NARUTO 先見の写輪眼   作:ドラギオン

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ゲコ仙人。登場。シャナのルーツ

―――

 

 

 シャナの介護もあってクシナは、体調を崩すこともなくお腹が大きくなるまでになった。

 

 そして今日は、波風家にお客さんが来ていた。

 

 

 

「いらっしゃい、ゲコ仙人」

 

「ゲコ仙人じゃのうて蝦蟇仙人だのう。わざと間違っとらんかお前」

 

 

 

 シャナに玄関で出迎えられたのは、白髪で大柄の男性。ミナトの師匠であり、木ノ葉の三忍と呼ばれた自来也その人だった。はじめは大きい体と風貌で苦手だったのだが、自来也が子供の世話を得意としていたこともあり、何度か会ううちに仲良くなることができた。

 

 口寄せで呼び出した小さなカエルを見せ、カエルをかわいいと思ったシャナ。カエルを大層気に入ったシャナは、彼に何度も口寄せをねだったのだ。

ノリの良い彼も孫娘のようにシャナを可愛がり、今に至る。

 

 

 

「ゲコ仙人のほうが可愛いってばね」

 

「可愛さは求めとらん。ほれ、土産だ」

 

「ありがとうだってばね。……おかし?」

 

「土の国の洋菓子だ。前に食べたいと言うとっただろう?」

 

 

 

 自来也から風呂敷を受け取ったシャナ。リビングまで自来也を案内する。クシナとミナトもリビングに待機していて、彼を出迎える。

 

 

 

「自来也先生!」

「自来也先生、いらっしゃい」

「おぉクシナにミナト。いや、四代目火影に火影夫人と呼ぶべきかのう」

 

 

 

 ミナトは苦笑して「いつも通りでお願いします」と言い、クシナは照れていた。シャナは、自来也にもらった風呂敷を開けて中身を見ようとしていた。

 

 

「なにこれ?」

 

 

 風呂敷の中から出てきたのは、水着の女性が表紙の本の束だった。それを見たシャナは首を傾げ、ミナトと自来也の二人は、急な殺気に振りかえる。

 

 

 

 二人の視線の先では、拳を握り締めたクシナが般若のような表情で自来也を見ていた。

 

 

 

「ジ、ラ、イ、ヤ、先生」

「いや、これは、その、わしの、仕事の資料とお土産を」 

 

「ク、クシナ、落ち着いて、おち」

 

「子供に何見せてるんだってばね!!!」

 

「あぎゃーーーー!」

 

「先生ーー!!」

 

 

 

 怒りに満ちた母親の拳が、自来也を捉えた。その一撃は、彼に綱手を思い出させたという。そしてシャナは人が拳一つできりもみ回転する様を始めて見た。自分も出来ないかとシャドーボクシングしていた。

 

 見事な一撃で気絶した自来也が目覚め、今度こそお土産を渡し、許してもらう。

 

 右頬を大きく腫らした自来也と波風夫婦は、お腹の子供の話をしていた。

 

 

 

 お腹の子供の性別も判明し、弟が生まれることが決まっていた。その子の名前を師匠である自来也の小説の主人公「ナルト」を貰いたいと伝える。師の小説「ド根性忍伝」を気に入ったミナトとクシナにどうしてもとお願いされた。

 

 

 自来也は、ラーメンを食べながらつけた名前を、大切な息子につけていいのかと問うが、ミナトの意志は固かった。その日泊まっていった自来也は、シャナにせがまれて他里の話をしていた。

 

 

 シャナは自来也の話を聞いているうちに眠ってしまう。

 

「それでの、……ふ、眠ったか。寝る子は育つもんだからのう」

 

 

 自来也は、幼子をベッドまで運んで寝かす。そして、居間へ戻った時、同じくクシナを寝室で寝かせていたミナトが鉢合わせする。

 

