好吃!酢豚は恋の味。   作:田中滅

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SAOがひと段落したので、更新を再開したいと思います。馬鹿な主人公も良いけど、オレ様系主人公も悪くない


第二集(第二話) 掠夺者(襲撃者)

「ねぇねぇ、ダーリン。あたし、クラス対抗戦?とか言うのに出なきゃいけないの。応援してくれるわよね?勿論」

 

IS学園の保健室。頼に与えられた学園での居場所であり仕事場である。医学書や薬品類等を中心に彼が医師たる所以を体現した部屋だ

そして、机に向かい、生徒の身体的特徴が記された書類と睨み合う頼を鈴が背後から抱きしめる様な体制を取り、彼に問いを投げ掛ける

 

难怪(当たり前だ)。お前が如何に精進しているかは、オレ様が一番理解している。故に、その成果を見届ける事はオレ様の伝説に刻むべき一頁、お前也の心火を燃やし、相手を叩き伏せろ。万が一の場合で、お前が怪我をする様な事があろうと、一定(必ず)、根治させてやる」

 

「流石はダーリン、そうやって上から目線に見えても実は思いやりがある所が大好きよ。我爱你(愛してる)

 

谢谢(感謝する)

 

高圧的ではあるが言葉の中に感じる彼なりの優しさを読み解いた鈴は満足感のある笑顔で頷き、愛の言葉を囁き掛ける。すると彼も僅かに口角を上げ、感謝の意を述べる

 

「相手は織斑だったか?初の専用機持ちである男性操縦者……興味深いな」

 

「えぇ、前に会った時はISはおろかライブメタルにも適合してなかったのに。不思議だわ」

 

「日本人のライブメタル適合者はオレ様が知る限りでも限られた一族のみしか確認されていない。そう、この学園にて爪を隠す未だ見ぬ強者がその適合者だとオレ様は睨んでいる」

 

ライブメタル適合者と成りうる者は、各国の政府からも一目を置かれる一族の者の中でも高い実力を有する者のみ、しかしながら、その存在を政府は公にすることは極めて稀である。その理由が女尊男卑の時代が提唱され続ける事だ。女より強い男は存在しない、男は女よりも弱いという概念が当たり前となっている時代、故に各国の政府は男性に適合するライブメタルの存在を公には出来ないのである

 

「ふぅん…あっ!そうだ!聞いてよ!ダーリン!一夏ってば、あたしを貧乳呼ばわりしたのよっ!?」

 

「なに…?少しだけ待っていろ、小鈴」

 

「どうしたの?ダーリン」

 

「今直ぐに織斑の関節全てを脱臼させてきてやろう」

 

「えっ!あたしの為にそこまでしてくれるのっ!?嬉しいわ!ダーリン!でも大丈夫よ!悪口の借りは試合で返すわ!」

 

「……你明白了吗(分かった)。お前が其れで構わないのなら、オレ様は手を出さん。可担(ただし)、無理だけはするな」

 

「無問題……と言いたいけど、我明白(分かったわ)。無理をしない程度で一夏に勝つわ」

 

「期待している」

 

頼からの激励を受け取り、特徴とも言える二対のツインテールを揺らし、八重歯を見せながら笑うと鈴は保健室を去る

 

『ふふっ、本当にアナタは鈴が大切なのね?頼』

 

「聞き耳を立てるとは随分と無粋な真似をしてくれるな?紅玉よ」

 

突如、聞こえた声に頼が皮肉を交えた様に呼び掛けると彼の左耳に身に付けた赤いピアスが発光し、ライブメタルの紅玉へと姿を変える

 

『ウフフ、ごめんなさい。ついつい聞き耳を立てちゃうのよ』

 

「貴様は変わらんな。今も昔も無粋な世話焼きだ」

 

『ふふっ、アナタは変わったわね。昔からは想像も付かない程のオレ様気質に。私や鈴は慣れているから構わないけど、他の人は良い気分しないのではないかしら?』

 

「ふんっ、オレ様は誰からの指図も受けん。その理由は貴様も理解しているだろう。其れは、オレ様こそが伝説であるからに他ならない」

 

『そうだったわね。是、失言』

 

「其れで、要件は何だ。態々、世間話をする為に出てきた訳ではあるまい」

 

妖艶な声色で笑う紅玉を相手に、顔色を変えない頼は僅かに両眼を険しく細め、問いを投げ掛ける

 

『この学園に邪悪な気が迫っているわ。其れが何かは解らないけど、もしかすると……アナタが探す“ヤツ”かもしれない』

 

「………原来如此啊(なるほど)、確かに邪悪な気を感じる……しかし、この気は“ヤツ”では無い」

 

『そう、其れは残念ね。其れで?頼。どうする?』

 

「決まっている……如何なる者が相手でも容赦はせん、故に我不迷」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、迎えた試合当日。闘技場では二組の代表である鈴と一組の代表である一夏が向かい合っていた

 

