設定置き場   作:pilot

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設定置き場

PCは基本的に、高校生の脆弱な人間である。肉体に鉄をまだ埋め込んでも居ないし、なによりも大人ではない。

そんな過渡期に、怪物たちに遭遇し、そしてアイデンティティを喪失していく。

 

主に黒幕は、同年代の素晴らしき優等生から現れることになる。しかし彼、あるいは彼女は、最も素晴らしい最大値ではなく、最大に近いというだけで至上ではない能力値であらねばならない。それは、PCの自由度を担保するためである。

 

登場人物・生物・設定

 

NPC

仲間と言うのもおこがましい、顕示欲と猜疑心にまみれた優等生である。

あらゆる能力が“幼いインプラント無しの中で”平均を超えており、その上で努力を惜しまない人間である。褒められること、認められること、敬われることを最大の人生目的としており、今まではその能力故にかなえられてきた。これは自分のことを特別視しており、それをされるにたる人間だと思い込んでいる。

しかしこの人間はデザイナーベビーである。この時代ではそれそのものは別に忌むものでもなんでもなく、なんなら育つ過程で自分自身がそうであると教えられたりする人間が居たりもするわけだが、この人間は致命的にその事実と相性が悪かった。自分が“当然の帰結”であることを不快に思い、その不快感に殺されかねないほどのストレスを抱えることになるのだ。本編中ではシャッガイの末裔に取りつかれ、利用される。

 

 

レイザー

惑星シャッガイの破滅を呼んだ原因であり、それと同じようにシャンという一族の発展に貢献した一つの研究者集団である。彼らは自らで閉塞的な宇宙空間を創るまで発展し、超力学的な紐状建造物をシャッガイという世界に製造し、惑星を広げ、次元数を問わず侵食していた。

ありとあらゆる力学にある程度理解を示し、この宇宙に対してイス人とはまた違った角度で切りこんだ知的生命体だったのだ。

自らを最初の起床者と名乗る彼ら(尚、本来は別の言語であるが地球言語に訳した場合はこうなる)は、アザトースを科学的に分析し利用する術をこの宇宙で初めて発見した。それこそが今現在でも細々と彼らから続く末裔が利用する生存策の核として受け継がれているアザーティを利用した施設、宇宙船そのものであり、自身らが非物質的であるからこそ、物質存在の“基底”を利用した様々な技術を実用化した。

彼らの持つテクノロジーは無限次元を低次元に引き込み時間空間、宇宙の層、次元に縛られない不可逆的な破壊をもたらすことを可能にしていたし、それらを利用した精神、肉体問わない物理防御は種族全体でグレートオールドワンに匹敵するレベルに達していた。(尚、グレートオールドワンは無限次元の住人なので、彼らの全力をもってしても殺すことはできない。)

ある種のニャルラトホテプの側面研究にも傾倒しており、彼らは誰に対しても(それこそアウターゴッドなど、たいていが彼らの利用対象なので)傲岸不遜であった。

実際には彼らですらアウターゴッドは“当然の摂理であり、あえてチープに言うのなら生理活動の一環でしかなかった”わけである。それらに気づくことになるのはしばらく後の話だ。

彼らの終焉は、陳腐にも程があるほどの理由によって引き起こされる。それは彼ら自身の技術による自爆であり、破滅であり、そしてそれは仕組まれたものだということだ。彼らの利用していたアザーティの内の一個体が、アザトースが切除し唾棄した最悪の一族であることを知らず、エネルギーを長期採取するための崩壊保護機能で延命していた結果、その一族そのものと、それらを宇宙に入れまいとする親アザトース派のアウターゴッドが降臨、レイザーの存在していた次元で戦争をした挙句、最終的にその関係区画をもろともに悪性ごと破壊されてしまった。

これによる被害は今でも続いており、現宇宙における揺らぎや時間軸の崩壊、タイムスリップ、怪奇現象や理屈に沿わない事実などの一部分の原因となっているし、ニャルラトホテプの内の数個体が駆り出される理由にもなっている。

