サスケが里を抜けてしばらくした後、シャナは、里の周辺の警備任務に従事。
シャナが今日の当番であり、見回りをしていた。
周囲を警戒しながら探索しているシャナの表情は、ものすごく不機嫌だった。不満が顔に溢れ出ており、声の掛けづらい雰囲気を醸し出しており、同じエリアを警備する忍達からは避けられていた。あからさまに接触を避けるようにゴーグルを装着しているシャナは、口がむくれていた。
(ナルトの馬鹿)
シャナの不機嫌な原因はナルトだった。サスケとの死闘の後、自来也の下で何年も修業を積む事になった彼だが、それを聞かされたシャナとナルトは大喧嘩をした。
ナルトの気持ちは理解できるが、シャナとしては心配で仕方なく、自分で守れる場所にいてほしいという思いが強かった。
だが意志の固いナルトと過保護なシャナの間で意見が合わず、感情的になり珍しいほどに互いを罵倒しあってしまう。口喧嘩から発展し、現在は互いに干渉することなく、別居状態。
意地っ張りの二人は、仲直りできていなかった。
そんな状態で任務に従事しているシャナは、本当に機嫌が悪く、殺気立っていた。
(何年も修業って何だってばね。姉ちゃんの気も知らないで)
イライラしながら木々を飛び回るシャナ。ストレス発散も兼ねて、動いていないと落ち着かないのだ。そうして、時間が過ぎていく中、異変が起こった。
シャナの未来視が突然発動。無意識の発動であり、それも今までにない不思議な感覚をシャナに与えた。世界が捻じ曲がるような感覚と共に、頭痛に襲われるシャナ。
「これは、なんだってばね。未来が、捻じれた?」
酷い頭痛と共に、不安定になる未来視。只でさえ悪かった機嫌が一気に悪くなる。そんな時だ、森の奥で爆発音が聞こえる。無視する訳にいかず、急行するシャナ。
―――――――
爆風で吹き飛ばされたオレ。
眉間を除いた額を覆うような角を持った男が、赤い釣り竿のような武器を向けながら、宙に浮いてこちらを見下ろしている。
「まずは一人目。あの人と逸れてくれて助かりますよ」
男は勝ち誇りオレを見下し、この場で始末する気らしい。実力差があり過ぎて、オレ一人じゃこいつには勝てない。悔しいけど、もうチャクラも使い切っちまった。それに肩も外れたのか動かない。
「では、さようなら」
男の武器である魚籠から、火の玉がまっすぐに俺へと飛来する。もう避ける事も出来ない。
「ちくしょう、父ちゃん」
目をつぶり、自分の死が訪れるのを待つしかできない。だが、突如背後から何者かの気配を感じた。
「火遁・豪火球の術」
男の放った火球を、突然現れた女性が火遁で相殺した。クリーム色の髪にオレンジのゴーグル、青い忍装束をしたくノ一が、空に浮かぶ男と対峙する。
「お前、何者か知らないが、私の弟に手ぇ出すな!! ぶっ殺すってばね!」
女性は、両手にチャクラ刀を構えながら、空に浮かぶ男に切り掛かった。光を放ちながら、オレが敵わなかったアイツと切り結ぶ姿。怒りを露にしながら、青い閃光が、奴とぶつかり合っていた。
赤いチャクラと青いチャクラが火花を散らす。
「ってばね? 変な口癖、だってばさ」
それが意識を失う直前、オレが抱いた感想だった。