木ノ葉の下忍になったナルト。
アカデミーに集められた卒業生たちと一緒に、班を組むスリーマンセルが発表されていくのを聞いていた。
「第7班、春野サクラ、うずまきナルト、うちはサスケ」
遂に班を発表された。唯一女子であるサクラは、想い人であるサスケと組めたことに喜び、ナルトもサクラの事が気になっていたために、同じ班を喜んだ。
(サクラはともかく、ナルトか。まぁ悪くはない)
サスケも長年一緒に修行しているナルトの実力は買っていた。そして連携も阿吽の呼吸で行える人間と組めたことは僥倖と言える。
そして担当上忍がほかの人間を連れていく中、ナルトたちが取り残される。
「なんで俺たちの先生だけ来ないんだってばよ」
「もう、ナルトうるさい!(でもなんで来ないのよ!)」
「もう、我慢ならねぇ!」
ナルトは、教室の黒板消しを扉に挟んで準備していた。即席で見え見えの罠。、そんなものに掛かる忍者はいない。そう思い、呆れていたサスケ。
だが、教室に入ってきた人物は、見事に頭に黒板消しをくらった。
そして悪戯が成功したことを喜ぶナルト達を見て、呟いた。
「うーん、お前らの第一印象は……嫌いだ」
銀髪の片目を隠したマスクの男。はたけカカシとナルト達の邂逅だった。
――――――
屋上に集められた彼らは、はたけカカシという上忍に自己紹介をしていた。
「名前は、はたけカカシ。好き嫌いをお前達に話す気はない。それに将来の夢って言ってもなぁ」
そう言って、ナルトを指さした。
「俺さ俺さ、名前はうずまきナルト、好きなものは一楽のラーメン。嫌いなものは、姉ちゃんのしごき…。将来の夢は、火影を超す! んでもって里の奴らに俺の存在を認めさせてやるんだ」
(あの子が大きくなったな)
「はい、次」
ナルトの成長した姿を見て、少しの間だけ護衛についていたカカシは、そんな感想を抱いた。
「春野サクラです。好きなものは……というか好きな人は」
ちらっと横を見てサスケの顔を見る。
「んで、嫌いなものは?」
「それは、辛い料理です。将来の夢は……お嫁さんです。きゃーー」
最近の女の子らしく、忍術よりも恋といった感じで、カカシは少し呆れる。そして最後にサスケを呼び指す。
「うちはサスケ。好き嫌いは特にない。将来の夢というか、目的はある」
「目的?」
「ある男を必ず殺すこと、そしてそのあかつきには、一族を復興することだ」
サスケの目には殺意があった。目の前にいない誰かを見る目。カカシはサスケの過去を知っておりそれがだれかわかっていた。
その後、カカシから初めての任務について知らされたナルト達。
――――――
「ただいまだってばよ」
「おかえり。シャワーでも浴びてくるってばね。リビング汚したら殴るってばね」
サスケと修業したのち家に帰ったナルト。家の明かりがついており、元気よく声を出せば、台所で夕飯を作っていたシャナが出迎える。こんな普通のやり取りですら、ナルトにとっては嬉しい事だった。
泥だらけのナルトは、殴られる前に洗面所に駆け込み、慌ててシャワーを浴びてリビングに帰ってくる。
そうすれば、シャナがテーブルに鍋を用意していた。
「へへ、うまそ」
「謹慎中暇だから、今日は水の国の海鮮鍋作ったってばね」
カニやら魚やらが入った鍋。それを二人で食べる事になる。ナルトは、鍋を口にしながら、シャナに今日あったことを報告していた。
「ナルトは第七班だってばね?」
「そ、サクラちゃんとサスケと一緒だってばよ」
心底嬉しそうにしているナルト。仲のいい友達と気になる女の子と組めてうれしいのだろう。
シャナは、ナルトの頬についた食べかすを取ってあげ、ナルトに尋ねる。
「サクラちゃんって、ナルトが好きだって言ってた子?」
「そ、そう。めっちゃ可愛いんだってばよ」
「そっかぁ。嫌がることしちゃだめよ」
「わかってる」
「あんたとサスケがいるのに、怪我するようなことあったら、三日間は動けなくしてやるからね」
明らかにナルトとサスケのレベルは下忍を超えている。その二人と組まされた子は、おそらくショックを受けるだろう。二人について行こうと無理をするかもしれない。
だからそんなことにならないよう、ナルトにはその子の事を守れと伝える。
ナルトは当然だと言わんばかりに自分の胸を叩く。
「女の子には優しくだってばよ」
「そう。毛嫌いされたら、あんたのいいところも見てもらえないってばね。そんなのもったいないからね」
鍋を食べ終えた後、シャナが風呂に入るため、自分の部屋に帰る。その間ナルトが食器などを洗って時間を潰していた。
「ナルト、姉ちゃんの下着、こっちで洗濯しちゃったってばね」
風呂から出てきたシャナが、バスタオル姿で入ってくる。成熟した女性であるシャナのあられもない姿、それを見てナルトは激怒する。
「だ、から! そんな恰好で入ってくるなってばよ!!」
大慌てでシャナの服一式を放り投げたナルト。この人は、こういうところで本当に駄目だと、自分がしっかりしなければという責任感を感じさせる。
「ちゃんとタオル巻いてるのに」
「そういう問題じゃねぇってばよ!? (姉ちゃん、こんなんでお嫁に行けるのかな?)」
姉のズボラな面にあきれ返りながらも、着替えてきた姉とリビングのソファーでのんびりする。
「そういえば、明日朝飯いらないってばよ」
「なんで?」
「明日、カカシ先生にサバイバル演習するっていわれた」
サバイバル演習と聞いて、シャナは自分もやったなと思いだす。あの時初めてトルネや八雲と出会ったのだ。そして全員で協力してヤマトを殺そうとしていた。
「それに落ちたら、アカデミーに逆戻りだって言われたってばよ」
「そう、アカデミーの教科書もう一回出さないとね」
「なんで、落ちる前提なんだってばよ」
相手があのカカシと聞き、シャナはナルトに警戒心を高めるよう誘導する。試験の内容は言えないが、心構えを間違えてはいけない。
「言っとくけど、カカシは強いってばね」
「あの先生が~?」
「そう。殺す気で頑張りな。ていうか、殺さないと合格難しいってばね」
「え?」
驚愕するナルトの頭を撫でながら、シャナは明日は頑張れと伝える。
――――――――
その日の朝4時。ナルトを早めに起こしたシャナは、彼に歯磨きと顔を洗わせ、すっきりしたところでお弁当をナルトに渡した。一人分にしては明らかに多い。
「成長期だから朝飯抜くなら昼飯多めに食べな」
「にしても多いってばよ」
「サスケとサクラって子、それとカカシの分も入ってる。サスケのは、おかか多めだから間違えない事」
全員分の弁当を渡したシャナは、今日は何をするか考えながらあくびをしてナルトを見送った。
(頑張るってばねナルト)
そういえば、ナルトにアドバイスをしたが、サバイバル演習の時、ヤマトが何か怒っていた気がする。それはなんでだったか。シャナは思い出せなかった。
ナルトはカカシを殺すつもりで演習に挑む。別に殺さなくてもいいのに。