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携帯を取り出して、傑の名前が書かれていて、目を疑った。
ついに、傑は捕まって、呪詛師からでも勝利宣言されるのだろうか。
何かの罠の可能性が高い。
それとも。
それとも、傑は生きていて、ほとぼりが冷めただろうと、あるいは困り事があって、連絡をして来てくれたのだろうか。
希望的観測だ。
傑は死んでいて、これは罠という可能性が大きい。
呪力で耳をガードして電話を出る。
『……もしもし? 悟! 遅くなってごめん。寝ちゃってたみたいで……今から帰るよ』
「は? 10年寝てたとでもいうわけ? 本当に傑?」
止まった思考と裏腹に、口は傑を問い詰める。
偽物に決まってる。なんだ寝てたって怪しすぎるだろ。いや、でも声は傑だ。
そういえば、傑を監視していたものが、大きな何かの気配を感じたと言っていた。
その途端、止まっていた俺の視界は高速回転した。
ありえない可能性が思い浮かぶ。
子持ちのあの占い師と、和やかにピクニックしてたら呪詛師か呪霊に襲われて、10年眠るというストーリーを。嘘だろ? どれだけ探したと思ってるんだ。
傑ー! 今から帰るってなんだよ!! どれだけ俺が心配したと思って……! お前、それ、とっくに指名手配されてて秘匿死刑の危機なんだぞ! いや、殺させないし、戻れなかったなら仕方ないし、そこは権力使ってねじ込むけど!!!
『は? 10年? 何それ。ちょっと待った……間違い電話です』
あろうことか、傑は無かったことにしようとしはじめた。
こういう所、あの女の影響だよな!
「ふざけてんの? まさか本当に寝てた? 呪霊にでもやられたわけ? 今どこ。すぐ行くから待ってろ」
『ごめんね悟。ちょっと考えさせて』
考えさせてとはなんだ。
五時間ぐらい電話を繰り返して、メールが来た。
『悟。心配させてごめん。子供達を守ってくれてるんだって? ありがとう。呪霊操術は使えなくなったけど、私は無事だよ。面倒臭そうだから姿を隠します。落ち着いたら連絡するよ』
「は!? 片腕で術式を失ってどこが無事なんだよ、ふざけんな!」
電話に出ないのなら、とダダダダダ、とメールを打ち込み、送信前に思いとどまる。
ぐっと我慢した。我慢して我慢して、我慢して。
「早く連絡寄越せ。会いたい。困ったら無理しないで、すぐ相談しろよ」
そう送るだけに留める。
「はあああああああああ」
ため息を吐いてしゃがみ込む。
この間、急病だと言って任務を全て蹴っている。
だが、本当に足から力が抜けた。違う。格好悪言い方を言えば、安堵のあまり10年の緊張がほぐれ、へたり込んでいたのだ。
「……寝よ。一応、風邪ってことになってるし」
傑からも、『ホテル確保できたよ、お休み悟』とメールが来ている。すぐ連絡が来ることはないだろう。
「お休み、傑」
その日は、夢も見ずにぐっすりと眠った。