NARUTO 先見の写輪眼   作:ドラギオン

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大激突 4

 ラビリンス含む4人と対峙することになったシャナ達。

 シャナ以外の三人も、青い写輪眼を持つラビリンスの姿に驚いていた。それは相手側も同じく、シャナの目を見て驚いている様子だった。

 

「ラビリンス」

「昨日の子ね。皆、気を付けた方がいいわよ。この子私と同じくらい強いから」

 

 ラビリンスが仲間に忠告する。ラビリンスの実力は、相手側でも飛びぬけているのか、全員が臨戦態勢に入る。

 白銀の鎧を着た少年は、ラビリンスの傍で剣を抜いて話しかけていた。

 

「貴方が警戒しろという程の相手なのですか?」

「そうよテムジン。この子は私がやるけど、他の相手も強敵に違いないわ。なんせ、4人で私たちを止めに来てるんだもの」

 

 テムジンと呼ばれた少年は、剣に緑の雷の性質変化に似たエネルギーを纏わせる。そのエネルギーは先程牽制に放たれた攻撃だと分かる。

 シャナ達が警戒していると、ラビリンスが独特の印を結ぶ。それは攻撃の開始の合図であり、彼女の地中に作り出した結界柱が地面からシャナを奇襲した。写輪眼によって結界のチャクラを視認できるシャナは、透明の見えない柱を回避。

 

 雷遁を纏わせた手裏剣を仕返しに投擲する。

 だが涼しい顔でラビリンスは、自身を守る4重にも重なった結界で攻撃を受け止める。

 

「砂漠柩……厄介な結界だな」

 

 シャナの攻撃をみえない結界で防いだラビリンスを見て、我愛羅が砂を操って攻撃を仕掛ける。相手を飲み込もうとする砂だったが、目に見えない結界に阻まれ、対象を拘束する事が出来ない。

 

「本当に見えないんだな。シャナしか、ラビリンスの相手は出来なそうだ」

 

 トルネは、冷静に相手の能力を観察してそう評価した。先程の攻撃も防御も全く見えない結界を用いたものだと言うことはわかるが、見えない上に奇襲性に富み、防御力も鉄壁という厄介な相手だ。なれば見えるシャナが相手するのが正しいだろう。

 少なくともトルネにとって相性の悪い相手と言わざるを得ないのだ。

 

 シャナとラビリンスの戦闘が始まるなり鎧姿の少年が剣を構えながら、シャナに襲い掛かる。みすみす不意打ちを許すほどトルネも甘くはない。テムジンに走って追いついた彼は、テムジンの剣の腹を殴り、軌道を逸らさせる。

 体勢を崩したテムジンの顔面に拳を振るうが、緑のオーラに包まれたテムジンの速度が急加速する。拳を空ぶったトルネの背後に回り込み、剣を振るう。

 

「なに!?」

「速いな」

 

 胴体を捉えるはずだったテムジンの剣は、トルネの左肘と膝に挟まれ、受け止められる。

 一瞬だが、テムジンの胸のあたりが光ったと思えば、緑のチャクラに包まれ、運動能力が格段に向上している。

 

 テムジンの攻撃を防いだトルネは、開いた右腕を振るおうとするが、テムジンの剣から放たれた雷のチャクラに吹き飛ばされる。

 吹っ飛ばされはしたが体勢を立て直し、テムジンを観察する。そして、雷のチャクラを受けて焼け爛れた自分の掌を確認する。痛みはあるが、戦闘には支障はない。

 

 だが、テムジンの纏うチャクラは厄介で素手での攻撃は、自分がダメージを負うだけだろうと判断。トルネは、風遁の印を結ぶ。

 

「風遁・竜巻装」

 

 両腕と両足に竜巻のような風遁の術を纏うトルネ。トルネの様子をうかがっていたテムジンは、剣に纏ったエネルギーを放つ。

 

魔導昇雷撃(ライジングサンダー)

 

