「とりあえず千滋様。私は諸事情で坊ちゃんと契約したとご理解してください。」
「分かった。後、様は付けなくていい」
「分かりました。なら千滋さんと呼びます。」
とりあえず千滋は敵ではない。なので話を続けることにした。
「シエル達は例の薬はどんな物かどこまで分かってる?」
千滋の問いにシエルとセバスチャンは答える。
「飲んだら血を欲しがる吸血鬼のような症状が出るってあったな」
「そして中には灰になった者もいるとありました」
「そこまで知っているなら言えるな。その薬の名は「変若水」だ」
「オチミズ?」
疑問符を浮かべるシエルに千滋は教える
「西洋では「エリクサー」って呼ばれてるな。だが俺たち鬼からすれば偽物。あれはまがい物を作るふざけた薬だ」
「まがい物?」
「坊ちゃん。鬼は私と同じく超人的な身体能力を持ち、怪我をしてもすぐに治せるんです。おそらくそれを知ったバカな人間が作り出したのでしょう」
セバスチャンの説明にシエルは納得した。飲んだら吸血鬼のような症状が出る。確かに鬼たちからすればまがい物だ。
「それで灰になる理由なんだが実際には数十年間に少しずつ消費していく一生分の生命力や治癒能力を一気に消費しているに過ぎない。それを過ぎれば灰になるんだ。だから鬼たちは変若水の存在や作った奴が分かればすぐに処分する掟が出来たんだ」
「………鬼からすればいい迷惑だな」
シエルの言葉に「そうだろ!?なのに幕末で分家の奴がなー」と愚痴を言い始めた。分家に当たる鬼が掟を破り、変若水(しかも改良したもの)を作ってしまったとのこと。昔の鬼たちは迷惑を被ったそうだ。
「千滋さん。愚痴を言いたい気持ちは非常に分かりますが……(汗)」
「あ」
いつもシエルの我儘に突き合わさせるセバスチャンに言われ、千滋は止まった。
「とりあえず千滋。そいつらに弱点はあるのか?」
「まがい物でも生きているからな。斬首したり、心臓を突き刺せば死ぬ。それと銀がダメだ。」
「銀?」
「というと?」
千滋はなぜ銀がダメなのかを教える。
「まがい物からすれば銀は毒だ。だから大量の銀を買い、とても頭が良く、研究できる大きな家がある奴がとても怪しい」
「なるほど。銀を弾丸にしたり、部屋の周りに撒けばそいつらから自衛できる。薬を作れるほど頭が良く、研究施設があれば物凄く怪しいな。よし、セバスチャン。命令だ。今言った物に該当する奴らを探し出せ」
「
セバスチャンは千滋が言った物に該当する人物を探すために屋敷を出た。
「千滋。お前が来てくれて助かった。これで女王陛下の憂いもすぐに晴れるだろう。」
「別にいい。お前たちが居てくれてこっちも助かった」
千滋は変若水や飲んだ者の弱点を教えてくれた。シエル達はこうして該当する人物を探してくれている。お互い助かっているのだ。
「あ、滞在するんだったら使用人たちに紹介しないとな」
「丸眼鏡メイドと蛇を連れた奴の他にどんなやつが居るんだ?」
「他は家令と料理長、庭師だ」
良かった!セバスチャンの決め台詞出せた!出せるか不安だったんですよ!