラによる防御力はAOPの半分ということになる。

<百式観音>はネテロ会長の長年積み重ねた修行による強力な想いと覚悟が込められているので、AOPを軽く越えるオーラ分の威力を生み出すだろう。

 

 それでいて勝算がなくはないと判断したのは、ネテロ会長の系統は恐らく強化系か特質系だからだ。

<百式観音>は自身から離れた位置に具現化して操っているので、放出系、具現化系、操作系も必要としていると思われる。長年の修行で習得率を全系統高水準まで鍛え上げてはいるだろうが、精度ばかりは鍛えようがないはずなので得意系統以外はどうしても低下する。つまり本来の消費オーラ量のわりに威力が下がる。あとは俺の鍛え上げた肉体でオーラの不足分を耐える算段だ。

 

 まぁ、ネテロ会長であれば、クラピカのエンペラータイムのように全系統を100%使えるようになる手段を持っている可能性は否定できないが、仮にそうであれば蟻王メルエムにもダメージをもっと与えられていただろうと思う。もしネテロ会長が100%の精度で使えていた上でダメージ0だったのなら、俺も蟻王メルエムを倒すのは諦めるしかなくなる。

 

 つまり<百式観音>に耐えられるかどうかで蟻王メルエムへと挑戦するに値するAOPを得られているかどうかの参考にするということだ。そのため、耐えられたら今までの方針で今後も動く。耐えられなかったならもう蟻王メルエムを倒すのは諦め、原作通りネテロ会長の自爆特攻に期待して、嫁達の安全を最優先として行動する。もう一人の転生者が幻影旅団を連れてキメラアントに特攻し餌になり、敵が強化されるような馬鹿なことをしなければそれでも大丈夫なはずだ。

 

 そういうわけで、今後を決める重要な勝負。

 まぁ、受験者という立ち位置なので、<百式観音>を使ってくれるかはわからないんだけどな。

 

 長々と考えたが、そもそも、厳密な威力計算式が確立されているわけでもないので妄想計算だ。ゆえに、<百式観音>に耐えられたからといって、<百式観音>を超える攻撃力を俺が持っている証明にはならず蟻王メルエムにダメージ与えられるとは限らないし、その逆もまた然りだ。

 

 <妄想計算>

 ネテロ会長攻撃力=ネテロAOP × 百式観音倍率(2~3倍?) × 系統補正(精度0.4~1.0?)

 ハヤテ防御力  =ハヤテAOP × 堅(0.5) × 強化系補正(1) × 筋肉

 ハヤテ攻撃力  =ハヤテAOP × 硬(1.0) × 強化系補正(1) × 筋肉 × 居合威力

 ハヤテ攻撃力  =ハヤテ防御力 × 2倍 × 居合威力

 ゆえに

 ネテロ会長の攻撃に耐えられた場合、ネテロ会長の2倍以上の攻撃力が

 あるかもしれないから、蟻王メルエムにもダメージ与えられるかも!

 かも! かも! かも! つまりただの妄想。 

 

 

 

 ◇◇◇◇◇ネテロ会長との接触

 

「キルアはさぁ、プロハンターになれたらどうするの?」

「んー-? 

 まずは実力を高める必要があるけど、うちの家族とっ捕まえるんだ! 

 きっといい値段で売れると思うんだよねー」

 

 飛行船の窓際に設置されたベンチで、コンとキルアが夜景を見ながら今後について会話している。くじら島で一緒にいたため、キルアの家族がゾルディック家という暗殺一家として有名という話は聞いていたコンもさすがに苦笑いだった。原作と異なり念能力も覚えているキルアは、現状だと不意打ちしても家族を捕まえるだけの実力がないことを悟っていたのでまずは実力をつける方針でいる。

 

 そんななごやかでいてかつ物騒な会話をしていると左後方から殺気を感じて二人は瞬時に振り返る。しかしそこには誰もいない。

 

