ラブライブスーパースター if STORY   作:砂髑髏

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前奏②

私の幼馴染が結ヶ丘女子高等学校に入学すると言った。

私はそれに関して素直に喜べなかった。

理由は…結ヶ丘に入学すると言ったのは男の子だからだ。

 

私はそれについて深く追求しなかった。

なぜかは…自分でもあまりよく分からなかった。

ただ、そうした方がいい…。そんな気がしたからだ。

 

いつの間にか視線が下を向き、理事長の入学式の祝辞をフル無視してることに気がついた。

 

ハッとして理事長の方に視線を戻すと同時に、理事長は祝辞を言い終わり、次にこんなことを言った。

 

「…それでは、ここで1人の生徒について紹介をさせていただきます。」

 

理事長のその言葉を合図に、1人の男の子は壇上へと足を運んだ。

 

彼は理事長から少し離れたところで足を止め、私たちの方に身体を向けた。

周りは不思議そうに、あるいは訝しむように彼を見ていた。

 

「彼の名前は宮本栞君。これからあなたたちと同じ結ヶ丘女子高等学校に通う1人の生徒です。」

 

その言葉に、生徒、その他大人達がざわついた。

教職員はその言葉に驚いてはいなかった。きっと彼について既に知っていたのだろう。

 

「彼の父は神宮音楽学校と関わりが深く、その伝統を受け継いだこの結ヶ丘に入学させたいと願っていたことから、彼を特別枠として入学させることを決定致しました。」

 

それを聞いて、納得のいかない者がいる中、「彼の父」という部分に引っかかっている人たちがちらほら見えた。

 

その後、理事長は彼に視線を向けた。彼はその合図と共に身体の向きを変え、脇幕へと向かう。

 

3〜4分経った頃だっただろうか。彼は《それ》を持って壇上へと戻ってきた。それを見た周りは、「わぁ…」「もしかして?!」などの歓喜や驚きの声を上げる。

 

彼は定位置で足を止め、チューニングを始める。数十秒でそれを終わらせ、構える。

ピアノの演奏が始まり、数秒後に彼も続けて演奏を始める。

 

その演奏を私は何度も聞いたことがあった。

 

その姿は懐かしさか、悲しみか、あるいは両方か。私に、誰かに、何かを必死に伝えているように見えた。

 

けれど、私はその姿が、とても美しく見えた。

 

彼の父の名前は「宮本湊司」。天才ヴァイオリニストだ。

そしてその子である彼、「宮本栞」もまた、「天才の血を受け継ぐ天才」。そう呼ばれている。

 

 

 

 

 

 

 

 

「凄かったね!」「うん!私、聞き入っちゃった!」

 

入学式が終わり、私たちは教室で待機をしていた。

教室に戻ると、普通科生徒たちは栞くんの演奏について感想を言い合っていた。

 

約10分間、体育館の中はヴァイオリンとピアノが奏でる空間に包まれていた。

その中では誰も声を発したりなどせず、静かに聴き入っていた。

 

恐らく今現在で、栞くんの結ヶ丘入学を反対しているものは少ない。と思う。理由なんて「ヴァイオリンの天才だから。」その一点に尽きると思う。

確か音楽科には、楽器を扱う生徒も存在しているから、その人たちにとってはとてつもない喜びや感動が襲いかかっているのではないだろうか。

 

ガラガラと教室のドアが開き、教師であろう人物が入ってくる。

 

「おま…みんな、入学おめでとう。これから普通科の担任になった。彩乃だ。みんな、彩乃先生と呼ぶように。」

 

(今、「お前」って言いかけなかった?)

 

心の中でそう思ったが口には出さず、グッとこらえる。

 

「まず、今ここにいる生徒に加えて、もう1人、君たちと同じ結ヶ丘普通科として入学する者がいる。」

 

先生の言ったことに普通科生徒はザワついた。

この普通科教室には、ひとつだけ空いた席がある。きっとその空いた席に座る人を紹介するのだろう。

先生がそう言うと、再びガラガラと教室のドアが開き、その生徒は入ってきた。

 

その生徒の顔を見て、私たち普通科生徒は、2度目の驚愕に襲われた。

 

誰もがそんなことはないと思っていた。

なぜなら彼は音楽界の才能のひとつを持っているからだ。

 

「音楽科こそ花形、普通科は普通」生徒・教員その他関係者が暗黙の了解としている。

 

その暗黙を破壊するかのように「ヴァイオリンの天才」は普通科生徒ととして、この学校に入学してきた。




同じ漢字をめちゃくちゃ使ってるので「ここはこの言葉の方が良くね?」って思われるかもです…。

その時は指摘等して下さるとありがたいです。
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