NARUTO 先見の写輪眼   作:ドラギオン

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昇格祝い

 

 ナルトが旅立ってから、一月。任務に勤しみ、気を紛らわせていたシャナ。

 

 だが久しぶりにヤマトから声を掛けられ、他の第四班のメンバーと共に料亭に連れてこられていた。お座敷の少しお高いお店であり、いったい何なのかとそれぞれが困惑していると、ヤマトは懐から3枚の封筒をそれぞれに差し出した。

 

「今日呼んだのはこれが、目的だよ」

 

 三人共顔を見合わせながら、封筒を開封していく。そして、一番に反応したのは、八雲だった。

 

「え、先生。これって、もしかして」

 

 突然泣きそうな声でヤマトを見る八雲。この反応は、想定内だと笑顔で頷くヤマト。すると八雲は隣にいたシャナに感極まったとばかりに抱き着いた。

 

「やったよ。私、私達、今日から特別上忍だよ!!」

 

 シャナの用紙と八雲の用紙には、正式に木ノ葉から特別上忍への任命書が入っていた。目標だった上忍とほとんど変わらない役職への出世に、八雲は歓喜しているのだ。

 

 中忍試験と違い、特別上忍への出世には、他の上忍や火影の推薦等が必須。さらに実力も秀でていなければいけない。

 

「よし、よし。良かったってばね八雲」

 

 シャナは、泣き出した八雲の背中を叩きながら、おめでとうと祝福する。あまり同じ任務に行けなくなった八雲。だが彼女は、積極的に任務をこなしていた。真面目に任務をこなし、臨時で班編成された下忍たちの面倒もしっかり見ていた彼女の事だ、里からの評価が高く、推薦は多くもらえたのは必然だろう。そして、里屈指の幻術のエキスパートであり、その研鑽も続けている。

 ハンカチで八雲の涙を拭いながら、ヤマトを見るシャナ。

 

「なんで私も?」

 

 八雲の評価は妥当。しかし、シャナは、自分が里の上層部に嫌われている自覚があった。なら、中忍レベルで飼い殺しにするのが当然だと思っていた。

 里としても下手に出世させると面倒なはずなのにと表情で語るシャナ。

 

「まぁ八雲は、多くの上忍から推薦があった。逆にシャナは、なんていうかな。僕やカカシ先輩の推薦のほかに、火影様や自来也様の推薦があったんだ」

 

 里の上層部の妨害を防いだのは現在の火影と伝説の三忍の自来也の推薦だった。カカシとヤマトも評価が高い忍であり、上層部と意見は真っ向から別れてしまった。

 

 上層部は、シャナの人格や部隊長としての資質を問うて来たが、一方で火影たちはシャナの功績を挙げていった。

 

 公式で残っている記録だけでも凄まじいものがあり、最近では国際指名手配された犯罪者、グライアと交戦し、退けている。さらにナルトが旅立った後の一か月の間に、秘かに木ノ葉を狙っていた白金一族と言う傀儡使い達を抹殺し、彼らが起動した念珠によって封印されていた自動傀儡、名を『究極の傀儡』を単独で撃破。

 未曽有のテロを防いでいる。むしろ上忍にするべきだという声も上がるほどだった。

 

 そこで打開案として、戦闘のスペシャリストとして特別上忍の地位が用意される運びになった。シャナには、下忍たちの戦術指南役なども任される予定となっている。

 

「ヤマト隊長。これはいったい」

 

 シャナに丁寧に説明し、どうにか納得させたヤマトだったが、一番最後にトルネが疑問を口にした。彼の用紙には、上忍昇格の文字があったからだ。

 

「それについては、僕は何も疑問に思ってないよ」

「あ、トルネ君、上忍になってる!」

「え~、なんでだってばね?」

 

 シャナだけ少し不満気だが、ヤマトは何もおかしなことはないと説明を続ける。トルネは、何度も班を率いた遠征任務に出ており、指揮能力や班員の管理能力も高く、優れた戦闘能力も併せ持っている。さらに人格も冷静沈着であり、忍として最も適性が高く問題が見受けられない。

