NARUTO 先見の写輪眼   作:ドラギオン

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中忍選抜試験 本戦4

 試合開始と同時に、シャナとサスケは互いに虎の印を結び同じ術を発動する。

 

「「火遁・豪火球の術!」」

 

 両者ともに口から火球を吐き出し、会場の中心で衝突させる。その火力に会場が熱気に包まれるが、牽制でしかない術。

 

 二人は同時に、手裏剣とクナイを投げて攻撃を仕掛ける。うちはに伝わる手裏剣術を用いた争いであり、手裏剣を弾いての反射や、ワイヤーでの操作術など、縦横無尽な手裏剣術で会場を魅了していく。

 

 だが、両者ともに手裏剣では決着がつかないと思ったのか新たに印を結び始める。

 

「粒遁・天輪」

「雷遁・蒼鷹(おおたか)

 

 

 シャナは最初から決めるつもりで粒子砲を頭上に生成。その狙いをサスケに定め次第発射する用意をしている。一方、掌から雷遁のチャクラを迸らせるサスケ。そのチャクラはサスケの腕に止まる青い鷹のような姿を取り、サスケの「行け」という指示に従い、猛スピードでシャナに向かって飛翔する。

 雷の速度で飛んでくる雷の鷹を迎撃しようと、シャナが天輪を発射するが、シャナの攻撃を見切ったとばかりに回避し、接近してくる鷹。

 

「そういうことか」

 

 迫りくる鷹を跳んで回避したシャナ。まっすぐ進んでいたサスケの術だが、よく見れば雷遁のチャクラがサスケの腕から伸びており、それを操作することで遠隔を可能としている。遠隔操作された雷遁の鷹は、次から次にシャナを追い詰めようと飛び交ってくる。

 

「粒遁・天翔」

 

 体捌きで攻撃を避けながら、サスケとの距離を詰めるべく、粒子となって加速する。その速度は雷遁の鷹を置きざりにし、サスケとの距離を詰め、同時に展開したチャクラ刀を振り下ろそうとした。シャナの纏っていた粒子が散り、彼女の姿があらわになった時。

 

(見えてるのが、お前だけだと思うな)

 

 写輪眼を持つサスケは、シャナの動きを完璧に洞察していた。

 サスケの渾身のカウンターが、シャナを捉え、彼女の体を宙に蹴り上げた。シャナの動きを完全に見切ったサスケの一撃を食らったシャナは、空中で体勢を立て直し、軽やかに地面に降り立つ。

 

 そして、彼女の目の前に、サスケの一撃で外れてしまった額にあったゴーグルが落ちる。そして、オレンジのレンズ部分が砕ける。

 サスケの一撃は、惜しくもシャナの額当て代わりのゴーグルのみを蹴り上げていた。だが、間違いなくシャナは、サスケの一撃を貰ってしまった。

 

 自分の足元に落ち、割れてしまったお気に入りのゴーグル。オビトの真似をしてつけていたそれが割られてしまった。だが不思議と、シャナの顔に浮かぶのは笑みだった。悲しい気持ちもあり、強者である自分が一撃を貰ったことが、屈辱でもあった。

 だが何よりも、胸に満ちるのは期待と、喜びだろう。

 

「何を呆けてる。俺の力は、ここからだ」

 

 ゴーグルを眺めていたシャナを不審に思うも、サスケは、重りを外した際のロック・リーに匹敵する速度で走り出した。その驚異的な速度で、相手を翻弄する。さらに雷遁の鷹も繰り出しており、シャナの逃げ道を無くす。

 

 ここで決めると超高速体術と雷遁のコンビネーション攻撃を仕掛けたサスケ。どういう訳かシャナは動かない。サスケの写輪眼は、シャナが動いていないのは幻術でないのも見えており、既に回避も間に合わないことを察した。

 遂に届いた。その思いから全速力でシャナに接近する。

 

「うちはサスケ。次の段階を見せてやるってばね」

 

 シャナがそう口にした瞬間、サスケの目の前にいたシャナが忽然として消え、サスケは首筋に猛烈な衝撃を受け、地面に倒れる。

 

 サスケはシャナが消えたとしか認識できていない。だが、サスケの背後に突然現れたシャナを狙い、雷遁の鷹が迫りくる。その一撃さえ当たればいいと思った矢先。

 

