NARUTO 先見の写輪眼   作:ドラギオン

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中忍選抜試験

 病院を退院したシャナは、自己鍛錬を積みながら、ナルトとサスケから波の国の任務について聞いていた。

 どうやら依頼人の申告詐称で、Aランク任務相当の内容らしく、敵の忍との戦闘が何度も行われたそうだ。

 

 最初の刺客である中忍クラスは、ナルトとサスケで難なく対応できたが、霧隠れの鬼人・桃地再不斬が襲来。さすがにナルトとサスケも上忍クラスの殺意を持った攻撃には苦戦。

 頼りのカカシも、再不斬の罠にかかって行動不能。

 

 そこをサクラの立案で二人のコンビネーションプレイを行い、カカシを救助。

 カカシが再不斬を倒し、解決かと思われたが、再不斬は死んだふりをしていただけで、生存していた。再不斬が再来することを想定し、修行を行った。サクラは遅れていたチャクラコントロールを。ナルトとサスケは、基礎能力の向上と水上戦闘に慣れるため、水上歩行の修行を行った。

 

 そして、チャクラコントロールが抜群にうまかったサクラは、ナルト達が何日もかけた木登りを一日で終了。本気で二人に見直され、警戒もされた。

 

 そういう日々を過ごすうちに、再不斬が再来。今度は、氷遁という血継限界を使う少年を引き連れ、第七班に襲い掛かってきたらしい。

 

 その戦闘は熾烈を極め、敵の術中に嵌められたサクラを守るためにサスケは写輪眼を開眼。ナルトはサクラを庇ったサスケの姿を見て、赤いチャクラが体から湧き出し、今までにない戦闘力を発揮。見事に氷遁使いの少年を撃破。

 

 その後、カカシに追いやられた再不斬を庇って少年は死亡。再不斬もカカシによって無力化され、全てが終わったと思った時。

 再不斬の依頼主の裏切りが発生。残酷な忍者であった再不斬は、ナルト達と戦った少年の想いをナルトに語られ、涙を流しながら、少年の死を侮辱した依頼主を撃破。

 忍とはなんであるかと生き様と死に様で見せ付けられたらしい。

 

 人間として成長したであろうナルトとサスケ。

 そんな二人との修行は、任務終わりに語られたヤマトのある言葉によってしばらく延期となるのだった。

 

――――――

 

「中忍試験!? 木ノ葉でですか!?」

 

 非常に興奮するのは八雲だった。何年も待ちに待った木ノ葉での中忍試験。ようやくこの時が来たと大はしゃぎしている。

 

「そうだよ。今年こそは中忍を目指して頑張ってね。試験日は一週間後」

「ヤマト、なんでご機嫌だってばね?」

「隊長ね。ようやく君らに試験を受験させられるからだよ」 

 

 ヤマトは三人に推薦状を手渡す。実力は申し分ない三人。いよいよ上にどやされる日々も終わる。ヤマトは涙しながら三人の中忍試験合格を願った。

 

「いよいよだな」 

「うんうん! いよいよ!」

「八雲、落ち着かないと、当日に体調悪くなるってばね」

 

 シャナの指摘に、はしゃぎすぎている自覚のあった八雲は落ち着く。これで風邪を引いたら元も子もない。

 だがワクワクしてるのは、トルネやシャナも同じだった。

 

「どんな試験になるんだろう。体力勝負だったらいやだなぁ」

「どうだろうな。まぁ八雲も体力はついているし、問題ないだろう」

「私が予知しようか?」

 

 シャナが突然そんなことを言い始める。シャナは八雲とトルネに対して、自分の未来視の事を打ち明けたのだった。はじめは半信半疑だったが、シャナの勘の良さから、これまでの功績を考えると、未来視というものを認めた。

 便利なようで、意外と不便な能力でもある未来視。その内容を詳しくは言っていないが、自分には予知能力があると伝えたことは大きい。そして、決して秘密を洩らさないでほしいと。

 

「絶対やめて!? そんなカンニングみたいなのだめだよ」 

 

 一週間先と、難易度は高いがテストの内容を見るくらいなら、出来ると思ったシャナだが八雲が拒否。自分の実力で受かりたい彼女は、生真面目さからシャナの提案を拒む。

 

