早々に分岐すみません。
マシュマロください
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自主退学 前編
「夏油さん! これ、呪具だったなら言ってくれないと!」
「呪具師になるんですか、夏油さん!!」
「ふふふ、ありがたい神様のお守りなんだ。効果あったろう?」
後輩二人のヘルプに出て、二人に詰め寄られて、にっこりと笑った私は、脂汗をかいていた。
このお守りの効力は、一定以上の攻撃を加えられそうになったらマヌーサ的なものである。
つまり、また。また、この二人は死にかけたのだ。一級呪霊は手に入ったけどね。
「それより、また等級違いの任務だね?」
「ええ。よくあることです」
「ないよ!」
そうして、お守りを出す。
「変な依頼を受けたら、私に教えてくれ。こっちでも記録につけておこう」
悟が馬車馬のように働かされている一方、私の仕事は若干減っていた。
怪我が理由ではない。単に、このまま排除できるのではというのと、占いを警戒しているのだと思う。
虎杖悠仁の母を訪ねた時も、既に逃げた後だった。
普通、占われたかもしれない程度で逃げたりはしないだろう。
相手が用意周到すぎて恐ろしい。
とはいえ、そのうちだが、方針は過労死にシフトしそうな気がする。
今は片腕だから、私本体はどうしても弱い。倒しやすいと言えば倒しやすい。
いま思えば、ノコノコ向かったところを反撃されなくて本当に良かった。
「ちょっ もらえませんよ。高価すぎます」
「そうですよ、夏油さんだって今は片腕なんだから、必要なはずです」
「それなんだけど、呪術師やめようと思って。片腕だときついだろ?」
このままだと、任務で合法的(?)に殺されてしまう。
未来を覗き見た時、実を言うと任務中に殺されて死体を回収される事も何度かあった。
どちらにしろ、病むまで任務漬けにされてしまうのはほぼ確定の未来だ。
しかも在学中。卒業させろよ、クソが。
いや、悟が当主になって力を持ったら困るのか。困った。
悟もおそらく殺す前提での任務漬けのはずなのにケロッとしてるのは本当に、なんというか……。
そう言ったら、師匠に慰められた。
「やめて呪具師に?」
「んー。悟が、宗教に嵌ってないかって言ってただろ?」
「ええ、まあ」
「実はそうなんだ。当たるって評判の占い師さんが宗教団体を立ち上げるからさ。そこに行ってお守り作ろうかなって」
「一般の人に販売すると言うことですか? 呪術規定は?」
「それ、呪具じゃないって言ったよね」
「確かに、呪力はほとんど感じないですよね」
「だろう? 値段も千円くらいにするつもり」
「ええっ!? 安くないですか!?」
「正気ですか」
「まー。占いに命を救われたわけだし、助けられた分、手助けしたいかなって」
「……助けられたのは、私達ではないですか。夏油さんは、腕を失って……」
「実はさ。悟と殺し合いする運命の遠因になるだろうって出てたんだ。鳥と犬。だから、私の命も救われたであってるんだよ。悟もね。あっこれ内緒ね」
「想像がつきませんが」
「私はその占いを信じてるし、感謝してる。悟と喧嘩になるのも嫌だし、だから私は呪術界を去るよ。たださ、これからも友達ではいてほしいかな。それに二人も、呪術師だけが人生じゃないって考えておいた方がいいよ」
「術師以外の人生……いいんでしょうか。五条さんがすごく忙殺されてますが」
「夏油さんが友達……わかりました! ずっと友達でいましょう!!」
「私の子達が高専の年齢になったら、手助けしてほしいな」
「ええ、それくらいなら」
「むしろ僕が助けられちゃいそうだね!」
「それと。お守りを在学中に五つ使ったら、悟派と目されて攻撃されている可能性がある。悟がある程度権力を握るまで呪術界から離れろ」
ボソリ、と告げる。
二人は、真剣な顔をして、頷いた。
「変な話をしちゃったね。食事に行こうか」
そして、私は悟と硝子にメールを送った。
『呪術師、やめる事にしたよ。今日の任務でちょっとヒヤッとしてね。七海と灰原と昼食食べたら、先生に言いに行く』
『先生に言った後、部屋で待ってろ。そっこー任務終わらせていく』
『そっか。わかった。腕、治せなくて悪い』
それから、先生に伝えて、部屋で悟を待つ。
悟が帰ってきたのは深夜の3時だった。あれから任務が更に入ったらしい。お疲れ様。