彼らの末裔は最早百億、自身にゆがめられた時空間の中で数えて数兆年にも前に栄華を極めたその面影等最早なく、技術は腐り体も破れ、もはや何のためにあるのかわからない長大な寿命を、全く持って意味のない拷問に使用しているのだ。

末裔たち本人はもちろん、神話生物たちの持つ知識をもってしても到底あり得ない耐久性を誇る遺物を利用していた彼らシャンの一部が虚無派に参入したことにより、レイザーの遺した究極を探す彼らの計画が始まる。

 

虚無派

宇宙におけるメジャーな宗教による共同体であり、そしてその信仰するべき神であるアウターゴッドの中でもニャルラトホテプに関する一派である。アウターゴッドを信仰する種族間同盟は緩やか且つ穏やか、そのうえで自然に根付き切った強固なものであり、どの信仰においてもニャルラトホテプを介する分共通する項が非常に多く、地球におけるかつての国連に近い体をなしているのだ。その上様々な恩恵を手に入れている彼らは、事実現状は最強に近い共同体と目されている。

特にこのニャルラトホテプ信仰を取り仕切る“虚無派”はあらゆる神話技能に精通していることが要求される上に、元より気まぐれな神を相手にしているからか混沌の中でも目的を見失わない強靭な組織体として完成していた。

作中では、地球圏からの機械に対して簡素なものながらサイバー攻撃を成功させ、大部分の防御、監視装置、兵站を無力化に追い込んでいる。これらは効果的だったうえに高速だったので一度はホワイトスピアーが劣勢になるが、原始的なことに変わりはないので対策さえ整えれば復旧させることは容易。

襲撃理由はレイザーの資源や技術を確保するため。レイザーおよび原始シャッガイの惑星はこの世ならざる力によって完全に破壊されているので代案として彼らにかつて改造されたザイクロトランの故郷へとその触腕で踏み入れた。ここで回収されたレイザー兵器は彼らの信仰の印、そして教会を守る剣として槍として活用されることだろう。

宇宙に対して様々な形で残る伝説、主に個体が大部分の教義を作ってしまう体を取る英雄譚、その中心人物は大抵がニャルラトホテプではないのかと考えられており、彼らはそれを集積した真のニャルラトホテプの意思というものを見つけ出すことが最終目的である。

 

惑星ザイクロトル

ザイクロトランの故郷であり、またかつてシャッガイに近く、シャンの虫どもが植民地利用をせんと画策した惑星である。この星の種族、主にザイクロトランと呼称される植物生命体は知能が低く、単純かつ素直でさらに強力な力を持っていたので、シャンたちにとっては絶好の肉体であり、そして奴隷でもあった。

しかし、彼ら自身はそうでなくとも彼らの信仰する“伝説的な植物クリーチャー”は一筋縄ではいかない存在であったようで、レイザーの一部分がこの地を拠点にし、細々と研究を続けるのみでそれ以上の発展はなかった。

直にレイザーの増長によりシャッガイが滅亡すると、一時はこの惑星へと本拠を移すことが画策されたが、かの植物クリーチャーはレイザー技術の大部分を失った状態で抑え込むにはあまりにも難しく、それに先導されたこの星の生命体の反撃にあい、最低限の労働力を確保したのちに放棄を余儀なくされた。遺跡自体は彼ら残留ザイクロトランの興味を引くことは無く、すさまじいまでの時間が経過した今でもそのクリーチャーに自らを生贄にささげるなり、牧歌的な生活を続けている。

シナリオ開始後、宇宙からここへと“帰ってきた”元奴隷ザイクロトル人クルーに合流し、植物クリーチャーを信仰し守るという名目上彼らが正式に虚無派へと加わることになる。これら彼らの信仰する神に半分予言されていたこととされる。

一見通常の惑星に見えるが、紐が絡まったかのような構造物が地表からいくつか伸びており、独特な背景や環境を作り出す。これらは地下施設にもつながっており、内部の広さや重力の方向、環境などは物理法則に従っていない。

