2話 ステータスプレートバグってるんですが返品出来ます?
転生後の転移という俺に安息をくれない世界に呪詛を吐きつつ立ち直った俺はクラスメイト達と共に無駄に覇気を纏ったじいさんに目を向けていた。
なんというかこのじいさん見てるとゾワッとするんだよな。
胡散臭い詐欺師みたいな雰囲気を感じる。
「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」
いや、その顔でイシュタルはねぇだろ……。
〜〜〜
大広間に通された俺たちは現在テーブルが多く置かれたその広間に各々が着席していた。
俺のただならぬ雰囲気に逆に生徒達が落ち着きを取り戻した為スムーズに事が運ばれた。
恥ずかしい。
席に着いた俺たちの元にメイド達が飲み物を運び込んできた。
みんなリアルのメイドを初めて見るためか興味津々に凝視していた。
そんな中で南雲に対する鋭い視線を緩めない香織には感嘆しかない。
飲み物が俺たち全員に行き渡ったのと同時にイシュタルはこの世界について語り始めた。
この世界はトータスという名前で人と魔族が争ってるだの亜人がいるだの。
最近になって魔族が魔物を使役できるようになったと。
まぁ、要するに魔族と戦争してるから助けろというような内容だった。
この世界と関係ない事で平和な世界の子供を拉致して戦争をしろなど……ふざけている。
「あなた方を召喚したのは〝エヒト様〟です。我々人間族が崇める守護神、聖教教会の唯一神にして、この世界を創られた至上の神。おそらく、エヒト様は悟られたのでしょう。このままでは人間族は滅ぶと。それを回避するためにあなた方を喚ばれた。あなた方の世界はこの世界より上位にあり、例外なく強力な力を持っています。召喚が実行される少し前に、エヒト様から神託があったのですよ。あなた方という〝救い〟を送ると。あなた方には是非その力を発揮し、〝エヒト様〟の御意志の下、魔人族を打倒し我ら人間族を救って頂きたい」
イシュタルが気持ちの悪い顔であへあへしている時に立ち上がり声を上げたものが居た。
愛子先生だ。
「ふざけないで下さい! 結局、この子達に戦争させようってことでしょ! そんなの許しません! ええ、先生は絶対に許しませんよ! 私達を早く帰して下さい! きっと、ご家族も心配しているはずです! あなた達のしていることはただの誘拐ですよ!」
ぷりぷりと怒る愛子先生に癒されながらもこの現状はどうしたものかと考える。
「お気持ちはお察しします。しかし……あなた方の帰還は現状では不可能です」
は?こいつは本気で言っているのか……?
「何故です?ここに喚べたのなら帰せるはずでは?」
「先ほど言ったように、あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間に異世界に干渉するような魔法は使えませんのでな、あなた方が帰還できるかどうかもエヒト様の御意思次第ということですな」
「そ、そんな……」
愛子先生が力が抜けたようにストンと席に座った。それに連鎖するようにクラスメイト達にパニックが起こり始めた。
「落ち着いてくれみんな。今ここで文句言っても何も始まらない。
イシュタルさん、応えてください。
この戦争を終わらせれば僕達は元の世界に帰れますか?」
「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」
「俺達には大きな力があるって言ってましたよね?ここに来てから妙に力が漲っている感じがします」
「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えていいでしょうな」
「ならいいです。……それとお願いがあります。」
「……なんですかな?」
「戦争に参加するのは俺だけにしてください。」
俺が言うであろう言葉を想像していた雫や香織、龍太郎は俺の口から出た斜め上を行く言葉に驚愕を隠しきれず立ち上がる。
「どういう事だよ光輝!?」
「何を考えているの光輝!?」
「心配してくれるのは嬉しいけどみんなを巻き込めない。」
「あんただって巻き込まれた1人でしょ!?」
「誰かがやらないといけない。」
「それが天之河くんである必要はありません!」
「愛子先生……」
愛子先生も立ち上がり俺の戦争参加を止めに入る。
「それでもどうしてもってんなら……俺も混ぜろってんだ」
「戦争に参加するなんて気に食わないけど……あんた1人に任せて隠れる気は無いわ。」
「え、えっと雫ちゃんがやるなら私もやるよ!」
「お前ら……」
雫達に続くようにクラスメイト達が声を上げる。
しかし俺はそんなにいい気はしていなかった。
