好吃!酢豚は恋の味。   作:田中滅

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面白いサブタイトルを付けるつもりは無い、でも内容はギャグ仕様に仕上がっている。其れがこの作品である


第六集(第六話) 转学学生(転校生)

「諸君おはよう。ホームルーム前ではあるが、転校生紹介の為に少しの間ではあるが、教室に御邪魔させて貰うことにした」

 

「千冬姉は何時からバイオテクノロジーで生み出された人造人間になったんだ?」

 

「そーいや、あの漫画が原作の最新作映画が公開されてるらしいぜ?どーよ、一夏。放課後に観に行かねぇか?」

 

「マジでっ!?よしっ!そうと決まれば、俺が推してるキャラのグッズを持って行くぜっ!」

 

「おめぇが推してるキャラ?誰だ?」

 

「決まってんだろ?戦闘力5のおっさんだ」

 

「そんなモブが出てくる訳ねぇだろ」

 

「んだとコラァ!戦闘力5のおっさんを舐めんなよっ!あの人は、サイヤ人にも立ち向かう勇気を持ち合わせて----おごっ!?」

 

「うぎっ!?」

 

千冬の話を他所に、有名漫画の映画化で盛り上がる一夏とセオドアの頭上に伝家の宝刀(出席簿)が振り下ろされる

 

「静かにしろ。次は出席簿の角ではなく、六法全書の角を喰らわすぞ」

 

「「ず……ずび……ば…ぜ…ん…」」

 

(阿保か、アイツは…)

 

(本当に英国生まれですか……あの馬鹿猿は…)

 

頭に瘤を作りながら、床に転がる其々の幼馴染を傍観していた箒も、セシリアも呆れた眼差しと共に重いため息を吐く

 

「山田先生。この馬鹿二人は無視して、転校生の紹介を頼む」

 

「は、はい。ええとですね、驚かないでくださいね?今日はなんと!」

 

「「ええっ!?」」

 

「まだ何も言ってませんっ!実はですね!」

 

「「ええっ!?」」

 

「やかましいっ!!!」

 

「「おごっ!?」」

 

転校生紹介をしようとする麻耶を遮る様に、驚きの声を挙げる一夏とセオドアの頭上に六法全書という名の更なる一撃が見舞われ、完全に無力化される

 

「こほん……転校生を紹介します!しかも四名です!」

 

「「ええええっ!?」」

 

四人の転校生という事実に生徒達が驚愕の声を挙げる。其れに導かれるように金髪の美少年、燻んだ金髪を肩の辺りで切り揃えた少年、一輪の薔薇を携えた左眼を隠すような前髪が特徴的な好青年、眼帯を身に付けた銀髪の少女が教室に姿を見せる

 

「「失礼します」」

 

Guten Morgen(おはよう)!諸君!この美しさの体現者である私のクラスメイトとなる喜びを噛み締めたまえ!」

 

「黙れ、ドイツ軍人の恥め」

 

「ふっ、嫉妬かい?いけないよ?いくら、私が美しすぎるからって」

 

((へ、変な人がいるっ!!!))

 

「ドイツ代表候補生のラウラ・ボーディッヒさんと目付け役のマティアス・シュレンドルフくん、フランス代表候補生のシャルル・デュノア“くん(・・)”と家庭教師のシュヴァリエ・ランバージャックくんです!」

 

((普通に続けたっ!!!麻耶ちゃんのメンタルすげぇ!!!))

 

此れ以上の遅れを取りたくない麻耶は生徒達の騒めきには目も暮れず、冷静に転校生達の紹介をする

 

「シャルル・デュノアです、フランスから来ました。此方に僕と同じ境遇の方がいると聞いて、転入してきました」

 

「同じく、フランスから来たシュヴァリエ・ランバージャックです。役職的にはデュノアの家庭教師を務めますが、皆様の勉学のサポートもさせていただきますので、分からない事は何でも聞いてください」

 

「男子!男子だわ!織斑くんみたいに典型なラノベ体質、フロックハートくんみたいな筋肉馬鹿、道くんみたいなオレ様系医師とは異なる守りたくなる美形だわ!」

 

「母性が騒ぐわっ!」

 

「しかもそれがうちのクラスだなんて!」

 

「男子だとっ!?くそっ!俺の唯一のアイデンティティである操縦者の立場が無くなるっ!」

 

「まあまあ、落ち着けよ。こういう時は喧嘩すりゃいい!」

 

「な、なるほ……って!意味わかんねぇよっ!?納得しかけたじゃねぇか!!!」

 

「困った時は喧嘩!これが俺が生きるに当たって、身に付けた術だぜっ!」

 

「どんな人生を送ったら、そんな脳筋思考になるんだっ!!!」

 

「騒ぐなっ!」

 

「「ごばっ!?」」

 

二人目の男性操縦者の出現に唯一の存在であった筈の自分の立場が危うくなると感じた一夏と彼に喧嘩の必要性を解くセオドアの頭上に三度、六法全書が振り下ろされる

 

「次は私か……私こそ!誇り高きドイツ軍が誇る聡明かつ美の化身であるマティアス・シュレンドルフだ!ああ…美しいとは罪だね、今この瞬間も私の美しさは揺らがないのだから」

 

「私はラウラ・ボーディッヒ。一つだけ、言っておくが国が同じでも、私とコイツは微塵の関わりもない赤の他人だ」

 

「何を言う、キミと私は互いのホクロの数を知り合うくらいの仲ではないか」

 

「誤解を招く言い方をするな。ブルストで殴るぞ」

 

「変な人だけど、あの人も美形だわ!」

 

「そうね!変な人だけど!」

 

「………貴様が」

 

