NARUTO 先見の写輪眼   作:ドラギオン

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コダマ外伝 弐

 

 医者を探すため走っていくコダマは、言われた通り大きな樹の下にある木製の小屋を見つける。

 

 流石に突撃するほど、礼儀知らずではないコダマ。乱れた服装を整え、埃を払ってから入ろうとするが、偶然ポトリと袖から手裏剣が落ちる。

 

 

 

 それを拾っている時間はないと、扉を開き、恐る恐る入る。

 

 

 

「あの~お医者さんいますか?」

 

 

 

 静かに扉を開け、中に入ったコダマ。だが中から返事はなく、誰も居ないのかと不安になるが、僅かに息遣いが聞こえ、その方向に目をやる。

 

 

 

 木漏れ日が少し入る家の中は、閉め切っており薄暗く、暗闇の中に車いすに座る少女がそこにいた。

 

 

 

「あ、いた」

 

 

 

 コダマの青い写輪眼は、暗闇でもはっきり見えていた。そして、車椅子に座る少女がコダマと同じくらいの年齢だと分かった。だが全体的に細く、白髪のようだが所々血の様に赤い髪に民族衣装を着ているが顔や体中に包帯が巻かれていた。そんな姿ながらも顔は、酷く美しくコダマも見ほれる程だった。

 

 だが、閉じられた目が開かれた時、コダマは命の危機を感じ取った。暗闇の中で光る青い瞳。それは写輪眼に他ならなかった。

 

 

 

 そして、目が合った瞬間、読心術が使えるコダマが聞いた言葉。

 

 

 

『食らい尽くせ霊尾』

 

 

 

 少女の体から半透明の細長い手のようなものが数十生え、それらが空き家中を覆いながら一斉にコダマに襲い掛かる。本能から回避行動をとったコダマは、空き家の壁を突き破って脱出。しかし、半透明の触手がコダマを追跡して伸びる。手には、無数の口が生えており、非常に不気味に映る。

 

 動きは、特に速くはないが、数が多く、コダマは地面を駆け巡りながら攻撃をかわしていく。しかし、コダマが攻撃を躱したところにいた鳥が手に捕まる。半透明な手に捕まった鳥は、凄まじい速度でチャクラを吸い取られ、絶命する。獲物が死んだことで、鳥を放り投げた手は、元のターゲットであるコダマを狙う。 

 

 

 

(捕まると、チャクラを食べられちゃう。なら遠くから)

 

 

 

 チャクラを吸い取る手。数本であれば問題ないが何十本もの腕に捕まれば、コダマとて耐えられないかもしれない。そこで翼を生やし空を飛んで遠距離攻撃を仕掛けるコダマ。手の発生源である空き家目掛けて、羽手裏剣を投擲。

 

 

 

 空に飛びあがったコダマを追いかけていた手だが、本体に危機が迫ったのを感じたのかコダマの羽手裏剣を迎撃していく。触手の部分で受け止めたり、掌で掴んだりと攻撃を防ぐ。とはいえ、運動性があまり高くないのか、空き家中をとぐろを巻くように守る行動をとる。

 

 半透明と言えど、質量はあるのか触手に突き刺さり止まるコダマの羽手裏剣。何十本も発射される羽手裏剣。その鋭い切っ先は、鉄板すら貫通する威力を持つのだが、徐々に数が増え増していく触手の質量の前に全部止められてしまう。

 

 

 

 そして、コダマが次の手を考えていると、空き家の扉から車椅子を触手で押して出てきた少女が現れる。その青い写輪眼は、コダマと違い深い闇に沈んでいる。

 

 

 

 生命力にあふれたコダマと正反対の少女は、興味なさげにコダマを見上げる。

 

 

 

「……」

 

「コダマ、戦いたくないんだけど!? やめない?」

 

 

 

 今は戦ってる場合ではない。そう言いながらも両腕を巨大化させ戦闘態勢に入ってしまうのは、目の前の少女が危険だと本能で察するからだ。コダマの人生でも怖いと思える相手が車椅子の少女だ。

 

 

 

「……ごめん無理」

 

 

 

 あっさり断られてしまった。何故か胸を押さえながら苦しそうな少女。しかし、彼女の発生させた触手たちは、空にいるコダマを追いかけて伸長を始める。空中戦では、コダマに勝てる忍はいない。コダマはトップスピードで触手を置き去りにしながら、少し悩んでいた。

 

 少女と目が合った時、本当は戦いたくないと少女は思っていた。だが実際は攻撃してきている。それがわからない。

 