 二人は、それぞれ御猪口と日本酒、つまみに焼き鳥を出すと、二人の女人を起こさぬよう、明かりは最小限で静かに晩酌する。

 

 御猪口で乾杯した二人は、互いに飲み終えると一息ついて話し始めた。

 

 

「シャナの相手をしてくれて、助かりました。クシナも最近眠気が凄いらしくて」

 

「腹に子供を抱えておるからな。それに……九尾も」

 

「はい。三代目から、クシナの妊娠と出産は、極秘に行うと伝えられました。オレも同じ意見でしたので」

 

「細心の注意を払うべきだからな。それにお前の家庭の問題は、多いからな」

 

 

 

 自来也は、ミナトの家にあった世界地図のある部分を串を投げて指し記す。その場所は木ノ葉から離れた国だった。

 

 

 

「鬼の国ですか。シャナの故郷……」

「シャナの顔を見た時、心当たりがあった。ほれ」

 

 

 自来也が懐から写真を数枚取り出す。そこには、シャナによく似た大人の女性とシャナと双子のような女の子が写っていた。髪型こそ違うが、瓜二つの鏡写しのようだった。

 

 

 

「この二人は……」

 

「鬼の国の巫女とその娘だ。シャナは、うちはと鬼の巫女の血を引いておる」

 

「鬼の巫女……あの魍魎とかいう」

「そう。それに、鬼の国の人間に聞いたところ、鬼の国の巫女には、魍魎を封印する力と……未来を見る力があるそうだ。眉唾だと思っていたんだが」

 

 

 シャナの血縁関係を自来也は独自に探ってくれていた。結果、シャナの出生に大きく近づいた。そして、シャナの特異な未来視のルーツも追えた。 

 

「儂の勘だが、あの子は、恐ろしいまでに強くなるぞ(ワシやお前よりも)」

 

「才能に溢れていますから、自慢の子です」 

 

 ミナトはそういうが、自来也は別の可能性を思い浮かべていた。

 

 未来視に写輪眼、考えただけでも最強の組み合わせといえる。そして忍の神に愛されたような才覚。出来過ぎて居るのだ。まるで兵器を作っているような完成度と言える。

 

 何者かが意図的に生み出したような。だが、あくまで勘でしかない。

 

「それと、シャナの奴。クシナの中の九尾に気が付いているぞ」

「え?」

「クシナのチャクラを整えているのを見た」

 

 

 シャナがこっそり行っている母親へのサポートを自来也は見逃さなかった。

 

 

「クシナが言ってました。シャナが傍にいると心なしか楽になると……でもまだ3歳なんですよ。そんな医療忍術みたいな真似」

 

「文字通り見様見真似じゃな。末恐ろしい子だ」

 

 

 自来也が自分とミナトの御猪口に酒を注ぎ、再び口にする。

 

 

「どうも」

「まぁ今は無事に生まれることを考えねばな。子供が二人になるんだ。生半可な任務より過酷だろうからな」

「覚悟の上です」 

 

 二人は夜遅くまで酒を飲み交わした。そして、自来也が任務に出る事になると、シャナが我儘を言って引き止めたりもした。だが里からの緊急任務を放棄する訳にもいかず、渋々別れることになってしまった。

 

 里の門まで一人で見送りに来たシャナに自来也は問うた。

 

「シャナ」

 

「なーに、ゲコ仙人」

「お前さんは、両親が好きか?」

 

 自来也の問いに、シャナは満面の笑みで答えた。 

 

「お父さんもお母さんも大好きだってばね!」

 

 

 その返答を聞いた自来也も笑い、シャナの頭を強くなでる。

 

「……そうか。いい子に育ったのぉ。シャナ、ミナトとクシナ、それに生まれてくるナルトを頼んだぞ」

「うん!」

 

 

 

 そう言って、自来也は長期の任務に向かったのだった。





今回は、劇場版NARUTO疾風伝の設定が出てきました。シャナの容姿は、紫苑にゴーグルをさせた感じですね。
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