マシュマロください
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後、進学ルート1話書いて寝ます。
「うーん、わかってたけど殺意高いね」
「絶対逃さないって意志を感じる……。す、傑くん、大丈夫?」
「それなんですけど、もう片腕だと限界です。師匠」
「ちょっと目立つけど、やるっきゃないか」
「うん! 治療、がんばろー!」
「「「おー!」」」
昼間、誰もいない森の中の少し開けた広場で、準備をする。
今日ばかりは、目立つよう、よく見えるように白い布の上に立つ。
ついでに、五条袈裟を着てみた。
未来の自分と敢えて同じ姿を取る事により、自分への戒めをしたかったので決して割と似合っていたからではうんぬんかんぬん。
「【遥けき大きな物。偉大なるもの……】」
師匠が呪文を詠唱していく。呪文というか、ひどく曖昧な言葉で「それ」に呼びかけていく。
別に何語でもいいし、なんなら詠唱無詠唱、手振り身振りも関係なくて関係ある。
それは、呪文とは全て「それ」に対するアプローチだからだ。
言うなれば、我らはコップを持った小さな妖精で、「それ」は遥かに遥かに大きな滝の生き物である。
滂沱と流れる水流の中、必要なのはコップに入るたった1滴2滴の水滴のみ。
近づきすぎれば水に溺れ、あるいは水を注がれすぎて破裂する。
かといって、遠すぎれば当然水は手に入らない。
大声で呼んで気づいてもらって、なんてしたら振り向かれた瞬間に死んでしまう。
なので、自分の事かな? 気のせいかな? くらいのラインを調節する。それが難しいのだ。
許可をとる、意思を確認する=相手に意思を向けられる、なので自然魔術師達は盗人となる。
ただし、不文律がある。
それは、悪い事には使わないという事。
だってそうだ。
意思を軽く向けられるだけでも厳しいのに、怒りになど世界が耐えられるかわからない。何が起こるかわからないから、極力刺激は避ける。当たり前のことだ。
そもそも、そんな危険すぎる魔法は使うなという正論は置いといて、とにかくそういうわけなのだ。
直、神術は当然のように禁術である。当たり前だ。
ーーいせかい? いせかい。
何故なら、たまにこのようなことが起こりうるから。
「!!!?????」
チラッと見られた。意識を向けられた。
凄まじい圧迫感に襲われる。
力の本流があっという間に私の腕を生やした。
しかし、それだけでは足りない。圧倒的に足りない。破裂する……っっっ
「傑くん! 傑くん! 気をしっかり持って! 魔力を散らして!!」
師匠が力の本流を捻じ曲げていく。
力が変換されて染み渡っていく。
少しでも、力を使わないと。
師匠が私の体に何か呪文を掛けて力を散らしているみたいだけど、とても足りない。
10年後、10年後を悟と一緒に迎えたい……!!
強く願って、気がつけば私達は倒れていた。
「うう、大丈夫? 傑くん。ママン」
「はい、大丈夫です、師匠。輪廻さんは?」
「わ、たしも大丈夫……」
辺りはすっかり暗くなっている。
「うわ、呪専に連絡入れないと。悟心配してるかな」
ひとまず悟に電話を入れる。
「……もしもし? 悟! 遅くなってごめん。寝ちゃってたみたいで……今から帰るよ」
『は? 10年寝てたとでもいうわけ? 本当に傑?』
「は? 10年? 何それ。ちょっと待った……間違い電話です」
『ふざけてんの? まさか本当に寝てた? 呪霊にでもやられたわけ? 今どこ。すぐ行くから待ってろ』
「ごめんね悟。ちょっと考えさせて」
電話を切る。
しかし、10年経ってるのによく繋がったな。あ、同じ電話番号の人がいるのかも。
なら、少しは居場所を誤魔化せるのかな?
とりあえず電源切ろう。
「師匠。輪廻さん。どうやら、10年後に飛んでしまったようです」
「ええ!? 何か不味いの?」
「ええ。アパートの家賃が10年滞納で追い出されてる可能性が高いです」
「そんなあ」
「却って都合がいいかもね。姿をくらますには好都合かも」
「空ちゃん……」
「呪詛師サイトとか、調べてあったのでお金は呪霊退治で稼げると思います。それに、今ならば色々介入できるかもしれません」
今なら、不可抗力で呪専にも戻れるわけだし、悟も身を守るだけの権力を得ているはずだ。
選択肢は色々……
「師匠。その牙は? 輪廻さんも」
「神様から送られた力を消費するのに、魔臓器を作ったの」
「つまりヴァンパイアにしたのね」
「うーん、逃げましょうか」
「そだね!」
「そうしましょうか」
そして、私達はそそくさとその場を離れた。
虎杖くん、元気かな。もう指は食べさせられたのだろうか。
灰原と七海が無事だといいのだが。