NARUTO 先見の写輪眼   作:ドラギオン

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楼蘭

 光に包まれたシャナは、口寄せした衣を纏い仙人モードになっていたが、光の柱の流れに逆らえず翻弄されていた。

 

 

 

「なんだってばね、この光」 

 

 

 

 得意の時空間忍術すら使用できず、未来視すら使用できない空間で何時までも揺られる。だが時間の感覚がなくなる前に、シャナは大空に投げ出された。外は暗闇で夜空が広がっている。

 

 

 

「え、街?」

 

 

 

 自由落下しながら、シャナは自分の足元に広がる広大な都市を目にする。砂漠の真ん中に聳え立つ背の高い建造物が数多くあった。その規模は木ノ葉の里よりも大規模でないかと思えるほどの大都市であり、そんな場所が何処か想像もつかなかった。

 

 そして、そんな彼女に同意するかのように彼女の纏うマントに描かれた目ののような模様が動き、言葉を発した。

 

 

 

【吾輩が推察するに、ここはお前達が戦っていた遺跡の跡地ではないだろうか?】

 

「いや、ジョウゼツ。それはないってばね」

 

 

 

 あの遺跡がどうなったらこうなるというんだと言わんばかりなシャナの態度。シャナの口寄せしたマントの正体は、ジョウゼツだった。植物のようであり動物のようでもある赤ん坊の姿から一変し、シャナの身にまとうマントへ変形している。

 

 しかし、シャナの返答を聞いた後もずっとしゃべり続ける彼。彼は光の中でもみくちゃにされていたシャナから事の顛末を知らされていた。

 

 其処から推測する形で昔シャナから聞いたウラシキとの戦闘の話を持ち出し、今回のケースに当てはまるのではないかと述べた。

 

 

 

「タイムスリップでもしたって言うのかってばね?」

 

【龍脈とは大地に流れる無限のチャクラだ。遥かな時を超えてきたチャクラならあるいは可能かもしれないな。そもそも、星々の位置などから考えても、明らかに光に呑まれる前には見えない星座が数多くある】

 

「とりあえず、落下死は御免だってばね」

 

 

 

 このままではとんでもない勢いで地面に叩きつけられるとシャナが粒遁で翼を作り出し空を滑空しようとしたが、突然、楼蘭にそびえたつ一番高い塔から光が発生。未来視で先を見たシャナが声を上げる。

 

 

 

「ジョウゼツ!!」

 

【任せたまえ。完璧にやり遂げて見せよう】

 

 

 

 空中で制止したシャナを光線が直撃。爆発を上げ、シャナは落下していくのだった。そして、シャナが落下して砂漠へと墜落するのを見ていた人物が2人いた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 塔の頂上で心配そうに窓から顔を出している赤毛の少女。身に纏う衣から高貴な身分である事が推測された。

 

 

 

「大丈夫なのですか、ラーナ? 侵入者は、どうなったのです」 

 

 

 

 その彼女が袖を引いて尋ねているのは、同じく彼女と同じ赤い髪をした女性だった。その女性は手に持っている銃口から煙が出ている狩猟銃を煙のように消して微笑む。赤毛に紫のメッシュの入った髪を持つ女性は、メイド服を着ており、その右手が機械化されていた。おかしなことに、二人は同じ顔をしていた。年齢こそメイド服の女性が上だが、瓜二つで双子のようである。

 

 

 

「問題ありませんサーラ姫様。ウチがきちんと仕留めましたさかい」

 

「そうですか? あなたがそういうなら安心ですが、こう何度も侵入者が出ると物騒ですね」

 

「まぁ、ゆっくり寝てくれてええです。なにかあったら対処するわ」

 

「無理をしてはいけませんよ?」

 

「わかりました。姫様」 

 

 

 

 サーラと呼ばれた少女は、少しふくれつらになりながらベッドに案内される。そして幼子を寝かしつけるようにラーナと呼ばれた女性がサーラの頭を撫でる。そして少しすると寝息を立てるサーラ姫の寝室を後にし、廊下を歩く女性。

 

 暗い廊下なのにもかかわらず、彼女の両目は青い光を放っている。

 

 廊下を歩きながら、誰も居ない筈の空間で声を出す。

 

 

 

「アンロクザン。侵入者は、仕留められてない。お前が見つけたってぇな。そしたら、ウチが消すわ」

 

 

 

 ラーナの声に天井を這っていた雲のような傀儡人形が起動する。

 

 

 

『全く人使いの荒いメイドだな』

 

「お前の悪巧みを見逃したってるねん。それくらい協力せえやボケ」

 

『まぁいいだろう。木ノ葉の忍どももまだ潜伏している。一緒に探るとしよう』

 

 

 

 そういうなり傀儡は天井に消える。そして、女性は自分の部屋に戻ると鏡を見つめながら、己の青い写輪眼を観察する。そして、先程撃墜した侵入者について考えるが、頭に激痛が走り、蹲ってしまう。

 

 

 

「くぅ。なんやこの痛み、ウチはお前を知っとるんか? 同じ目を持ったお前を」

 

 

 

 言い知れない怒りが沸き上がるが、その怒りを発散することはない。自分の中にある何かを解き放てば、今の生活が台無しになると直感で悟っていたからだ。

 

 

 

「誰でもええわ。ウチの姫様は、ウチが守るだけや。それが母様の願いやからな」

 

 

 

 そう呟きながら、彼女は部屋の明かりを消した。

 

 

 

ーーーーーーーーーー――

 

 

 

 砂漠に墜落したシャナ達。完全な不意打ちを食らっていたがダメージは一切なかった。

 

 

 

「どうなってるってばね。あの塔から発射されたの粒遁だったってばね」 

 

【吾輩も驚いている。あの血継限界を君以外使うものがいようとはな。いや、コダマという人物も一応使えるんだったか? だが、この時代でも使用者がいるというのは考えていなかった。しかし、下手に須佐能乎でガードしなくて正解だったな】

 

 

 

 粒遁での狙撃。粒遁・天輪すら遥かに劣る規模の粒子量で発射されたそれ。仙人モードの探知があっても不意打ちではシャナでも回避できないそれは、シャナとジョウゼツの展開した術によって防ぐことに成功した。

 

 ジョウゼツが日頃から溜め込んでいたシャナの粒遁のチャクラを用い、全身を包み込むように高密度で展開された粒子のバリア。使用すれば激痛と言う形でダメージを負ってしまう須佐能乎よりも理論上防御力が高い粒遁・天壁の術。

 

 溜め込んでいたチャクラと、シャナとジョウゼツ二人掛かりの仙人モードで向上したチャクラコントロールによる粒子のバリアは、狙撃に使われた粒遁の光線を完璧に防いだ。

 

 

 

 新術であり、テストをしたことはなかったが無事に期待通りの防御力を発揮してくれた。それがなければ致命傷を負っていた可能性がある。

 

 

 

「とりあえず空はだめだってばね。あの塔から狙撃される」

 

【同意だ。あの狙撃では、また落とされるだけだな】

 

 

 

 攻撃を防ぐことはできるが、威力を殺せず吹っ飛ばされたのだ。それに有効射程では、シャナのどの術も超えている様子。此処が本当に過去の楼蘭かの調査も兼ねて、巨大な都市に足を運ぶと決めたシャナだった。

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