「わか……った……みんな、すまない。」
〜〜〜
さて、戦争参加の一悶着が落ち着きを見せた後、イシュタルに率いられて俺たちを受け入れてくれるというハイリヒ王国に向かった。
道中魔法のようなものを見て1部興奮する生徒が居たが何事もなくハイリヒ王国に到着し王宮へと案内された。
こちらも先程の教会のように煌びやかな装飾が施された廊下を進みながら畏敬の念のこもった眼差しを向けるメイドや騎士に居心地の悪さを感じていた。
イシュタルが来ると大きな扉が開きイシュタルに続くように扉を潜った。
真っ直ぐ延びたレッドカーペット、その奥の中央に豪奢な椅子、玉座があった。玉座の前で覇気と威厳を纏った初老の男が立ち上がって待っているようだった。
その隣には王妃と思われる女性、その更に隣には十歳前後の金髪碧眼の美少年、十四、五歳の同じく金髪碧眼の美少女が控えていた。更に、レッドカーペットの両サイドには左側に甲冑や軍服らしき衣装を纏った者達が、右側には文官らしき者達がざっと三十人以上並んで佇んでいる。
イシュタルは俺たちを残し国王の元へと向かうと手を差し出した。
国王はその差し出された手に口付けする。
様子を見るからに教皇の方が立場が上なのだろう……この国では常識的な考えは望めなさそうだ。
そこからはハイリヒ王国の面々の自己紹介の時間となった。
国王の名をエリヒド・S・B・ハイリヒといい、王妃をルルアリアというらしい。金髪美少年はランデル王子、王女はリリアーナという。
騎士や宰相、その他諸々の自己紹介の後晩餐会が開かれた。
ご飯は普通に美味しかった。
〜〜〜
翌日、集められたクラスメイト達にステータスプレートなる能力を測る板が配られた。
俺たち勇者一行の教育担当でありこの国で騎士団長をしているメルド・ロギンスが説明を始めた。
「よし、全員に配り終わったな? このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、失くすなよ?」
この国の騎士団長だからと警戒したが思った以上に砕けた人だった。
ハイリヒ王国は神のお告げが何より優先されるであろう事は初日で想像ついていた。
故にこうも常識人そうな人が居ると驚きを隠せない。
そうこう考えている間に説明は進んでいた。
「プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろう。そこに、一緒に渡した針で指に傷を作って魔法陣に血を一滴垂らしてくれ。それで所持者が登録される。 〝ステータスオープン〟と言えば表に自分のステータスが表示されるはずだ。ああ、原理とか聞くなよ? そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」
「アーティファクト?」
アーティファクトと言えばゲームや小説ではすごいアイテム…という印象を受けているが
「アーティファクトって言うのはな、現代じゃ再現できない強力な力を持った魔法の道具のことだ。まだ神やその眷属達が地上にいた神代に創られたと言われている。そのステータスプレートもその一つでな、複製するアーティファクトと一緒に、昔からこの世界に普及しているものとしては唯一のアーティファクトだ。普通は、アーティファクトと言えば国宝になるもんなんだが、これは一般市民にも流通している。身分証に便利だからな」
あながち間違っていなかった。
とりあえずファンタジー世界に軽い憧れを抱いていた俺は内心ドキドキしながらステータスプレートに血を垂らし〝ステータスオープン〟と唱える。
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天之河光輝 17歳 男 レベル:1
天職:勇■
筋力:100
体力:100
耐性:100
敏捷:100
魔力:100
魔耐:100
技能:■■の■■・言語理解
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は?なんの文字化けだよ。
俺のだけバグってるんですけど、交換、え、変えてくれない?出来ない?返品でお願いします!!
俺の異世界でのスタートは前途多難であった。
たくさん…?のコメントありがとうございます。
ヒロインに関するコメントがほとんど…まぁ、魅力的なキャラ多いですもんね。
ただ勢いとノリで始めた作品なのでぶっちゃけこの先ほとんど考えてない!
なのでコメントくれたらやる気出して出来るかもなのでコメント下さい!(やるとは言ってない)
でも頑張ります、おもしろい作品を皆さんに届ける為に!!
では次回お会いしましょう!!