好吃!酢豚は恋の味。   作:田中滅

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前回から二ヶ月。お待たせしました!最新話です!ちょっと別作品に移り気ですけど、忘れてる訳じゃありません!これからもよろしくです!


第十集(第十話) 神秘()

五年前に死亡(・・・・・・)!?どういうことっ!?」

 

突如、放たれた言葉に楯無は机を叩き、身を乗り出した。それもその筈、彼女が掴んでいる情報には一切存在しない記録、日本を裏から操る一族の現当主である彼女さえも知り得ない情報が飛び込んできた、其れ即ち、フランス政府が秘密を隠蔽している事である

 

「どういうことも何もない、言葉通りの意味だ。五年前にフランスで起きた飛行機事故は知っているな?」

 

驚く楯無に、頼は高圧的な態度を見せながらも、ある事件についての話題を彼女に振る

 

「ええ、知っているわ。機械の点検を怠ったが故に起きた乗員乗客を含む489名が巻き込まれた大事件だもの。生還した、489名を讃え、世界各国は其れを「489の奇跡」と呼んだ………確か、そう記憶しているわ」

 

「是、这是正确的(その通りだ)。然し、その情報には一点だけ誤りが存在する」

 

「誤り……?」

 

肯定からの否定、自らの情報に誤りが存在すると思いもしなかった楯無の瞳が鋭さを増し、頼を真っ直ぐと捉えた

 

「中国政府のエージェントの調べでは、実際の乗客は490名。だが生還した人数は489名と発表された、为什么(何故)?答えは明显的。その唯一の死傷者がフランス政府が死亡を認めたくない人物だったからだ」

 

「……………もしや、その死傷者がシャルル・デュノアという事ですか?道君」

 

「是。理解が早いな、弥生の十七代目」

 

「ですが死亡を認めたくないとは……どういう意味ですか?」

 

理解の早い剣舞に頼は、にやっと笑う。すると虚が問い掛けるように疑問を投げ掛けた

 

「適合者……」

 

「会長?今なんと?」

 

「適合者だったからじゃない?ライブメタルの。そのシャルル・デュノアが。だから、フランス政府は死亡を公にはせずに、デュノア社もその隠蔽に賛同し、影武者に妹のシャルロットさんを祀りあげた。でも、女性の彼女はライブメタルを扱えない。だから、二人目のIS操縦者という名目で学園に転入させたとは考えられない?」

 

「なるほど、筋は通りますね。五年前に亡くなっていた者の素性を調べようとする者は余程のもの好き又は会長の様な馬鹿者ではない限りは存在しませんからね」

 

「そう、私みたいな馬鹿者…………ん?ねぇ、今なんかサラッと失礼な事を言わなかった?」

 

「空耳です」

 

情報を纏める楯無に対し、その考えに納得しながらも彼女に失礼な発言を述べる剣舞。彼女が其れに気付けば、爽やかな笑顔で流す姿は常習犯の手口である

 

「要件は以上か?オレ様は此れから、行かなければならん所がある。故に失礼する」

 

白衣を翻しながら去って行く頼の小柄な背中を見て誰もが思った

 

(((体は小さいのに態度デカ過ぎだろ……)))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待たせたな」

 

生徒会室を後にした頼が足を運んだのは、一夏とセオドアの寮室。中に入ると、その場にいた全員が顔を上げた

 

「おっ!ナイスタイミングだなっ!頼!」

 

「待ちくたびれたわよ。ダーリン」

 

「へっ。生徒会に呼び出されたんだってな?何をやらかしたんだぁ?」

 

「セオ?頼さんは貴方みたいなお馬鹿さんとは違いますのよ、一緒にしてはいけませんわ」

 

「なんにせよだ、今日はランバージャックとデュノアの歓迎会だ。みんなで盛り上がろうではないか」

 

「ありがとう、今日は僕たちの為に」

 

「シャル。この後はしっかりと課題をしてくださいね」

 

「君は悪魔なのっ!?楽しい時間に水を刺さないでよっ!訴えるよ!そして勝つよ!」

 

「この唐揚げ美味しいですね」

 

「あれっ!?無視っ!?」

 

歓迎会という名目で集まった彼等は何時も通りに騒いでいる。ヴァリーに至っては歓迎されるつもりはあるのか?と言わんばかりの安定の家庭教師モードを見せるが、反論するシャルルを無視し、唐揚げに舌鼓を打ち始める

 

「小鈴の酢豚は何時食べても美味だな」

 

谢谢(ありがとう)、ダーリン。そう言ってもらえると作った甲斐があるわ」

 

「美味い!美味すぎる!こんなに美味え唐揚げを食ったのは初めてだ……!」

 

「そ、そうか!たまたま作り過ぎただけだったんだが、ま、また作ってきてやっても構わないぞ……」

 

「ええと………ヴァリーさん?どうして、僕のお皿に一つもおかずがないのかな……」

 

「おかずが欲しいんですか?なら、この問題を解いたらあげます」

 

「やっぱり!君は悪魔だ!大魔王だ!」

 

「語彙力が貧困ですね、明日からは国語を重点的にしたカリキュラムを組んでいきましょう」

 

「いやぁぁぁぁ!ごめんなさい!許してください!」

 

楽しそうな笑顔で課題を追加していくヴァリー、彼に縋り付くように涙目を浮かべるシャルル。その様子に誰もが思った

 

((シュヴァリエ・ランバージャック……恐ろしい子っ!!!))

 

その隣では、鍋に入った煮えたぎる何かを机に置くセシリアと、顔を引き攣らせるセオドアが居た

 

「………………セシリアさん?こいつはなんですかね?」

 

「何ってシチューですわ」

 

「シチュー!?見たことねぇ色してんぞっ!どうやったら紫になるんだよっ!?」

 

「…………この苦いのはなんだ……」

 

「薬膳料理だと思えば………食べれん事も………不是、不可能だ」

 

「た、大量のジャム………それに謎の粘り気……」

 

「セシリア………お米って炊かないと食べらんないのよ……」

 

「これがシチュー………」

 

「違いますよ」

 

シチューと呼ぶに値するかも不明な料理の中から次々に姿を見せる食材に誰もが涙を流し、楽しい筈の歓迎会が一気に盛り下がる

 

「認めるものか!!これが料理だと!?私のおでんに勝るモノなど存在せん!」

 

「私の美しいジャーマンポテトには敵わないだろう。何故かって?簡単だ、美しい私が作るのだから!」

 

「ボーディッヒ、シュレンドルフ。貴様等何時から居た」

 

「うん?なんだ、子どもか。早く寝ろ」

 

「全くだ、夜更かしは美容の大敵と言うだろう?少年」

 

「……………我が身に宿る炎は、烈火の如く…」

 

「「「それだけはやめろォォォ!!!」」」

 

禁句を放たれ、静かに怒りを燃やす頼は紅玉を呼び出そうと言霊を紡ごうとするが一夏達が止めに入る。其れ即ち、血の雨が降る事を意味する

 




遂に明かされるデュノア社の真相!ヴァリーの真の目的とは……!

「美しさが罪なのではない、美しすぎる私が罪なのだ」
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