NARUTO 先見の写輪眼   作:ドラギオン

49 / 152
中忍選抜試験 4

 次の日。第二試験会場である第44演習場、通称死の森に集められた参加者たち。

 そこで行われる試験の内容は、5日間のサバイバルであり、天と地と書かれた巻物をそれぞれ班に一種類づつ配布。受験者は、試験終了までに持っていない方の書を手に入れ、演習場の中心にある塔まで辿り着くこと。

 なんでもありで、相手を殺してもいいため、同意書が要る事。

 

 失格の条件は、班員が死亡、または再起不能になる事。巻物を勝手に開く事。タイムオーバーの3つである。

 本当の殺し合いをするとなり、受験生たちは殺気立っていた。

 

「こういうのやりたかったってばね」

「何でもありか。怖いね」

「所で、本当にやるのかシャナ? 嘘だと言ってほしいんだが」

 

 試験内容について聞いたシャナの提案は、正直想像外だったトルネ。とんでもない作戦を考えていたからだ。いや前日のストレス発散も兼ねたものだろう。

 

「やるってばね」

「やりたくない」

「やるってばね!」

「いいや駄目だ。お前は試験を早く終わらせたいだけだ」

 

 シャナの提案を却下するトルネ。流石にあり得ないと断固拒否するスタンスだった。八雲は、珍しく意見が割れる二人のどちらの肩を持つか悩んでいた。

 そんなあほな会話をしている第四班。

 一方ナルトは、不気味な森を眺めており、試験官であるアンコから警告をされていた。

 

「ここが死の森と言われるゆえんは、すぐにわかるわ」

「へへーん、そんな脅し俺は怖くないってばよ!!」

「そう。君は元気がいいのね」

 

 元気よく強がったナルト。その言葉を聞いたアンコが笑顔になり、そして少しの敵意をナルトに向けた。そして、瞬時に袖からクナイを取り出し、ナルト目掛けて投擲。

 

「え」

 

 ナルトはそれを見て反射的に横に跳ぶことで回避する。しかし、瞬身の術でナルトの背後に回り込み、その頬にクナイを当てる。それはまごうことなき警告。

 

「はや」

「君みたいな子が一番早く死ぬのよ。私の大好きな血を垂れ流してね」

 

 つーっとナルトの頬から血が流れる。相手の動きに驚いていたナルト。実力を見せつけたアンコの背後に、回り込んだ人物が居た。

 自分の背後に殺気を持った人物が来たことでアンコも反応して、もう一本のクナイを構えようとするが、その腕を捻られ、首にクナイを当てられる。 

 

「へぇ、早いのね」

「クナイ返すってばね。代わりに、私の弟を放してもらえる?」

 

 ナルトに攻撃された事に激怒したシャナは、アンコが投げたクナイをキャッチして、そのまま背後に回り込んでいた。

 

「あらら、お姉さんの登場だったのね。ごめんなさいね」

「姉ちゃん」

 

 解放されたナルト。自分の為にシャナが怒っているのはわかったが、酷く悔しい気持ちになる。アンコは、シャナに解放されるなり、腕を回しながら「私も鈍ったわね」と反省していた。油断していたとはいえ、下忍に背後を取られたのだから。

 

「姉ちゃん、なんで助けたりなんか。俺との約束を忘れたのかってばよ!?」

「……」

 

 ナルトは試験前に言っていた。試験中はライバルとして自分を見てくれと。なのに、いつまでも自分の保護者である彼女。力の差はわかっている。だが負けるつもりはないのに、明らかに下に見られる劣等感だろうか。

 ナルトは姉に対して怒りを向けてしまった。

 

「試験官の攻撃は、試験に関係のない戦闘だから助けただけ。試験中なら無視したってばね。それに、私に助けられたくなかったら、お前が強くなればいいだけ。違うかナルト?」

 

 シャナは無表情のまま、ナルトの髪を掴んで語る。

 

「粋がるなら、この試験に合格して私の前に現れるくらいはしてほしいってばね」

「上等だ!」

 

 シャナの挑発。それに乗ったナルト。だが同時にシャナからの警告も理解していた。ここからは正真正銘、シャナも敵に回るということを。シャナだけでなくナルトより強い奴らも、命を狙ってくる。ここからは甘えがあっては生き残れないと。

 

 八雲とトルネの居る場所に戻ったシャナ。

 

「なんで、ナルトと喧嘩したのに嬉しそうなんだ?」

「うーん、あの子が私に凄まれても、まっすぐ睨み返してきたってばね」

 

 波の国の任務や、第一試験を突破したことで変化があったのだろうか。明確に心は強くなっているようだった。男の子の成長は早いと聞いた事があるが、それは本当なのだろう。

 ナルトの成長を喜ぶ半面、姉離れが迫っているような焦燥感。

 でもここは、ナルトの言葉を信じてあげたい。そう思った。

 

―――――

 

 同意書を提出し、巻物を貰ったシャナ。八雲が預かろうかという中、シャナがそれを掴んで、同意書提出のテントに在った垂れ幕から出ていく。

 

 ただでさえ注目されているシャナ達。彼らとは同じ書でないことを祈る受験生たち。 

 

「私たち地の書だから、よろしくだってばね」

 

 あえて自分たちの書を見せたことで、敵を作るシャナ。反則行為に近いが、他の受験生たちの表情から、天の書組が割れる。ある程度、組み分けを把握したシャナ。これで地の書の受験生組は、シャナ達を襲うメリットはなくなる。

 そして、シャナ達は相手をある程度絞れた。

 

(ナルト達は、天の書みたいだってばね)

 

 サスケやサクラの反応を見て、そう判断したシャナ。ナルトは、シャナを睨みながら拳を突き出していた。その目には、取れるものなら取ってみやがれと浮かんでいた。

 

 決められた配置に移動させられたシャナ達。他の受験生たちと同タイミングで死の森の入り口が開かれる。

 シャナ達のゲートは、44番だった。

 

「シャナ、さっきのあれ怒られちゃったね」

「反則ギリギリだからな」

「あのさ、やっぱり私の作戦でやるってばね」

 

 まだ言うのかとあきれるトルネ。もう言っても聞かないのだろうと、諦めモードに入っていた。トルネが諦め、八雲は「好きにしていいよ」と頷いている。

 

「じゃ、死の森を時計回りに、見つけた奴から全部狩っていくってばね」

 

 最悪のバーサーカーが全てのチームを狩りつくすと宣言した。シャナの作戦は、この第二試験でライバルを狩りつくし、その場で合格するというもの。

 ナルトと別居生活をしている期間が長く、もう手っ取り早く終わらせようと考えた愚行だった。

 恐ろしい考えの下、第四班は、死の森の狩人となった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。