シャッガイの一族だけがこの施設の内部に“帰還”することが出来、シナリオ冒頭で独断専行したザイクロトランにはシャンが憑依している。

 

伝説的な植物クリーチャー

ほとんどすべての情報が失われているが、高度な知能を持っていたことは確かである。ザイクロトランにとっての救世主であり、それらすべてが例外なく“命をささげるに足る”と認識している。

今回のシナリオ、そしてかなり以前のシャッガイの襲来、撤退について予言めいた発言をしており、ザイクロトランが厄介がられるのはこれらに依る。

高いカリスマ性に反して、親しみ深く慈悲深い、ある種身近な生命体だと彼らには目されていて、その普及度合いは地球のどの宗教をも凌駕する。虚無派はこの植物生命体を“ニャルラトホテプ”と目しており、事実この怪物はニャルラトホテプそのものである。

その外見的特性は恐ろしいほどの白一色と、誰が見ても恐怖を感じないことが“恐怖そのもの”と化す異常な美しさ、まるですべての静的魅力を詰め込んだかのような行動指標に表れる。

 

W.S.C

ホワイトスピアーコーポレーション。かつて白槍機関と言われたこの企業が、たまたま惑星ザイクロトルを、ザイクロトルと知らずに侵攻して占拠していた。この際、現地のザイクロトランは多大な痛手を被り、辺境へと押しやられたものの、“WSCの来訪自体が復興の前触れ”としてその時はおとなしくしていた。

地表、そしてその地下にサービスのための保管施設を作り、地下にある遺跡を研究するための複合施設も追加、レイザーの遺物に関する調査許可が出た矢先に……今回の襲撃事件が起きてしまった。

本来であれば様々な防衛設備の存在により鉄壁を誇っていた施設は、原始的であるが反則に近い手法によって生み出されたプログラムを直接機材に混入させられ大部分が沈黙。少数精鋭のWSC兵士を数で嬲る戦法の前に劣勢に立たされ、探索者がたどり着くころには兵站を破壊され壊滅寸前に追い込まれている。

援軍が到達するまでしばらくかかるが、到達した際には虚無派も戦闘継続が難しくなり、撤退を開始する。

導入

 

探索者たちは高校生である。そのためインプラントなどは装着しておらず、だからこそ差異のある人間たちである。NPCはひそかに焦燥していて、その友人たちである君たちはひそかに嫉妬されていた。本人すらそれに気づいていない。

事の起こりは全て自販機から始まる、それは比喩ではない。

PCの所属する学園の自販機は試験的にホワイトスピアーのストレージサービスを利用しており、その利便性は“一人として売り切れた状態を見たことがない”という点で証明されている。

実態は別の惑星に門の創造でゲートをつなげているだけの簡素な装置だが、単純かつ高度なマーケティングによりまさに無尽蔵と言って差し支えのないリソースの提供に成功していた。

今日この日、そのホワイトスピアーの所有する惑星の一つに大規模の船団が襲来、ホワイトスピアーの奮戦虚しく物量に圧倒され研究施設、それと接続した調査中の遺跡まで押し込まれてしまう。ホワイトスピアーの本隊の編成、到着までの間にこの施設は船団の戦闘員に占拠される。この時、戦闘員の内のザイクロトランが独断で研究施設の奥まで侵入、ホワイトスピアーのストレージサービスに接続しているあらゆる媒体に対してでたらめな操作をしかけ、PC達が引きずり込まれる原因を作る。

彼らの触腕が唐突に自販機から伸びてきて、それを回避することのできる人間はそうそういないだろう。可能であれば大部分をこれで確保し、シナリオの舞台へ無理やり引きずり込む。

 

場面転換、惑星ザイクロトルのWSC施設

 

惑星ザイクロトルの研究施設、その最深部につれこまれた探索者とNPCは、目の前にいる怪物に対して様々なアクションを取る必要がある。戦闘が得意なPCが参加している場合は、それに対して助けとなる武器を用意してしばらく時間稼ぎをさせたのち、勝てないということを察しさせることになるだろう。

