ソードアート・オンライン パラダイス・シフト   作:hirotani

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あとがき

 こんにちは、hirotaniです。

 

 まずは本作『ソードアート・オンライン パラダイス・シフト』をご読了いただき、誠にありがとうございます。

 

 ハーメルンで作品の投稿を始めて6年と約半年、時間があれば原稿を書いて消して書き直すという毎日を送っていたので、こうして『あとがき』の文面を考えてようやく「ああ、終わったな」という実感を持っています。

 

 初めて作品を投稿してから、いつも最終回後に添え物としてこのような『あとがき』を書いています。作者として読者様に伝えたい私の考えや思想は思いがけず作中の文章に現れるものですが、それはどうしても登場人物を通じてもので、頂いた感想の返信もネタバレ防止のためにどうしても味気ない返しになってしまいます。なので、私自身の言葉を読者様に最大限お伝えできるのは、この『あとがき』の中が唯一の場となっています。

 

 あくまで添え物ですので、別に作品を楽しむにあたってこれを読むのは必須ではありません。大して面白い話ができるわけでもないので、興醒めしたらブラウザバックをどうぞ。

 

 本作の開始時点で初投稿した『ソードアート・オンライン パラダイス・ロスト』の続編を匂わせたことで、作品を知る読者様は大いに戸惑ったかと思われます。もう何年も前の作品で、それほど人気だったわけでもない。続編を書く余地のない作品でした。

 

 実を言うと私自身も書く予定がなく、友人に「パラダイス・ロストの続きが読みたい」と依頼されたのがきっかけでしたが、当初は「続編はない」と突っぱねていました。前作にあたる作品が続編を書けないよう完結させていましたので。

 

 しかし改めて自分の作品を見返すという拷問に近い作業をしてみると、未完成な作品であることを痛感させられました。前作でのセツナは罪と向き合っているようで、実は逃げていただけでした。物語の結末も逃げ勝ちのようなもので、罪を償わず現実逃避をし続けた末のラストだったのです。これはメタ的に言えばセツナではなく作者である私がテーマから逃げていたのであって、このまま逃げ続けることはできない、と思いました。そういった「悔い」が執筆活動のモチベーションとなって創作の糧となるものなのですが、私にとってセツナの存在は「糧」ではなく「枷」になってしまうような気がしたのでここでテーマに決着を付けることにしました。

 

 完全新作でテーマに向き合うことも選択肢にはありましたが、セツナにやらせなければ意味がないように思い精神的続編という形を取りました。親心と言うか、セツナという極悪人を生み出してしまった者としての責任です。

 

 正直なところ、私はセツナが好きではありません。人間的に欠陥だらけだし、無機質で魅力が感じられません。物語の中で本物の魂を持った存在のはずなのに、UWの人口フラクトライト達よりも人形じみています。しかしそれでも、彼は私が初めてハーメルンというサイトで書いた作品の主人公です。この欠陥だらけだけど私の執筆活動の始まりでもあるキャラクターの供養のような形で、この作品を書くことに決めました。

 

 今までは読者様を楽しませたい、というモチベーションで作品を書いていましたが、本作は私自身のけじめという、全く異なるものでした。なのでこれは究極の自己満足作品であり、シナリオに面白さを見出せなかったのでしたらそれは間違ってはいません。私自身も二次創作として面白いかどうかは疑問ですので。

 

 結末は本編最終回を書いた後に急遽思いついたものです。セツナは構想初期から最終的に死なせることを前提にプロットを組んでいて、だからこそ作中で外道な所業をさせることができたのですが、急遽生存エンドで果たして読者様が納得できるか懸念がありました。何より私自身、作中で「人を殺しておいて生き永らえるなんて都合の良い話はない」なんて主義を展開していたので見事な自己矛盾に悩みました。

 

 それでも生存エンドに踏み切ったのはセツナのためではありません。私セツナ嫌いなので。彼の苦しみこそが本作を書く醍醐味なので。なら誰のためかというとナミエのためです。彼女がまだ少女期に好きな人と死別しこれからの長い人生セツナを想いながら悲しみに暮れて生きていくことは、流石に私も心が痛みました。セツナに惚れるなんて見る目無いなと思いながらも(それを言うならアーウィンとかユーリィもですが)いたいけな少女にそんな悲しみ背負わせるなんて酷だなと思ったので、ナミエの幸せのためにセツナには帰って来てもらいました。