 シャナの手元が見えなくなり、雷遁の鷹がかき消された。サスケの写輪眼でも追えない腕の動きであり、僅かにシャナのチャクラが活発になった痕跡だけが見えた。

 だがシャナの傍で倒れている状況がまずいと察した彼は、すぐにその場を離れようとしたがシャナの蹴りを受けて、サスケの体は会場の壁に叩きつけられる。

 

 叩きつけられながらも、シャナから一切目を離さないサスケ。だが、サスケの写輪眼では、視認できない速度でシャナは印を結んでいた。

 

 雷遁の弾丸と、風遁の刃がサスケを襲う。サスケは壁を登ることでその攻撃を回避する。

 

「印が見えない」

 

 しかし、写輪眼の力をもってしても見えない領域を見せつけられ、シャナの忍術のレベルの高さが解らなくなる。シャナは体術と幻術も使えるが、一番得意なのは何をおいても忍術である。

 

「こんなので心折れてくれるなってばね」

 

 興が乗ったシャナ。弟子であるサスケの予想外の成長を前に、抑えていた実力を披露してもいいと判断した。そして、次から次に、会場の壁を駆け抜けるサスケを狙い、風遁、火遁、雷遁の術が発射されていく。チャクラ消費の少ない簡単な術だが、明らかに出が早すぎるため、ガトリングの機銃掃射に追い掛け回されるサスケ。

 今まで見てきたシャナの戦い方に、こんな無茶苦茶なものはない。明らかに隠していたのだろう。

 

 一方的なシャナの攻撃に、会場中は言葉を失い、静まり返っていた。1分ほど、逃げ回っていたサスケだったが、ついにスタミナが切れ、攻撃をくらってしまう。一発食らっただけで、次から次に発射される忍術の弾丸を受け続け、爆炎に包まれるサスケ。

 サスケの姿が見えなくなり、術の発動を止めたシャナ。

 

「サスケェエ!!」

「サスケ君!!」

 

 観戦席でナルトとサクラがサスケの名を呼ぶ。誰もがサスケが死んだと思っていた。

 

「声がでかいんだよ。ウスラトンカチ!」

 

 しかし、サスケは死んではいなかった。術を食らう瞬間、自分のチャクラを最大限左腕に込め、はたけカカシのオリジナル忍術である千鳥を発動し、そのエネルギーでシャナの牽制の忍術を防いでいた。

 そして、千鳥の稲妻を迸らせ、爆煙を払ったサスケは、シャナへの最短距離を、足の裏のチャクラの反発も利用した過去最高速度で接近する。

 

 雷の性質変化を凝縮し、高速で相手に叩きこむ一点特化の突き。単純が故に、高威力のその術は、サスケがこの一月の間に学んだ必殺技だった。壁や床を削りながらシャナに一撃を見舞おうと加速する。

 

 対するシャナは、右手に小型の粒遁・螺旋輪虞を発動。サスケの千鳥を正面から迎え撃つ用意をしていた。二人の距離が2mほどに迫った時、両者は自分の術を相手に振るった。

 

「千鳥!!」

「螺旋輪虞」

 

千鳥と螺旋輪虞が激突。互いに相手を破壊しようとするエネルギー同士のぶつかり合い。数秒間拮抗していたが、シャナとサスケの体が同時に吹き飛ばされる。最大威力の千鳥はシャナの螺旋輪虞と完全に相打ちの形で消え去り、衝撃波で吹き飛ばされ地面に横たわるサスケ。

 対して、吹き飛ばされながらも体勢を立て直し、倒れているサスケを見下ろすシャナ。勝敗は決したと言えるが、シャナも無傷ではない。

 

「カカシの術か。正直、威力を測り違えたってばね」  

 

 シャナは螺旋輪虞の威力をもってしても防げなかった千鳥によって、右手が僅かに裂かれ、出血していた。ポタポタと流れる血。サスケの成長度合いが面白く、冷静さを欠いた結果が傷を負うことなら、甘んじて受けるしかないと、痛む右手を眺める。

 必死に立ち上がろうと足搔くサスケだが、術の使い過ぎによるスタミナの枯渇が、彼を立ち上がらせる事が出来ない。

 

「勝者、うずまきシャナ」

 

 意地だけで立ち上がろうとしたサスケ。だが、地面に突っ伏してしまう。その姿を見た審判が、シャナの勝利を宣言した。

 

 うちは同士の戦いは、シャナの勝利に終わったのだった。

 

 

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