「逃げずに来た度胸だけは褒めてあげるわ。光栄に思いなさい!その度胸に免じて、日々精進し、今も尚、勇往邁進するあたしの本気を魅せてあげるわ!」

 

「出来れば…手を抜いてもらいたいとこだけど。俺も真剣勝負で手を抜くなんて真似は出来ない、全力でぶつかり合ってこその真剣勝負だ。胸を借りるぜ!鈴!」

 

「掛かって来なさい!死なない程度に殺してあげるわっ!」

 

『其れでは両者!試合開始!』

 

試合開始宣言と共に両者が地を蹴り、機動力の高い鈴が先制攻撃を仕掛けるも一夏は負け時と防御体制を取る

 

「おぉ!一夏のヤロー!アレをガードしやがったぜ!」

 

「浅はかだな、フロックハートよ。あの程度の初撃であれば、誰にでも躱せる。小鈴の本領発揮は此処からだ」

 

「ああ?どういう意味だ?そりゃ」

 

「な、なんだあれは…!?」

 

不敵に笑う頼の言葉に疑問符を浮かべるセオドアの隣に座っていた箒が叫んだ。その視線を追い、闘技場に視線を動かすと両膝をつく一夏の姿があった

 

「一体、何がどうしたってんだ!?ありゃあ!」

 

「恐らくは衝撃砲ですわ。空間全体に圧力をかけて砲身を生成余剰で生じる衝撃自体を砲弾化して撃ち出す。わたくしのブルー・ティアーズと同じ第三世代兵器ですわ」

 

「マジかよっ!?見えねぇ攻撃って事じゃねぇかよ!」

 

这是正确的(その通りだ)……と言いたい所ではあるが、衝撃砲「龍砲」は砲弾も砲身も視認出来ない事が特徴だ。其れを躱す事等、本来であれば、不可能。然し、ヤツは多少の危うさは見られるが、此れを躱すとは……やはり、あの男…織斑一夏という男は侮れんな」

 

鈴の放つ絶え間亡き砲撃の嵐、一夏は躱しながらも決定的な瞬間を狙っていた。持ち得る武器は「雪片弍型」と呼ばれる刀のみ、かつて、この刀を相棒にISの世界大会「モンド・グロッソ」で優勝を決めた最強のIS使いが存在した。その名は織斑千冬、「ブリュンヒルデ」と呼ばれた一夏の姉である

完璧な姉と不完な弟、世間は彼等をそう呼び、一夏を蔑んだ。しかし、彼は唯一無二の力を身に付け、時の人となった。だからこそ、負けたくない。負ける訳にいかない、湧き上がる闘志が彼の気を昂らせる

 

「鈴」

 

「何よ?」

 

「俺も本気で行くから、魅せてくれよ?お前が言う格の違いってヤツを!」

 

这是自然的(当たり前じゃない)!身の程を知りなさいっ!一夏っ!!!」

 

「うおおおおっ!」

 

鈴と一夏、二人の拳がぶつかり合い掛けた瞬間、闘技場内を突然の異変が襲った。耳を劈く様な轟音が響き、黒煙が立ち込める

 

「な……なんだ?何が起こって……」

 

「一夏!試合は中止よ!直ぐにピットに戻って!」

 

「鈴はどうするんだっ!?」

 

「あたしは時間を稼ぐわっ!」

 

「女を置いてそんなこと出来る訳ないだろっ!」

 

「馬鹿っ!今は女とか、男とか、そんな事言ってる場合じゃないのよっ!」

 

『所属不明のISと認識。ロックされています』

 

襲撃者である機体は所属不明であり、更に狙いを鈴と一夏に定めている。二人目掛け、高エネルギー反応を示す高出力ビームが放たれる

 

「あぶねぇっ!!」

 

「小鈴!織斑!後方に退避っ!!!」

 

瞬間的に放たれた的確な指示に従い、高出力ビームが直撃する寸前に鈴と一夏は後方に退避する。彼等と入れ替わる様に闘技場内に、その者は姿を現す

 

「闘いとは拳と拳をぶつけ合い、己と他者が繋がり合う神聖なる遊技。其れを穢そう等と……是即ち万死に値する。貴様に処方する薬は唯一つ、其れ即ち敗北也。その眼に焼き付けよ、我が圧倒的強さを」

 

特徴とも呼べる白衣を棚引かせ、襲撃者を冷たい視線で見上げる少年。彼の名は道頼苑、伝説と呼ばれし医師也

 

「我が身に宿る炎は、烈火の如く……紅玉招来!!!」

 

その言葉と共に左耳のピアスが光を放ち、赤い鳥へと姿を変化させ、頼の体を覆う様に装甲を展開させる

 

「この命ある限り、愛しき者を守り抜く。故に我不迷」

 




今、明かされる頼の本気。其れ即ち身を焦がすほどの炎の力也
果たして、闘いの果てにあるものは…?

「如何なる者が相手でも容赦はせん、故に我不迷」
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