「絶対に先読みはやめてね。正々堂々試験を受けるんだよ」

「え、私もダメなの? 事前に対策とか」

「駄目!」

 

 ここまで強く言い切られては、シャナもズルをするわけにはいかない。二人の会話を聞いてたトルネは、腕を組みながら中忍試験について考える。

 

「戦闘とか非常時はいいけど、そういうのよくないよ。シャナだって映画のネタバレとか見るのも嫌でしょ?」

「確かに」

 

 納得してしまう。ネタバレは嫌だし、相手がそれを知っているのも気分が悪い。シャナは中忍試験に関して、未来視を使わないことを心に決める。 

 シャナに対する八雲の説得が終わり、3人で団子でも食べに行こうという話になった。

 シャナも夕飯御の買い出しに行きたかったので街に繰り出すのには賛成だった。

 

「あれって、ナルト君じゃない?」

 

 シャナ達が街道を歩いていると、曲がり角にナルトとサクラ、そして木ノ葉丸を含んだちびっ子たちが居た。木ノ葉丸たちは、ナルトに懐いている木ノ葉の子供達で、ナルトが暇な時によく相手をしてあげていた。

 それを知っているシャナは、彼らとも面識を持っていた。

 妙に怖がられているのが謎だが。

 

「何かもめているんじゃないか、他国の忍?」

 

 トルネは、ナルト達がもめていると判断した。トルネと八雲も、ナルト達とはシャナを通じて面識があった。

 ナルトが旋風玉を使用し、相手に警告をしている。そして警告されている相手は、木ノ葉丸の胸倉を掴み、小さな体を持ち上げている。苦しそうな表情の木ノ葉丸が見える。

 風貌から木ノ葉の忍ではなく、他国の忍だと分かる。中忍試験が開かれる以上、他国の忍が木ノ葉にいるのはおかしくない。

 しかし、他国の忍が木ノ葉の住人を襲っているようにしか見えず、他国の忍は見せ付けるように木ノ葉丸を殴ろうとしていた。

 

「まずいな。いくぞ」

「う、うん」

 

 トルネが止めるために駆け出すより早く、シャナが先行した。天翔を使い、青い光と共に駆け出し、いち早く現場に到着。男から素早く木ノ葉丸を奪い返し、シャナは男の体を蹴って、ナルト達の元に着地する。抱っこした木ノ葉丸を下ろし、砂隠れの額当てをした2人の男女を見据える。

 

「ぐっ、何だお前、痛てぇジャン」 

「なんだ今の動き」

 

 蹴られた男は,黒子のような衣装で顔に文様、背中に包帯に巻かれた何かを背負っている。もう一人は金髪を4つの束に纏めた大きな扇子を持った女性。女性の年齢はシャナと同年代くらいだろう。

 

 突然現れたシャナに警戒したのか、女性が扇子を構える。

 シャナは、怖かったのか泣いている木ノ葉丸を追いついた八雲に預ける。八雲は木ノ葉丸の怪我を確認しながら、子供達を背に庇う。トルネも同じようにナルトとサクラを守るように前に出る。

 

「姉ちゃん!」

「何があったってばね?」

 

 弟が揉めているため介入してしまったが、事情が一切わからない。するとサクラが説明し始めた。木ノ葉丸が男性にぶつかってしまい、それに怒った男が暴力を振るおうとしたと。

 

「子供がぶつかったことは私が謝るってばね。けど、暴力を振るうのは同盟国とはいえ、問題なんじゃないか? 中忍試験を受けに来たのに、主催国で揉め事なんてね?」

 

 砂と木ノ葉は同盟国。中忍試験を受けるため訪れているにしても、里の住人を痛めつける真似は敵対行為だ。事情も不慮の事故であるため、事を大ごとにすれば立場が悪いのは砂の彼らだ。

 ナルトやサクラは、中忍試験という単語は初耳だったらしく、首を傾げていた。

 

「なんだよ偉そうに。保護者の登場かよ。やっぱお前よえぇジャン」 

「んだとてめぇ! やんのかってばよ!」

 

 話がややこしくなるので、シャナはナルトに拳骨を叩き込んで黙らせる。殴られたナルトは、シャナを見るが、目で「黙ってろ」と命じられる。

 騒ぎを聞きつけてか、サスケもこの場に現れた。 

 

「どうしたお前ら」 

 

