《カルネアデス藩国 国境北端 北壁》
[[統一暦302年 8月8日]]
「モーセ、
また時間を
彼が呼び掛けているのは十月機関の幹部たち、当然ながら彼らの呼び名は全て
「こちらノアだ、報告がある」
自らの
『ソロモンだ。どうした?』
最初に晴明に応答したソロモンと名乗る機関幹部の声は、老年一歩手前の壮年の男の特徴を持っていた。
『はいよう!モーセだ!』
次に返答したモーセ、もといミシェルはハイテンションな口調で、何か喜ばしいことがあった後のようだ。
『こちらはアブラハム。聞こえている』
ミシェルの後に応答するのは、少年のような高い声調をした人物、アブラハム。
『ロト…………とサンジェルマンだ』
『こちらヤコブ。通信状態良し』
ヤコブの
確認を終えた晴明は、カフェト(
「
晴明の放った一言に幹部一同は一瞬押し黙るが、間髪入れずにソロモンが問う。
『何人だ?』
「昨日まで確認できていた
ただでさえ強大な力を持つ
それらが利害の一致や目的の一致によるものでなくとも、一ヶ所に集まっているという事実があれば早急に対処しなければならない。
「一人目は鹿毛の髪を長く伸ばし、鎧、太刀、陣羽織、そして筒状の武器…………おそらく銃だ。ブッチたちの言う“蒸気機関”に近い動力を使っている様だった」
『超小型の蒸気機関か……厄介な相手だな』
アブラハムが呟いた通り、装備一式の情報だけでも、かなり家格の高い武家の生まれであることは容易に想像できる。当然ながらその戦闘能力も常人の比ではないだろう。
「二人目は
と、ここで一度言葉を区切る。
「…………それから
『その
ソロモンはどこか感慨深そうに呟く。二人目の
「三人目。黒い髭をぼうぼうに生やした西胡人の大男」
『心あたりがあるな。そいつ、かなり有名な海賊だ』
アレイスターは晴明が告げた容姿の特徴から、かつて実在した一人の大海賊を想起する。確認できている
「最後の一人は武士のような風貌の少年だ。服装は洋装で、恐らくモーセたちの言うクリスチャンだろう」
『……厄介な相手ばかりですね』
『北壁の陥落は目に見えてんなー』
ヤコブとミシェルは呟くように吐き捨てた。彼女とミシェルにはある程度未来の出来事を見通す力があるが、やはり結果は芳しくないようだ。しかし、晴明はふっと笑みを浮かべると報告を続ける。
「だが朗報もある。先日また三人
晴明のからもたらされた希望とも言える言葉に、十月機関の幹部一同は思わず歓喜の声を挙げる。すぐ未来に起こる出来事の結果は変えられないが、それでも味方が増えるのは幸運としか言い表し様がない。
「彼らの名は…………」
と、晴明が言いかけたところで場面は変わり、新聞を眺める【
紫は自らが管理する通路に現れた三人の反応を思い出しながら、煙草を燻らせて新聞に描かれた記事を眺めている。一面には[統一帝国、軍備拡張を本格化も東方の脅威に躓く]とあり、統一帝国内の問題が詳細に書き出されていることが見てとれる。
「…………」
しばらくすると新聞の記事の内容が[【
「三途の川ではない…………
しかし、驚いて辺りを見回す由俊には目もくれず、ただ静かに、そして大きく、
「────────次」
と、万年筆を片手に一言呟いた。
井尻又兵衛由俊(いじりまたべえよしとし)
出展:クレヨンしんちゃん アッパレ!戦国大合戦
この作品では“実在した”戦国武将であり、原作で何者かに撃ち殺されたことにより