増援としてWSCの兵士が施設奪還のために現れる。しかし彼らは、襲撃の際に大部分が負傷し、戦闘能力と耐久力を著しく失った状態で現れる。なぜなら物量作戦はWSCにとってもっとも苦手とする戦法であり、さらにコンピューターの遠隔操作機能をピンポイントで対策されてしまったため、援護射撃なども受けられなくなってしまったからだ。そのため、彼ないし彼女は相討ちに近い形で戦闘を終了、PC達に最低限の情報を残して行動不能になる。以下はWSC兵士がPC達に開示するだろう情報の内の一部だ。適切ならこれ以上の情報をしゃべらせてもいいが、彼らは前線の一兵士でしかなく、英雄ではない。指揮官でも、訳知りの気のいい親友でもないのだ。

 

Q1.場所に類する質問

A1.地球からとても遠い惑星、と答える。名称はWSCがつけた番号でしかなく、WSCはこの星の真の名前を知らない。あるいは施設のどの位置だという意味なのであれば、最深部の湿度や温度が安定した、サービスの核である保管庫と答えるだろう。

 

Q2.帰還方法に類する質問

A2.通ってきたポータルを使ってそのまま帰還することを提案するが、先ほどの戦闘により機材が壊滅していることを認めると、基地への逃走を推奨する。ついで、位置情報もなんらかのデバイスを所有していれば共有する。

 

Q3.怪物に関する質問

A3.彼らは残念ながら詳しいことは知らないという。しかし敵対的なのは確かであり、さらにアレに似たような、つまり地球の“常識ではありえない”生物は大抵が敵対的で強力だということを教えてもらうことが出来る。対策として、戦闘より逃走が(企業と違って防衛義務がないのであれば)効果的だということも教える。Blasphenyユーザーは、知識によって先ほど出会った怪物がザイクロトランであることを確認することが出来るかもしれない。

 

 

実は討伐されたザイクロトラン内部にはシャンが潜んでおり、この遺跡施設においてキーとなる要素そのものでもある。彼らシャンのみが遺跡に入る口実、そして許可であるのだ。そのため討伐後、件のシャンはNPCの内部に潜むことになる。脱出までの間に徐々に精神を上書きし、ここを出るころには歪んだ自己愛を利用した自意識の肥大化を招かせ、遺跡へととんぼ返りさせることだろう。

保管庫であるこの部屋を出る場合、ここから先は様々なルート選択を介して生存確率を高めていきながらひとまず“施設脱出”を目指すか、あるいは敢えて“遺された遺跡”の側へ進むことでこの世界の深淵に足を踏み入れるか、という二択を取ることになる。この部屋では目星をすることによって、WSCの施設監視コンソールや各種物資武装へのアクセスを可能としている。定期的にこういった保管庫を設けることとなるので、それらの取捨選択を求めるためにも一度に入手、あるいは取得できる情報はひとつまでに制限しておく。

 

1. 武装

様々な武装を入手することが出来るが、あまり強力なものはなく、むしろ骨董品の域に入っているものばかり。刀はIt‘s製だなんてものはクリティカルでもしない限り存在せず、何処の生まれかもわからない(品質が低いわけではないが、名前が古すぎてわからない)ブレードや銃がひしめいている。探偵のものより耐久性が低い。目星や歴史などで探す、あるいは鑑定のまねごとが出来る。

 

2. ハッキングされたコンソール

 知らない人間からすればお手上げ、と言った程度のハッキングだが、深い知識と古臭い知恵があれば突破が可能だ。物理的、そしてコマンド的手法を駆使すればネットワーク領域の一部分を取り返すことが出来るだろう。ネットワークを取り返した場合、センサー類の情報の取得や危険生物へのタレット発砲、外部との通信等を一つだけ等、PLPCが思いつくものを許可していく。

 

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