 

 

「どうしよう。こまった」

 

 

 

 はるか上空へ飛んだコダマは、重力に従って急降下。とりあえず相手を倒してしまうしかないと判断。高速で落下するコダマに触手たちが迫りくるが、コダマはそれらを高速で回避しながら、本体である少女に強襲をかける。

 

 少女の周囲の触手は、少女を守るようにとぐろを巻いて盾となる。コダマは巨大化した拳を握って、その盾を殴りつけた。

 

 

 

 超スピードかつ怪力のコダマの拳は、少女を守る触手の肉壁を貫通しながら、一気に少女に迫る。

 

 

 

(チャクラ食べられてる)

 

 

 

 触れただけでチャクラを食っていく食欲を持った触手によって、チャクラが吸われていくのを感じるコダマ。だがコダマは、暁で鬼鮫が称賛するほどのチャクラの塊。そうやすやすと空っぽになったりしない。

 

 

 

 触手の壁を突破して、少女に攻撃が届くかと思われたが、突然少女の中から額に霊と書かれた黒い仮面をつけた白い大蛇のような長い体を持った怪物が具現化。少女を大切に守るように立ち塞がり、何本もの触手を束ねた巨大な腕で、コダマの拳を受け止める。

 

 一本一本は人間の腕くらいの力だが、束ねればコダマの怪力を受け止める膂力になる触手。攻撃を受け止められ、さらに怪物に殴り飛ばされたコダマ。森の木々に激突し、気をなぎ倒しながら岩に背中を強打する。

 

 

 

「痛い、いたた、もう、もうもう!!」

 

 

 

 少女は、本心で戦いたくないと言っている上、今も負けたと思っていた。なのに、少女の意思とは別に黒い仮面の怪物と触手がコダマに攻撃を仕掛けてくる。そのちぐはぐさに痛い攻撃を貰ってしまった。悪意を持って攻撃してくるなら、コダマもやり返すのだが。

 

 

 

 少女は、無表情ながらもずっと心の中で叫び続けているのだ。

 

 

 

【ごめんなさい】【許して】【こんなことしたくない】【お願い、早く逃げて】と心から。 

 

 

 

「コダマ、ちょっと本気出す!」

 

 

 

 そう宣言したコダマは、印を結び始める。そして、周辺の木々を紙に変えていく。それらはコダマのチャクラによって操作され、巨大な折り紙の手裏剣へと形を変える。

 

 

 

「忍法・式紙の舞。紙手裏剣! 風遁・烈風掌!」

 

 

 

 高速で回転した紙の手裏剣は、少女と怪物に向かって飛んでいく。それらを触手がオートでガードしようとするが、回転し切れ味が高い手裏剣はそう簡単に止まらない。さらに追撃に風遁の術を放つことで回転力を上げるコダマ。

 

 コダマは、日頃遊んでいるが、忍術の修行はまじめにやっている。うちは一族の才もあるのか、通常の忍術なら印さえ覚えられれば、すぐに使えるようになった。そこで一番長く一緒に居る小南に教えてもらったのがこの術だった。

 

 

 

「……霊尾」 

 

 

 

 コダマが攻めに転じたことで、防御を固めていく少女と怪物。紙手裏剣を束ねた腕で殴ることで防いでいく。だがコダマが畳みかけるように黒い翼から羽手裏剣を発射。

 

 

 

「火遁・豪火球の術」

 

 

 

 イタチに教えてもらった火遁の術で羽手裏剣を燃やし、攻撃力を高める。コダマの炎を見た瞬間、少女が何かに怯えるように悲鳴を上げた。

 

 

 

「嫌、こない、で」

 

 

 

 少女の声と共に怪物が少女の前に出て、触手を操作し、コダマの羽手裏剣をつかみ取っていく。触手はほとんどがチャクラで構成されているのか、炎で燃える事はない。

 

 そして、炎は、チャクラを食う触手によって勢いを弱め鎮火。コダマの羽手裏剣だけが残る。無数の羽手裏剣を掴み防いだ怪物。だがコダマは、それを狙っていた。

 

 

 

「喝」

 

 

 

 印を結びそう唱えた瞬間、コダマの羽手裏剣に混ざっていたトビウオの形をした粘土が爆発。何本も一斉に爆発したことで、怪物の体が大きくえぐれた。

 

 これもデイダラに教えてもらった起爆粘土を用いた術だった。





 零尾(疾風伝絆)vsサトリ(ブラッドプリズン)の怪物同士の争いになりました。
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