 第四班と第七班のメンバーが集合した。人数もそうだが、相手の力量を感じ取った砂の忍達は、それぞれの武器を構える。だが突然砂嵐が発生し、その中心に赤髪に酷い隈、額に愛と刻まれ、瓢箪を背負った少年が現れる。

 存在感を持って現れた少年。肌に感じる殺気から、力量は砂の忍達でも抜けている。

 

(なんだこの殺気は)

(子供達だけでも逃がそうか)

 

 トルネが秘かに戦闘準備を整え、背に庇った子供たちを逃がそうとする八雲。戦闘経験が一番豊富で修羅場をくぐってきた彼らだからこそ感じ取れる。

 この瓢箪の少年は危険だと。

 

 一方でナルトとサクラは、相手の力量を感じ取れていない様子。サスケのみが写輪眼を発動し、砂の忍を警戒している。

  

「他里で恥さらしな行動はするなカンクロウ。里の面汚しが」

「う、ご、ごめんな我愛羅。兄ちゃんつい」

「そうだよ。姉ちゃんも謝るからさ」

 

 どうやら力関係は、一番年下らしき瓢箪の少年が主導権を握っているらしい。砂の3兄弟なのだろう。だがそこには、兄弟の絆などない。相手を恐れ、力で支配するだけの関係。

 

「黙れ。殺すぞ」

 

 その一言で砂の姉兄を黙らせた我愛羅は、シャナ達を見据える。

 

「俺たちも此処で殺し合うのは望まない。ところで、木ノ葉のお姉さん、お前の名前は?」

 

 我愛羅が指さしたのは、シャナ。先程の動きを見ていた我愛羅は、この中で一番強いのがシャナだと感じ取っていた。他にも後ろの体格のいい男と子供を庇う女、木ノ葉の忍者はぬるいと聞いていたが、侮れない奴らが居ると感じ取っていた。

 そして次にうわさに聞く写輪眼を使っている少年と風遁を使っていた少年、先の3人には劣るが、決して悪くはないと感じていた。

 

 そして何よりも自分と同じ何かを感じ取れたシャナ。その目に強い憎しみと孤独を抱える同族だからこそわかるオーラ。それを放つシャナに興味がわいた。

 

「うずまきシャナ」

「あの閃光か。どおりで」

「閃光ってあの」

「やべぇ奴ジャン」

 

 砂隠れにもシャナの異名は広がっていたらしい。シャナの名前を聞いてその場から立ち去ろうとした我愛羅達。だがそれをサスケが止める。

「おい、お前の名は?」

 

 明らかに強い忍。自分より強いかもしれない相手にサスケも興味を持った。我愛羅は「そうだな。失礼した」そう言ってシャナ達に向き直る。

 

「砂瀑の我愛羅だ。お前はうちはだな。お前も中忍試験を受けるなら、それなりに楽しめそうだ」

 

 我愛羅はそういうと砂嵐を発生させ、その場から消える。

 残された第四班と第七班は、子供達を家に送った後、解散となった。

 

「トルネ」

「ん? どうしたんだサスケ」

「少し俺と組手に付き合ってくれ。自分の実力を再確認しておきたい」

 

 トルネはサスケの頼みを受けて、少し組手に付き合うと、広場に向かう。家の方向が同じだったサクラと八雲は一緒に帰宅。

 帰り道で、ナルトは自分が全然相手にされなかった事に不満気だった。

 

「俺ってば強くなってるのに…。俺も姉ちゃんみたいな二つ名ほしいってばよ! そしたらカッコよくきめれるってのに」 

「閃光の弟、なんてどうだってばね?」

 

 明らかに揶揄うシャナ。ナルトは憤慨する。そんなみっともないのは嫌だと怒る。

 

「火影になる男、うずまきナルト。っていうのはどうだってばね?」

「それイイ!」

 

 仲のいい姉弟は、家までお喋りしながら帰った。そして腹ペコで帰った矢先、冷蔵庫の中に何もないと知り、一楽のラーメンを食べに行ったのだった。

 

 その次の日だった。中忍試験に5年ぶりにルーキーが受験することとなったのは。その中には、ナルトの同期全員が含まれていたのだった。

 

 今、中忍試験が始まる。

 





我愛羅にターゲット認定されてしまった。
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