3話 イジメダメゼッタイ!!
さて、トータスにやって来て早2週間が経とうとしていた。
ぶっちゃけ言おう、この身体は可笑しい。
前世では武器の類は握った事は無い…と思う、そして今世では幼少期に雫の所で少し剣術を齧った程度なのに今俺の目の前でこのトータスの騎士団長であるメルドが両手を上に突き出して白旗を上げている。
なんか相手の動きが凄い分かるし身体が予想以上に動くのだ。
クラスメイト達が歓声をあげ、騎士団員は感嘆の声を上げていた。
「こいつは驚いたな!光輝、まさかこの2週間でここまで成長するとは!」
「はは、メルドさんのおかげですよ。」
==================================
天之河光輝 17歳 男 レベル:20
天職:勇■
筋力:400
体力:400
耐性:400
敏捷:400
魔力:400
魔耐:400
技能:■■の■■・■■の■護・言語理解
==================================
ステータスプレートを確認し改めて溜息を吐く。
何故増えるのだろうか……文字化け。
てか、ステータスだけならメルドの方が上なのに勝てる道理がよく分からない、案外ステータスって宛にならないのか?
「光輝、お疲れ様。」
「あぁ、ありがとう雫。」
「さっすが光輝だな!」
「龍太郎も頑張ってるじゃないか」
「おうよ!負けてられないからな!!」
雫と龍太郎がメルドと俺の一戦に労いの言葉を掛けに来たようだ。
「ねぇ、光輝」
「?どうかした?」
「…いえ、なんでもないわ。」
「それより……香織は」
少し様子のおかしい雫に違和感を覚えたものの目の前で不自然なまでにキョロキョロしている香織を無視する訳にはいかず香織に声を掛けた。
「あ、光輝くん。えっとね、南雲くんが全然帰って来なくて……」
あぁ、そういや南雲の奴よく図書館の方に居たよな。
訓練の始まる前や休憩時、終わった後はよく図書館に入っていくのをよく目にした。
ほんと真面目なやつ……だけど、まだ訓練の時間は終わってないのに帰って来ないのはおかしいな。
「一緒に探そうか」
そう言って俺と香織、雫と龍太郎は訓練所内で見当たらない南雲を手分けして探し始めた。
しばらくして鈍い音と共に人の話し声が耳に届いた。
「ちょ、マジ弱すぎ。南雲さぁ~、マジやる気あんの?」
この声檜山か?まさか、あいつ…!
「おい、ひや」
「何やってるの!?」
今まさに南雲に対して魔法を放つつもりだったのか手をかざしている檜山を止めに入ろうとした俺より早く香織の怒声が響いた。
さしもの檜山も自身の惚れた女にバツの悪い瞬間を見られ苦い顔を浮かべる。
「いや、誤解しないで欲しいんだけど、俺達、南雲の特訓に付き合ってただけで……」
「南雲くん!」
哀れなり檜山、弁明に聞く耳すら持たず香織は南雲の元に駆け寄った。
これにまた更に檜山は表情を歪める。
南雲に対する怒り、憎しみが溢れ出始めていた
「特訓ね。それにしては随分と一方的みたいだけど?」
「いや、それは……」
「戦闘職でもない南雲相手に必要以上の攻撃、いや、特訓だったか?人に教えられる程実力に自信があるようだ…やり足りない様ならここからは俺が相手するが?」
「っ……い、いや、遠慮しておくよ」
「くっだらねぇことする暇があるなら、自分を鍛えろっての」
檜山達は苦笑いをしながらそそくさとその場を去っていった。
その間に香織の治癒魔法によって南雲の傷がみるみる癒されていく。
「あ、ありがとう。白崎さん。助かったよ」
「いつもあんなことされてたの? それなら、私が……」
怒りの形相で檜山達が去った方を睨む香織を、ハジメは慌てて止める。
俺も一度檜山達は痛い目を見るべきだとは思うんだがなぁ……彼らのしていることはただのいじめとは訳が違う。
この世界の一般人、下手したらそれ以下かもしれない相手に数倍以上の力を持って暴力を振るう……そんな事が許されていいはずがない、下手をすれば死ぬ事だってあるというのに。
「いや、そんないつもってわけじゃないから! 大丈夫だから、ホント気にしないで!」
「でも……」
納得できないといった表情の香織に再度「大丈夫」と笑顔を見せる南雲。
渋々ながら、ようやく香織も引き下がる。
「南雲君、何かあれば遠慮なく言ってちょうだい。香織もその方が納得するわ」
納得出来ないというかする気のない香織を横目に雫が南雲に告げた。
それに対しても礼を述べる南雲。
「南雲」
「えっと、何かな?」
「南雲が非戦闘職で苦労しているのは分かっている。訓練のない時間は図書館に居るのもある程度理解出来る。」
「うん」
「俺は別に南雲が無理に参加する必要は無いと思ってる。みんなして参加する事になったのが理由で参加しているのなら無理はするな。」
「光輝くん…」
「光輝、あんた」
「……確かに無理に参加する必要はねぇな。」
最初からそう言ってんだけどなぁ。
お前がやるなら俺達だって!ってみんな参加する形にはなったが俺は最初から納得してない……というかこれが戦争なのだと本当の意味で理解してる者が一体何人いるのか。
「天之川くん……心配してくれてありがとう。でも、僕だけ引きこもるわけにはいかないから……」
「そう…か」
それだけ言うと南雲を連れて香織は訓練所に戻っていった。
「ねぇ」
「雫?」
「まだ、納得して無かったの?」
「……」
「クラスのみんながどうかは分からないけど、私はちゃんと分かってるし覚悟も出来てる。貴方を1人で地獄に送り込む事はしないわ。」
元々姉御肌である雫はどうやら俺の想いを看破していたようだ。
ほんと、面倒見のいい幼馴染を持ったと思うと同時にやるせない気持ちが込み上げてきた。
「とりあえず訓練に戻ろう。」
少し進んだ先で振り返り名前を呼ぶ龍太郎に手を振り俺は雫の顔を見ること無くその場を後にした。
コメントにした返信に対する返信……すごい嬉しいですよねぇ。
全体的に短め(文字数的に)だと思うんですがコメントの事もあり凄い筆が進むので頑張ろうって気になりました!
次は明日明後日に投稿出来たらと思ってるのでまた次回!!
コメント、誤字脱字報告待ってるね!!(チラッ)