 迫りくるエネルギーをトルネは、竜巻を纏った両腕を突き出し、攻撃を弾いていく。竜巻は小さいながらも強力で、テムジンの放った一撃を正面から削り取ってしまった。竜巻を手足に纏い、打撃攻撃の貫通力と防御力、殺傷能力を向上する術がトルネの使用した術だった。雷の性質変化には、風の性質変化が有利だが、正体不明の騎士が使う技にもその法則は当てはまるらしい。

 相手の攻撃を完封したトルネは、自分の判断が間違ってないと知り、攻勢に打って出る。

 

 風を纏ったトルネがテムジンとの白兵戦に移行する。シャナとラビリンス、テムジンとトルネが戦闘をはじめ、残った鎧姿の美女二人は、それぞれ我愛羅と八雲に襲い掛かる。

 一人は蝙蝠のような姿に変化し空を飛んで上空から八雲たちを狙う。

 

「わ」

「油断するな」

 

 我愛羅の砂が空から強襲する敵の攻撃を防ぐ。砂に阻まれ、更に砂に捕まりそうになった蝙蝠のような姿になった女は、高度を上げる。空を飛んで逃げる女を我愛羅の操作する砂が追いかけるが、もう一人の女が腕に電撃を纏いながら突っ込んできた。

 我愛羅の砂の盾が自動で女の攻撃を防ごうとしたが、女の攻撃は砂の盾を貫通し、我愛羅の体を捉えて吹き飛ばす。

 

「他愛もない」

 

 我愛羅の体を殴り飛ばした女は、自分の勝利を確信したが、視界が突然歪みはじめ、自分が殴った我愛羅の体が消える。

 

「馬鹿ランケ、何処殴ってるんだい!」  

 

 空で一部始終を見ていた蝙蝠女が電撃を纏った拳を虚空に振るった仲間を見て激昂する。仲間の声で自分がまやかしを殴ったと知る女は、周囲を確認しようとしたが時すでに遅し。大量の砂が四方八方から襲い掛かり、彼女の体を包み込んでしまう。

 砂の圧力によって身動き一つできなくなったランケと呼ばれた女を見て、我愛羅は自分の隣にいる八雲を見る。

 

(幻術か。今の一瞬で……相変わらず恐ろしい精度だな)

 

 蝙蝠女の攻撃を我愛羅が防ぐと同時に、八雲は残ったランケと呼ばれた女に幻術を掛けた。その内容は、我愛羅達の位置を誤認させるというもの。相手はそれにまんまと引っ掛かり、我愛羅の砂に捕まる決定的な隙を晒したのだ。

 上空にいる蝙蝠女も捕まえようと、周囲の砂を操り上空へと攻撃する我愛羅。だが、捕まえたはずの雷女の様子がおかしかった。

 

「我愛羅君、あの人、すごいチャクラを放出してる」 

「わかっている。あんたは、下がっていてくれ」

 

 砂で拘束された女が、膨大な電力の放出とともに脱出してしまう。砂の中から出てきた女は、酷く醜いゴリラのような怪物に変化していた。強靭な肉体と雷のエネルギーでバリアーを作っている怪物に我愛羅が砂を向けるが、雷のバリアーに阻まれる。 

 我愛羅は八雲を庇う様に前に出て、両手で砂を操作して怪物に変化したランケを捉えようとするが、彼女の放つ雷に砂を霧散されてしまう。

 

「まだ終わっちゃいないよ」

「肉体を変化させてパワーを増幅する体質か」

私の荷電障壁殻(プラズマボール)には、もうお前の砂なんて通用しないよ」

 

 女はそういうと巨大な体に見合わない速度で駆け出す。我愛羅は何重にも砂による防壁を構成するが、それらがまるで意味をなしていないかのように貫かれる。再び我愛羅を巨大な拳で殴り殺そうとしている。我愛羅は八雲と自分を乗せた砂を動かし、距離を取ろうとする。

 だが、上空から蝙蝠女が雷の弾丸を口から発射、地上では爆走する巨人の拳が迫る。どうにか距離を取ろうとしているが、敵の方が我愛羅の砂より速い。

 

 八雲も蝙蝠女と巨人の二人に幻術を発動するが、どうやら特殊なチャクラが全身に流れ続けており、幻術返しと同じくチャクラが乱れ続けているので、効果が薄い。 

 