 里からの評価が一番高いのはトルネだった。彼に関しては、上層部も異論はなかったため、上忍への昇格が決まったのだ。

 

「俺には、荷が重いような」

「そんなことないよ! トルネ君が隊長になった子達も、すごく頼りになったって言ってたよ」

「まぁ、体術に関しては、私より強いのは認めるってばね」

 

 同期のトルネが上司になってしまい不満なシャナ。だが、隊長の適性が高いという説明に反論できない。自分自身、論外だと思っているからだ。逆に八雲は少し優しすぎるので、非情な決断は出来ない。

 

「ということで、今日は第四班の隊長である僕から、君たちの特別上忍、上忍祝いをしようと思ったんだ。好きなだけ食べてくれていいよ」

 

 報告はこれまで。後は宴だと言わんばかりに、彼の合図で高級料理がたくさん運ばれてくる。それを見て3人共腹の音が鳴る。こういう所はまだ子供だなとヤマトは、子供たちの昔の姿を思い出した。

 

 出会ったころから、恐ろしいほど戦闘力が高かった彼らだが、今となっては立派に成長したと感じ取っていた。ヤマトは、気を利かせたトルネにビールを注いでもらう。

 

 一方、小皿にいろいろよそって食べている八雲と稲荷寿司を頬張っているシャナ。

 

 

「本当にうちの班にトルネが居てよかったよ」

「俺もです」

 

 第四班は、女性が強いため、数が同等になる男が居てこれほど助かった事はないだろう。一番意見が合うのはヤマトとトルネなのだ。

 

「八雲、それとって」 

「自分で取りなよ。もう」

「ありがとうだってばね」

 

 男組は、信頼が厚い。そして女性陣も面倒見のいい八雲と少し甘えたがりなシャナでバランスがいい。つくづく自分は恵まれてるなと自覚するヤマト。

 

 後数年すれば、彼らは里の中心人物となっていくだろう。里の年寄り達に、若く勢いのある新時代を止めることなど不可能だ。実際、戦闘力だけでいえば三人が里と戦った場合、里は壊滅するだろう。それくらいの才能が彼らにはある。

 だからこそ、大人の自分が盾となり守り、正しく導きたいと思えた。

 

「ヤマト」

「まだ隊長だよ。なんだいシャナ?」

「お酒飲んでみたいってばね」

 

 シャナがヤマトのビールを指さす。だがヤマトは首を横に振る。

 

「まだ駄目だよ。成人してからの楽しみに取っておきなさい」

「けど、八雲のんじゃったってばね」

「え?」

 

 シャナの言葉を聞いて、八雲の方を見れば、顔を真っ赤にした八雲がトルネに絡んでいた。八雲の傍には、ビールのビンが倒れており、おそらくかなり飲んでいる。

 シャナはヤマトに確認を取ったが、八雲はこっそり飲んでしまったのだ。

 

「えぇねぇ、トルネ君はさぁ、わたしのこと、どうおもってるんですかぁ? ねぇ? はっきりいえよ!」

「水を飲むんだ八雲」

「ねぇったら!」

 

 胸倉を掴んで馬鹿力で、自分より体の大きいトルネを振り回す八雲。一方、トルネは八雲を落ち着かせようとするが、無駄そうである。

 

「やれやれ、とりあえず八雲を止めるの手伝ってくれるかなシャナ」

「酔うと、八雲私より力強いから、相手したくないのに」

 

 流石に祝いの席で暴れさせるのもどうかと、3人で八雲を取り押さえ、水を飲ませれば、少しして意識が戻った八雲。

 そして、色々ハプニングがありながらも三人の上忍昇格祝いは、幕を閉じたのだった。

 

 

 

 





 白金一族とか究極の傀儡とかは、ナルトのゲームの設定です。
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