 

 この結末に納得できない方もいるかと思います。ごもっともです。かといって納得できるという方も間違いではありません。そもそも「罪と罰」などという明確な答えのないテーマに挑んだ私が無謀だっただけの話です。

 

 そんなわけで不本意ながらセツナはハッピーエンドらしい結末を迎えることができたのですが、無条件で彼に幸福を与えてやるほど私の器量は大きくありません。多分この先でも彼は罪の意識に苦しみ続けることでしょう。ですが彼の隣には常にナミエがいます。彼が苦しむ度に彼女が彼の苦悩を受け止め共に歩んでいくことができます。整合騎士団に入りキリトに協力するといった未来も想像できるのですが、それは無いとここで断言させて頂きます。セツナは大衆ではなくナミエひとりを守ることを選択するでしょう。それにキリトが関与したら本当にセツナが幸福になりかねないので、それだけは阻止しなければと思いました。

 

 キリトのように200年もの年月を生きることもなく、天命凍結処置も受けずに一般人として生き数十年後には天寿を全うすることでしょう。死神としてUWの歴史に傷跡を残した後のセツナがどう生きたかは完全に白紙であり、あの世界には何も残さなかったでしょう。

 

 整合騎士としてのセツナの活躍を期待していた皆様、申し訳ありません。ただ、彼をもう休ませてあげてください。

 

 さて、ここからは私の活動についてです。私hirotaniは本作をもってハーメルンで長編作品の二次創作活動を卒業させていただきます。

 

 この場で改まって報告させていただく程のことでもないのですが、何も言わず投稿をやめて失踪というのもこれまで応援していただいた読者様に対して失礼と考えました。

 

 別に私はサイトの人気作家でもないので「へーやめるんだー」という程度に捉えてください。体力と時間的なところから長編を書かないというだけで、気が向いたら短編を書くこともあるかもしれません。実を言うと本作が『パラダイス・ロスト』の精神的続編となったのはこれで最後と決めたからなのです。今までも「これで最後にしよう」というモチベーションで書いておきながら次回作を発表してきましたが、今回は本当にこれで最後です。

 

 いったん卒業とはなりますが、執筆そのものをやめるつもりはありません。今後はオリジナル作品の執筆に専念していこうと考えています。

 

 別のサイトか、もしくはまた別の場で読者様に物語をお届けできるよう頑張ります。文体も名義も変わっているかもしれませんが、もし時間があれば探してみてください。

 

 それでは、最後にはなりますが改めて本作を読んでいただいた皆様、本作だけでなく他の作品も読んでいただいた皆様に謝辞を――

 

 いえ、私ではなく、私の書いた物語の中で生きてくれた彼ら自身から言ってもらうのが相応しいでしょう。

 

 それじゃあ皆、頼んだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セツナ「皆さん、本と――」

 

ナミエ「はいはい待って。せっかく最後なのに素っ気なさすぎない?」

 

セツナ「いいだろ。作者のハマったゲームのパクリ演出だ」

 

アーウィン「その発言は危ない気がするな………」

 

ユーリィ「全くだ。お前は作品の顔としての自覚が――」

 

顎門「お主も、そのくらいでやめておけ。埒が明かん」

 

ナミエ「ほら、あなたもおいで」

 

シンセシス・ゼロ「………ふん」

 

アーウィン「さあ、これで全員だな」

 

ユーリィ「これで本当に最後なのだろうか?」

 

顎門「なに、いずれまた会えよう。作者の気まぐれだがな」

 

シンセシス・ゼロ「勘弁してほしいな」

 

ナミエ「ふふふ。じゃあ、また会える日を楽しみに」

 

顎門「さあ、最後くらい主役らしく締めよ」

 

セツナ「ああ。読者の皆さん、本作を最後まで読んでいただき本当に――」

 

 

 

 

一同「本当に、ありがとうございました」

 

 

 

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