マティアスの言動に女子達が盛り上がりを見せる中、一夏の存在に気付いたラウラが彼の方に歩み寄る

刹那、破裂音にも似た何かを叩く音が響き渡った

 

「いきなり何しやがる!」

 

「いきなり団子は美味え」

 

「セオ。貴方は黙ってなさいな」

 

「私は認めない、貴様があの人の弟であるなど……」

 

自分を叩いたラウラに異議を唱える一夏の隣で、熊本県名物いきなり団子を貪るセオドアの頭をセシリアが叩く。しかしながら、ラウラはその光景に目も暮れず、真っ直ぐと一夏を見据える

 

「認めるものか!!」

 

「なんだと!俺は正真正銘、千冬姉の身内だ!ほら見ろ!この住民票と戸籍謄本を!あと血液検査の診断書もある!なんなら、今から二組の道頼苑に検査をしてもらってもいい!だよな?頼」

 

『貴様には常識が無いのか?オレ様の貴重な時間を無駄にするな。貴様等、中華料理店の油まみれの床で転んでしまえ』

 

「ひぃぃぃぃ!怒ってらっしゃる!!!」

 

ラウラの発言に対し、千冬の身内である事を証明する為に一夏は持参した住民票と戸籍謄本、血液検査の診断書を見せ付け、更に二組の頼へと電話を掛ける。だが、授業を邪魔された彼は怒りを含んだ声色で物騒な事を口走り、一夏に恐怖を植え付けた

 

「待て!!」

 

「なにかな?Dame(お嬢さん)。この私を呼んだかい?」

 

「いや、呼んでない。私はボーディッヒを呼び止めたのだ」

 

「ふっ、照れているのか?仕方ない、何せ私は美しすぎるからね。ああ、やはり私の美しさは罪らしい」

 

薔薇を片手に美しさという名の自慢を振りまくマティアス。一方で箒は素早い動きで、自分に詰め寄り、腰からナイフを取り出すラウラの腕を掴み、投げ飛ばすが、負け時と見事な受身を取ったラウラは追随する

 

「「アイキ」か……面白い!」

 

「篠ノ之流だ!!来いっ!」

 

ぶつかり合う二人の少女、一触即発かと思われた瞬間。間に一輪の薔薇が飛来する

 

「武人ならば、決着は戦いで付けたまえ。其れにボーディッヒ少佐、キミは我が祖国の恥を晒すつもりかい?此方のDame(お嬢さん)が怒りを買う行動をしたのは、キミだろう。非礼を詫びたまえ」

 

「ふんっ、階級が上だからと上官面をしないでもらおう。私の上官は今も昔も、織斑千冬教官だけ」

 

「篠ノ之さんと言ったね?ボーディッヒの非礼を詫びさせてくれ、すまなかった」

 

「人の話を聞けっ!!!このナルシストっ!」

 

背後で騒ぐラウラを放置し、マティアスは箒に一連の騒動による非礼を詫びる。ラウラは千冬により、無力化され、シャルルの面倒を見るように促された一夏は彼に歩み寄る

 

「初めまして。俺は織斑一夏だ」

 

「よろしくね、織斑くん。色々と教えてね」

 

(………か、可愛い!なんだこの生物は!男なのに可愛いだと!?いや駄目だ!俺には箒が!)

 

笑いかけるシャルルの可愛さに何かに目覚めそうになる一夏であったが想いを寄せる幼馴染の事がよぎり、混乱状態に陥る

 

「織斑さん。少しの間、デュノアをお借りしても?」

 

「ん?構わないけど…、えっとランバージャックだったよな」

 

「はい、シュヴァリエ・ランバージャックです。長いので気軽にヴァリーと呼んでいただいて構いませんよ」

 

「分かった、改めてよろしくな、ヴァリー。其れで?デュノアに用事……あれ?デュノアは?」

 

和やかな雰囲気を見せるヴァリーと挨拶を交わす一夏はシャルルの姿が見えない事に気付く。刹那、ヴァリーの雰囲気が豹変する

 

「良い度胸ですね?シャル。僕から逃げようとは……今日の内容は問題集八冊とこの有名ファンタジー小説全七巻の読書感想文にします」

 

「ひぃぃぃぃ!君は悪魔だ!大魔王だ!」

 

「………あと日本での食事マナーレッスンも追加ですね」

 

「いやぁぁぁぁ!ごめんなさい!許してください!」

 

楽しそうな笑顔で課題を追加していくヴァリー、彼に縋り付くように涙目を浮かべるシャルル。一夏達を筆頭に誰もが思った

 

((シュヴァリエ・ランバージャック……恐ろしい子っ!!!))

 

「一夏のクラスは騒がしいわね」

 

「全くだ。我がクラスを見習うべきだ」

 

「流石はダーリン。良い事を言うわ、アンタたちもそう思わない?」

 

「「仰る通りです!鈴隊長!」」

 

道頼苑親衛隊と書かれた鉢巻を巻いた女子生徒が鈴の問い掛けに同意する

 

「小鈴よ、此奴らは何者だ?其れにお前は何時から、隊長になった?」

 

「無問題、ダーリン。この子達は皆、ダーリンと私の仲を応援してくれる味方よ。其れ即ち、親衛隊(ファン)也」

 

「ならば、会很好(良かろう)

 

((良くねぇよ!!というかいつから居たっ!!!あと小さいのに態度がデケェ!!!…)))))




新しいクラスメイトに浮き足立つ女子生徒。しかしながら、二組の道頼苑親衛隊はそれを黙って見過ごさない!まさかの推し戦争勃発?

「美しさが罪なのではない、美しすぎる私が罪なのだ」
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