NARUTO 先見の写輪眼   作:ドラギオン

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雪姫忍法帖3

 

 ナルトとサクラのおかげで追手から逃げきれた雪絵は、服屋で服を購入後、夜のバーで酒に溺れていた。

 何かから逃げるように、何かを忘れ去ってしまいたいかのように、酒を飲み続けていた。自分の首に掛かった六角形の水晶を眺め、臭い物に蓋をする様にすぐさましまう。

 

「あ、見つけたってばよ」

「なによ、またあんた?」

「うわ、酒くさ」

 

 ナルトがバーに入ってくる。その後ろから合流していたサクラや三太夫が入ってくる。

 

「雪絵様! 何をやっているんですか! もうすぐ雪の国行きの船が出てしまいます!!」

「三太夫……、私いかないわよ」

「何をおっしゃっているんです」

「だから、私、風雲姫を降りるって言ってるの。よくあるじゃない、続編で俳優が変わったりだとか」 

 

 どうしても雪の国に行きたくない彼女。グラスを片手に役を降りると宣言する。その言葉にマネージャーである三太夫が怒鳴る。

 

「だまらっしゃい! 雪絵様の他に風雲姫が務まるはずがありません!それに此処で降りてしまったら、業界で仕事なんてできなくなってしまいます」

「いいじゃない、別に」

「仕方ありませんね」

「え? あ」

 

 全てを諦め、何が何でも逃げ出したいという態度が出ていた。時間が迫る以上、ここで説得を続ける余裕はない。

 いつの間にか雪絵の背後に回り込んでいたカカシが、左目の写輪眼を使用。幻術で眠ってもらい、彼女を三太夫が支える。多少手荒だが、仕方がない。

 

 そうして確保された雪絵は、ナルト達によって船へと運ばれるのだった。

 

 

――――――――

 

 少し場所を離れた雪の国。雪の国の城の一室では、城主である風花ドトウという大男が玉座に座りながら、部下の報告を受けていた。

 彼の配下は、雪忍と言う特殊部隊であり全員が特殊な鎧を身に纏った精鋭である。大柄の男と女性、そしてそのリーダー格の男がドトウヘ報告を行っていた。

 

「女優、富士風雪絵は、風花小雪であることは間違いありません」

「六角水晶も持っていたか?」

「はい。部下の報告から、間違いないかと」

「長きにわたり探していたがようやく、か」

 

 さらに報告が続く。

「小雪には、あのはたけカカシが護衛についているようです」

「へぇ、因縁の対決って訳ね。面白そうじゃない」

 

 女性はカカシと因縁がある、リーダー格の男を見て笑う。だがリーダー格の男は深刻な表情でさらに続けた。ここからが大切な報告だからだ。

 

「そして、もう一人、うずまきシャナが護衛についていると報告が上がりました」

「誰だそれ?」

 

 大柄の男は情報に疎いらしく尋ねる。それを馬鹿にしたように女性が耳打ちをする。

 

「木の葉の青い閃光よ。聞いた事あるでしょ」

 

 写輪眼のカカシに加え、青い閃光を護衛に付けているという話は、ドトウ達にとっていい話ではない。雪絵を狙っていることがバレ事前に対策されたと考えるべきだろうか。雪忍たちは、精鋭ではあるが噂に聞くシャナの実力が本物なら計画にとって大きな支障になる。

 本来であれば。 

 

「タイミングとしては、上々と言ったところか。だな? グライア」

 

 ドトウの視線の先にあるテーブルで、酒と肉を食べている女性が居た。彼女こそ悪名高い女傭兵、グライアなのだ。大食なのか皿が何枚も積まれている。そして、容姿や服装が特徴的だった。

 全体的に赤で紫のメッシュが入った特徴的な髪。それをハーフアップにしている。顔は目が覚めるような美人で、ブラウンな瞳で少し目つきが鋭い。身長は160前後で年齢は15歳くらいだろうか。

 服装が忍五大国や雪の国でも見ないような特徴的なもので、将校の軍服のようなデザインでマントを身にまとっている。更に右腕が見るからに機械の義手であり、肩と掌に陰陽のシンボルが備え付けられている。

 

 これは過去にラビリンスと戦った際に切り落とされた腕を、雪の国の技術で作ってもらった義手で補っているからだ。彼女はドトウの言葉に目を向けるとにっこり笑う。

 

「せやで。何の問題もない。ウチが自分ら側についてるんやから、心配あらへん」

「しかし相手は青い閃光だ。お前の実力と言えども、信用ならん!」

 

 雪忍のリーダーである男が無責任なことを口にするグライアを嗜めようとするが、グライアの目がブラウンから青に変わる。そして、左手に持った現代で言うピストルランチャーのような筒がついた武器の引き金を引いた。すると筒から圧縮された高密度のチャクラがレーザーのように発射される。それを正面から受けてしまった雪忍のリーダーは、チャクラの鎧と言う雪の国独自の技術で作られた忍術幻術を無力化する装備で受け止めるも、あまりの出力の高さにチャクラの障壁ごと吹き飛ばされ壁に激突する。

 

「く」 

「ナダレ! グライア、あんたね」

 

 リーダー格の男を庇うように前に立つ女性だが、グライアの青い写輪眼を見て恐怖からか足が震えている。ダメージを受けたナダレは、グライアを睨むも、攻撃した彼女は一切気にしていない。

 

「実力が心配や言うから、こうして納得させてあげたんやで? 閃光なんか、花火なんか知らんけど、ウチが相手したるいうてんねん。自分らは、自分の仕事の事だけ考えとき。それでええな、ドトウのおっちゃん」

「あぁ。その右腕にはかなりの金がかかっている。その分もしっかり働いてくれ」

「はーい」

 

 実力で相手を黙らせるのがグライアの処世術だった。異国育ちの彼女は、金で雇われれば国家転覆などにも力を貸し、好き放題暴れる存在だった。女で子供だったことで舐められることに我慢ならず、欲深く、他人の持っている物が欲しくなる悪癖を抱えた彼女は、まさに人の形をした災害。

 自分の欲を満たすため戦い、奪い、滅ぼしてきた。破滅的な思考をしながら、人としての営みを理解し、溶け込もうとする異常者だった。

 

 チャクラの鎧を障壁ごと吹き飛ばす銃火器と言う忍社会に無い武器を持ち込む彼女。過去に六道仙人が大陸を渡った際に作り上げた宝具であるチャクラ砲・護琉魂(ゴルゴン)を武器に戦う彼女。

 世界を放浪しながらの目的は失った腕の再生とラビリンスへの復讐だった。そのために大金を払って海を渡ってきたのに、結果はラビリンスたちと入れ違い。

 だが、暴れているときに雪の国の城主に雇われ、その対価に作ってもらった義手は儲けものだった。

 

(それに、青い閃光とかいう女、ウチと同じ目を持っとるらしいな。ラビリンス並みに楽しめる相手ならええんやけどな)

 

 新しい腕を試すにはもってこいの相手だと、彼女は秘かに楽しみにしていた。

 

 




 関西弁に将校衣装で、ナルト世界では禁忌の銃器使いです。
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