試験開始から時間がたち、16時を過ぎた頃。また出会った受験者を強襲した第4班。受験者を攻撃し、
「これで、何組目だ?」
「何本燃やしたかわからないね。そろそろ、野営のポイントを決めない? 疲れてきちゃった」
「これからじゃないってばね? まぁそういうなら、そうするってばね」
八雲が疲れたと言い、川付近の場所で野宿の準備をする。シャナが雷遁で魚を麻痺させ、浮かび上がった魚を回収したトルネと八雲。
あえて忍ばず、敵をおびき寄せるために盛大に火も使う。
隠れるのは性に合わないし、隠遁術は、シャナと八雲が苦手とする領域。トルネも出来れば、隠れ潜み無駄な神経を擦り減らすのは勘弁だった。
感知タイプの八雲と未来視で危機を先読みできるシャナの二人が居る以上、不意打ちは難しい。
堂々と野営を行い、交代制で睡眠を取ろうという話になった。
まだ日が高いが、巻物は手に入れ、むしろ余分に狩り取っている現状、休息はいつでもいい。遅めの昼食を取り、全員で休憩をする三人。シャナは、少し眠ると言って、先に眠りについていた。
「楽しそうだね。シャナ、それにトルネ君も結構楽しいでしょ」
「そんな顔をしていたか? まぁ否定はしない。あえて言うなら、もう少し歯ごたえのある相手と戦いと思ったくらいだ。弱い者いじめみたいで、少し気が咎める」
「その割に、倒してる数一番多いのトルネ君だよ」
「俺がやらないと、重傷者が溢れかえるからな。八雲やシャナは、手加減が下手だからだよ」
そんなことはないという八雲だが、一番心に傷を与えるのは八雲だ。それは間違いのない事実だった。
実に暢気な雰囲気で過ごしていると苦笑しそうになった二人。だが突然、眠っていたシャナの瞳が開かれ、青い写輪眼のまま、飛び起きる。
汗だくになったシャナは、「ナルトが危ない」と言って駆け出した。
「説明してシャナ」
「未来視で、ナルトの身が危ない未来が見えた。それももうすぐ、だから、だから」
「理解したが、少し落ち着け。深呼吸をしろ」
追いかけてきたトルネと八雲に宥められるシャナ。感情のままに動いていては、ダメだと言われ、少しだけ息を整える。だが、突然、目の前に2組の草隠れの忍が立ち塞がる。
シャナの警戒していた髪の長い女はいないが、二人組は、シャナ達四班を見て、クナイを構えている。
「ここから先は通さない」
「通りたければ、われらを」
思惑は謎だが通せんぼする二人組。その二人に瞬身で近付いたシャナが胴体を一刀両断。計4つの肉片に切り分けた。
だが、胴体で切断されたはずの二人組は、煙を上げながら4人となる。
「ひゅー、はえーぜよ」
一人は、腕が6本もある男。その男は、口から糸を吐いて、木々の間に張り巡らせた。
「噂通りの実力者だな」
一人は、オレンジ髪の巨漢。シャナの動きを見て警戒の色を強くしている。
「けどよぉ、俺らの敵じゃないな」
一人は、何故か頭が二つもある青髪の男。シャナを値踏みするような目つきをしている。
「躊躇なく切ってきやがったな、このウシチチ女」
一人は、赤い髪に帽子をかぶった女。気が強く口が悪そうで、隣にいた巨漢に言葉使いを注意されていた。
なんとも個性あふれる集団が現れ、彼ら全員がシャナ達の道を阻もうとしていた。
「そこを通せ。お前らに用はないってばね」
「通すかウシチチ。お前らの足止めが私らの仕事なんだよ」
どうあっても邪魔をする気らしい。2人が四人に分裂したのも謎だ。中忍試験を不正に受験している線も考えたが、シャナ達を故意に邪魔し、ナルトに危機が迫っている状況下では、敵と認識する他ない。
シャナは、先見の写輪眼を発動。4人全員に挑みかかる未来を見通し、彼らの未来の行動を知ることで、正体不明な相手の能力を知る。
そしてある程度の情報収集をその場で済ませたシャナは、トルネに対してチャクラ刀のダガーを投げ渡した。突然投げられたダガーをつかみ取ったトルネはシャナの顔を見る。
「八雲とトルネにはお願いがあるってばね」
「こいつらの相手か?」
「そう」
「いいよ。私たちが此奴らの相手をするから、先に行って」
トルネは頷き、八雲は承諾する。二人が相手してくれるなら安心だと思ったシャナ。
「トルネは、あの首二つの男と蜘蛛男の相手を。首二つは毒を使えば無力化できる。あの糸はチャクラ刀で切って。八雲は残った二人。笛と土遁には気を付けて」
「「「「!?」」」」
シャナの指示に従いそれぞれが敵をマークする八雲とトルネ。だが突然自分たちの戦闘スタイルを知っているような発言には、驚愕の表情を浮かべる。だが、走り出したシャナを行かせまいと、蜘蛛男が口から糸のネットを発射する。
だがその攻撃を高速で動いたトルネが、シャナから預かったダガーにチャクラを流したチャクラ刀で切り裂く。
(俺の糸を初見で?)
自分の糸を切断されたうえに、恐ろしく速いトルネが立ち塞がり、シャナを食い止める事が出来なかった。
「さて、始めるとしよう。お前たちが何者かは知らない、だがな」
「シャナの敵は、私たちの敵なんだよ。ここであなたたちは潰す」
両手にダガーのトルネと指輪に手を添える八雲。二人は、4人の敵と対峙することとなった。殺気を感じた四人は、それぞれが二人に向かって襲い掛かり、二人はそれを迎え撃ったのだった。
音の四人衆。キャラが濃い。