「どうかしたかの?」

「あれ?」

「ネテロさん、ハヤテ兄ちゃん。

 こっちの方から誰か近づいてこなかった?」

 

 左後方ではなく右後方からネテロ会長が歩きながら声をかけてきた。ネテロ会長の動きを眼で捉えることができなかったコンは素直にそう問いかける。

 

 動きをなんとか察知できていたキルアは冷や汗をかきながらネテロ会長を、そして更にその後方から現れた俺を見ている。ネテロ会長も驚きは顔に見せないまま振り返り俺の方を見てくる。

 

「いたね。十代前半である美少女達の歓談を舐めるように見つめる不審な爺さんを見かけたから、いつでも取り押さえられるように警戒していたところだ」

「ふぉっふぉっふぉっ、なんのことじゃろな?」

「今の一部始終を記録したカメラがあるんだけど、少し編集してから信者の十二支んに送ったら面白くなると思わない?」

「まぁ待ちんさい……。

 あやつらは冗談が通じんのじゃからやめてほしいのぉ……」

 

 意外と弱気なところをみせてきた。

 強いだけではなく、こういった愛嬌もネテロ会長の魅力であろう。

 

 十二支んというより、そのうちの一人である副会長パリストンを気にしているのだろう。

 小さな種火でもネテロ会長と遊ぶために大火炎にまでしてくれそうな気がする。

 

 なんにせよ、弱気を見せてくれるなら、せっかくなので欲を出してみよう。

 

 

「会長が隠し持ってるピヨンの盗撮データ全部くれるなら止めますよ?」

「なんじゃと!? 

 ワシが長年ばれないようにあの手この手を工夫して撮りためた秘蔵データを持っていくつもりか! 

 くぅ~~~~!! 

 素直だったあのガキンチョが僅か五年でこうも変わるとは!」

「あ、覚えていてくれたんですね。

 どういう挨拶しようか迷ってたんですよ」

 

 そう、愛しのピヨンのことだ。武神ネテロ会長のスケベっぷりはとても有名な話なので、ハンター協会本部に何もしかけていないとは思えない。ましてや十二支んとして本部にいることも多いピヨンであれば、そのデータを取得する機会はかなり多かったことだろう。俺の妻(未定)のあられもない姿を、俺以外に見られたくはない。だが俺は見たい。そのためデータは欲しい。データさえあれば、そのカメラの角度等でどのような手段が使われているかがわかるので、ピヨンにつけている俺の分身体で対処することができる。そして情報戦に長けたピヨンであれば、ネテロ会長が持つデータをハッキングして削除することも可能だろう。

 

 

「あれ、ハヤテ兄ちゃんとネテロ会長は知り合いなの?」

「ああ、ネテロ会長が起こした心源流拳法の本部はジャポンにあるから、ジャポン出身の俺は小さいころに何度か出稽古に行く機会があって、その時に顔合わせはしているよ。

 ちょっとした勝負をしたこともあるからね。そういえば、あの勝負まだ有効ですか?」

「ふむ、ボール遊びのことかの? 

 今のお主とは遊びで済むとは思えんがのぉ。

 それに遊ぶなら女の子がええわい。

 どうじゃ、お嬢ちゃんたち。ワシとゲームをせんかね?」

「「?」」

「もしそのゲームでワシに勝てたらプロハンターの資格をやろう」

「「!」」

「この船が次の目的地に着くまでの間に、この球をワシから奪えば勝ちじゃ。

 そっちはどんな攻撃も自由。あぁ、ただし飛行船が墜落するような攻撃はなしじゃ。

 また、ワシの方からは手を出さん」

「補足すると、10歳の俺が一度も勝てなかった勝負でもある。

 胸を借りるつもりで全力で挑むといい。

 もしも勝てたら、同年齢だった当時の俺を超えているという証明にもなるからね」

 

 その言葉を聞き、コンは楽しそうに満面の笑顔となり、キルアは不敵な笑みを浮かべる。

 

