青道の守護神 作:麒麟
「大宮タイザース。投手並びにシフトの変更のお知らせいたします。サードの入っていた藤岡くんが投手。ピッチャーの宇部くんに変わりましてに八坂くんが入ります。三番投手、藤岡くん。九番八坂くん。以上に変わります」
7回の表に全国大会の決勝でアナウンスが流れる。中学生硬式野球で自分が7回にマウンドへ向かうのはうちのチームの勝ちパターンだったが今日は違う
4−2で負け越しているのだ
「緊張は?」
「すると思うか?今日バッティング絶好調だぞ?」
「……まぁだけど今日は宇部が調子が悪すぎた」
「まぁな。さすがに2点差はあの投手からじゃきついよな。唯一得意にしている俺にも打線回らないし」
俺は今日4打数4安打2打点だったが、俺以外は完全に抑えられ、疲労なのか宇部は全くキレがなかった
「……まぁどっちみちラストイニングだ。しまっていこうぜ」
「まぁな。あと一つだけ我儘行っていいか?」
「ん?どうした?」
「中学の最後くらい全球ストレートでいいか?監督に怒られるかもしれないけど」
キャッチャーの高坂は苦笑している。俺の球種はストレートとツーシームに高速スライダー、チェンジアップの4球種。ほとんどがストレートだけしか投げてなかったのだ
「まぁ、いいんじゃねーの?でも知らねぇぞ県体以来打たれてないのに」
「あはは。まぁ……ギアあげるから許して」
「了解。それじゃあ全球高めのストレートな」
「おい。それは打たれるんじゃ」
「打たれないさ。今日のお前のボールに中学生が当たるわけがねぇだろ」
確信している高坂に俺は苦笑してしまう
まぁ、元々は先発として俺を使いたかった監督やキャッチャーとしては複雑なんだろう
まぁ高校からは思いっきり投げられることもあるのだからな
「んじゃ最後くらい楽しもうぜ。守護神」
「はいはい」
と俺は苦笑しながらマウンドへ上がる
そして高坂は座ることはない。中腰になり高めのストレートを要求してくる
左腕からミット目掛けて脱力しながら指先一点で力を加える
そして一直線にミットに収まる
「ストライク」
すると球場全体が騒めき始める。ざわざわとしていると俺はふと球速掲示板を見てしまう
140km
少しだけ驚いてしまう。ピッチング練習や練習試合では投げたことがあったがそれでも大会では138km止まりだった
「……なるほど打たれる気がしないわけだ」
キャッチャーは投手以上に調子がわかると言う。自分が調子がいいって思っていたのに悪かったことなんてザラにあるのだ
テンポ良くストレートを投げていき三振をとっていき、二者連続で三球三振に抑える、相手の四番、ピッチャーの本郷になる
元々三カード連続でこのカードだ。だけども一度きりも俺は本郷に打たれていないし、試合したらヒット一本は出ている
「……」
「はいはいそんな怖い顔しなくてもお望み通りに投げますよ」
相手が意識してようが関係ない
投球フォームに入る。ゆったりとしたフォームから投げられる球持ちの良いストレートに振り遅れている
そして中学校生活最後のボール
「ストライクバッターアウト」
主審の声が球場に響く。球速は138km
でも高めのストレート9球にバットにすら掠ることはなかった
そしてこの動画はyutubeに放映され、一躍俺は全国の野球ファンに注目されることになる
藤岡玲
ポジション ピッチャー兼サードとライト
能力 中学終了時 パワプロ基準
投手
球速 140km 平均137km
コントロール E
スタミナ E
ストレート 140km
ツーシーム 138km
斜め高速スライダー 135km キレ5
チェンジアップ 110km キレ 3
得能 虹怪童 ドクターK 球持ち テンポ○ 調子安定 怪我しにくさ◎
野手
ミート C
パワー F
走力 C
肩 A
守備 D
捕球 D
得能 アベレージヒッター 盗塁F カット打ち 選球眼 慎重打法 慎重盗塁
とあるプロのスカウトメモ
投手としてはコントロールは良くないが伸びのあるストレートで押せる左腕投手。奪三振能力が高く、一年生のころからクローザーとして活躍しており二年次に優勝投手になっている。全国大会で4試合で4回12奪三振を決めるなど奪三振能力が高い。ストレートの影に隠れているがほとんどストレートと同じ速さで斜め下に落ちる変化球は正に魔球のようである。
野手としてはコンパクトに率を残せるタイプである。単打が多く鋭い打球でセンター前に確実に運ぶことができる。追い込まれると際どいボールはカットすることに優れており四球も多いが怪我が怖いのか足はそこそこ速いがリードが小さく盗塁するそぶりは見えなかった。
高校でどれくらい伸びるか分からないがこの世代でナンバーワン左腕になること間違えないだろう