「さてと。バルド。焦げただけで済んだ食材なんだ?」
袖が邪魔にならない様にたすき掛けをした千滋は、あの爆発の中でギリギリ大丈夫だった食材を確認する。
「挽肉と野菜類は大丈夫だったぜ」
肉の塊は爆発したため、炭になってしまったがそれ以外は大丈夫だった。
「野菜は
「「「挽肉ボール?」」」
「なんですの?ってエミリーが言っている」
聞いた事もない名前に使用人たちは疑問符を浮かべる。
「まず馬鈴薯を茹でて潰すぞ」
「あ!それ僕やりたいです!」
ハイハイと手を上げるフィニ。見た目に反して怪力なのだ。
「じゃあ頼んだ。茹でている間に野菜類を切って、パンを水に浸して柔らかくするぞ。バルドは玉葱をすりおろしてくれ」
「「「「はーい」」」」
じゃがいもを茹でている間に玉葱をすりおろし、他のじゃがいも、人参、パセリを切っていく。しばらくしてじゃがいもが茹で上がった。
「わーどろんこ遊びみたーい!」
「それじゃパンの水気をしぼって…」
千滋はぎゅううぅぅぅ…とパンを絞る。
「それでフィニが潰した馬鈴薯に挽肉、パセリ、玉葱にパン。適量で塩コショウだ。よく混ぜたら親指ぐらいのボールにする」
「面白そうですだよ!」
メイリンの言葉に「そうだな」と千滋は頷く。全員でボールを作っていく。
「メリケン粉を薄くまぶして熱湯に入れる。スネーク。ボールが浮かび上がったら掬い取ってくれ。後茹で汁は使うから捨てちゃ駄目だから」
「分かりました。ってキーツが言っている」
お玉を渡した後、千滋は真剣な表情で言う
「バルド、火力上げるなよ。上げたら夕飯なしだからな。火力上げるなよ」
(2回言った)
(2回言った)
(2回言った)
(2回言ったってワイルドが言っている)
其の間に千滋は色付けに使うカラメルを作る。
「千滋、茹で上がったわよってエミリーが言っている」
「よし。次は
「わかったってオスカーが言っている」
スネークは言われた通り、その鍋にゆで汁を入れる。
「そして塩コショウ、俺が作ったカラメル、皆が用意してくれた具(挽肉ボール、人参、馬鈴薯)を入れて煮込めば……」
暫く煮込むととても美味しそうな匂いが広がる。それを見て使用人たちはパァっと笑顔になる
「シチューだ――――!!✨」
「美味しそうですだよ!!」
「ちくしょう負けた!」
「早く食べてぇな!ってワイルドが言っている」
「ほっほっほっ」
「それじゃ味見するか」
千滋は人数分の小皿にシチュー少量を入れ、皆と味見をする。
「わぁ美味しいですだ!」
「ホント美味しいです!」
「うーんマジでうまい」
「これだったらスマイルに出しても大丈夫よってエミリーが言っている」
「ほっほっほっ」
「それは良かった」
こうして出来上がった「本日の夕食・挽肉ボールシチュー」。ちなみにシエルの評価は……
「……まあ美味い方だな」
だった。(いつもセバスチャンの美味しい料理を食べているので仕方がない)