 

 

 ◇◇◇◇◇VSネテロ会長

 

 ネテロ会長とコン&キルアの勝負が始まり6時間、結局ボールを取ることはできなかった。

 

 コンが奇策として、ブーツを脱ぎ蹴りの間合いを伸ばして攻撃をヒットさせた時は「ウヒョッ~~~! 生足じゃあ!!!」と言わんばかりに変態顔になった爺がボールそっちのけでガン見した隙にキルアが後一歩というところまで迫ったが、最終的に爺が大人げなくオーラで全力強化してボールを確保してしまった。

 対蟻王メルエムの戦力として期待できる実力者じゃなかったらここに死体が転がっていただろう。

 

 なんにせよ、20時に始まったのでもう朝2時だ。ネテロ会長は目的地に着くまで(朝8時)が勝負時間とはいったが、夜更かしは美容の天敵だ。良い子は寝る時間ということで、俺が無理やりそこで勝負を終わらせて二人を眠らせた。

 まぁ<桃色吐息(ピアノマッサージ)>を使えば30分で8時間の睡眠効果を得ることもできるのだが、普通に寝られるならその方が人間的だと個人的に思っている。俺はともかく皆には人間性は捨てさせたくない。

 

 そして早々に? 終わらせた理由はもちろん俺も勝負するためだ。

 この時間ならさすがにヒソカもギタラクルも休息に入ってるであろう。周囲に気配も感じない。

 

「さて、そろそろ俺の番ということで良いですよね?」

「うーむ……

 若い女子ときゃぴきゃぴ楽しんだ後はその余韻に浸りたい気持ちがわからんかの?」

「させねーよ?」

 

 もはや語ることも無いと、縮地で急接近して殴りかかる。

 真正面からの単純な行動ゆえに、それはネテロ会長の右手で軽くいなされ、左手で掌底を放ってくる。躱されて反撃がくることは想定通りだったので、それを弾き、いったん距離をとる。

 

「やれやれ、独占欲の強いやつじゃ。

 少しは高齢者を敬う気持ちはないものかのぉ」

 

「もちろん、敬っているつもりですよ。

 50歳で当時の人類における武の頂点を極め、それから半世紀に渡り道を切り開いてきた今までのネテロ会長の軌跡を敬わない人はいないでしょう。だからこそ、次世代が育っていることを伝えるためにも教えを受けた俺達があなたを超えていく。それ以上の恩返しはないと思っています」

 

「ホッホッホッ。言葉ほどの実力があれば嬉しいんじゃがのぉ。

 それはワシに勝ってから言うべきじゃな。

 それに……いままでの、と言うたか? 

 とぼけた顔をしおって、まるで今のワシは敬う価値はない言いたげじゃな!」

 

 言葉とともに急速に膨れだした、針で突き刺されるような研磨されたオーラが俺を襲う。

 半世紀以上も研ぎ続けたオーラによる圧力はやはり武神といわれるに相応しいと感じる圧力だった。

 

 だが。だが、それでも俺の方が上だ。

 単純なオーラ量で比較すれば既に俺は武神を超えていると確信できた。

 相手に応えるように、俺も『練』に殺気を込めて返しつつ鞘に手をかける。

 あわよくば、それで攻撃を仕掛けてこないだろうかと期待したものの動き出す気配はない。

 

「相変わらず、相手の攻撃を待つつもりですか。

 あまり舐めていると首とさようならをすることになりますよ?」

 

「……あ? 

 クソガキが……! 

