呪霊じゃないです、神官幼女です。   作:かりん2022

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マシュマロください


占い 後編

 ざわっと何かに見られた感じがして、慌てて周囲を見渡す。

 眠気が吹っ飛んだ。しばらくして、恐る恐る警戒を解くと同時、携帯に着信がきた。

 

『3万円相当の占メールが当たりました! 占い結果をお読みください!』

 

「これ、前に何気なくクリックしたら最悪の占い結果だった奴……?」

 

 先程の気配の後では、宣伝というよりは、何かの罠に思えた。だが、メールに呪力は感じない。そっとクリックする。

 

『対の最強は殺し合いの果てに共倒れとなる。親友を暗闇の箱から救いたければ、〇〇神社にいる死にかけの子犬二匹を××村と△△村までそれぞれ送り届けて、痛めつけられた籠の鳥を合わせて3匹探させなさい。彼らを見つけたらすぐに戻って、拾えた小さな命の数と同じ日数、彼らと閉じこもって災いの嵐をやり過ごしなさい。決して敷地外から出てはダメ。それで2番目の嵐は凌げるでしょう。マリオネットの主に警戒なさい。糸はいつでも貴方を狙っている。貴方が乙女を天使にせずに死なせた故に。対の最強は互いにしか倒せぬ故に。……この占いは人に見せてはいけません。助けになったら、お気持ちをお願いします』

 

 は? 対の最強……親友って、悟のことか?

 〇〇神社にいる死にかけの子犬? 籠の鳥? 意味がわからない。

 私は悟に即座に電話をする。

 

『傑、何? 任務中なんだけど』

「あ、いや。嫌な予感がして」

『は? こんな雑魚、万が一もねーよ』

 

 言われて、私は電話を切り、神社を検索してその神社へ行く事にした。

 初めて、任務をサボってしまった。

 

「瀕死の子犬二匹……帳が貼られてる? 犬ってまさか人か!」

 

 帳を破って、強大な呪霊と相対する。

 

「夏油さん! どうしてここに!?」

「下がれ、灰原、七海!!」

 

 ギリギリ灰原を突き飛ばして助けられた。

 失敗したら死んでいた。灰原と七海を下がらせる。

 でもこいつ、私にとっても強いっっっ

 

「二人とも頼む! この呪霊は私に任せて、××村と△△村で籠の鳥を3羽見つけてくれ! 鳥じゃなくて人かもしれない!」

「なんですかそれ!?」

「そうしないと悟が困るらしいんだ!!」

「夏油さんを置いては……!!」

「良いから行ってくれ!」

「行こう、七海! 夏油さんを信じよう」

 

 二人を見送り、ありったけの呪霊を出す。

 

「帷が破れません!!」

「何!?」

 

 そして、否応なく3人とも産土神と戦闘に入り……次に気がついた時は、悟に抱き上げられていた。

 

「さ、とる」

 

 情けない所を見られてしまった。

 

「産土神は鎮めた。3人ともすぐ高専に連れていく」

「でも、私は行かなければならない所があるんだ」

「後でな」

「急がないといけないんだ」

「腕が吹っ飛んでるんだぞ!」

 

 そして、悟は有無をいわせず、私達を連れて行った。

 硝子から治療を受けて、傷を塞いでもらう。

 

「眠れ、傑。村には人をやる」

「駄目だ、灰原と七海に行ってもらわないと」

「五条さん、僕らいけます」

「我儘言うな、傑」

「何かあったらすぐ連絡しますから」

 

 それから一日。すぐに、傷だらけの幼児が3人、連れられてきた。

 

「虐待された子が3人。これでいーのかよ、傑」

「うん、良かった……5人とも、助けられた。後は、この子達と、灰原と、七海と、五日間呪専から出ないで待たないと」

「何を待つんだよ。良い加減、話せよ傑」

「人に話しちゃ駄目なんだ」

「俺にも関わりあるって聞いたけど?」

 

 こんな明らかにガチな占いに、逆らうつもりはなかった。

 

「ごめん、悟」

「ほんとだよ。良い加減、寝ろよ。五日といわず、半月は休んどけ」

 

 私は頷き、眠る。

 気がつけば、一週間経っていた。

 

 

 幼児達に纏わりつかれながら、メールを見て、悩む。

 なお、この子供達は私が面倒を見る事にした。呪専でサポートしてくれるというし、このまま放り出すのはあまりにも無責任だ。

 

 占いサイトの名前で検索すると、知る人ぞ知る、コアなファンの多い占い師のようだった。

 ただし、何度も占うと災いが降りかかるということで、本格的な占いは多くても二回までしか占えないらしい。何かの縛りだろうか。あの気配は呪力を感じなかったけれど……。

 

 二度目の嵐。一度目の嵐は、やはり理子ちゃんを死なせた事だろうか。

 乙女を天使にせずに死なせた。その罪で、狙われるという事だろうか。

 

 天元様の同化が出来なかったことで、私と悟に敵ができたということだろうか。

 

 占いサイトを見てみる。占いの意味は、問うてもわからないのだという。

 何か、大いなる意志のお告げだからとのことだった。どうやら宗教系らしい。

 とりあえず、命を救われたのだから、3万円は振り込む事とした。

 

 幼児達を撫でながら、占いの依頼について考える。

 

 二度目の占いは、よく考えるように書かれていたからだ。

 

 マリオネットの主について聞いておくべきだろうか?

 悟が暗闇の箱に閉じ込められる、これをするのはきっとマリオネットの主人だろう。

 最強を倒せるのは最強だけ。私は、悟の隣に立てているという事だろうか。

 今、私の腕はないから、もう最強ではないだろうか。

 

 悩んだ末に、占いなんてなくて当たり前なのだから、ないよりマシくらいに考えようと開き直った。

 大体、常に狙っているなんて占われたら気にしてしまう。

 これを聞かずして何を聞くのだ。

 丁寧なお礼文と共に、占いの依頼をメールする。

 相手は十中八九呪術師だろうが、念の為詳細は伏せて、腕は失ったけど小さな命は5つ救えた旨を書く。

 ダメもとで、会ってみたいとも。

 意外な事に、返事はイエスだった。

 失ったのが左腕だとしたら、運命を変えた代償だろうとも。

 本当に左腕なのでびっくりした。

 とにかく、私は会う事になった。

 

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