 我愛羅は背中にいる八雲だけでも離そうと砂を動かそうとするが、八雲が印を結んでいる。それは幻術の印ではなく、雷遁と風遁の複合の印。

 

「厄介な雷は私が何とかするから、仕留めなさい我愛羅君!」

 

 唐突に命令された我愛羅だったが、八雲は勝利を確信している。故に従うことに決めた。印を結び終えた八雲は、両手を伸ばしながら術を発動する。

 

「嵐遁・嵐鬼龍!!」

 

 かつて卑留呼が使った血継限界の術。幻術の効かない相手に対抗するために、八雲が習得した卑留呼の宿した4つの血継限界の一つ。不幸中の幸いともいえる卑留呼の術の継承。その猛威は、巨大な積乱雲となって空を飛ぶ蝙蝠女と地上を走る巨人女両方に襲い掛かった。

 

「なんだいこれは」

「ち、ちからが」

 

 黒い雷雲は、雷を纏う巨人から雷のエネルギーを奪い取り、空を飛ぶ蝙蝠女も突如発生した嵐の暴風に煽られることで空を飛べなくなる。

 一方、嵐を発生させる規模で術を発動した八雲は、全身から冷や汗が出るほど消耗しきっていた。だが、倒れる程ではなく体はまだ動く。それに、今の八雲には偶然とはいえ、心強い協力者がいる。

 

「砂瀑大葬」

「いやーー!!」

 

 積乱雲に電気エネルギーを吸収されたランケには、もう砂を防ぐ術はない。我愛羅は、流砂瀑流によって足元に積もった莫大な砂を利用。その砂でランケを包み込み、一気に圧力をかけて押しつぶした。断末魔を上げながら一瞬で潰された中を見た蝙蝠女は、どうにか空中で体勢を立て直そうとするも、時すでに遅かった。

 

「絶対に逃がさない」

 

 我愛羅の操る砂で上空まで移動していた八雲は、手の触れそうな距離で必殺の五感を騙す幻術、天花乱墜の術を発動。幻術返しをしていようとも、八雲の天花乱墜の術を至近距離で食らえば、抜け出すことはできない。

 

「なんだ、これ、いや、いや、あがああああ」

 

 八雲の幻術にはまった蝙蝠女は、全身のありとあらゆる箇所がねじ切れる幻覚を見せられる。その幻覚に騙された脳は、実際に肉体を捻じ曲げる程に稼働させ、関節を自分の筋力によって粉砕。無理やり壊されたリミッターのせいで全身の筋肉が蝙蝠女を殺す武器となってしまう。

 そして、その痛みで悶えながら、自分の首を自分の首の力だけでへし折った蝙蝠女は、地面へと落下していった。

 

 その惨たらしい最期を見て、我愛羅も少し同情していた。

 

「ふふ、無様なものね」

 

 地面に落下し潰れた女を見下ろしていた八雲は、不敵に笑っていた。酷く滑稽だと足で何度も踏みつけ、踏み躙っていた。その様子を見ていた我愛羅は、八雲の手を取って止める。

 

「そこまでにしておけ」

 

 我愛羅が制止すると、八雲はきょとんとした表情で呆然としていた。

 

「あ、ごめん。ちょっと意識が飛んでたみたい」

 

 チャクラの使い過ぎが原因だという八雲だが、意識が混濁している様子はなかった。あまり八雲の事を知らない我愛羅でも様子がおかしいのはわかった。

 

「シャナ達を探しに行かなきゃ」

 

 仲間を心配し、救援に向かおうとする彼女の後姿を見て、我愛羅は少し身震いしている自分に気が付いた。僅かにだが、我愛羅が八雲の腕を掴んだ時、彼女の顔が変化しているように見えた。

 

(まるで般若のような怪物だった……、あれはなんだ)

 

 我愛羅には八雲の顔が、角の生えた般若のような怪物に見えていたのだった。しかし、他里の忍である八雲の事に介入する権利はない。それにまだ敵は残っている。今はその殲滅が最優先だった。

 





八雲の中のアレが顔を出してきました。
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