 舐めてるのはどっちだ! 上から物言ってんじゃねーぞ!!」

 

 『百式観音 壱乃掌』

 

 ネテロ会長から急速に闘気が溢れ、瞬時に現れた観音様から横なぎに放たれた手刀が俺を襲う。

 仮に地面に叩きつけた場合にはクレーターが生じるほどの威力、飛行船の床に直撃しないように横なぎにしたのであろう一撃は、俺をたやすく吹き飛ばした。

 

「おっ!? ……お?」

 

 

 吹き飛ばされはしたもののダメージもなく、空中で態勢を整え壁に着地した。

 実際に食らってみた感想としては、いろいろな意味で衝撃だった。

 

 まず、開幕早々<百式観音>が放たれたのは想定外だった。

 俺の目的を考えるとありがたい話ではあるのだが、この技はネテロ会長にとっての必殺技。自身の武術に絶対の自信をもつ武神が、五年ぶりにあった15歳の若輩者に対していきなり必殺技を放つだろうか? 普通はどれくらい成長したのか腕試ししてやろうという姿勢を見せてくるものだと思っていた。そこで実力を示しつつ、こちらもある程度の手の内を見せることでようやく<百式観音>を見られると考えていた。

 予想以上に短気だったのか、或いは俺を試す理由があったのか。

 

 次に『硬』による防御が間に合ったことも想定外だった。

 ネテロ会長が両の手を合わせることで観音様が出たと知覚したときには、既に無意識で『流』で移動させたオーラによる防御を固めることができた。そう、防御はできたのだ。身体を動かす時間はなかったので今の俺では回避はできなかったが、それでも反射的に動かせる『流』は間に合いすぎて『硬』になった。つまり、<神速(カンムル)>が使えるようになったら回避もできる。そして回避できない蟻王メルエムよりも速度では有利に立てるということだ。(希望的観測)

 

『硬』による防御は間に合い、かつオーラ量でも上回っていたにもかかわらず、なぜ俺は吹き飛ばされたのか。それは『硬』が間に合ったが故だ。10m近くもある観音様は、見た目通り質量が大きいので、オーラを完全に受け止めても、その質量×速さによる運動エネルギーまで受け止められることはできなかった。結果として腕を『硬』で守っていた俺は、全くオーラを纏っていない足で踏ん張りがきかず吹き飛ばされた。だが、壁に当たる前に態勢を整えることができたのでダメージはない。

 

 叶うならば、『堅』だったらどうなるのか、それと攻撃位置を予測して<コテっちゃん>で斬れるかも試したかったが、残念ながら時間切れだ。並列思考で見張っていたヒソカの気配がこちらへ向かっていることがわかったので、実力がばれないようにさっさと撤退しなければならない。

 

 それに今更ながらこの時点のネテロ会長と比べてもあまり意味がないことに気付いてしまった。ネテロ会長は蟻王メルエムと戦う前に二か月間は勘を取り戻すための修行を行っていたので、少なくとも今は年齢による実力低下以上に錆がついて弱体化しているような状態ということになる。負けない実力を身につけられていることを実感できたことに意味はあるものの、続きをやって倒せたところでそれ以上の証明にはならない……。

 

 いわば、今の老いたネテロ会長は第一形態。今のうちに発破をかけて第二、第三形態へと進化させることが出来れば、キメラアント編では第五形態となり活躍してくれるのではないだろうか。(人間なので変身はしません)

 

「いやいや、まったく年齢を感じさせない恐ろしい速度ですね。

 無礼の数々、大変申し訳ありませんでした。

 腕が痺れてしまいこれ以上は難しそうなので、お先に失礼させてもらいます」

 

 

 

 ◇◇◇◇◇ネテロ会長視点

 

「……は? 

 なんでピンピンしてんだ、あいつは……」

 

 意気揚々と撃ち込んだ<百式観音>で吹き飛ばし、これで決まったと判断したにもかかわらず、さして怪我もなくぴんぴんとしており、<百式観音>をこんなものか? と言わんばかりに首をかしげて不思議そうにしたかと思えば、軽い嫌みだけ言って立ち去るハヤテを見てつい言葉が零れ落ちる。

 

 なんらかの能力で無効化された? 

 いや、目の前で発動されて気付かぬほど耄碌はしておらん。

 

 コンやキルアと遊んでいる間に何か仕掛けられた? 

 いや、<百式観音>は間違いなく発動したし、ハヤテにも直撃したことは確かじゃ。

 

 ならば普通に受け止められた? 

 確かにオーラ量は凄まじかったが、ビスケに聞いた話では特質系じゃったはずだが……。

 

 

 ふむ、ハヤテか……。

 出会ったのは8歳の時じゃったか。8歳にして心源流拳法の師範代候補を難なく打ち破るほどの神童という噂がたった。才能があるものほど調子に乗っ堕落することを懸念し何度か相手をして未熟さを思い知らせてやったのに、10歳で旅に出ると聞いたときは、こいつも基礎をないがしろにして凡庸な使い手で終わってしまうのだろうと思ってしまったが、なんだあれは! 

 十で神童、十五で才子、二十過ぎればただの人? ふざけんじゃねぇ! 

 

 ビスケが鍛えてんのは聞いてたが、それだけじゃあ説明がつかねぇ。相対していてもまったく隙が見えねえし、オーラ量は格上、接近速度はぎりぎり反応してなんとか手をかすらせるのがやっと、刀を構えて殺気を向けられた時には首が飛ぶイメージまでわいて躊躇しちまった……。

 

 さらには、あらゆる戦士をその自信ごと叩き潰してきた<百式観音>まで耐えやがった。先日直弟子であるビスケに破られたばかりだというのに、孫弟子にまで耐えられるとは……。

 長年修行をつけていた弟子であるビスケに破られたときはついにこの時がきたんかと寂しさとともに多少の喜びを感じたんじゃがの。

 

 とはいえだ。壱乃掌とはいえ15歳の若造に軽く耐えられるようじゃあ、問題じゃろうが。

 去り際の、この程度かと、期待値以下だった、といわんばかりの建前だけ取り繕ったセリフ……!

 

 

────いったい、いつからだ。

<百式観音>さえ使えば負けることはねぇと驕っていたのは! 

 

────いったい、いつからだ。

神童の噂を聞いても所詮ガキと思うようになったのは!  

 

────いったい、いつからだ。

衰えゆく身体を仕方のないものだと諦めてしまったのは! 

 

そんなんじゃねぇだろ!! 

俺が求めた武の極みは! 

敗色濃い難敵にこそ全霊を以って臨むこと!!! 

生涯現役、勇往邁進!!!

 

 感謝するぜ、ロリババアと調子に乗ったクソガキに出会えたこれまでとこれからの全てに!! 

 

 ほっほっほ。嬉しいのぉ。この歳で挑戦者か。血沸く血沸く……!

 

 

 

 一人で興奮し続けるネテロ会長を、扉の奥から眺める人影。

 そう、強烈なオーラを感知して駆けつけていたヒソカだ。

 ネテロ会長から溢れるオーラと闘気にそのまま戦いを仕掛けたいという気持ちを抱きつつ、さすがにまた試験官を襲って不合格になり来年も受講する面倒さや、今回受験している青い果実達と同期になって接点を増やしたほうが面白そうという好奇心を秤にかけ、後者をとった。

 

 だが、戦う姿を妄想しているのか「興奮しちゃうじゃないか……」と呟きながら目が逝っちゃっている姿は、まさに性犯罪者のそれであった。

 

 





ネテロ会長の得意系統や、百式観音の系統については諸説ありますが、本作ではこう扱いにしました。

オーラで大仏の形状に変化しているだけで具現化はしておらず、変化系、強化系、放出系のバランスのいい念能力じゃい!という意見も個人的にはありだと思っています。

皆様からいただいた評価をどう受け取ればいいかわかっておらず、評価0と1をつけてる人は何を作者に伝えたくてつけてるのかなと疑問に思ったのでアンケートです。本作品に限らず、評価0と1をつけたことがある人はどういう時につけてますか?(小説に関係ないアンケートは禁止されてますが、小説への評価の意図確認だから一応関係しているはず……だめそうなら消します)

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